2024.11.30
大前提住宅会社の営業マンは、喉から手が出るほど契約を欲しています。
そのため中には、家の仕様となる「標準仕様」をスカスカにして見積もりを安く見せ、契約が取れてから追加費用…という営業マンもわんさかいるのですが、中には見積もり(標準仕様に)、網戸や照明、カーテンが入っていないような悪質なケースも…。
そこで本記事では、契約前に必ずチェックすべき標準仕様について、「具体的に、どこを、どうチェックしたらいいか?」を分かりやすく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
予算オーバーを防ぐためにも必ずチェックを!!!
目次
そもそも「標準仕様」って何?
標準仕様とは、工務店やハウスメーカーが用意している標準的なプランの内訳のことです。
よく「1,000万円で家が建つ!」みたいな売り文句がありますが、この場合、何でもかんでもオリジナルにできるわけではなく、「1,000万円の家ならこのプラン」という、ある程度の仕様が決まっているわけです。この仕様が「標準仕様」というわけですね。
例えばキッチンでいうと、
- キッチンサイズ → ◯◯mm
- 食洗機 → 無
- コンロの仕様 → ガス仕様
- レンジフード → 無
といったように、かなり細かい部分まで指定があり、この標準仕様に含まれていない仕様を追加する際には原則「追加費用」となります。
このように標準仕様をしっかりチェックしておかないと、見積もり上はすごく安く見えるのに、実は内容がスカスカ。契約後に追加費用が嵩んで予算オーバー…、なんてことになってしまうので、必ず契約前にチェックしましょう。
標準仕様を”契約前”にチェックしないとどうなる?
施主は、“仕様は完璧”という前提で「値段」で比較しがち
分かりやすく「1,000万円の家」で例えてみましょう。1,000万円規模の家がすべて悪いわけではありませんが、例え話だと思ってもらえればと思います。
まず大前提、標準仕様というのはめちゃくちゃ項目が多い。だから皆さん“仕様は完璧である”前提で、「値段」で家を比較しがちなんです。
安いのは「標準仕様がスカスカだから」
すると住宅会社は、施主が標準仕様をチェックしないことをいいことに、めちゃくちゃ低スペックな標準仕様を出して、あたかも「完璧な家が1,000万円で建ちます!」みたいな見せ方をするケースが多いんです。
このようにスカスカな標準仕様であれば、ハウスメーカー側も安く提供できますから、施主からしたら「わお、安い!」って思って契約しちゃうんですよね。
そして悲劇が起きるのは、家が完成した後。
「えっ…、食洗機も2階トイレも追加費用になるの・・・?」となって、結局大幅に予算オーバーしてしまうケースがめちゃくちゃ多いんです。
【必読】予算オーバーするとどうなる…?
まず住宅ローン申請までの流れは、ざっくり以下の通り。
ローン審査までの流れ
①:間取り作成 ⇒ ②:見積もり(資金計画書)の作成 ⇒ ③住宅会社と契約 ⇒ ④:ローン審査
当然ですが、住宅ローンは「家を建てるために借りるお金」ですから、②で銀行側に提出する見積もり額以上は借りれません。
となると追加費用が発生する場合、借入額を増やして再審査or「貯金」から支払う形となってしまうわけです。
これが家づくりの過程で発生してしまうと、資金計画がごちゃごちゃになるだけでなく、場合によっては入居時には手元に現金がなくなってしまったり、導入したかったけど金銭的に諦めないといけない…なんてことにもつながってしまうんです。
このように予算オーバーは、家づくりを失敗や後悔につながる要因のため、予算オーバーを防ぐためにも標準仕様はしっかりチェックすべきなんです。
必ず契約前に確認を!!!
標準仕様をチェックするまでの流れは?
①:「せやま標準仕様」をダウンロードする(無料)
「標準仕様をちゃんとチェックしましょう!」と言ったところで、「何を、どう見ればいいのか分からない…」という人も多いと思います。
そこで、「特にこの項目が含まれているか?を確認すべき!」という要素をまとめた「せやま標準仕様」を作成しましたので、まずはこちらをダウンロードしてチェックを進めていきましょう。
登録不要ですぐにご利用いただけます
ダウンロードして、チェックをはじめよう!
「せやま標準仕様」のダウンロードはこちら
- せやま標準仕様(無料ダウンロード)
②:住宅会社から標準仕様書をもらう(契約前)
次に、ハウスメーカーから標準仕様書をもらいましょう。もらうタイミングは契約前であればいつでもOK。
ある程度間取りが固まってからの方がよりチェックの精度が上がりますが、工務店・HM探しの段階である程度目星をつけておくためにも、初回営業時にもらっておくのも手だと思います。
また標準仕様については、ハウスメーカー側から渡してくれるケースはごく稀ですから、施主自ら「標準仕様書を見せてもらえますか?」と依頼するようにしてください。
③:「せやま標準仕様」と照らし合わせる
せやま標準仕様では、「最低限これは仕様(見積もり)に含めてもらうべき!」という項目をそれぞれ「優先度(★)」ごとにまとめているので、業者の標準仕様と照らし合わせながら項目の有・無を確認しましょう。
★★★は採用必須、★★は推奨、★は余裕があれば実装したい機能
③:抜け漏れがあれば、営業マンに確認する (“★★★”は必須!)
「工務店・HMの標準仕様」と「せやま標準仕様」を照らし合わせながらチェックし、抜け漏れや疑問点があれば随時営業マンに確認しましょう。
営業マンへの質問例
- 標準仕様のキッチン幅は「255cm以上」ですか?
- 標準仕様にエコキュートorエコジョーズは含まれてますか?
- トイレは、1階・2階ともウォシュレット付いてますか?
全部クリアされた工務店・HMを探すのが手間なら…
ここまでのお話しで、「標準仕様のチェックが如何に重要か?」がわかってもらえたと思いますが、これを1社ごとにチェックしていくのは結構骨の折れる作業だと思います。
そこでBE ENOUGHでは、せやま標準仕様の星3(★★★)を網羅している工務店のみを紹介する「せやま印工務店プロジェクト」を推進。
もちろん家づくりは自己責任なので、せやま印工務店であっても必ず確認してほしいのですが、工務店登録にはせやま標準仕様だけでなく、家の性能に関わる「せやま性能基準」のクリア、営業マンへの知識テスト、財務審査のクリアなども条件になっていますので、本気で家づくりを考えている方は検討してみてくださいね。
標準仕様で見るべき項目は「5つ」!
ここからは「せやま標準仕様」の項目に沿って、それぞれのチェックポイントについて詳しく解説していきます。
標準仕様でチェックすべき項目は、大きく分けて以下の5つ。
- 「住宅設備」に関する標準仕様
- 「機能」に関する標準仕様
- 「デザイン」に関する標準仕様
- 「保証・工事・アフター」に関する標準仕様
- 「付帯工事」に関する標準仕様
1.「住宅設備」に関する標準仕様
特に住宅設備は、完成してから「この機能も付ければ良かった…」となりがちで、追加費用も膨らみやすい項目になります。
中でもよくあるのが、「洗い物用の食器棚が付いていなかった…」「トイレの水流しが“レバー式”だった…」など。
日常生活に関わる設備だからこそ、“よりこだわりたい・追加オプションでも取り付けたい”となりがちなので、事前に希望する設備・機能がある場合には、「どのぐらいの追加費用になるのか?」も確認しておきましょう。
関連記事:『【契約前に必読】標準仕様(見積もり)でチェックすべき32項目|「住宅設備(キッチン/トイレ)」編』
2.「機能」に関する標準仕様
住宅設備と似ている箇所もありますが、こちらは家そのものの“機能”について。
例えば「コンセント」でいえば、TV端子付きコンセントの設置はもちろん、インターネットの有線利用のためのネット配管の設置など…。
こういった機能面は実際に入居してから、「付けておけば良かったなぁ…」と後悔しがちなので、本項目を元に実際の生活を想像しながらチェックしていきましょう。
関連記事:『【契約前に必読】標準仕様(見積もり)でチェックすべき15項目|「照明/カーテン/収納/コンセント」編』
3.「デザイン」に関する標準仕様
照明・インテリアなどの内装デザインは「チリつも系」、つまり1つあたりの単価は低いんですが、色々とオプションを付ける、見積もり金額に大きく差が出てしまいます。
また「説明必須」と書かれている箇所については、「具体的にどういった外壁材が標準仕様なのか?」の確認がメインになりますので、それぞれ提示された内容を振り返れるようにメモしておきましょう。
詳しくは、以下記事を参考にしてみてください。
関連記事:『【契約前に必読】標準仕様(見積もり)でチェックすべき21項目|「外観・内装・住宅設備」編』
4.「保証・工事・アフター」に関する標準仕様
こちらは工務店・ハウスメーカー側のサービスについてですね。
施主側で何かすべき、という項目ではありませんが、以下のような保証・アフターサービスがあるかによって、“もしも”の場合に対応してくれるか?が大きく変わってきますので、事前確認しておくようにしましょう。
保証・工事・アフターに関する詳しい解説は以下記事を参考にしてみてください。
関連記事:『【契約前に必読】標準仕様(見積もり)でチェックすべき8項目|「保証・工事・アフター」編』
5.「付帯工事」に関する標準仕様
そもそも「付帯(ふたい)工事って何?」という話ですが、実は明確な定義はなく、一般的に足場工事や土砂処理などの“建物以外の工事”のことだと思ってもらえればOKです。
悪徳業者は、本体工事を安く見せるために、本体工事に入れるべき項目を付帯工事に入れ込むという手法を良く使います。それに惑わされないためには、『本体工事+付帯工事の“合計額”』を見るようにしましょう。つまり「全部でいくらかを見ろ」ということですね。
また付帯工事でよくありがちなのが、工事で出た「土砂の処分費用」などを当然のように“施工後の追加費用”として請求してくる会社もありますので、このあたりも事前に確認しておきましょう。
詳しくは、以下記事を参考にしてみてください。
関連記事:『【契約前に必読】標準仕様(見積もり)でチェックすべき10項目|「付帯工事」編』
契約は自己責任!施主が自分でチェックしよう!
よく「こんなに事細かに聞いたら、怪しまれませんかね…?」と質問をもらいますが、間違いなく怪しまれると思います。
もしハウスメーカーに悪い印象を与えないか心配している方がいれば、その時は「BE ENOUGHというメディアで勉強してるんです」と伝えてもらって全然OKです。せやまの名前を出してもらってもいいですよ。
もちろん住宅業界から“悪徳業者”を減らしていくべきですが、契約時のプラン決め・見積もり確認は当然、自己責任。
夢のマイホームが建ってから「こんなつもりじゃなかった…」とならないよう、業者のプラン見積もりは施主自らが確認するようにしましょう!
標準仕様に関するよくある質問集は、以下記事にまとめていますので、こちらも参考にしてください。