ハウスメーカー・工務店が教えてくれない見積書チェックポイント|照明・カーテン・収納・コンセント等
投稿日 2020.11.15 / 最終更新日 2023.04.17

「照明・カーテン・収納・コンセント等」って、金額が大きくないので見落としがち。施主が質問しなければ、ハウスメーカー・工務店自らが説明してくることはありませんので、見積書に含まれる標準仕様をもれなくチェックできるようになりましょう。
YouTube動画でも分かりやすく解説していますので、こちらもご覧ください!
目次
「普通それくらい付いてるでしょ!」がついていない注文住宅
契約後の追加費用について、こんな声が多いですね。
・照明がすべての部屋に付いてない…?
・網戸がオプションとか想定外!
・コンセント追加が地味に痛かった。
・収納の棚で意外と追加費用がかかった…等
「普通それくらい付いてるでしょ!」って感じのものばかりですが、それが付いてないのが注文住宅であり、住宅業界の闇なわけです。皆さんには、こんな後悔をしてほしくないので、ハウスメーカー・工務店が教えてくれない標準仕様チェックポイントを詳しく解説していきます。
関連記事:住宅会社の「標準仕様」を見極める方法|標準仕様チェック表を使えば超簡単!
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【結論】「照明・カーテン・収納・コンセント等」の標準仕様チェックポイント
「照明カーテン・収納・コンセント等」の標準仕様チェックポイントは、以下の通りです。
①照明/カーテン
照明 → 全室LED
人感センサー→2か所が目安
調光調色→リビング・主寝室が目安
カーテン → リビングダイニング・全居室
ロールスクリーン → 必要箇所(シューズクロークや畳スペース等)
②収納/コンセント
収納内の棚板/ハンガーパイプ/枕棚 → 有
洗面所収納 → 有
TVコンセント → 2か所
居室コンセント → 居室あたり2か所
お掃除ロボ/携帯電話充電用コンセント → 必要に応じて
インターネット空配管 → 1か所
③洗濯関連
外部物干し金物 → 有
部屋干し固定式金物 → 有
部屋干し昇降式金物 → 有
④外部仕様
外部照明 → 人感センサー照明
立水栓 → 1か所
外部コンセント → 1か所
⑤便利機能/その他機能
ソフトクローズドア → 閉める方向
網戸 → 有
ニッチ →1か所程度
2階防音配管 → トイレ等すべて
シューズクローク換気扇 → 有
トイレ臭気対策 → 低い位置に換気扇
勉強スペースカウンター(コンセント落とし口付) → 有
<「照明・カーテン・収納・コンセント等」標準仕様チェックポイント一覧>
①「照明・カーテン」の標準仕様チェックポイント
照明・カーテンは、数十万円単位で追加オプション費用が発生する可能性があります。
・照明
照明は、「全室LED照明」を推奨します。
照明が本体工事に含まれるハウスメーカー・工務店は少なく、照明予算という形で資金計画に計上されます。この場合、どの部屋までの予算が含まれているのか?どんな照明を想定しているのか?を確認しておく必要があります。
次に、照明も標準仕様!とPRするハウスメーカー・工務店について。この場合、チェックすべきは「全室に照明がついているのか?」という点。よくあるのが、廊下やトイレの照明は標準仕様で、リビング・主寝室・子供部屋はオプション、というパターンです。
また、人感センサーを選択可能か?何か所まで可能か?も確認しておくと良いですね。以下、人感センサーあるあるにはご注意を。
<人感センサーあるある>
(出典:Twitter)
・人感センサー
駐車場と玄関ポーチには、人感センサーを推奨します。人感センサーがないと、夜帰宅した時に暗い玄関から入ることになってしまいます。
他に人感センサーの設置箇所としては、玄関ホール、2階廊下、階段あたり。トイレへの人感センサー設置は、しばらくすると消えて「手を振る」ことになってしまうので、非推奨です。
・調光調色
リビング・ダイニングには調光調色を、主寝室には調光を推奨します。
リビング・ダイニングは朝と夜で明かりを変えると身体のリズムが整いますし、夜は少し暗めにすると落ち着いて過ごすことができます。主寝室の照明が明るすぎると睡眠の妨げになるので、少し暗くできるようにしておくことが大切です。(シーリングによる調光でも可)
・カーテン
カーテンは、インテリアデザインの肝。あとで施主自身が購入すると、おかしなデザインになりますので、建築打ち合わせ時に、床材や壁紙に合わせてコーディネートしてもらうすることを推奨します。
また、選べるカーテンの種類も確認。「ロールスクリーンや、プリーツスクリーンも選べますか?」と聞くことができれば、ばっちりですね。
・ロールスクリーン(窓以外)
間取りにより、シューズクロークや畳スペース等に、「ロールスクリーン」を設置したいケースがでてきます。
そのロールスクリーンの費用が、本体工事に含まれているのか?を確認するようにしましょう。契約後の別途追加費用でとられると、1か所数万円以上します。
②「収納/コンセント」のチェックポイントと推奨グレード
契約後の打合せでは、だんだん金銭感覚が麻痺していきますので、ある程度の標準仕様を契約前に確認しておきましょう。
・収納内の棚板/ハンガーパイプ/枕棚等
「収納内の棚板/ハンガーパイプ/枕棚等」が標準仕様に含まれているか、事前に確認しましょう。全くついていない場合は、かなりの追加費用がかかります。
また、付いてはいるけど「全て枕棚+ハンガーパイプ」ということがあります。この場合、ウォークインクローゼット内の仕様を変更すると、かなりの追加費用がかかるのでご注意を。
「ついているか?」を確認するとともに、「何がついているか?」も確認しましょう。収納内の棚板とかって、意外と良いお値段しますからね。
・洗面所の収納
家事を楽にするために「洗面所の収納」は必要不可欠です。間取りづくりの時から意識して、どんな収納が付けられるか?を確認するようにしましょう。
関連記事:「生活感のない家」を作るための収納基本ルール5選|収納の失敗パターンとは?
・TVコンセント
将来はTVを見なくなるかもしれませんが、現段階では必要ですね。TVコンセントが、何か所までOKか確認しておきましょう。目安は「2か所」です。
<TVコンセント>
・居室コンセント
「1部屋あたり2か所」は必要でしょう。1部屋あたり1か所という設定のハウスメーカー・工務店もありますので、ご注意を。
・お掃除ロボット/充電式掃除機用のコンセント
ルンバ、ブラーバ、ダイソンなどを充電するコンセント設置費用も確認しておきましょう。
コンセント追加は1か所数千円程度ですが、チリも積もれば山となります。契約後の追加費用を抑えるためにも、契約前の標準仕様確認は妥協なく行いましょう。
<お掃除ロボ用コンセントの設置も忘れずに>
・携帯電話充電用コンセント
スマホが当たり前の時代ですので、新築時には「どこで充電するか?」の検討もお忘れなく。場所をあらかじめ決めていないと、延長コード・充電コードで部屋がごちゃつきますよ。
・インターネット空配管
ほとんどのハウスメーカー・工務店が、インターネット配管を本体工事に含んでいると思いますが、念のため。標準的な目安は「1か所」。2階も有線で使いたい場合は、2か所必要です。
③「洗濯関連」のチェックポイントと推奨グレード
部屋干しの対策は、スペースの確保とともに、契約前に必ず検討しておきましょう。
・外部物干し金物
「外部物干し金物」は、ほとんどのハウスメーカー・工務店が、標準仕様にしていると思いますが、念のため。壁付けタイプだけではなく、天井付けタイプも選べるか?の確認も。
・部屋干し用 物干し金物(固定式)
「部屋干し用 物干し金物(固定式)」を、洗面所に設置しておくことを推奨。部屋干しスペースを行う場所で最も効率的なのは、洗濯機が近い洗面所です。洗面所に収納を設置しておくと、「洗う→干す→収納する」が1か所で完結できて、家事が楽になりますよ。
・部屋干し用 物干し金物(昇降式)
洗面所の物干し金物だけでは足りないことが多いので、洗面所以外に「部屋干し用 物干し金物(昇降式)」を設置しておくことを推奨しています。1階の和室などに設置することが多いので、固定式ではなく昇降式タイプがおすすめです。
関連記事:家事を楽にするための5つのSTEP|家事が大変になる失敗間取りとは?
<昇降式の物干し金物>
(出典:川口技研)
④「外部仕様」のチェックポイントと推奨グレード
外構工事は別途計画すると思いますが、家に付随する設備は、家の請負工事に含まれます。
・外部照明
防犯的にも機能的にも、駐車場周りに「人感センサーの外部照明」を設置することをおススメします。
<人感センサー設置おすすめ箇所>
(出典:コイズミ照明)
・立水栓
庭に「立水栓」を設置しましょう。以前は、散水栓も付ける方が多かったですが、あまり使わないので立水栓だけでも十分でしょう。
・外部コンセント
外部コンセントを「1か所」設置しておきましょう。洗車するときなどに重宝しますよ。
<外部コンセント>
(出典:Panasonic)
⑤「便利機能/その他」のチェックポイントと推奨グレード
毎日のストレスに関する仕様です。住んでから気づいては遅いので、事前確認を!
・ソフトクローズドア
「ソフトクローズドア」は、ゆっくりソフトに閉まってくれるドア(引き戸)のことです。閉める方向のソフトクローズは必須ですが、開ける方向のソフトローズは、使用頻度が少ない(思い切りドアを開けない)ので、必須ではないです。
・網戸
驚くことに、網戸はオプションというハウスメーカー・工務店があります。当然ですが、網戸は必須。24時間換気システムで窓を開けなくても換気はできますが、良い季節には窓を開けたくなるものです。「網目の細かいタイプ」がおすすめです。
<通常タイプと網目の細かいタイプの比較>
(出典:YKK AP)
・ニッチ
打ち合わせをしていくと、大半の人が、「ニッチ(壁を一部くぼませるデザイン)」を作りたくなります。玄関ニッチや、モニター・スイッチ等をニッチにまとめたり。シューズクロークだけ(シューズボックス無)の場合は、カギを置く場所に困るので、ニッチが有効です。
事前にニッチの施工費も含まれているか、確認するようにしましょう。契約後にお願いすると、形状によりますが、1か所数万円かかります。ニッチ数の目安は「1か所」です。
<ニッチの例>
・防音排水管
通常排水管では、2階トイレの排水音が1階に聞こえてしまうので、2階からの配管はすべて「防音排水管」にする事をおすすめします。
<2階の排水音を軽減する防音排水管>
(出典:シーシーアイ)
・シューズクローク換気扇
シューズクロークには「換気扇」を設置しましょう。シューズクロークは、玄関収納(靴箱)と違ってオープンなので、換気扇を設置しないと、玄関ホール全体に臭いが充満して、不快です。
・トイレ臭気対策
換気扇は「低い位置」に設置しましょう。うんちの匂いは空気より重く、下に溜まるので、換気扇が高い位置にあると、臭気を巻き上げ、トイレ中が臭くなります。
関連記事:「換気システム」の正しい知識と失敗しない選び方(後半)|機械・フィルター・ダクトのメンテナンス性能の見極め方
・勉強スペースカウンター
間取りにもよりますが、「勉強スペースのカウンター」が標準仕様に含まれているかを確認しておきましょう。
間取り記事にて、1階に子どもたちの勉強スペースを!と紹介しましたが、こどもとのコミュニケーションも増えるので、おすすめです。また、コンセントの落とし口も付けておくと、便利ですよ。
関連記事:朗らかで賢い子どもが育つ間取り4カ条|子供の安全を守る間取りとは?
<カウンターにはコンセントの落とし口を>
- (出典:マルミヤ)
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まとめ
「照明カーテン・収納・コンセント等」の標準仕様チェックポイントは、以下の通りです。
①照明/カーテン
照明 → 全室LED
人感センサー→2か所が目安
調光調色→リビング・主寝室が目安
カーテン → リビングダイニング・全居室
ロールスクリーン → 必要箇所(シューズクロークや畳スペース等)
②収納/コンセント
収納内の棚板/ハンガーパイプ/枕棚 → 有
洗面所収納 → 有
TVコンセント → 2か所
居室コンセント → 居室あたり2か所
お掃除ロボ/携帯電話充電用コンセント → 必要に応じて
インターネット空配管 → 1か所
③洗濯関連
外部物干し金物 → 有
部屋干し固定式金物 → 有
部屋干し昇降式金物 → 有
④外部仕様
外部照明 → 人感センサー照明
立水栓 → 1か所
外部コンセント → 1か所
⑤便利機能/その他機能
ソフトクローズドア → 閉める方向
網戸 → 有
ニッチ →1か所程度
2階防音配管 → トイレ等すべて
シューズクローク換気扇 → 有
トイレ臭気対策 → 低い位置に換気扇
勉強スペースカウンター(コンセント落とし口付) → 有
【文責:瀬山彰】
PROFILE

せやま大学の人
瀬山 彰
大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。
「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。
娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。