2025.03.12
主寝室・子ども部屋について、
- 子ども部屋は何畳くらいがちょうど良いの?
- 主寝室ってどのくらいのサイズにすべき?
と広さについて悩む人は多いと思いますが、「畳数」だけに注目するのは大きな間違い!
確かに「寝るだけのスペース」ではありますが、住みやすさを考慮すると、広さだけではなく、収納の配置や扉の種類、窓の高さなど細かなポイントも重要です。
間取りは後悔ポイントが多い箇所だよ!
そこで今回は、間取りを作り始めて10年以上、ボツも含めて1,000件以上の間取りを描いてきた私が編み出した、家づくりで失敗しない「2階(主寝室・子供部屋)の間取りのコツ」をご紹介します!
目次
2階の間取りづくりで抑えておくべき4つ
①:2階は「とにかくコンパクトに」が合言葉!
目指すは「1階完結型の間取り」!
2階の間取りは、とにかくコンパクトに!
「せやまどり」で一番大事なのは1階完結型にすること。平屋を理想として、1階を充実させながらコンパクトな家にするためには、2階はできるだけコンパクトに抑えるのがベストです。
関連記事:『老後も安心!「1階完結型」の間取りを実現するための超基本ルールとは?』
「総2階」よりも「1階>2階」がコスト安
総2階とは、「1階と2階のサイズを同じにすること」。
このような総2階の方がコスト的には安いのでは?と聞かれることがありますが、確かに単価でいうと総2階の方が安いです。
ただ、2階を大きくすることで、家全体のサイズが大きくなるので、結果その分だけトータルコストは上がってしまいます。そのためコストのことを考えるなら、総2階ではなく、「2階を小さくして、延床面積を小さくする」のがおすすめです。
②:家具の配置シミュレーションは必須!
①でお話ししたように「2階はコンパクトにすべき」なんですが、ただコンパクトさを追求するだけだと、住んでから「想定してた家具が置けなかった…」なんてことにもなりかねません。
そのため2階の間取りを考える際には、必ず各部屋ごとに家具の配置シミュレーションを行うようにしましょう!
コツは「入口+収納を近くに配置」!
「入口」と「収納」を近くに配置しておくと、「部屋の奥」を全て家具スペースとして使えるようになります。
こうすることで、ベッドやデスクなどの配置がしやすくなるので、ぜひ間取りづくりの際に意識してみてください。
③:1階・2階の「壁の位置」を合わせて地震対策に
「直下率」を無視すると地震に弱い家に…
特に2階の「外壁ライン」については、極力1階と合わせるように意識してください。
いわゆる直下率を無視すると地震に弱い家になってしまうため、今度はそれを補強するために余計な材料が必要となり、最終的なコスパが悪くなってしまいます。
そのため、1階より2階を小さくしつつも、壁の位置はきちんと合わせることを忘れずに!
関連記事:『耐震等級だけじゃダメ!新築戸建ての「地震対策」に必須な”4項目”を徹底解説!』
構造計算をすれば無視しても良いのでは?
「構造計算して、耐震等級3を取れているから問題ない!」と言う人がいますが、構造計算をしたからといって絶対に大丈夫というわけではありません。
1階と2階の壁の位置がズレているのは地震対策として良くないです。先述の通り、コスパも悪くなりますし、気密性能にも影響するのでおすすめしません!
④:「主寝室」と「子ども部屋」で区画を分けよう!
親子とはいえど、プライバシーの確保は重要!
そのため、「子ども部屋」と「主寝室」は区画を分けるか、間に「トイレ」や「階段ホール」を挟んで、音漏れ対策をしましょう!
音漏れを防ぐなら「開き戸」が推奨!
プライバシーを重視するなら、「引き戸」ではなく、遮音性が高い「開き扉」を選びましょう。
もちろん、省スペースを優先したい場合は「引き戸」でも構いません。
【スペース別】2階の間取りのコツは?
「2階廊下」の間取り編
①:廊下は短く、無駄なスペースを作らない!
まず2階の廊下は極力短くして、扉が集まるようにしましょう。
こうやって言うと、「部屋から一斉に人が出た時にぶつかりそう…」と言われることがありますが、そんな状況ほとんど起こりません。
廊下に使う無駄なスペースを居室に振り分けられる方がメリットも大きいので、「2階の廊下は短く!」が鉄則ですよ。
②:階段ホールに窓を付けて明るさを確保
階段ホールは暗くなりがちなので、明かり取りの窓を付けましょう!
窓は1箇所でも十分+南側じゃなくても構いません。自然光が入ることで、空間が明るくなりますよ。
③:手すりは腰壁で開放感を出す
耐力壁が必要な場合は天井まで上げる必要がありますが、可能であれば廊下の手すりは、上画像のような「腰壁」にするのがおすすめ!
またより開放感を出したいのであれば、「オープンデザインの手すり」もおすすめですね。
「子ども部屋」の間取り編
①:一人部屋なら「4.5畳」で十分!
子ども部屋のサイズ目安
- 1人部屋:4.5畳あれば十分!
4.3畳でも良いですし、4畳くらいあればなんとかなります。(3.5畳だと狭すぎ) - 2人部屋:6畳あれば十分!
5.2畳くらいでも問題なし。
子ども部屋を必要以上に広くすると、家全体が大きくなってしまいますので要注意。
形は3P×3P(1P=91cm)の正方形にこだわる必要はありませんが、ベッドを置くためにも幅2.5Pは確保しましょう。
将来間仕切りでなく、最初から分けておこう!
子ども部屋でよくあるのが、「最初は2部屋を繋げておいて、大きくなったら壁で仕切る」というもの。
これは、後から工事するのは面倒になりがちで、結局そのままになることが多いので、最初から壁で分けておく方が良いですね。
②:クローゼットは扉なしでコストダウン!
クローゼットの扉は、付けても良いですが開けっ放しになることが多いので、扉をなくしてその分コストカットするのも選択肢です。
どうしても目隠しをつけておきたいなら、扉ではなく「ロールスクリーン」を採用するのもおすすめですよ。
③:窓は「床から1m以上」に設置しよう!
子どもが小さい頃は、窓から落ちるリスクもあるので、窓の高さは「床から1m以上」確保しましょう。
上端(うわば)が2mの場合、「高さ90cmくらいの窓」がおすすめですね。
窓は「1部屋1か所」で十分!
昔は「窓を開けて換気しよう」という話もありましたが、最近では換気システムでバッチリ換気できますし、気密性能が高いので窓を開けて風を通すことはありません。
このように窓を開けずとも換気可能なので、コストカットのためにも窓は1箇所にしましょう。
④:コンセントは家具配置を踏まえて配置!
子ども部屋のコンセントは、家具の配置を考えた上で設置位置を決めましょう。
ただし「ここしか使わない」と決めつけず、迷ったら多めに付けておくのが無難です。もちろん、エアコン用のコンセントも忘れないように!
⑤:照明には必ず「調光機能」をつけよう!
照明は、ダウンライトでもシーリングライトでもどちらでも構いませんが、寝る時に部屋が明るすぎると子どもが眠れなくなってしまうため、必ず「調光機能」を付けましょう!
調光機能があると、部屋の明るさを状況に応じて変えられるので便利ですよ。
「主寝室」の間取り編
①:主寝室の広さは「6畳」で十分!
主寝室は6畳もあれば十分です。
もう一回り小さい5.2畳だとしても、シングルベッド2つ+サイドテーブルが置けますし、セミダブルベッドも2つくらい置けます。
こちらも子ども部屋同様に広くしすぎると、どんどん家が大きくなってしまうので、必要最小限のサイズで計画していきましょう。
長手方向は最低「3.5P」確保しよう!
上の図のように、ベッドを配置する場合、ベッドだけで2.5Pくらい取ってしまうため、3Pだと足元のスペースが極端に狭くなります。
そのため、長手方向は最低でも「3.5P」確保しましょう!
ちなみに6畳の場合、3P×4Pよりも「3.5P×3.5Pの正方形(6.1畳)」の方がベッドの配置効率が良くなりますよ。
②:照明は「ベッドの頭上」を避けよう!
これは子ども部屋でもそうですが、照明がベッドの頭上に来てしまうと眩しいので、ベッドに寝たときの「足元側」に配置するのがベストです。
「WIC/バルコニー」の間取り編
①:2階に納戸的なWICもおすすめ!
2階に納戸的なウォークインクローゼットを作るのもおすすめですね。
ただ動線については、「廊下から入りたい」「主寝室から入りたい」など厳密に指定しすぎると、間取りの制約が厳しくなってしまうため要注意。(ファミリークローゼットの場合は、廊下から入れる配置にしましょう)
2階にウォークインがあるなら1階には不要?
結論、1階にもウォークインクローゼットは絶対に必要です。
理想としては、1階にも2階にもウォークインクローゼットを配置する形ですね。ただ「ウォークイン」にこだわる必要はなく、壁付けのクローゼットでも十分ですよ。
関連記事:『【場所別】収納スペースに最適な“奥行”と“幅”は何センチ?事例付きで解説!』
②:そもそもバルコニーは不要!
当然バルコニーを作ると、その分コストがかかります。
加えて、掃き出し窓の前に家具が置けなくなるため、結果的に部屋を広くしないといけなくなってしまうんです。
そもそもバルコニーを付けても、使わないことがほとんどですからバルコニーは不要と考えてOKです。
関連記事:『バルコニー付けると後悔する理由5選!でも付けるべき人の特徴とバルコニーを無駄にしない鉄則7選も紹介!』
各部屋の「窓」はどうすればいい?
①:窓位置はプライバシーにも配慮しよう!
「お隣さんの窓の位置」と「子ども部屋/主寝室の窓」が向かい合わないよう配慮しましょう!
どうしても窓の位置が近くなる場合は、透明な窓ではなく「型ガラス」を使ったり、目線が合わない高い位置に小さめの窓を付けるなどの工夫が必要です。
②:「東西」の窓にはアウターシェードをつけよう!
特に2階は、周りに日よけとなる建物が少ないため、朝日や夕日の日射がめちゃくちゃキツくなります。
BE ENOUGHが推奨するせやま式屋根裏エアコンでも日射に負けることがあるので、「東西」の窓にはアウターシェードの設置がおすすめです。
せやま式屋根裏エアコンに関して、詳しくはこちらの記事もご確認ください。
関連記事:『2階はエアコン1台でOK!夏の暑さ対策に最適な「せやま式屋根裏エアコン」とは?』
③:「南窓」の場合は、「軒」を出そう!
南側に窓を設置する場合、軒を600~700mmほど出して日射を遮るようにしましょう!
軒が全くない「軒ゼロ」にすると、夏の暑さ対策として不十分なので、南窓には必ず軒を出すことをおすすめします。
関連記事:『【方角別】日射取得/遮蔽を踏まえた「窓の設置場所」と「窓の種類」を解説!』
まとめ
【まとめ】2階の間取りづくりのポイント
- 基本設計
⇒2階はコンパクトに!ただシミュレーションも忘れず!
⇒1階・2階の「壁の位置」を合わせて地震対策に
⇒「主寝室」と「子ども部屋」で区画を分けよう! - 2階廊下
⇒廊下は短く!
⇒階段ホールに窓を設置、手すりは腰壁がおすすめ! - 子ども部屋
⇒1人部屋:4.5畳、2人部屋:6畳で十分!
⇒クローゼットは扉なしでコストカット
⇒窓は「床から1m以上」に設置しよう!
⇒コンセントは家具配置を踏まえて配置!
⇒照明には必ず「調光機能」をつけよう! - 主寝室
⇒6畳で十分!(長手方向は3.5P以上確保)
⇒照明は「ベッドの頭上」を避けよう! - WIC/バルコニー
⇒2階に納戸的なWICもおすすめ!
⇒そもそもバルコニーは不要! - 各部屋の「窓」はどうすればいい?
⇒窓位置はプライバシーにも配慮しよう!
⇒「東西」の窓にはアウターシェードをつけよう!
⇒「南窓」の場合は、「軒」を出そう!