【完全攻略Q&A】金利どこまで上がる?変動・固定どっちがいい?住宅ローンが怖い人こそ見て[金利・頭金・繰上げ返済・銀行・ローン]家づくり/新築/注文住宅

住宅ローンは怖くない!

今回は、住宅ローンに関する15個の質問に答えていきます。

金利も住宅価格も上がっているため、住宅ローンに不安を感じている人も多いでしょう。ただ、住宅ローンは知識さえあれば、必要以上に怖がるものではありません。むしろ、うまく使えば非常に便利なツールです。

特に会社員にとって、住宅ローンはかなり有利な融資です。変動金利が上がったとはいえ金利は1%前後の水準で、返済期間も35年はもちろん、40年・50年という選択肢まであります。

事業融資であれば、基本的に10年程度。金利1%前後で何十年も借りられるような条件は、なかなかありません。

「借金」「住宅ローン」という言葉だけで必要以上に怖がる必要はないということ。怖いのは、知識がない状態で無理なローンを組んでしまうことです。

正しく理解し、無理のない資金計画を立てれば、住宅ローンは非常に有効なツール。ここから15個の質問を順番に解説します。

住宅ローンに関する質問15選を徹底解説

1. 金利はどこまで上がる?

まず、「金利はどこまで上がるのか」という質問。

結論、これは誰にも分かりません。分かれば苦労しない話です。

 変動金利

まず変動金利から見ていきましょう。

変動金利は、日銀が決める政策金利の影響を受けます。厳密には政策金利から短期プライムレートなどを経由して住宅ローン金利に反映されますが、基本的には政策金利の水準を見ておけば、変動金利がどちらへ動いているのかは把握できます。

現在、政策金利は1%。マイナス金利から0%、0.25%と上がり、現在の水準まで上昇してきました。

では、ここからどこまで上がるのか。

一つの目安になるのが「中立金利」です。景気を過熱させすぎず、冷やしすぎもしない、いわば「ちょうどいい塩梅」の金利。

日銀は、この中立金利を意識しながら政策金利を調整していく考えを示しています。

ただし、中立金利は「○%」と明確に決まっている数字ではありません。あくまで概念的なものです。

さまざまな専門家の意見を踏まえた私の予想では、1.5~2%程度が一つの目安。現在の政策金利が1%であれば、今後さらに0.5~1%程度上昇する可能性を考えておいた方がいいでしょう。

これから住宅ローンを組むなら、現在の金利だけで返済計画を考えるのは危険です。

今より金利が1%程度上がったとしても、毎月問題なく返済できるか。ここまで確認しておく必要があります。

さらに、家を建てた後にかかるのは住宅ローンだけではありません。10年、20年と住めば、外壁や屋根などのメンテナンス費用がかかり、固定資産税も必要です。

こうした住宅ローン以外の住宅費として、月1.5~2万円程度は見込んでおきましょう。

住宅ローンの返済に加え、修繕費や固定資産税まで含めても無理なく生活できるか。そこまで考えて資金計画を立てることが大切です。

それが難しいのであれば、今の家づくり計画自体を見直すべきです。

 固定金利

一方、固定金利は現在かなり上昇しています。

固定金利は、主に10年国債の利回りに連動します。その10年国債の利回りが大きく上がっているため、固定金利も上昇している状況です。

例えばフラット35では、昨年末に1.9%程度だった金利が、現在は3%を超える水準になっています。8月も国債利回りが上昇しているため、9月の固定金利も上がる可能性があります。

まさに固定金利上昇の時代。

固定金利は「申し込み時の金利」とは限らない

ここで必ず知っておいてほしい注意点があります。

固定金利は、住宅ローンを組んだ後は金利が固定されます。しかし、申し込みから住宅が完成するまでの間は金利が変わる商品が大半です。

住宅ローンの適用金利は、申し込んだ時点ではなく、融資実行・決済時の金利になるケースが多いためです。

中には申し込み時点の金利が適用される住宅ローンもありますが、多くは融資実行時。

例えば、昨年末に金利1.9%で資金計画を立てて住宅ローンを申し込み、完成時の金利が3%になっていれば、3%から返済がスタートします。そして、その金利が固定されるわけです。

固定金利には、このようなリスクもあることを理解しておきましょう。

2. 変動金利と固定金利どっちがおすすめ?

私なら、断然変動金利を選びます。

変動金利には、ここからさらに1%程度上昇するリスクがあります。ただ、現在が1%前後なら、1%上がっても2%程度。

一方、固定金利はすでに3%を超える水準です。

変動金利がさらに上昇し、固定金利を大きく逆転する可能性は低いと見ています。

変動金利の基準となる政策金利は、日銀が経済状況を見ながら決定します。

もちろん国そのものが大きく混乱するような状況になれば別ですが、基本的には人が判断して調整するもの。その意味では、ある程度コントロールしやすい金利とも言えます。

一方、固定金利に影響する10年国債の利回りは市場によって動くため、完全にコントロールすることはできません。

住宅ローンは、残債が大きい時期ほど金利の影響を強く受けます。当然、ローンを組んだ直後が最も残債の多い時期。

将来的に金利が上がる可能性はあっても、残債が最も大きいスタート時点で低金利の恩恵を受けられる。これも変動金利のメリットです。

私自身も住宅ローンは変動金利ですし、その他の融資も基本的に変動金利を選んでいます。

もちろん、固定金利が向いている人もいます。

多少金利が高くても毎月の返済には問題がなく、「将来金利が上がるかもしれない」という不安を抱え続ける方が嫌だという人は、固定金利でもOK。

また、フラット35には、子どもの人数や住宅性能などによって金利が引き下げられるポイント制度があります。

これを活用して、例えば10年間2%程度まで金利を抑えられるのであれば、固定金利も選択肢に入ってきます。

3. 年収の何倍まで借りられる?

銀行によって審査金利や基準が異なるため一概には言えませんが、年収の8倍程度までを上限とする銀行は多くあります。年収帯などによって6倍、7倍と変わるケースも。

ただし、一番大事なのはここではありません。「借りられる金額」と「返せる金額」はまったく別です。

年収の8倍まで借りられたとしても、その返済額を毎月の家計に落とし込んだときに生活が苦しくなるなら、そんなローンは組むべきではありません。

年収はあくまで額面です。そこから社会保険料や税金などが引かれ、実際に使える手取り額は少なくなります。

最大で年収の8倍程度まで借りられる可能性はあっても、基準にするべきなのは「毎月無理なく払えるか」。ここを絶対に忘れないでください。

4. 何年で借りるべき?

基本は35年でいいでしょう。もちろん年齢にもよります。基本的には、65歳前後の定年までに完済できる年数で考えるのが一般的です。

ただし、戦略的に住宅ローンを使える人なら、あえて40年・50年で借りる方法もあります。

私は住宅ローンを「できるだけ借りたい」という考え方です。住宅ローンを借りられたら、「借金を背負ってしまった」ではなく、「低金利で長期間の資金を確保できた」と考えます。

手元にキャッシュを残し、その現金を別の場所で動かして住宅ローン金利以上の利益を生み出せる人なら、長期ローンを戦略的に使うのは十分ありです。

一方で、35年ローンでは毎月の支払いが苦しい、希望する借入額に届かない。だから45年、50年に延ばそう。これはおすすめしません。

「50年にすれば借りられますよ」「月々の返済も下がりますよ」と安易に勧める住宅会社には要注意。

これは残価設定ローンで無理をして車を買うのと似ています。

無理な資金計画で高い車を買う必要はありません。カーリースを使う、中古車を安く買うなど、身の丈に合った選択肢はいくらでもあります。

返済が苦しいから50年ローンにして、無理やり家を建てるのはNG。住宅会社は最終的な返済責任を取ってくれません。

最後に責任を負うのは自分自身。無理な50年ローンはダメ。戦略的に使う50年ローンはあり。

これが結論です。

5. 頭金はどれくらい入れるべき?

大前提として、戦略的に住宅ローンを考えるなら、基本的に頭金をたくさん入れる必要はありません。フルローンで借りられるなら、フルで借りる。これが基本です。

現金は非常に大切。その大切な現金を、お金を生む資産ではなく、経済的には支出を伴う「家」というツールに大量投入してしまうのはおすすめしません。

現金を手元に置いておけば、無駄な保険を減らせる場合もあります。精神的な安心材料にもなりますし、事業の種銭や投資資金として使うことも可能。

現金には、さまざまな選択肢があります。しかも、現金は簡単には増えません。

頭金を入れなくても住宅ローンを組めるのであれば、できるだけ現金は手元に残しておく。借りられるだけ借りる。これが基本的な考え方です。

もちろん例外もあります。

例えば、親から住宅取得資金の援助を受け、非課税制度を利用するために資金を住宅へ入れる必要があるケース。

また、ネット銀行を中心に、物件価格の2割程度を自己資金として入れることで金利が下がる商品もあります。こうした場合は、金利優遇などの条件とのバランスを見て頭金を入れるのはありです。

もちろん、使い道がないほど現金が余っている人なら、現金で購入しても構いません。

ただ、年収600~1,500万円程度の多くの人は、なるべく現金を手元に置きながら借りられる範囲で住宅ローンを活用する。

ただし、何度も言いますが毎月の返済が無理のない範囲であることが大前提です。

6. 繰上げ返済はするべき?

これは頭金と基本的に同じ考え方で、原則として、私は繰り上げ返済を積極的にはおすすめしません。せっかく低金利・超長期で借りられた住宅ローンを、貴重な現金を使って急いで返す必要はないという考え方です。

金利が上がったとしても、1~2%程度。その現金を使って、それ以上の利回りを生み出せる可能性はないでしょうか。

株や事業だけではありません。自分自身への投資も一つです。

勉強やスキルアップに100万円使い、それによって生涯収入が大きく増えるなら、住宅ローンの1%を削減するよりはるかに高いリターンになります。

私も事業を始めたときには数百万円を投資しました。それが現在では100%、200%というレベルではないほどのリターンにつながっています。もし当時、手元に現金がなかったと考えるとゾッとします。

それほど現金には可能性があります。

例えば金利1%の住宅ローンを100万円繰り上げ返済しても、単純計算なら軽減できる金利負担は年間1万円程度です。

その100万円を使って年間2万円、3万円、5万円、10万円と価値を生み出せるなら、そちらの方が合理的。

もちろん、現金が十分余っていて、住宅ローン控除も終わり、投資や事業などに使う予定もない。普通預金に置いておくだけという資金なら、繰り上げ返済しても構いません。

ただし、「金利が上がって不安だから」という理由だけで、頭金や繰り上げ返済に現金を使いすぎないこと。

それ以外の現金の活用方法、特に自分への投資も含めて考えてください。

7. 銀行はどこがいい?

メガバンク、地方銀行、信用金庫、ネット銀行。どこがいいのか。

結論はシンプルで、自分にとって最も条件のいい銀行を選んでください。

金利だけを見ると、ネット銀行やメガバンクは強い傾向があります。一方、地方銀行や信用金庫でも、住宅ローンの保証料や手数料を無料・半額にするキャンペーンを実施していることも。

住宅会社とも連携しながら、自分でも比較して条件の良い銀行を探しましょう。

ただし、金利だけを見て飛びつくのは危険です。注文住宅では、完成時に一括で住宅ローンを受け取るだけではありません。

土地の決済、建物の着工、中間金など、家が完成するまでに何度か資金が必要になります。

銀行によっては分割融資やつなぎ融資への対応が異なり、場合によっては途中の支払いを自己資金で立て替える必要が出ることも。

このあたりまで施主だけで判断するのは難しいところです。

住宅会社の担当者と話し合い、「どの銀行が使えるのか」「総合的にどの銀行が最も有利なのか」を確認してください。

FPに相談するなら有料FPを!

住宅会社の営業担当者だけでは不安なら、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談する方法もあります。その場合、無料FPではなく有料FPをおすすめします。

無料相談を行っているFPは、住宅会社や保険会社への紹介料などで収益を得ているケースがあります。

住宅会社から紹介料を受け取る仕組みなら「この資金計画でも大丈夫です」と住宅購入を後押しする方向へ。保険会社から報酬を得る仕組みなら、「このままでは危険です」「保障が足りません」と保険加入を促す方向へ傾く可能性があります。

一方、相談そのものに料金を設定している有料FPであれば、相談者から報酬を受け取っている分、施主目線で提案してくれる可能性が高くなります。

8. 土地探し前に事前審査は必要?

土地を探していると、不動産会社から「住宅ローンの事前審査は通っていますか?」「事前審査をしておきましょうか?」と聞かれることがあります。

結論、必須ではありませんが、事前審査を一度通しておくと土地探しがスムーズになります。

まず大前提として、土地探しをする前に住宅会社を決めてください。

どの会社で家を建てるのかを決め、その住宅会社とタッグを組んで土地を探すのが基本です。

良い土地が見つかったら、すぐ住宅会社に現地調査をしてもらい、役所調査や造成費用なども確認する。

この体制を作ってから土地探しをしないと、土地だけ先に購入してしまい、後から大きな造成費用が必要だったと分かることもあります。土地購入後では後戻りできません。

そのため、住宅会社を決めてから、その会社に「これから土地を探すので、一度住宅ローンの事前審査を通してほしい」とお願いするのがおすすめ。

 事前審査で個人信用情報も確認される

住宅ローンの事前審査では、年収などだけでなく、個人信用情報も確認されます。過去に金融事故などがないかを確認する情報です。

一度事前審査が通っていれば、「個人信用情報を含め、ひとまず住宅ローン審査の入口はクリアしている」という状態になり、不動産会社にも「事前審査は通っています」と伝えられるため、安心して土地を紹介してもらいやすくなります。

事前審査は何社にも出す必要はない

注意したいのは、住宅会社を決める前に色んな住宅会社を回ると、住宅会社側が次回アポイントにつなげるために、「とりあえず審査しておきましょう」と勧めるケースもあります。

しかし、住宅ローンの審査をした履歴は個人信用情報に一定期間残ります。

半年程度で消えるとはいえ、短期間に何社も審査していると、「なぜこれだけ審査しているのか」「他で通らなかったのか」と見られる可能性もゼロではありません。

手当たり次第に申し込む必要はなし。

「この住宅会社で建てたい」と有力候補が決まった段階で、一度事前審査を通す。それで十分。

次の審査は、本当に購入したい土地が見つかったとき。その土地を前提に正式な審査へ進んでください。

9. 転職したらローン組めなくなる?

転職直後は、住宅ローンを組みにくくなります。一般的な銀行では、転職後2~3年程度の勤務実績を求められることが多いためです。

同業他社への転職で、これまでと同じスキル・同じ業界でキャリアが継続している場合などは、個別に審査してもらえるケースもあります。

ただ、基本的には2~3年程度の勤務実績が必要と考えておいた方がいいでしょう。

例外として、有力なのがフラット35。フラット35なら、転職して数か月程度でも審査できるケースがあります。

もちろん半年、1年と勤務して年間収入の実績が出ている方が審査上は有利ですが、転職直後でも審査の対象にはなります。

転職したばかりで、どうしても今住宅ローンを組みたい場合には、フラット35が有力な選択肢です。

とはいえ、家を建てる予定と転職の予定が両方あるなら、基本的には住宅ローンを実行して家が完成してから転職してください。

10. 審査通った後なら転職OK?

これは絶対にやめてください。

住宅ローンは、審査を申し込んだときの勤務先や収入などの条件が、融資実行時まで基本的に変わっていないことを前提に審査されています。

審査申込後から住宅完成までの間に転職すると、申請条件が変わります。その結果、住宅ローンが通らなくなり、融資を受けられなくなる可能性があります。

「銀行にバレなければいい」と考えるのも危険です。どこかのタイミングで勤務先の変更が判明する可能性があります。

転職するなら、住宅ローンを組み、家が完成し、実際に融資を受けた後。ここは絶対に守ってください。

11.  持病・既往歴があってもローンは組める?

住宅ローンを組む場合、多くの銀行では団体信用生命保険、いわゆる「団信」への加入が条件になります。

住宅ローンの契約者が亡くなったり、高度障害状態になったりした場合に、残っている住宅ローンが保険によって返済される仕組みです。

ただし、大きな病気や手術歴などがある場合、団信へ加入できないケースがあります。

では、団信に入れなければ住宅ローンそのものが組めないのか。そんなことはありません。

フラット35では、団信あり・団信なしを選択できます。

そのため、健康上の理由で団体信用生命保険に加入できない人でも、フラット35なら住宅ローンを組める可能性があります。団信を付けない場合は、金利が0.2%程度低くなるケースも。

ただし、団信なしで契約者が亡くなった場合でも住宅ローンは残ります。遺された家族がどう返済するのかという問題があるため、生命保険など別の方法で備えておく必要があります。

団信に入れないから家を諦めるのではなく、フラット35なども含めて選択肢を検討してください。

12. 一般団信?特約オプション?

一般団信だけでいいのか。それとも、ガン団信や八大疾病などの特約を付けるべきなのか。

確率論だけで考えるなら、私は一般団信で十分だと考えています。

ガン団信や八大疾病保障には、それぞれ住宅ローン残高が免除されるための条件があります。その条件は意外と厳しいもの。

銀行側も保険商品として成立させる必要があるため、確率論で考えれば、結果的に一般団信だけの方が得になる人が多くなります。

一方、こうした特約には「心の安定剤」という意味もあります。

特約を付けることで金利が0.1%、0.2%、0.3%と上がったとしても、毎月の返済にまったく問題がなく、その金額で安心を買いたいなら加入しても構いません。

私はもったいないと感じるため一般団信のみですが、最終的には本人の価値観です。

 保険は必要なものを絞る

私は基本的に、保険へ入りすぎる必要はないと考えています。

住宅ローンで一般団信に加入すれば、それ自体が生命保険の一つ。その分、既存の生命保険を減額できる場合もあります。

私自身が必要性を感じているのは、例えば家族の生活を支えるための収入保障保険、火災保険、自動車保険、個人賠償責任保険などです。

もちろん「保険に入っていて助かった」というケースもあります。そのため、最後は自己判断。安心にいくら払うのかを考えて選んでください。

13. 自営業者が組めるローンは?

自営業者の場合、有力なのはフラット35、もしくは普段から取引のある地方銀行や信用金庫です。

特にフラット35は、自営業者でも審査対象になりやすく、条件面でも使いやすい住宅ローンです。

ただし、固定金利そのものがかなり上昇している現在、3%を超えるような金利で長期ローンを組むのかという問題もあります。

自営業者であれば、普段取引している地方銀行や信用金庫にも相談してみてください。

長期間の住宅ローンという形だけでなく、日頃の取引関係を踏まえて別の融資方法を相談できる可能性もあります。

法人化している場合には、法人名義で住宅を所有し、社宅として役員や社員が借りる形も考えられます。

ただし、これは会社の財務状況などによって向き・不向きがあります。

自営業者や法人経営者にはさまざまな選択肢があるため、顧問税理士にも相談しながら、最も有利な方法を検討してください。

14. ブラックリストって何?

一般的に「ブラックリストに載っている」と言われますが、「ブラックリスト」という正式な一覧表が存在するわけではありません。

住宅ローン審査では、「個人信用情報」が確認されます。これは、過去のローンやクレジットカードなど、個人の金融取引に関する履歴です。かなり昔に分割払いで購入した携帯電話や、初めて作ったクレジットカードなどの履歴が残っていることもあります。

CIC、JICCなどの信用情報機関へ開示請求すれば、自分自身で確認できますよ。

例えば返済期限を過ぎ、何度も督促を受けても返済しなかった。あるいは返済を長期間忘れ、債権が保証会社へ移った。こうした金融事故が発生すると、個人信用情報に「異動」と記録されることがあります。

こうした情報は基本的に5年間程度残り、その間は住宅ローンを組むことが難しくなります。

このように信用情報に金融事故の記録があり、住宅ローンなどを組めない状態を、一般的に「ブラックリストに載っている」と表現しているわけです。

自分の信用情報が心配な人は、一度取得して確認してみてください。

住宅ローン審査に何度か落ちているものの、理由がまったく分からない場合にも有効です。

銀行は、住宅ローン審査に通らなかった具体的な理由を開示することができないので、理由が分からずモヤモヤしているなら、自分で個人信用情報を取得して確認するのが早いでしょう。

15. 収入合算とペアローンの違いは?

夫婦2人の収入を使って住宅ローンを組む場合、大きく「収入合算」と「ペアローン」という2つの方法があります。

収入合算

住宅ローンは基本的に1本です。

収入の多い方などを主債務者とし、もう一方の夫または妻が連帯保証人などの形で加わり、2人の収入を合算して借入額を計算します。

住宅ローンが1本なので、手続きが比較的シンプル。各種手数料も1本分で済む点がメリットです。

一方、住宅ローン控除は基本的に主債務者のみ。団体信用生命保険も主債務者のみが対象になるのが一般的。

そのため、収入を合算しているもう一方が亡くなった場合でも、住宅ローン残高はそのまま残るというデメリットがあります。

2人が連帯債務者となり、それぞれ住宅ローン控除を利用できる「連帯債務型」という方法もありますが、対応している銀行はそれほど多くないため、一般的な方法とは言いにくいでしょう。

ペアローン

住宅ローンを2本組みます。

夫の住宅ローンと妻の住宅ローン。それぞれが個別に契約する仕組みです。

それぞれ住宅ローン控除を利用でき、それぞれ団信にも加入できるのがメリット。

一方で住宅ローンが2本になるため、契約時の手数料などもそれぞれにかかります。

収入合算とペアローンは、メリットとデメリットが表裏一体です。

ざっくり分けるなら、夫婦の収入差が比較的大きい場合は、収入の多い方を主債務者とした収入合算が選択肢。

2人の収入が同程度なら、ペアローンも検討しやすくなります。

ただし、住宅ローン控除は所得税などから控除する仕組みなので、働いて収入がなければ十分に活用できません。

特に出産や育児などで一時的に仕事を休む可能性がある場合には、その期間も含めて考える必要があります。

現在の年収だけで「どちらが得」と判断するのではなく、夫婦それぞれの今後の働き方まで考えて決めてください。

家庭の状況に合わせてローンを考える

私自身は、男性がしっかり稼ぐ覚悟を持った方がいいという考えです。もちろん家庭によって役割分担の形はいろいろです。その上で、出産によって女性が仕事を休んだり働き方を変えたりする可能性があるなら、夫側がその期間も家計を支えられるだけの収入を確保することも大切です。住宅ローンを組む以上、どちらかの収入が一時的に減っても家計が破綻しない状態を作っておくことが重要。

その意味でも、夫婦それぞれが今後どう働き、どう収入を得ていくのかまで考えた上で住宅ローンを組んでください。

まとめ

今回は、住宅ローンに関する15個の質問に答えました。

金利が上がっている今、「住宅ローンは怖い」と感じる人も多いでしょう。ただ、住宅ローンは正しく理解して使えば、低金利で長期間お金を借りられる非常に便利なツールです。

住宅ローンを必要以上に怖がることはありません。怖いのは、知識がないまま無理なローンを組んでしまうこと。大切なのは、「いくら借りられるか」ではなく、「無理なく返していけるか」。

金利上昇の可能性はもちろん、固定資産税や将来の修繕費まで含めて資金計画を立ててください。そのうえで、自分たちの状況に合った選択をしていきましょう。

しっかり勉強して、住宅ローンを上手に活用してください!!

PROFILE

【完全攻略Q&A】金利どこまで上がる?変動・固定どっちがいい?住宅ローンが怖い人こそ見て[金利・頭金・繰上げ返済・銀行・ローン]家づくり/新築/注文住宅 | 「住宅ローン」について学びたい

せやま大学の人

瀬山 彰

筑波大学理工学群数学専攻卒(数理統計学士号取得)。硬式野球部に所属し、首都大学野球リーグの線形回帰分析に取り組む。

卒業後は、日本最大手の経営人事コンサルティング会社に入社。全国の住宅会社(大手ハウスメーカー・地場工務店)を担当。その中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。 中堅ハウスメーカー支店長経験を経て、2019年に起業。2021年にビーイナフ株式会社を設立。

主要事業である「せやま印工務店プロジェクト」は、2025年グッドデザイン賞受賞に加え、全国登録工務店65拠点、参加施主数は累計1723組以上、施主満足度95%以上と高い成長率と満足度を実現。また、施主や工務店のみならず、関わった全ての関係者が得をする(損をしない)、「全方良しのビジネスモデル」を他業界へ広める活動にも力を入れている。

広島県出身。娘4人の父親。2025年からは『カープ熱こじらせ兄さん せやまくん』としてのタレント活動も開始している。

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