2026.08.09
■【注文住宅の落とし穴】数百万円の追加費用を防ぐ!契約前に必ず確認すべき5つのポイント|新築・家づくり・戸建て
目次
契約後に出る追加費用を防ぐために

注文住宅を建てた人の69%が、契約後の追加費用で苦労したというデータがあります。
しかも50万円、100万円では済まず、300万円、500万円、800万円と、車が買えるほどの追加費用が発生することも。
今回は、契約後に出やすい想定外の費用トップ5と対策もセットで紹介します。
紹介する費用を契約前に説明してくれるかどうかで、その住宅会社が誠実かどうかを見極めることもできますよ。予算オーバーで苦労しないために、しっかり確認していきましょう。
想定外の費用が発生する理由
住宅会社は契約前に安く見せたい
まず、なぜ契約後に想定外の費用が出るのか?
理由はシンプルで、住宅会社が契約を取りたいからです。
リアルな費用を出すと、「この資金計画では無理」と思われてしまうので、契約前は安い見積りを出して、契約を取る。契約後に「せっかくなので」「皆さんやっていますよ」と言いながら、追加費用をどんどん積み上げていく。これが住宅業界に昔から残っている悪い風習です。
契約後は比較されにくくなる
そして、契約後は住宅会社にとって競合がいなくなり、他社と比較されにくい状態。
そのため、契約後に出す追加費用は高めに設定されやすくなります。契約前は厳しい利益率で見積りを出し、契約後の追加費用で利益率を回復させる。こういう考え方をする会社もあるので、要注意!
施主は意外と解約しない
追加費用が出たら解約すればいいと思うかもしれません。しかし、実際には解約しない人が多いのです。
契約までには何度も打ち合わせをして、時間も労力も費やしています。そこからもう一度住宅会社選びをやり直すのはかなりの負担なので、追加費用が出てもそのまま進めてしまう。
そうした施主心理を分かったうえで、今でも契約後に追加費用が発生しやすい見積りで契約を進める住宅会社もあります。
契約前に確認すべき無料ツール

この中には、住宅会社が契約後にどんな手口で、どんな項目を追加費用として計上してくるのかが書かれています。
さらに、建物費用に含まれない諸費用を確認するための「リアル資金計画書」。Excelで使えるシートなので、施主自身で資金計画を確認できます。
いずれも無料で公開していて、個人情報の入力も不要。この2つを使うだけで、契約後の想定外費用をかなり防げますよ。
契約後に出る想定外の追加費用トップ5
第5位:地盤改良費用
地味な項目なので見落としがちですが、資金計画の中に「地盤改良工事」という項目があるか必ず確認してください!
そこに「地盤調査による」「これから調査します」とだけ書いてある会社は要注意。地盤改良費用は、必ず50万円ほどは予算を取っておくのが誠実なやり方です。
正確な金額は契約前に分からない
地盤改良工事は、確かに契約前には正確な金額が分かりません。
契約後に地盤調査を行い、地盤の状態を確認してからでないと、正確な工事費は出せないためです。
とはいえ、住宅会社は近隣の地盤データを調べて、その地域でどのくらい地盤改良費用が必要になりそうか、概算を出すことはできます。
にもかかわらず、資金計画に入れない会社が多い。50万円、100万円単位で追加費用が出ることもあるので、必ず予算を見ておきましょう。
地域によっては高めに見ておく
東京や大阪、海沿いの地域など、地盤が弱い可能性が高いエリアでは、50万円では足りないこともあります。
近隣の地盤データを確認し、その地域に合った予算を入れる。これをやってくれる営業担当は、かなり誠実ですね。
第4位:インテリアデザイン費用

契約後にショールームへ行って、ゆっくりインテリアを決めたいですよね。ただ、それを逆手に取り、住宅会社がかなり低いグレードを標準仕様として見積りに入れていることがあります。
外壁は標準仕様のグレードを確認する
たとえば、外壁。窯業系サイディングは14mmの薄いものが標準仕様で、契約後に「16mmがいいですよ」「18mmがいいですよ」と提案されることがあります。
おすすめするなら、最初から標準仕様に入れておくべきですよね。
契約前に、どの外壁が標準仕様で選べるのか、どこから追加費用がかかるのかを確認してください!
カーテン費用は予算オーバーしやすい
カーテンも要注意。
標準仕様に入っていない会社もあります。入っていたとしても、「坪7,000円で見ておきます」「35坪なので24万円です」といった予算取りだけのケースもあります。
ただ、この予算に収まらないことが多い。
契約後に、木製ブラインドや和室用のプリーツスクリーンなど、見栄えのよいものを提案され、追加費用が出ます。
どんなカーテンが標準仕様で選べるのか。そもそもカーテンが標準仕様に入っているのか。レールだけではないのか。ここを必ず確認しましょう。
床材も標準仕様の範囲を確認する
床材も同じです。
無垢床なのか、単板なのか、挽き板なのか。契約前にすべて希望を決めるのは難しいですが、標準仕様が何なのかは確認できます。
どこまでがプラス0円で選べる標準仕様なのか。ここを押さえることが大切。
第3位:住宅設備費用

キッチン、お風呂、トイレ、洗面台。ここは本当に金額が跳ね上がります。特にキッチンは要注意!
キッチンはグレードアップで一気に高くなる
キッチンは、定価では20万円、30万円の差に見えても、実際には100万円、200万円上がることがあります。
同じ定価でも、A商品は30%で仕入れられるが、B商品は70%でしか仕入れられないということがあるため、商品によって仕入れ値が違います。
その結果、施主に提示される金額は大きく変わるのです。
標準仕様が低いグレードのキッチンだと、契約後にどんどん追加費用が出て、300万円アップすることも。本当に注意してください。
造作洗面台も高くなりやすい
最近は造作洗面台を希望する人も増えています。
5万円、10万円くらいの追加でできると思う人もいますが、実際には30万円、50万円上がることもあります。
どんなグレードの商品が標準仕様なのか。追加費用なしで選べる範囲はどこなのか。必ず確認しましょう。
カップボードが標準仕様に入っているか確認する
カップボード、つまり食器棚が標準仕様に入っていない会社も多いです。
キッチンと扉の色を合わせるなら、カップボードは住宅会社で入れた方がきれいに仕上がります。それなのに、標準仕様に入っていない会社が多いのが現実。
契約前に、カップボードが標準仕様に含まれているかの確認も忘れずに。
扉カラーのグレードも見落としやすい
地味に失敗しやすいのが、キッチンや洗面台などの扉カラー。
標準仕様では、白やベージュなど数種類しか選べない会社もあります。人気のマット系、石目調、質感のあるデザインにすると、7万円、8万円、10万円と追加費用が上がっていきます。
扉のデザインの選択肢まで、契約前に確認してください。
第2位:造成費用
多くの人は建物ばかりに目が行きますが、土地の状態によって追加費用は大きく変わります。
きれいな分譲地ばかりではない
きれいな分譲地であれば、そのまま家を建てられることもあります。
しかし、古い家が建っていた土地、駐車場だった土地、高低差がある土地、水道の引き込みが必要な土地など、土地の状態はさまざま。
家を建てるには、水道の引き込み、土砂処分、擁壁工事、建物の解体、境界ブロックのカットなどが必要になることがあります。
さらに、前面道路が狭ければ小型トラックしか入れず、運搬費が上がったり、線路が近ければ警備員が必要になるケースも。
家を建てるための準備工事、つまり造成費用はかなり高くなることがあります。
造成費用を調べずに契約するのは危険
造成費用をきちんと調べずに契約を急がせる住宅会社やハウスメーカーは少なくありません。
造成費用がいくらか分からないまま土地を買うのは危険。100万円、200万円単位で費用が増えることがあります。
土地価格だけで判断せず、造成費用を含めた総額で、その土地が適正か判断してください。
土地探しは住宅会社と一緒に進める
施主だけで造成費用を判断するのは難しいです。
そのため、土地を探す前に住宅会社を決め、その住宅会社と一緒に土地探しを進めることが大切。
いい土地が見つかったら、住宅会社にも現地調査へ行ってもらい、造成費用を出してもらう。さらに、道路斜線、北側斜線、建ぺい率、容積率などの建築規制も確認し、希望のプランが入るかどうかを見てもらう。
ここまで確認したうえで、土地を買う判断をしましょう。
第1位:間取りによる追加費用

間取りを確定せず、仮の間取りで契約しようとする住宅会社が多すぎます。
「35坪くらいで契約しておきます」「そんなに費用は変わりません」と言われることがありますが、これは危険です。
同じ坪数でも金額は変わる
仮に35坪で変わらなかったとしても、1階と2階のバランスが変われば費用は変わります。
1階が大きくなれば基礎や屋根の費用が上がります。建物の凹凸が増えれば費用は上がります。屋根の形状が変わっても、窓の数、建具の数、収納の数が変わっても、金額は変わります。
間取りは、さまざまな要素で金額が上がるものです。
これを契約後に決めるのは、施主にとってリスクが大きすぎます。
契約前に確定すべき4つの要素
契約前に、最低でも次の4つは確定してください。
| 壁 | 建物の形や間取りの基本になる部分です。 |
|---|---|
| 窓 | 窓の数やサイズで費用は大きく変わります。 |
| 扉 | 建具の数が増えれば、その分費用も上がります。 |
| 屋根 | 屋根の形状は建築費に大きく影響します。 |
この4つが確定していない状態で請負契約をするのはおすすめしません。
坪数アップは資金計画を大きく崩す
家のサイズが1坪大きくなるだけで、80万円、100万円上がることがあります。
5坪上がれば、それだけで400万円、500万円の追加です。資金計画が破綻してもおかしくありません。
「契約しないと設計士と打ち合わせできません」「土地のローン審査を急ぐので仮の間取りで進める必要があります」と言われることがありますが、間取りを確定してから契約することはできます。
自己防衛として、契約前にしっかり間取りを確定してくれる会社を選びましょう。
追加費用を見越してローン審査だけ高めに出す会社もある
追加費用が出た場合、その分をどうするのか。ここにも注意が必要。
住宅営業担当の中には、あらかじめ住宅ローン審査を高めに申請する人もいます。たとえば4,500万円の予算の人に対して、「余裕を持って5,000万円で出しておきましょう」と言うケースです。
追加費用が出ると分かっているのに、契約前には伝えず、ローン枠だけ高めに取っておく。これは非常に不誠実です。
施主にとって家づくりは一回きり。だからこそ、施主のことを本気で考えてくれる住宅会社や営業担当と家を建ててください。
番外編:建築費用以外でオーバーしやすい費用
ここからは番外編。建築費用ではありませんが、諸費用の中でも予算オーバーしやすい項目があります。
外構費用
外構工事費用は、請負契約に入っていないことが多いです。
建物を建てる住宅会社とは別の外構業者に依頼するケースが多いためですが、お金を払うのはもちろん施主。そのため、外構費用も資金計画に入れる必要があります。
多くの住宅会社は外構費用を入れてくれますが、その予算取りが甘いことが多い。
豪華な外構にする必要はありません。ただ、駐車場2台分、門柱、最低限の外構だけでも150万円、200万円ほどかかります。
それなのに「80万円くらいで見ておきましょう」「最低限ならいけます」と言われることもあります。砂利だけだったり、土のままになってしまいます。
駐車場2台分の土間コンクリート、門柱、植栽、シンボルツリー1本など、ざっくり希望を伝え、概算を出してもらってください。
また、「この150万円ではどこまでの外構を見ているのか」も確認しましょう。内容をメモし、議事録として残しておくことが大切。
言った言わないを防ぐために議事録を残す
文句ばかり言う施主になってはいけません。きちんと対応してくれる工務店の気持ちも考える必要があります。
ただし、言ったことは守ってもらう必要があります。だからこそ、言った言わないにならないよう、議事録を残してください。
住宅会社側が議事録を出してくれない場合は、自分で議事録を作って送り、返信をもらっておきましょう。
いきなり録音するのは関係性を壊す可能性があります。まずは議事録で記録を残すこと。これが現実的な自己防衛です。
住宅ローンの諸費用
住宅ローンを組む場合、保証料がかかることがあります。目安は借入額の2%ほどです。
この保証料を0円で計上する住宅会社もありますが、注意が必要です。
保証料には、初期費用として一括で払う方法と、金利に0.2%ほど上乗せする方法があります。金利上乗せにすると、資金計画上は初期費用0円に見えます。
しかし、長期的には一括払いより倍近く払うこともあります。
4,000万円の住宅ローンなら、一括払いで88万円ほどかかることがあります。これを資金計画に載せると総額が大きく見えるため、営業担当があえて載せないこともあります。
住宅ローンの保証料が0円になっている場合は、「一括払いにするといくらかかるのか」を必ず確認してください。
家具・家電・エアコン・引っ越し費用
家具、家電、エアコン、引っ越し費用も忘れてはいけません。
住宅会社からすると、「そこは自社の責任ではない」と考えるかもしれません。ただ、家を新築したら家具や家電を買い替える人は多いです。
最低でも100万円ほどは予算を見ておくのが無難。
これらは住宅ローンに組み込めないことも多いため、自己資金として現金で用意する必要があります。
まとめ
今回は、契約後に出やすい想定外の追加費用トップ5を解説しました。
「契約前にきちんと説明してくれる会社」「リアルな資金計画を出す会社」を選ぶことが、家づくりの失敗を防ぎます。
住宅業界では、施主の経験値が少ないことをいいことに、住宅会社に都合のよいやり方がまかり通っている部分があります。
だからこそ、施主自身がそういう住宅会社を選ばないことが大切。それは、住宅業界を良くすることにもつながります。
「自分は大丈夫」と思わず、自分で学び、確認することが大切。
せやま基準一覧表の必須項目を確認する。リアル資金計画書を使う。間取りを確定してから請負契約をする。出来ることはやっていきましょう!
PROFILE
せやま大学の人
瀬山 彰
筑波大学理工学群数学専攻卒(数理統計学士号取得)。硬式野球部に所属し、首都大学野球リーグの線形回帰分析に取り組む。
卒業後は、日本最大手の経営人事コンサルティング会社に入社。全国の住宅会社(大手ハウスメーカー・地場工務店)を担当。その中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。 中堅ハウスメーカー支店長経験を経て、2019年に起業。2021年にビーイナフ株式会社を設立。
主要事業である「せやま印工務店プロジェクト」は、2025年グッドデザイン賞受賞に加え、全国登録工務店65拠点、参加施主数は累計1723組以上、施主満足度95%以上と高い成長率と満足度を実現。また、施主や工務店のみならず、関わった全ての関係者が得をする(損をしない)、「全方良しのビジネスモデル」を他業界へ広める活動にも力を入れている。
広島県出身。娘4人の父親。2025年からは『カープ熱こじらせ兄さん せやまくん』としてのタレント活動も開始している。
