2026.08.10
2026.08.10
大手ハウスメーカーでも起きる!工事ミス・施工不良が多い工務店3つの隠ぺい工作と回避方法【新築住宅】
目次
施工不良が多い住宅会社を避ける方法

大手ハウスメーカーで家を建てたのに、施工不良で大きなストレスを抱えた。裁判になった。SNSやYouTubeでも、こういった話を見かけることがあります。
「自分には関係ない」と思う人もいますが、実は意外と起きています。
住宅業界に長くいると、工事が雑な会社はかなり多いと感じます。しかも、そういう会社ほど、施主にバレないように隠すのがうまい、隠蔽工作が上手なのです。その結果、施主は気づかないまま契約してしまいます。
工事が始まってから、「なぜ現場に行けないのか」「なぜ隠すのか」「なぜ報告してくれないのか」と違和感を覚え、入居前にトラブルが起き、引き渡しが延びることもあります。
これから家を建てる人、住宅会社を選ぶ人は、工事が雑な会社の特徴を知っておくことが必要!どこで隠蔽工作をしてくるのか、契約前に何を確認すべきか。ここを押さえるだけで、100%ではありませんが、危ない会社をかなり高い確率で避けられます。
世の中には本当に丁寧に工事をしてくれる会社もあります。そういう会社と家を建てられれば、ほぼ勝ったも同然。住宅性能、デザイン、価格も大事ですが、家の良し悪しを大きく左右するのは、実際に工事をする職人の精度、現場の施工精度です。
今回は、施主がなかなか知ることのできない工事現場の実態、住宅業界側の闇も含めて解説します。
工事が雑な会社の隠蔽工作3選
1. 工事中に施主を現場見学に行かせない
工事が雑な会社、施工ミスや施工不良が多い会社がやりがちな隠蔽工作の1つ目は、工事中に施主を現場に行かせないこと。
「現場に勝手に行ってはいけません」「現場に行く時は、必ず営業担当に連絡してください」「営業担当が同席して見学します」
こういう会社がありますが、正直、かなりおかしいですよ。自分の家ですから。
もちろん、建築中の建物の所有者は住宅会社なので、勝手に中へ入ってはいけないのは理解できます。
ただ、敷地は施主のものですし、お金を払っているのも施主。建築中の工程を見に行くことも、家づくりの楽しみの一つ。それなのに「見に行ってはいけない」と言う理由は、見に来られると困るから。関係者(職人さんや現場監督)がいないときに、施主だけで現場への立ち入るのはNGです。
現場の整理整頓ができていない
急に施主が来ると困るため、営業担当を通して連絡させて、営業担当から現場に「何月何日に施主が見学に来るから、きれいにしておいて」と伝える必要がある。
つまり、普段から見せられる状態ではないということです。
職人のマナーが悪いことも多い
挨拶ができない、敷地内でタバコを吸う、ゴミを放置する、近所の道路に座り込んで休憩する、こういう現場は要注意。
職人が施主へきちんと対応できない、さらに言えば、住宅会社側がどんな職人が現場に入っているのか把握できていない。そういう会社もあります。
施主が現場に自由に行けない会社は、工事が雑な会社の特徴の一つですよ。
2. 工事中の記録を残さず、施主に報告しない
隠蔽工作の2つ目は、工事中のなるべく記録を残さず、施主へ報告しないこと。
記録に残すと、後から指摘される可能性があるからです。
「これ、少しおかしくないですか?」「ここ、汚くないですか?」「ここ、図面と違いませんか?」
そう言われるのを避けるために、必要最低限の記録だけで済ませ、報告もしない。これはかなり危険です。
家を建てている途中、平日に仕事があれば、毎日現場に行ける人はほとんどいません。だからこそ、現場監督や職人がきちんと記録を取り、「今週はこういう工事をしました」と施主へ報告するべき。
せやま印工務店では、週に1回の報告を義務付けています。ただ、住宅業界には「施主へきちんと報告する」という文化がまだ弱い会社もあり、おかしな話です。住宅業界の当たり前が、施主目線ではなく、住宅業界目線になっていることもあります。
工事途中の記録を残さない会社は、施工中の状態を見られると困る可能性があります。「途中が汚くても、最後にふたをしてしまえば分からない」そういう感覚を持っている住宅会社もある、ということです。
法律上の検査だけでは不十分
「着工時や上棟時など、法律で決まった検査があるから大丈夫では?」と思う人もいます。もちろん、その検査も大事です。クリアできなければ問題。ただし、法律上の検査は全体のごく一部です。
家づくりには、ほかにもたくさんの工事チェックポイントがあり、それらを積み重ねて、初めて良い家が建ちます。工事途中の経過を記録しない。施主に報告しない。こういう会社は、現場の雑さを隠している可能性があります。
3. 営業担当が現場に入る職人を把握していない
隠蔽工作の3つ目は、営業担当や社員が、現場に入る職人の名前を把握していないこと。これは隠蔽というより、そもそもの問題でかなり危険です。
何千万円もかけて、何十年も住宅ローンを返していく、その家を建てる職人が誰なのか、営業担当が知らない。これはありえないですよ。
大手ハウスメーカーをおすすめしにくい理由の一つもここ。下請け構造になっていて、登録している職人が集められ、現場に入るので、誰が現場に入るか分からないケースがあります。もちろん良い職人もいます。良い職人に当たれば問題ありませんが、それを運任せにしていいのか。
営業担当は「私にお任せください」「私を信用してください」と言います。しかし、誰が建てるか分からない状態で任せてほしいというのは、かなり無責任。全員を事前に決めるのは難しい場合もありますが、最低限「この家の棟梁はこの人です」と言える体制にしてほしいところ。
現場の職人の名前を把握していない住宅会社は、危ない会社である可能性が高いです。
工事が雑な会社を避けるために契約前に確認すること
では、どう対策すればいいのか。
一番大事なのは、契約前の確認!契約した後は、施主側がどうしても不利になります。引き返すには、ここまでかけた時間やお金を捨てなければいけないからです。もちろん、それでも引き返すべき場面はありますが、できれば契約前に見極めたいところ。
1. 現場に自由に行けるか
まず、現場に自由に行けるかを確認してください。もちろん、勝手に建物内へ入ってはいけません。職人がいる時に「見学してもいいですか?」と声をかけて入るのがマナー。
ただ、毎回本部の営業担当に連絡して、営業担当の同行が必要という会社は、現場が荒れている可能性がありますよ。
2. 週1回程度、現場の写真や動画で報告してくれるか
次に、工事中の報告体制を確認してください。最低でも週に1回程度、現場の状況を写真や動画で送ってもらう。これを契約条件にしてもいいです。
「それをやってくれないなら契約しません」と言えば、対応してくれる会社もあります。ただし、普段からやっていない会社に無理にやらせると、うまく運用されないことも。理想は、「いつもやっています」と自然に言える会社です。
3. 営業担当が職人や棟梁を把握しているか
3つ目は、営業担当がいつも入る職人の名前を把握しているかどうかです。
特に大事なのは棟梁。棟梁がしっかりしていれば、他の職人も引き締まります。逆に、棟梁の工事が雑だと、その後に入るクロス屋、建具屋、設備屋なども苦労します。下地が悪ければクロスはきれいに貼れません。建具も収まりません。設備もきれいに入りません。
棟梁のレベルは、家のレベルに直結します。
工程の都合があるので、契約前に「〇〇棟梁を絶対つけます」とは言えないと思いますが、それでも、「山田棟梁、佐藤棟梁、田中棟梁のいずれかになると思います」くらいは言えるはずです。さらに、その棟梁の人柄やエピソードまで営業担当が話せる会社は強い!
「この棟梁は話し出すと止まらないので、長くなりすぎないように注意してください」「この棟梁は大人には少し無愛想に見えますが、子どもには人気があります」
こういう話が出るくらい、営業担当と現場に信頼関係がある会社は、良い現場である可能性が高いです。
4. 気密測定を実施しているか
住宅会社を選ぶうえで、気密測定をしているかも必ず確認してくださいね。UA値はパソコン上で計算すれば数値が出ますが、気密性能は現場の隙間を実際に測定するので、きっちり施工されていないと良い数値は出ません。
そのため、気密測定を現場で必ず実施し、C値0.7以下を保証する会社を選んでください。
「鉄骨住宅では難しい」「今はC値よりUA値が大事」と言われることもありますが、よく考えてください。どれだけ断熱性能が良くても、隙間風が入る家は寒いです。隙間だらけの家はダメ。気密性能を担保できていない会社は、施工が雑になる可能性もあります。
大手ハウスメーカーでも工務店でも構いません。大事なのは、気密性能をきちんと担保しているかどうかです。
5. 担当予定の現場監督を確認する
現場監督の良し悪しでも、現場の緊張感は大きく変わるので、契約前に「現場監督は誰ですか?」と必ず聞いてください。
決めようと思えば、ある程度は決められるはずです。仮に確定できなくても、「2〜3人の候補のうちの1人です」くらいの話はできるはず。ここで、新人でまだ5棟しか経験していない現場監督をつけられたら、実験台のような状態になります。
契約前に、担当する現場監督と会わせてもらう。経験豊富で評価の高い人をつけてもらう。「それが契約の条件です」と伝えれば、営業担当も動きます。
「でも嘘をつかれるかもしれない」「どうせ言っても無理かもしれない」と考える人もいますが、「どうせ」「だって」「でも」で止まっていてはダメ。うまくいかない可能性があっても、やれることは全部やる。家づくりも、人生も、仕事も同じです。
工事中に施主がやるべき対策
現場にはなるべく足を運ぶ
工事中は、なるべく現場へ足を運んでください。チェック目的だけで行く必要はありません。職人は、施主が現場に来てくれると嬉しいものです。
長居されると大変ですが、たまに来て差し入れをくれると、やはり嬉しい。図面通りに作るだけの仕事と、「この人のための家を建てている」と思いながら作る仕事。どちらが良い仕事になるか。当然、誰の家か分かっている方が良い仕事になります。
職人はピュアです。技術者だからこそ、気持ちを込めて作ってもらった方が、良い仕事になります。
週1回の報告は必ずもらう
週に1回の現場報告は、必ずやってもらってくださいね。
契約前に営業担当が「分かりました」と言っていても、現場まで伝わっておらず、実際には報告されないケースがあります。これは、せやま印工務店でも起きた事例があります。だからこそ、厳しく伝えています。
「言ったのにやってくれない」と怒っているだけでは前に進みません。「写真と動画の報告をください」と、きちんと伝え続けることが大事!
引き渡し前の施主検査は絶対に丁寧にやる
工事が終わり、引き渡し前になったら、施主検査が非常に重要です。
会社によって呼び方は異なりますが、入居前に工事の仕上がりや施工精度をチェックする大切な機会。
ここを軽く見たり、適当に済ませたりする施主もいますが、これは絶対にダメ。引き渡し後は、なかなか対応してもらえないことがあります。引き渡しを受けたということは、施主がOKを出したようなものだからです。
そのため、施主検査では細かくチェックしてください。どこをチェックすればいいか分からない人は、無料で用意している、施主検査チェック表を使ってくださいね。
指摘事項は引き渡し前に完了させる
施主検査で見つかった指摘事項は、必ず引き渡しまでに完了させてください。中には、「引き渡しまでに間に合わなかったので、引き渡し後に対応します」と平気で言う会社もあります。これは要注意。
引き渡し後になると、いつまで経っても対応されないことがあります。こちらにはこちらの生活があるので、入居後に工事へ来られるのは本当に面倒です。だから、引き渡し前に必ず終わらせる。これは当たり前のことです。
できることをしっかりやる。それでもダメな場合はありますが、しっかり対策することで、工事ミスや施工不良が多い会社を避けられる可能性は格段に上がりますよ。
まとめ
家づくりは、自分ごとです。「住宅会社に任せているから大丈夫」ではなく、施主自身も確認する。現場を見る。報告をもらう。引き渡し前に細かくチェックする。
この積み重ねが、工事ミスや施工不良を避ける一番の近道です。
PROFILE
せやま大学の人
瀬山 彰
筑波大学理工学群数学専攻卒(数理統計学士号取得)。硬式野球部に所属し、首都大学野球リーグの線形回帰分析に取り組む。
卒業後は、日本最大手の経営人事コンサルティング会社に入社。全国の住宅会社(大手ハウスメーカー・地場工務店)を担当。その中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。 中堅ハウスメーカー支店長経験を経て、2019年に起業。2021年にビーイナフ株式会社を設立。
主要事業である「せやま印工務店プロジェクト」は、2025年グッドデザイン賞受賞に加え、全国登録工務店65拠点、参加施主数は累計1723組以上、施主満足度95%以上と高い成長率と満足度を実現。また、施主や工務店のみならず、関わった全ての関係者が得をする(損をしない)、「全方良しのビジネスモデル」を他業界へ広める活動にも力を入れている。
広島県出身。娘4人の父親。2025年からは『カープ熱こじらせ兄さん せやまくん』としてのタレント活動も開始している。

