新築工事中のご近所トラブル7選と着工前の近隣あいさつ5つの流儀

新築工事中の近隣トラブルは、家づくり前から対策が必要

今回は、新築工事中に起こりやすいご近所・近隣とのトラブルについて解説します。

家を建てるとき、多くの人は性能、デザイン、間取り、お金に意識が向きます。一方で、工事中の近隣との関係づくりまで考えられている人は少ないもの。

でも、よく考えてください。近所で新築工事が始まれば、周囲の人は自然と注目します。工事の音、工事車両の出入り、道路の使い方。これらは近隣の人にとって、思った以上にストレスです。

そこで「配慮がない家だな」「迷惑をかける家族だな」と思われてしまうと、入居後にやりづらくなるのは施主自身。だからこそ、工事中の近隣対応は家づくりの大事な一部です。

今回は、新築工事中に起こりやすい近隣トラブルを7つ紹介しながら、トラブルを防ぐための対策まで解説します。

後半では、工事前の近隣挨拶についても取り上げます。手土産は何がよいのか、どこまで挨拶に行くべきか。せやま流で整理していきます。

良い関係を持って入居を迎えられるように勉強していきましょう。

トラブルを防ぐための心構え

まず前提として、今回紹介する7つのトラブルは、工事前に住宅会社へしっかり伝えておくことが大切です。

すべてを細かく伝える必要はありません。ただし、よく起こる迷惑駐車などについては、「近所の方に迷惑がかからないよう、特に気をつけてください」と現場監督に直接伝えておくこと。これだけでも効果があります。

そのうえで、工事中に気になることが起きた場合は、住宅会社へきちんと伝える。細かく言いすぎると嫌がられますが、言うべきことを言わないと、住宅会社も「いつもどおり」で流してしまいます。

近所の人はうるさいと感じていても、住宅会社側は「これくらい当たり前」と思っている場合もあります。だからこそ、施主がちょうどいい距離感で、住宅会社に注意を促す意識が必要です。

新築工事中によくある近隣トラブル7選

1. クレームが多いのは迷惑駐車

新築工事中の近隣トラブルで最も多いのが、工事車両の迷惑駐車。

特に前面道路が狭い住宅街や、突き当たりの道では要注意。そこで工事車両が邪魔な場所に停まっていると、近隣の人は本当に困ります。

問題になりやすいのが朝の通勤時間帯。車が邪魔で自宅の敷地から出られない、子どもの通学路に工事車両が停まっていて危ない。こうなると、近隣との関係は一気に悪くなります。通勤時間は特に注意するように伝えてください。

工事車両はコインパーキングに停めるなど、近隣に迷惑をかけない対応が必要です。駐車場代がかかるとしても、それも含めて工事予算として考えるべき話。

2. タイヤに付いた泥で道路が汚れる

次によくあるのが、工事車両がタイヤに泥がついたまま道路へ出てしまい、道路が泥だらけになるケース。見た目が悪いだけではありません。その道路を近所の車も通ります。タイヤに泥がつき、その泥が近隣の駐車場へ入り込むことも。

自分が近隣の立場だったら嫌ですよね。自分がされて嫌なことはしない。これが基本ですよ。

特に基礎工事など、土を掘ったり動かしたりする工事では土砂が出やすくなります。敷地外に出る前にタイヤを洗い、道路を汚さないようにすることが必要です。

本来は住宅会社が当然やるべきことです。ただ、現実にはできていない会社もあります。その場合、最終的に近隣との関係で困るのは施主。だからこそ、施主自身も「未然に防ぐ」という意識を持っておきましょう。

3. 土砂が流出して側溝に溜まる

土砂関係でもう一つ多いのが、土が流れて近隣の共有側溝に溜まってしまうトラブル。

多少は仕方ない部分もありますが、放置してはいけません。土砂が溜まると水が詰まり、近隣に迷惑をかけます。

施主もたまには現場を見に行き、側溝に土が溜まっていないか確認しましょう。気づいた場合は、住宅会社に「すみません、ここを掃除してもらえますか」と丁寧に伝えればOK

この側溝トラブルは、実際にかなり多いです。

4.時間外の工事

4つ目は、夜遅くまで工事をしてしまうケース

工期が押していると、職人さんが遅れを取り戻そうとして夜まで作業することがあります。家の中の工事なら大丈夫だろうと考える人もいますが、これもクレームになりやすいポイントです。

赤ちゃんがいる家庭では、早い時間に寝かしつけをしています。車両の出入りや作業音があると、それだけで大きなストレスに。さらに、普段は暗い時間帯に建築中の家の中だけ明かりがついていると、近隣の人は気になります。

工事の曜日や時間は、住宅会社や地域ごとにルールを決め、近隣挨拶のチラシでも伝えることが多いです。だからこそ、伝えた時間は必ず守ること。

一般的には日曜日は工事をしないケースが多いですが、地域によって違うため確認が必要です。

ゲートの閉め忘れや消灯忘れも要注意

工事時間とあわせて注意したいのが、ゲートの閉め忘れや家の中の電気の消し忘れです。築中の敷地に誰かが入れる状態になっていると、防犯上よくありません。近隣の人から見ても不安です。

もしゲートが開いたまま、電気がついたままになっていることに気づいたら、住宅会社へ連絡しましょう。

「ゲートが開いているので閉めてもらえますか」「電気がついているので消してもらえますか」と伝えてくださいね。

5. ラジオによる騒音問題

5つ目は音の問題です。

最近は職人さんの罵声のようなものは少なくなりました。一方で、よくあるのがラジオの音。職人さんが現場でラジオをかけること自体は悪くありません。ただし、近所中に聞こえるほど大きな音量はNG

また、職人さんは朝早くから現場に来ることがあります。仕事熱心なのはよいことですが、朝6時・7時台から大きな音を立てられると、近隣の人は迷惑。朝早く準備すること自体は問題ありませんが、大きな音を立てないよう配慮することは必要です。

近隣との関係は、工事中から始まっています。

6. 隣地への越境

6つ目は、養生シートやゴミが隣地へ飛んでしまうトラブル。

家を建てるときには、シートのような養生をかけます。その紐がきちんと結ばれていないと、風でひらひらして隣地側に流れてしまうことがあります。さらに、金物がついている部分が隣の車に当たり、傷をつけてしまうケースも。これは損害賠償トラブルにつながるため、本当に注意が必要です。気づいたらすぐに住宅会社へ伝えましょう。

あわせて注意したいのが、現場内のゴミ。風で飛ぶようなゴミを放置していると、隣地へ飛んでいきます。邪魔になるだけでなく、車などに傷をつける可能性も。

しかも、厄介なのは「誰のせいで傷がついたか分からない」場合です。現場にゴミが散らかっていると、「工事現場から飛んできたのでは」と疑われます。

養生をしっかり固定すること。現場内にゴミが転がっていない状態にすること。これも近隣トラブルを防ぐために大切です。施主自身が気づける部分でもあるため、「少し掃除してもらえますか」と伝えたり、一緒にきれいにしたりするのも効果的ですよ。

7. 近所が嫌がる喫煙マナーの悪さ

7つ目は、喫煙マナーの問題

休憩中に道路へ座り込んでタバコを吸う職人さんがいます。タバコだけでなく、道路に座り込んでご飯を食べる、スマホで話す、ゲームをする。これも近隣から見ると大迷惑。道路は共有の場所です。見ていて気分の良いものではありません。

さらに、喫煙については副流煙の問題もありますので、住宅会社のルールを守ることが絶対です。車の中で吸う、敷地内禁煙にする、敷地内に喫煙所を設けるなど、会社ごとにルールがあります。そのルールを守らず、公共の道路で喫煙するのはNGです。

新築工事前の近隣挨拶で大切な5つの流儀

工事前には、近隣へ挨拶に行きます。ただ、いつ行くのか、誰が行くのか、何を持っていくのか、どこまで回るのか。迷うポイントも多いですよね。

ここからは、着工前挨拶の5つの流儀を紹介します。

1. 土を触る工事の前に必ず行く

近隣挨拶は、土を触る工事の前に必ず行きましょう。

上棟のタイミング、つまり柱が立つ頃に挨拶へ行く人もいます。ただ、近隣のストレスが最も大きいのは、土を触る工事が始まるタイミングです。そのため、必ず工事が始まる前に挨拶へ行くこと。

地鎮祭をする場合は、そのタイミングで一緒に回る人も多いです。一方で、最近は地鎮祭をしない人も増えていますが、その場合でも工事開始前の挨拶は必須です。

2. 必ず施主も一緒に行く

近隣挨拶には、必ず施主も行きましょう。

住宅会社だけで回るケースもありますが、それでは不十分です。住宅会社と施主が別々に行っても構いませんが、一番良いのは一緒に行くこと。近隣の人に顔を見てもらう。これが大切です。

近隣の人は、住宅会社には強く言いやすいものです。ただ、これから近所に住む施主本人が挨拶に来ると、印象はかなり変わります。「お互い様ですから、気にしないでくださいね」と言ってくれることも多いです。

子どもがいる場合は、できれば子どもも一緒に行きましょう。子どもが笑顔で「よろしくお願いします」と挨拶するだけで、近隣との関係はかなり柔らかくなります。

3. 挨拶する時に一番大事な意識

近隣挨拶で大切なのは、とにかく笑顔で丁寧に話すこと。

何を話せばいいのか、どう伝えればいいのかと悩む人もいますが、細かい言葉は近隣の人もそこまで覚えていません。

「感じのいいご家族だったね」と、近隣の人の印象に残ることが大事。子どもと一緒にニコニコ挨拶できれば、それだけで十分効果がありますよ。

4. ちょうどいい塩梅の手土産

近隣挨拶では、手土産も持っていきましょう。手土産なしは避けたいところです。

工事内容を伝えるチラシは住宅会社が用意することが多く、たとえば、「何月何日から工事を始めるのか」「上棟はいつなのか」「工事時間は何時から何時までなのか」といった内容が記載されています。ただ、このチラシを配るだけで挨拶を済ませるのは、さすがにおすすめできません。

あまり高価なものは、かえって相手に気を遣わせてしまいます。手土産は、サランラップ(類似品ではなく)や洗剤、万人受けしやすい小さな洋菓子などがおすすめです。

5. ちょうどいい塩梅の挨拶範囲

挨拶する範囲は、まず敷地が隣接している家が基本。隣接するお隣さんには、しっかり挨拶しておきましょう。

加えて、道路向かいの家にも行っておくと安心です。道が狭く、工事車両で迷惑をかける可能性がある場所にも挨拶しておきましょう。

近くに大きなマンションがある場合、全戸に挨拶するのは現実的ではありません。その場合は管理人室へ行き、工事案内のチラシを数枚渡して掲示をお願いするのがおすすめ。管理人さんとよい関係をつくっておくことも大切です。

また、町内会長や自治会長にも挨拶しておくと安心です。地域によって雰囲気やルールは異なりますので、地域のキーマンを押さえておくことは大事。

まとめ

近隣との良好な関係づくりは、工事が始まる前から始まっています。本来であれば、住宅会社がしっかり対応してくれるべきことですが、残念ながら、そこまで配慮が行き届いていない住宅会社もあります。

だからこそ、施主自身も意識を持つことが大切です。

家づくりのプロジェクトリーダーは施主。住宅会社任せにするのではなく、自分自身が責任を持って動けば、住宅会社もよりしっかり対応してくれるはずです。

新築工事中の近隣対応は、入居後の暮らしにもつながります。

ぜひ今回の内容を参考に、近隣とのよい関係をつくってくださいね。

PROFILE

新築工事中のご近所トラブル7選と着工前の近隣あいさつ5つの流儀 | 家づくりの前に

せやま大学の人

瀬山 彰

筑波大学理工学群数学専攻卒(数理統計学士号取得)。硬式野球部に所属し、首都大学野球リーグの線形回帰分析に取り組む。

卒業後は、日本最大手の経営人事コンサルティング会社に入社。全国の住宅会社(大手ハウスメーカー・地場工務店)を担当。その中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。 中堅ハウスメーカー支店長経験を経て、2019年に起業。2021年にビーイナフ株式会社を設立。

主要事業である「せやま印工務店プロジェクト」は、2025年グッドデザイン賞受賞に加え、全国登録工務店65拠点、参加施主数は累計1723組以上、施主満足度95%以上と高い成長率と満足度を実現。また、施主や工務店のみならず、関わった全ての関係者が得をする(損をしない)、「全方良しのビジネスモデル」を他業界へ広める活動にも力を入れている。

広島県出身。娘4人の父親。2025年からは『カープ熱こじらせ兄さん せやまくん』としてのタレント活動も開始している。