住宅会社の「標準仕様」を見極める方法|「せやま標準仕様」19項目を徹底解説

標準仕様を比較する方法は超簡単。「せやま標準仕様」をチェックするだけです。記事を読む前に、「せやま標準仕様」が記載された「せやま基準一覧表」をダウンロードしておいてください。
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目次
標準仕様をごまかす住宅会社が多すぎる
標準仕様とは、見積に含まれている仕様のことですが、これをごまかす住宅会社が多すぎます。
契約をとるために、なるべく安い見積にしたい気持ちは分かりますが、網戸なし、食器棚なし、照明なし、カーテンなし、浴乾なし、食洗器なし…って、逆に何が入ってるんですか?と聞きたくなるレベルの会社も結構あります。
と、文句言ってても仕方ないので、自己防衛しかありません。施主自身でしっかりチェックできる知識を身に付けましょう。知識といっても、「せやま標準仕様」をチェックするだけなので、全然難しくありません。ご安心を。
【結論】住宅会社の「標準仕様」を見極める方法
住宅会社の標準仕様を見極める方法は、「せやま標準仕様」をチェックするだけです。
<標準仕様チェック項目一覧>
①住宅設備の標準仕様
②照明・カーテン・収納・コンセントの標準仕様
③外観・内観デザインの標準仕様
④保証工事アフターの標準仕様
⑤付帯工事の標準仕様
①住宅設備の標準仕様
住宅設備は、契約後の追加費用が跳ね上がりやすい項目です。必ず、契約前に確認を。
キッチンやユニットバスは、住宅会社ごとに推奨メーカーが決まっていて、それ以外のメーカーを選ぶと割高になります。なので、早めに住宅会社推奨メーカーを確認し、希望通りのキッチンやユニットバスが標準仕様なのか?を確認するようにしましょう。
また、意外と忘れやすいのが、トイレの自動開閉・洗浄機能。完成して初めて、「レバー洗浄タイプだった…」と知り、ショックを受けた人もいます。もれなく、確認するようにしてください。
関連記事:「住宅設備(キッチン/ユニットバス等)」の標準仕様チェックポイント|推奨グレード紹介
②照明・カーテン・収納・コンセントの標準仕様
照明・カーテン・収納・コンセントは、単価は低いけど「チリつも系」の項目です。
照明・カーテンは、オプション扱いの住宅会社が多いので、注意しましょう。契約前に交渉すれば、サービスでいれておきます!なんていう会社も多いようですし。そんなんなら、最初から入れとけよ!と言いたくなりますけど、まーいいでしょう。
また、意外と費用が跳ね上がるのが、収納関係です。収納内の棚板やハンガーパイプの選択肢は必ず確認しておきましょう。特に、ウォークインクローゼットは、自由に選ぶと10万円以上の追加オプション費用がかかる場合があります。
関連記事:「照明・カーテン・収納・コンセント等」の標準仕様チェックポイント|推奨グレード紹介
③外観・内観デザインの標準仕様
デザインの標準仕様まで契約前にチェックする施主が少ないため、選択肢をかなり少なく設定している会社もあります。
外観で追加費用が高額になりやすいのは、外壁材。外壁材は施工面積が多いですからね。外壁材のメーカー、厚み、デザインの選択肢などを確認するようにしましょう。
内観で追加費用が高額になりやすいのは、床材。こだわり出すときりがないのが床材なので、オプションにするにしても、できるだけ住宅会社の推奨メーカーから選択するようにしましょう。
関連記事:「外観・内観デザイン」の標準仕様チェックポイント|契約後の追加費用を防ぐ方法
④保証・工事・アフターの標準仕様
ほとんどの住宅会社の30年保証や60年保証は、10年ごとの有償メンテナンスが条件なので、あてになりません。あてになるのは、建材メーカーの保証年数です。
建材メーカーの保証年数は、製品寿命に比例しますので、将来のメンテナンス費用を抑えるためのチェックポイントです。外壁、外壁シーリング、屋根材、バルコニーの保証年数あたりは、必ず確認するようにしましょう。
また、完成保証への加入は必須。建築中に住宅会社が倒産すると、工事は止まり、お金も返ってこないという最悪の状態になります。
アフターは当然のことながら、工事中の報告も大切です。工事中の方向が全くない住宅会社は、施工ミスを起こしやすく、後々トラブルになる可能性が高いです。一日一枚でもいいので、必ず現場報告を義務付けることを推奨します。
関連記事:「保証・工事・アフターサービス」の標準仕様チェックポイント|推奨グレード紹介
⑤付帯工事の標準仕様
付帯工事をごまかす住宅会社も結構ありますので、しっかりチェックしましょう。
そもそも付帯工事とは?という話ですが、明確な定義はありません。家の価格=本体工事+付帯工事で計算され、一般的に付帯工事は、家以外の工事(足場工事、宅内水道工事、土砂処分費用など)を指します。
悪い住宅会社は、本体工事を安く見せるために、本体工事に入れるべき項目を付帯工事に入れ込むという手法を良く使います。それに惑わされないためには、本体工事+付帯工事の合計で金額を見る癖をつけること。全部でいくらやねん!を見ろということです。
さらに言うと、付帯工事の項目(土砂処分費、地盤調査費、基本測量費あたり)を見積に含めず、契約後の追加費用にしている住宅会社すらあります。必要な費用なので、必ず見積に入れてもらいましょう。ま、そんな会社やめとけって感じではありますけどね。
関連記事:「付帯工事」の標準仕様チェックポイント|本体工事と付帯工事を分ける意味はない!?
『こんなに細かくチェックしたら、怪しまれませんか?』に対して
あ、間違いなく怪しまれると思います。同業者かな?という感じで。
その時は、「グッシンというメディアで勉強してるんです」と言っていいですよ。瀬山の名前を出しても、構いません。住宅会社がグッシンの記事を見て、良い方向に対策とってくれれば、業界全体にとっては良いことですからね。
また、標準仕様に関するよくある質問集は、以下記事にまとめていますので、参考にしてください。
関連記事:「標準仕様・見積書チェック」に関する よくある質問&回答集|正しい相見積の方法など
まとめ
住宅会社の標準仕様を見極める方法は、「せやま標準仕様」をチェックするだけです。
<標準仕様チェック項目一覧>
①住宅設備の標準仕様
②照明・カーテン・収納・コンセントの標準仕様
③外観・内観デザインの標準仕様
④保証工事アフターの標準仕様
⑤付帯工事の標準仕様
【文責:瀬山彰】
PROFILE

せやま大学の人
瀬山 彰
大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。
「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。
娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。