2026.08.09
注文住宅の間取りづくりが下手なプランナーの特徴7選
目次
こんなプランナーは嫌だ!間取りづくりで失敗しないための注意点
間取りは、本当にプランナー次第です。
どれだけ性能が良い家でも、間取りが使いにくければ暮らしにくい家になります。逆に、限られた予算や面積でも、プランナーの力があれば「この坪数でここまでできるのか」という良い間取りになります。
今回は「こんなプランナーは嫌だ7選」として、避けたいプランナーの特徴と、その対策を解説します。
今まさにプランを作っている人は、少しでも良い間取りに近づけるために。これから間取りづくりを始める人は、良いプランナーに出会うために。しっかり押さえてください。
プランは誰が描くのか?
まず、間取りのプランは誰が描くのか。大きく分けると3パターンあります。
1. 営業担当がそのまま描くパターン
営業担当がそのままプランを描く場合、施主とのコミュニケーションが取れているため、要望を汲み取りやすいメリットがあります。
一方で、構造や現場の納まりは苦手なことも。構造的に危ないプランや、現場で納まらないプランを書いてしまうケースがあります。
2. 社内の設計担当が描くパターン
社内の設計担当がプランを兼任する場合、構造や納まりには強いです。現場目線では良いプランになりやすい。
一方で、営業担当に比べるとコミュニケーションが少し弱かったり、守りに入りすぎたりすることがあります。「これは施工上仕方ありません」と、要望を入れきれないまま進むことも。
3. 外部の建築家・設計士が描くパターン
外部の建築家や設計士が描く場合、プラン作成やプレゼンは非常に上手です。
ただし、外部の人なので、社内の施工部隊や大工との連携が取りにくいことがあります。その結果、現場で事故が起きやすくなることも。
どのパターンにも一長一短があります。良いプランナーは良い。悪いプランナーは悪い。結局は人次第です。
こんなプランナーは嫌だ 7選
1. まともにヒアリングをしない

まともにヒアリングをしないプランナー。
間取りづくりは、ヒアリングが8割。根拠のある数字ではありませんが、それくらいヒアリングで決まります。要望を綿密に、細かく、網羅的に、深く聞くことで、良いプランができます。
「何部屋ほしいですか?」だけでは足りません。
どういう生活がしたいのか。今の住まいで何が不満なのか。たとえば「パントリーがほしい」と言われたら、なぜパントリーがほしいのかを確認する必要があります。
コストコによく行くのか。買い置きが多いのか。実はそこまで必要ないのか。こういうキャッチボールをしないと、良いプランは出てきません。
一般的な部屋数だけ聞いて「いい感じにしておきます」で終わるプランナーはダメです。
良いプランナーほど、ヒアリングをしっかりしてくれます。これは間違いありません。
対策:ヒヤリングシートを使う
もし、十分にヒアリングしてくれないプランナーに当たった場合は、施主側でも対策が必要です。
私が無料で配布している「間取り希望共有シート」のようなものを使い、要望を整理して伝えてください。
本来はプランナーがやるべきことですが、良い間取りにするためには、施主側もできることをやる必要があります。
2. プラン作成能力が低い

プラン作成能力が低いプランナー。これはかなり致命的。
要望を10個伝えたのに、2個くらいしか入っていない。しかも「2個しか無理でした」で終わる。
いや、そこを頑張るのがプランナーの仕事です。こういう人も残念ですが実際にいます。
対策:「せやまどりルール一覧表」を使う
この場合も、施主側でできることはあります。
私が無料で配布している、「せやまどりルール一覧表」を使ってください。50項目以上のチェック項目があります。
その中でも、夫婦で絶対に大事にしたいものにはチェックを入れておく。たとえば、1階完結型にしたい。洗面とキッチンを近くしたい。1階にウォークインクローゼットがほしい。2階は小さくていい。こういった優先順位を、ヒアリング時にしっかり伝えてください。
もちろん、それをどう料理するかはプランナーの腕です。ただ、施主ができることは、要望を具体的に整理して渡すこと。
3. 施主の意見を聞きすぎる

施主の意見を聞きすぎるプランナー。
施主が自分で書いた図面を持ってくることがあります。プランナーからすると、正直困ることも多いはずです。素人が考えた図面なので、構造や動線、納まりがとんでもないことになっている場合も。これは施主が悪いわけではなく、素人なので当然です。
問題は、その図面をプロがそのまま採用してしまうこと。「では、これでいきましょう」と言われても、施主側も不安になります。
施主が言ったことを全部そのまま反映するだけで、プロとしてのアドバイスがない。これも危険です。
4. 自分の作品作りと勘違いしている
自分の作品作りと勘違いしているプランナー。
施主の意見を聞きすぎるプランナーも困りますが、逆に聞かなさすぎるプランナーも困ります。まるで、プランナーの作品づくりに施主が協力しているような状態。施主は実験台ではありません。
特に建築家と呼ばれる人の中には、少し変わった間取りや、誰もやっていないようなことをやりたがる人もいます。いわゆるアーティスト系。
それが好きな人は、それで建てればOK。ただ、家は住むものであり、人と違うことが重要なのではなく、機能性と住み心地が大事です。
作品作りに傾倒しすぎず、施主の要望を聞き、プロの意見もはっきり言う。そのバランスが必要。
プロの意見はしっかり伝えながら、施主の意見も取り込む。ちょうどいい塩梅のプランナーが理想です。
5. 打ち合わせ内容を反映しない

打ち合わせ内容が次回のプランに反映されないプランナー。
しっかり打ち合わせをして、ヒアリングでも要望を伝えた。それなのに、次に出てきたプランに全然反映されていない。これでは打ち合わせが進みません。
「この要素が入っていません」「あの要素も入っていません」「このままでは打ち合わせが難しいです」となってしまいます。
単純に忘れているプランナーもいます。一方で、覚えているけれど入れられなかったため、そのまま出してくる人も。どちらも困ります。
せめて入れられなかったなら、「やってみましたが、これは入れられませんでした」と説明してほしいところです。そのうえで、「これを入れるなら、こちらは入れられません」「こちらを外すなら入れられます」と折衷案を出してくれれば、打ち合わせになります。
対策:議事録を作って送る
打ち合わせ内容が反映されない場合は、施主側で議事録を作って送るのが有効。打ち合わせ後に「今回決まった内容はこれです」「次回プランに反映してください」と明確に伝える。
営業担当とのやり取りでも同じですが、記録を残してアピールしていくことが大事です。
6. 予算を無視する

予算を無視するプランナー。これも実際にいます。
要望を全部入れましたと言いながら、30坪でお願いしていたのに38坪の間取りになっている。
「この要望なら、この坪数になります」「皆さんこれくらい建てています」「平均は40坪くらいです」と、都合のいいことを並べる人もいます。大きくしていいなら、お金をいくらでもかけていいなら、要望はいくらでも入れられます。でも、実際には予算も面積も限られています。
限られた予算と面積の中で、要望をきちんと入れ、「この坪数なのに、こんなに収納がある」「リビングも広い」と感じられる間取りにする。それが間取りづくりの真骨頂。
面積だけではありません。段上げ、造作、勾配天井、スキップフロアなど、かっこいい提案をどんどん入れるプランナーもいます。それ自体は魅力的ですが、金額がどれだけ上がるのかを考えなければいけません。
「一生に一回の家づくりですから」「月々に直すと5,000円ですから」こう言う人もいますが、住宅ローンは35年続きますよ。
プランと金額はセットで確認する
さらに危険なのは、お金に一切触れないプランナーです。プランを出すなら、金額も出す。これはセットです。
プランの打ち合わせを何回もして、その都度金額を出さない。そして、ようやく良いプランができたと思った段階で、初めて金額を出される。
「500万円上がっています」と言われたら、もう大変です。こういうケースは少なくありません。
プランの打ち合わせでは、必ず「このプランの金額はいくらなのか」を出してもらってください。
特に、設計寄りのプランナーはお金の話に弱い場合がありので、施主の責任で、しっかり求めていきましょう。
7. 構造を意識しない

構造や施工を意識しないプランナー。これは営業担当がプランを描く場合に多い傾向があります。
たとえば、直下率が30%くらいしかないプラン。直下率とは、1階と2階の壁や柱の位置がどれくらいそろっているかを示すものです。壁の直下率は50%以上を目安にしたいところ。
また、木造住宅では基本的に4P、つまり約3,600mmごとに柱や壁が必要です。それなのに、柱も壁もない大空間を作ってしまう。会議室のような空間になっている。さらに、窓を取りすぎて耐力壁が足りないプランもあります。これはかなり危険。
経験や勉強が必要な部分ではありますが、プランナー側にはしっかり学んでほしいところです。
耐震等級3と構造計算を確認する
施主としてできることは限られますが、まず耐震等級2か3を取ることです。構造計算が入れば、かなり危ないプランは是正されます。
耐震等級1なら、そのまま建ってしまうこともあります。だからこそ、耐震等級2や3を取り、しっかり構造計算をすることが重要です。
さらに、「直下率はどれくらいですか?」と確認するだけでも、プランナーへの意識付けになります。中には「直下率って何ですか?」というプランナーもいます。その場合は、壁の直下率50%以上を目安にしてほしいと伝えてください。
施主側ができることとして、構造を意識させるのは大事です。
プランナーはどうやって見極める?
ここまで読んで、「危ないプランナーの特徴は分かったけれど、どうやって見極めればいいの?」と思う人も多いはず。プランナーは選べないと思い込んでいる人もいます。
でも、そこもちゃんと選びましょう。住宅会社を選ぶのと同じです。
過去のプランを見せてもらう
見極め方はシンプルです。過去のプランを見せてもらってください。
営業担当と話が進み、契約を検討する段階になったら、「私のプランを担当するプランナーの過去のプランを見せてください」と伝えましょう。これを嫌がる会社は少ないはず。過去のプランを見れば、だいたいの力は分かります。
プランナー本人に会わせてもらう
できれば、プランナー本人にも会わせてもらってください。
5分、10分で構いません。「その人の考え方を聞きたいので、少しだけ会わせてください」と伝えれば、対応してくれる会社は多いです。
設計契約前にプランナーへ会わせられないという会社もあるかもしれません。でも、それでは契約の判断ができません。5分でも10分でもいいので、会わせてほしいと伝える。営業担当も動いてくれるはずです。
プランナーは選べないものだと思い込まないでください。そんな法律はありません。間取りは本当に大事。断熱、気密、換気、シロアリ対策の次に、間取りも大事。間取りも性能の一部です。ここは妥協せずに進めてください。
何度打ち合わせても良いプランができない時は?
何度打ち合わせても、良いプランが出てこないことがあります。
そういう場合、最初のヒアリングがおかしい可能性が高いです。つまり、要望や希望の整理ができていない状態。
たとえば、1階に和室が必要なのか、不要なのかがふわっとしている。夫婦で意見が分かれている。要望が固まっていないまま進めている。これでは、何回打ち合わせをしても答えが出ません。
施主の中に答えがないのに、正解の間取りを出すことはできないからです。
夫婦で希望を整理し直す
まずは、間取りの前に自分たちの中の正解を作ってください。「こういう間取りができたら、私たちは100点」と言える状態にすること。
希望要素を1つずつ固める。夫婦で意見が違うなら、歩み寄って答えを出す。そこができていないと、どれだけ打ち合わせを重ねても迷子になります。一度、希望の整理とヒアリングに立ち返るのが一番効果的です。
まとめ
あくまで傾向ですが、予算の意識が弱いのは設計寄り、構造に対しての意識が弱いのは営業担当がプランを描く場合。
プランナー選びも住宅会社選びと同じくらい重要。過去のプランを見せてもらう、実際に話をして考え方を確認するなど、遠慮せず見極めましょう。
施主ができるアプローチをしっかり行い、理想のプランを目指してください。
PROFILE
せやま大学の人
瀬山 彰
筑波大学理工学群数学専攻卒(数理統計学士号取得)。硬式野球部に所属し、首都大学野球リーグの線形回帰分析に取り組む。
卒業後は、日本最大手の経営人事コンサルティング会社に入社。全国の住宅会社(大手ハウスメーカー・地場工務店)を担当。その中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。 中堅ハウスメーカー支店長経験を経て、2019年に起業。2021年にビーイナフ株式会社を設立。
主要事業である「せやま印工務店プロジェクト」は、2025年グッドデザイン賞受賞に加え、全国登録工務店65拠点、参加施主数は累計1723組以上、施主満足度95%以上と高い成長率と満足度を実現。また、施主や工務店のみならず、関わった全ての関係者が得をする(損をしない)、「全方良しのビジネスモデル」を他業界へ広める活動にも力を入れている。
広島県出身。娘4人の父親。2025年からは『カープ熱こじらせ兄さん せやまくん』としてのタレント活動も開始している。

