注文住宅の「見積書」の正しい見方|失敗しない見積書チェック4STEP

注文住宅の「見積書」の正しい見方|失敗しない見積書チェック4STEP | 資金計画

住宅会社選びの最終段階「見積書のチェック」について、学んでいきましょう。

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リアル資金計画書
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注文住宅の「見積書」の正しい見方|失敗しない見積書チェック4STEP

ほとんどの施主が、見積書の正しい見方を知らない

見積書に含まれる諸費用・性能・標準仕様を細かく確認せずに、高い安いを判断してしまっています。これでは、必要な仕様を見積書に入れない不誠実な住宅会社の見積が安く見え、誤った判断につながります。

では早速、正しい見積書の見方を解説していきます。

ほとんどの施主が、相見積のやり方を間違えています

 

【結論】失敗しない見積書チェック4STEP

正しい見積書チェックのポイントは、見積金額と標準仕様をセットでチェックすることです。そのために、「リアル資金計画書」と「せやま基準一覧表」をセットで使います。

<見積書チェック4STEP>
①諸費用が含まれているかチェックリアル資金計画
②性能レベルをチェック(せやま基準一覧表)
③標準仕様をチェックせやま基準一覧表
④家のサイズとのバランスをチェック

<「リアル資金計画書」と「せやま基準一覧表」をセットで使う>
「リアル資金計画書」と「せやま基準一覧表」をセットで使う

①諸費用が含まれているかをチェック

諸費用は、住宅会社が受け取る費用ではないので、なるべく諸費用を記載せず全体の資金計画を安く見せたいと思うのが、営業マンの心理です。

例えば、ローン保証料。3,500万円借りると70万円以上の保証料がかかりますが、この70万円を資金計画に入れるか入れないか?で、資金計画の見栄えは大きく変わりますよね。資金計画を安く見せる営業テクニックと言えますが、これでは正確な資金計画とは言えません。

正しく諸費用を計画するために、リアル資金計画書を使います。住宅会社からもらった資金計画を参考に、リアル資金計画書に落とし込むか、いっそのこと、住宅会社との打ち合わせをリアル資金計画で行えると楽ですね。

リアル資金計画書の具体的な使い方は、以下記事を参照してください。

関連記事:新築住宅の「資金計画」を立てる方法<完全保存版>|リアル資金計画書の使い方

<リアル資金計画>

諸費用を漏れなくチェックするために、リアル資金計画書を使う

『営業マンにリアル資金計画書を見せてもいいんですか?』に対して

全然OK。営業マンに、エクセルデータを渡してもOKです。将来的には、全ての住宅会社に「リアル資金計画書」を使ってほしいと思っています。

営業マンにリアル資金計画を見せてもOK

②性能レベルをチェックする

性能レベルを細かく確認せずに、見積書の高い安いを判断してはいけません。

例えば、断熱性能。最低限レベルのUA値0.87(断熱等級4)の家と、UA値0.6以下(ZEH基準クリア)の家では、住み心地に雲泥の差が出ます。自分が求める性能レベルがどこなのか?見積書に含まれている仕様で、その水準はクリアしているのか?をチェックしましょう。

正しく性能レベルをチェックするために、せやま基準一覧表の中の「せやま性能基準」を使います。性能レベルを確認するためには「基本性能」「メンテナンス性能」「地震・シロアリ・災害対策」の項目を確認してください。

<せやま性能基準はここをチェック!>
せやま基準一覧表の中の「せやま性能基準」をチェック

せやま基準一覧表を印刷し、該当する箇所に〇をつけていけば、性能レベルが一目でわかりますよ。

関連記事:住宅会社の「性能」を見極める方法|11のチェックポイントを完全網羅

③標準仕様をチェックする

標準仕様を細かく確認せずに、見積書の高い安いを判断してはいけません。

例えば、住宅設備。食洗器、食器棚、掃除簡単レンジフード、断熱浴槽、浴室乾燥機、人造大理石浴槽などが標準仕様に含まれていない見積をみて、安い!!!と喜んでいてはだめですよね。

正しく標準仕様をチェックするために、せやま基準一覧表の中の「せやま標準仕様」を使います。

<せやま標準仕様はここをチェック!>
せやま基準一覧表の中のせやま標準仕様をチェック

「せやま基準一覧表」を印刷し、該当する箇所に〇をつけていけば、標準仕様の充実度が一目でわかりますよ。

関連記事:住宅会社の「標準仕様」を見極める方法|「せやま標準仕様」19項目を徹底解説!をご覧ください。

④家のサイズとのバランスをチェックする

初期段階の見積書だと、適当な仮プランでの見積というパターンが多いので、その仮プランが自分の希望に近いのか?を確認する必要があります。営業マンは、見積を安く見せたいので、コストが下がりやすい仮プランを提示しがち。

自分の希望に合致しているのか?を確認しましょう。仮プランをチェックする上での注意点は、以下の通り。

・延床面積だけで判断しない
「だいたいご希望の延床面積30坪くらいの間取りなら、この金額ですね~」という感じで営業マンは見積を提示しますが、この延床面積30坪という数字だけでは判断できない要素(延床面積に含まれない部分)に注意が必要です。

具体的には、吹抜けやバルコニーです。吹抜けやバルコニーがあれば、当然価格は高くなりますので、吹抜けやバルコニーを希望する人は、その点も踏まえて見積書を提示してもらう必要があります。

<延床面積に含まれない部分に注意>

延床面積に含まれないバルコニーや吹き抜けに注意
(出典:SUUMO

・家の形状
家のサイズが同じでも、形状が違えば、価格が変わります。真四角の家より、凸凹の多い家の方が価格が高くなりますので、凸凹の多い家を希望する人は、その点も踏まえて見積書を出してもらう必要があります。

・屋根の形状
家のサイズ・形状が同じでも、屋根の形状が違えば、価格が変わります。一般的には、軒ゼロ(軒がない片流れ)→片流れ→切妻→寄棟の順番で価格が高くなっていきますので、屋根形状の希望を伝えた上で、見積書を出してもらう必要があります。

陸屋根はメンテ費用が高いので、戸建住宅ではほとんど採用されません。

<屋根形状の種類>

屋根形状の種類(切妻、寄棟、片流れ、陸屋根)
(出典:SUUMO

『複数の住宅会社の見積を比較(相見積)する方法は?』に対して

①~④を住宅会社ごとに行って、比較すればOKです。

理想は、全ての住宅会社の条件(性能レベル、標準仕様、家のサイズ)を揃えることですが、現実的には微妙に仕様が異なると思いますので、その違いを把握した上での比較を。

諸費用は、どの住宅会社で建てても基本的に金額は同じなので、全ての住宅会社の諸費用は同一にするようにしましょう。

『なかなか、住宅会社を決められないのですが…』に対して

グッシンでしっかり勉強したなら、これ以上に勉強できるメディアは現状ありませんので、自信を持ってください。

判断材料が揃ったのに完璧な答えを求めすぎて、ずるずると決断できないのは、ただの先延ばしです。家づくりは、家族が幸せに過ごすためのただの箱作り。作った後の時間の方が大切ですから、しっかり勉強した後は、直観を信じて決断していきましょう。

どうしても悩んでいることがあれば、ご相談ください。

せやまへの相談はコチラ

 

家づくりの悩み事はグッシンへ!

『いつも、直観で決めるな!と言ってますよね?』に対して

そうですね、いつもそう言ってます。ただし、私が言っているのは、「何も勉強しないままに」直観で決めるな!ということです。できる限りの勉強をして、できる限りの比較をしたならば、後は直観で決める以外方法はありません。

家だけではないんですが、ものごとの選択に完璧な正解などありません。大切なのは、その選択が納得感あるのかどうか?。納得感を持てるかどうかは、検討材料をしっかり集めた上での判断なのか?で決まります。

まとめ

正しい見積書チェックのポイントは、見積金額と標準仕様をセットでチェックすることです。そのために、「リアル資金計画書」と「せやま基準一覧表」をセットで使います。

<見積書チェック3STEP>
①諸費用が含まれているかチェックリアル資金計画
②性能レベルをチェック(せやま基準一覧表の「せやま性能基準」)
③標準仕様をチェック(せやま基準一覧表の「せやま標準仕様」)
④家のサイズとのバランスをチェック

<「リアル資金計画書」と「せやま基準一覧表」をセットで使う>
「リアル資金計画書」と「標準仕様チェック表」をセットで使う


【文責:瀬山彰】

PROFILE

注文住宅の「見積書」の正しい見方|失敗しない見積書チェック4STEP | 資金計画

せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。