手抜き工事と雑なアフターを防ぐチェックポイント

家づくりで怖いのが、工事中の手抜きと、引き渡し後のアフター対応の悪さです。

契約前は良いことを言っていても、いざ工事が始まれば現場任せ。引き渡し後に不具合が見つかっても、「連絡がつかない」「なかなか対応してくれない」といったケースは、残念ながら実際にあります。

だからこそ、契約前に「この会社は現場をきちんと管理してくれるのか」「建てた後もしっかり対応してくれるのか」を見極めることが大切。

今回は、手抜き工事を防ぐためのチェックポイントと、雑なアフター対応を避けるための確認事項をまとめます。

手抜き工事を防ぐチェックポイント

1. 工事中の報告

まず確認したいのが、工事の途中経過を、写真や動画で残してくれる会社かどうか。これはかなり大事です。

公共工事では、工事写真を残すのが当たり前ですが、一般の戸建て住宅では義務ではないので、やっていない会社も多いですよ。

壁の中に断熱材がきちんと入っていたのか。金物処理は正しくできていたのか。基礎の中にゴミや不要物が入っていなかったか。こういう部分は、完成してからでは見えません。だからこそ、工事中の写真や動画で記録してもらうことが重要。

契約前に「工事中の報告写真や動画はありますか?」と聞いてください。最低限、主要な工程ごとに報告してくれる会社なら安心感があります。

2. 現場の見学

次に確認したいのが、施主が工事中の現場見学を自由にできるかどうか。

もちろん、勝手に入るのはNG。安全面もありますし、現場管理の責任は住宅会社側にあります。

大手ハウスメーカーなどは下請け、孫請けの職人さんが入ることがあり、どういう対応するかわからない、勝手に施主が見学に行って粗相があったらまずいので、「現場に行くときは必ず事前に連絡をください」ということがあるので、注意した方がいいかもしれません。現場の教育が行き届いていない可能性もあります。

一方で、「全然、行っていいですよ。」「職人にも声をかけてもらって大丈夫です」と言ってくれる会社は、現場の教育がなされていて、整理整頓がされている会社である可能性が高い。

もちろん、毎日1時間も2時間も職人さんと話し込むのは迷惑なので絶対にやめてくださいね。でも、5分、10分ほど見学する程度なら問題ないことが多いです。

一生に一回の家づくり、楽しんでやった方がいいですし、それが工事の質を担保することにも繋がりますよ。

3. 大工さんの名前を聞けるか

少し踏み込んだ確認ですが、大工さんの名前を聞いてみるのも有効です。

「うちを担当する大工さんはどなたですか?」と聞いてみてください。「エースを入れて欲しい」と言っても良いでしょう。なぜなら、家の仕上がりは大工さんの腕でかなり変わるからです。

同じ図面、同じ材料でも、丁寧な大工さんが施工するのか、雑な大工さんが施工するのかで、家の質は変わります。神は細部に宿る。まさにこれです。

営業担当や現場監督が、大工さんの顔や名前をちゃんと把握しているか。いつも入っている信頼できる大工さんなのか。ここはかなり重要。とりあえず、その時に空いている大工を入れるということになりかねません。

営業、現場監督、大工の距離が近い会社の方が、現場の質は安定しやすいです。

契約前に、少し勇気を出して聞いてみましょう。「できれば腕のいい大工さんにお願いしたいです」と伝えるのもありです。

雑なアフター対応を避けるチェックポイント

家は、建てて終わりではありません。引き渡し後に、不具合や調整が出ることもあるので、アフター対応も重要です。

アフターのクレームで多いのは、「連絡がつかない」「対応が遅い」だいたいこの2つ。これを防ぐために、契約前から確認しておきたいポイントがあります。 

1. 複数人でアフター対応を管理しているか

アフター担当が1人だけだと、その担当者が忙しい、仕事が遅い、抜け漏れがある、などと対応が止まります。

できれば、アフター担当だけでなく、営業担当、現場監督、会社の責任者など、複数人で情報を共有する仕組みがある方が安心です。メールでやり取りする場合も、アフター担当だけに送るのではなく、複数人に共有できる形が理想。

会社側に仕組みがない場合は、アフターの相談メールを送る時に、営業担当や現場監督にもCCで送って、施主側で工夫するのもありです。それだけでも、抜け漏れを防ぎやすくなりますよ。

2. 電話以外で連絡できるか

アフター対応は、電話だけだとかなり不便です。日中は施主も仕事中。住宅会社側も現場対応中。電話をかけても出られない。折り返しても相手が出ない。これを繰り返しているうちに、1週間経ってしまうこともあります。

だから、契約前にメール、LINE、チャットツールなど、電話以外で連絡できる体制があるか確認しましょう。今の時代、アフター対応が電話だけというのは、少し不便ですよ。

3. 10年点検は9年半ごろに実施してもらえるか

定期点検のタイミングも大事です。一般的には、2年、5年、10年といった点検スケジュールが多いです。

ここで注意したいのが、10年点検。理想は、10年ぴったりではなく、9年半ごろに見てもらうことです。

理由は、瑕疵保証の期間。雨漏りなど著しい不具合は住宅会社が10年間保証してくれる制度があります。つまり、10年を過ぎてから雨漏りなどが見つかると、施主負担になります。

でも、9年半ごろに点検してもらえば、万が一の不具合を10年以内に見つけられる可能性があります。これは地味ですが、かなり大事ですよ。

10年点検が「10年後」となっている会社でも、施主側から「9年半ごろに見てもらえますか?」と相談しておくことをおすすめします。

まとめ

手抜き工事や雑なアフター対応を防ぐためには、契約前の確認が重要です。

工事中の写真や動画を残してくれるか、現場見学ができるか、担当する大工さんまで把握しているか。さらに、引き渡し後の連絡方法やアフター対応の管理体制、定期点検の時期まで確認しておきましょう。

家づくりは、契約して終わりでも、建てて終わりでもありません。工事中の施工品質はもちろん、住み始めてから何十年と安心して付き合える住宅会社かどうかが大切です。

施主自身もしっかり確認すること。それが、手抜き工事やアフター対応で後悔しないための自己防衛になります。

PROFILE

【標準仕様】工事・アフター対応が雑な住宅会社の6つの共通点 | “ヤバい工務店・HM”を見抜きたい

せやま大学の人

瀬山 彰

筑波大学理工学群数学専攻卒(数理統計学士号取得)。硬式野球部に所属し、首都大学野球リーグの線形回帰分析に取り組む。

卒業後は、日本最大手の経営人事コンサルティング会社に入社。全国の住宅会社(大手ハウスメーカー・地場工務店)を担当。その中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。 中堅ハウスメーカー支店長経験を経て、2019年に起業。2021年にビーイナフ株式会社を設立。

主要事業である「せやま印工務店プロジェクト」は、2025年グッドデザイン賞受賞に加え、全国登録工務店65拠点、参加施主数は累計1723組以上、施主満足度95%以上と高い成長率と満足度を実現。また、施主や工務店のみならず、関わった全ての関係者が得をする(損をしない)、「全方良しのビジネスモデル」を他業界へ広める活動にも力を入れている。

広島県出身。娘4人の父親。2025年からは『カープ熱こじらせ兄さん せやまくん』としてのタレント活動も開始している。