【完全攻略】失敗しないエアコンの選び方!サイズ・台数・正しい使い方を徹底解説【2026年最新版】

失敗しないエアコン計画のポイント

エアコン計画を考え始めるのは、家づくりの中でも終盤。そのため、つい適当になってしまいがちですが、エアコンは家の性能・快適さにも直結する”超重要要素”

エアコンの使い方について、実は多くの人が損をしています。家電量販店の店員の言う通りに選んで騙されている人が多く、せっかく良い機能がついているのに使いこなせていないケースも。

毎年、「エアコンはつけっぱなしが良いのか、こまめに消すべきか」「強風が良いのか、自動運転が良いのか」「暖房をつけているのに寒い」「電気代が高い」といった悩みや疑問が話題になります。

電気代を抑えながら快適に暮らすための使い方や、ズボラさんでも実践しやすいテクニック、そして「エアコン2027年問題」ついても、まとめてお伝えします。ぜひエアコン計画を考える際の参考として役立ててください。

エアコン2027年問題

最低グレードの機種が製造終了に

2027年4月以降、エアコンの省エネ基準が厳しくなり、現在「最低グレード(ローグレード)」とされている機種が作れなくなります。

これは「トップランナー基準」という国が定めたルールが厳格化されるためで、資料を確認すると、現在の下位2グレードほどはすべて基準外。

この影響で、今後は最低グレード自体の性能が底上げされるか、より上位のグレードを選ばざるを得なくなります。その結果、施主が購入する際の価格は確実に上がるでしょう。

これに伴い、駆け込み需要が発生し、すでに販売店での在庫確保が進んで品薄状態になりつつあります。

2026年までの早期確保がおすすめ

さらに懸念されるのが、工事のパンク。買い替え需要が増えることで、2026年の夏は設置業者の確保が非常に難しくなる可能性があります。

現在使用しているエアコンを使い続ける分には違法になりませんが、新しく購入を検討している人は早めに動いてください。

これから新築を建てる施主は、住宅会社を通じて早めに在庫を押さえておくのが良いですよ。特に2階の個室や屋根裏エアコンに使うようなローグレードの機種は、基準改正の影響を強く受けます。

2026年までの現行基準の機種でも性能は十分。値上がり前の確保がおすすめ。

新築の「エアコン計画」を考える前に…

日本の家は”寒すぎる!”

快適な暮らしのためには、暑すぎず寒すぎない「快適な室温」がマストですが、実は日本の家って寒すぎるんです。

上記は世界各国の真冬の時の「室内温度」に関するデータ。アメリカは「20度」、フランス・ドイツは「17度」と各地域それぞれ「18度から20度前半」ぐらいに収まっていますが、日本は「10度」とその中でも群を抜いて室内温度が低い傾向にあります。

リビングは暖かいけれども廊下は寒いとか、寝る時にも寝室は寒いけど布団をかぶっているから大丈夫、そんな家がめちゃくちゃ多い。

室温18度以下は健康リスクが高くなる!

(出典:国土交通省

実は先述のように「室温:10度」というのはめちゃくちゃ危なくて、2018年にWHO(世界保健機関)が「室温が18度を下回ると健康を害する」として警告を行ってます。

そのため室内温度を考える際は、「18度以上を保つ」というのを一つの基準にして考えるとよいでしょう。

ヒートショック予防のためにも、「室内温度を一定に」!

ヒートショックで亡くなる人は「年間2万人弱」

ヒートショックとは、身体が冷えることで血管が収縮+血圧が上がり、逆に体温が上がると血管が拡大+血圧が下がる…、こういった寒暖差による急激な血圧変動が心臓・血管への負担となり、心筋梗塞・脳卒中を引き起こす、といったものです。

そしてこのヒートショックで亡くなる方は「年間2万人弱」と非常に多く、これは交通事故で亡くなる方の「約6〜7倍」だそうです。

室内が寒いと、20~40代でも突然死のリスクが…

新築で失敗しない暖房計画・機器を徹底比較!エアコンの電気代を下げる4つのテクニックも紹介【知らなきゃ損】 新築で失敗しない暖房計画・機器を徹底比較!エアコンの電気代を下げる4つのテクニックも紹介【知らなきゃ損】

(出典:公益財団法人 日本心臓財団)

またヒートショックというと、「おじいちゃんおばあちゃんがお風呂上がりに…」というイメージだと思いますが、働き盛りの世代(20~40代)であっても同様のリスクはあります。

実際に働き盛りの世代における突然死は少なくなく、そのうち34%が「就寝中の突然死」。そしてこの原因の一つになりうるのが「寒い部屋で寝ている」ということです。

(出典:BBC

上記は室温を「21度」から「10度」まで下げたときの身体の変化を示したデータですが、室温が低下すると「呼吸数:30%増加、心拍数:20%増加、血圧:10%上昇」したそうです。

いろんな実験があるので、「絶対こうなる!」というわけではありませんが、このデータからも「寒い部屋で過ごす=体に負担がかかる」というのは間違いないでしょう。

部屋を暖めればいいってこと?

ヒートショックは「室温の差」が原因なわけですから、このリスクを減らすには単純に部屋を暖めればいいというわけではなく、「家中の温度をなるべく一定にする」必要があります。

例えば「リビングは石油ストーブで暖かいけど廊下はめちゃくちゃ寒い」とか「脱衣所はめちゃめちゃ寒いけどお風呂に入れば暖かいから~」とかは、ヒートショックが起こりうる条件を満たしてしまっているので絶対にNGです。

室温を一定にするためにも、「家の性能+エアコン計画」で考えよう!

快適な住環境のためには家自体の性能だけでなく、適切なエアコン計画も不可欠。

断熱性能・気密性能を押さえたうえで、エアコンで過不足なく室内を暖め、換気システムで家中の空気を適切に換気・循環させることで、ようやく室温を均一にする仕組みが完成するわけです。

なのでヒートショックのリスクを減らしたいのであれば、「家の性能だけ担保してれば十分でしょ」、「エアコンや暖房器具で暖めればいいでしょ」とどちらかに傾倒するのではなく、家の性能を担保したうえで適切なエアコン計画を考えるようにしましょう。

家の性能は「ちょうどいい塩梅」を目指そう!

ただ家の性能の話になると、住宅会社の多くは「オーバースペック」を推奨しがち。

これはコストを抑えて提案するよりも、「お金をかけて良い性能を目指しましょう!」というスタンスの方が契約を取りやすいからですね。そのため施主側では、「まだ上もあるけど、一番費用対効果がいい”ちょうどいい塩梅”であえて止める」という選択をとれるようしっかり勉強しておきましょう。

家の性能の最低ラインは…

・窓は絶対に”樹脂サッシ”

・UA値は0.6以下必須(0.5を目指す)※温暖地の場合

押さえるべき「家の性能」についてはコチラ:“ちょうどいい塩梅の家づくり”に必要な「家づくりのための知識

STEP1:エアコン計画を考えてみよう!

壁掛けエアコンor全館空調、どっちを導入すべき?

「家中の室温を一定に…」という点だけを見ると、全館空調システムに軍配が上がりそうですが、結論、断熱・気密・換気など家の性能面をしっかり担保できているのであれば「壁掛けエアコンで十分」

全館空調システムは長年使うとダクトの中が必ず汚れます。汚れたダクトを通った空気を吸い続けることになるため、ダクトを使用する全館空調システムはやめた方が良いですよ。

全館空調システムのデメリットや非推奨の理由については、以下の記事でまとめていますのでこちらも併せて参考にしてみてください。

関連記事:『致命的なデメリット!「全館空調システム」を絶対におすすめしない”3つの理由”とは?

「エアコン1台で冷やす」はおすすめしません

家全体をエアコン1台で冷やそうとするのは避けてください。

基本的には2台設置が良いと考えています。その理由は、故障時のリスク分散。夏の暑い時期にエアコンが壊れると命に関わりますが、業者は多忙ですぐには修理に来てくれません。

最低でも2台あれば、1台が故障しても別の部屋で過ごすことができます。

間取りも踏まえて「エアコンの取り付け位置」を考えよう

冬の寒さ対策、夏の暑さ対策を踏まえると、エアコンは以下のように設置してもらえればOK。

  • 1階LDKの長手方向に1台設置(14畳用 200V)
    家具やソファー、ダイニングテーブルに風が直撃しない場所を選ぶのが良いですよ。どうしても家具と重なってしまう場合は、風向きで調整しましょう。またキッチン・洗面にも冷気が届く位置が良いと思います。
    エアコンの風には「冷たい空気は上から下に落ちる」「暖かい空気は下から上に行く」という性質があります。そのため、冷房時は風を上方向に送り、暖房時は下方向に送るのが基本。長手方向かつ上方向に向けて吹くことで、不快な風を感じることなく、効率的に部屋を冷やせます。

    冬はリビングに設置した大きめの壁掛けエアコンで1階を暖め、その暖気をリビング階段から2階へ送ります。暖かい空気は自然に上へ上がるため、この方法でも2階まで十分暖かくなります。もちろん1階より2階のほうが1〜2℃ほど低くなることはありますが、昔の住宅のように「寝室だけ極端に寒い」という状態にはなりにくくなります。

  • 2階屋根裏エアコンの設置or各部屋に1台ずつ設置2階建て(1階リビング)の場合

     

    【せやま式屋根裏エアコンについて】

    その名の通り、「屋根裏にエアコンを設置し、その冷気を各部屋に落とす」という方法。

    屋根裏は全ての部屋に繋がっていますから給気口を設置しておけば、屋根裏で冷やされた空気が各部屋に落ちていきますし、屋根裏空間自体を冷やすことで、「天井が冷えると涼しく感じる」という輻射熱効果にも期待できます。

    「せやま印工務店」であれば、「せやま式屋根裏エアコン」の施工マニュアルをお渡ししていますので、施工可能です。(一部非対応の工務店もあり)

関連記事:『【新築戸建向け】冷暖房効率を上げる最適な「エアコンの取りつけ位置」は?

 「2階の廊下(ホール)に1台だけエアコンを設置して、全ての部屋に冷気を送る方式はどうですか?」という質問をよく受けます。理屈の上では可能ですが、2つ制約があります。

1つ目は、間取りの設計。ホールを少し広めに確保してエアコンを設置するスペースを作るだけでなく、その冷気が全ての部屋に行き渡るような間取りにしないといけません。

2つ目は各部屋のドアを基本的に開けっぱなしにしておく必要があるという点です。ドアを閉めてしまうと、換気システムによって多少の空気は入りますが、冷気は適切に行き届きません。

私としては、常にドアを開けて過ごすことを前提とした家づくりが、果たして本当に良いのかという疑問を持っています。もちろん「その過ごし方で全く問題ない」という人であれば、検討の余地はあるでしょう。

床下エアコン

床下に設置したエアコンで床下全体を暖め、その暖気を1階、さらに2階へ送る暖房方式。冬は足元まで暖かく、とても快適で、技術としても優れています。

ただし、夏には使えないので、私は「贅沢な設備」という位置付けです。冷たい空気は下へ落ちるため、床下を冷やしても家全体を効率よく涼しくすることはできません。

結局、リビングには別のエアコンが必要になり、暖房用と冷房用でエアコンを2台設置することになります。さらに、床下エアコンを最大限活かすには、基礎断熱や床材などの仕様も重要になります。

そこまで設備にお金をかけなくても十分暖かい家はつくれます。そのため、費用対効果を考えると必須の設備ではありません。

“床暖房”を採用するのはアリ?

冬のことも考えて「床暖房」を検討される方もいると思いますが、床暖房は導入コストが高いうえ、壊れても修理ができないためおすすめしません。

そもそも性能面がしっかり担保されていれば床暖房がなくても十分快適に過ごせるのですが、足元を暖かくしたいのであれば、性能面の担保に加え、「基礎断熱+無垢床(浮造り)」にするだけでかなり暖かくなりますよ。

 ガスファンヒーター・石油ファンヒーター

寒冷地では非常に便利な暖房器具です。スイッチを入れるとすぐ暖まり、暖房能力も高いのが魅力。燃焼時に水蒸気が発生するため、加湿効果が得られる点もメリット。

ただし、高気密住宅では湿度が高くなり過ぎて、結露やカビの原因にもなります。そのため、高気密住宅で使用する場合は湿度計を設置し、湿度を確認しながら使うことが大切です。

温暖地であれば、住宅性能をしっかり確保し、壁掛けエアコンだけで十分暖かくなるケースがほとんど。あえてガスファンヒーターや石油ファンヒーターを導入しなくても良いでしょう。

 電気ストーブ・電気ヒーター

電気ストーブは足元だけを暖めたいときには便利な暖房器具。デスクワークや勉強中など、限られた範囲を暖める用途には向いています。ただ、電気毛布の方がコスパが良くておすすめ。温かいスリッパも手軽で良いと思いますよ。

電気ヒーターは熱を直接つくるため、消費電力が大きくなります。エアコンと比べるとエネルギー効率が低く、電気代も高くなるのでおすすめはしません。

脱衣室が寒いから電気ヒーターを置く。そうした使い方は、古い住宅ではヒートショック対策として有効

しかし、新築住宅であれば、そもそも脱衣室まで暖かくなる暖房計画を考えるべきでしょう。

STEP2:エアコンの購入を進めよう!

購入するエアコンの「畳数」を考えよう

まずはエアコンの容量についてですが、結論から言うと、皆さん大きいのを買いすぎですよ。カタログに載っている「6畳用」「14畳用」といった畳数目安は、実は50年以上前に作られた「ほぼ無断熱の木造住宅」を想定した基準。

今の断熱性能が高まった高気密・高断熱住宅、せやま基準をクリアしているような高性能住宅であれば、カタログの畳数は当てになりません。冷房であれば、表示の5倍から6倍の広さを冷やす能力があります。

リビングに設置するメインのエアコンであれば、「14畳用の200Vモデル」がおすすめ。14畳用なら70畳(35坪)くらい冷やせるので全然問題ありません。また、「高断熱なので6畳用でも大丈夫?」という質問がありますが、リビング用としては風量が弱いのでおすすめしません。

量販店では20畳用などの大型モデルを勧められますが、明らかにオーバースペック。家の性能に見合った適切なサイズを選んでくださいね。

住んでいる地域の最低気温や断熱・気密性能によって、「畳数表示の何倍まで対応できるのか?」が変わってくるので、より詳しく最適なエアコンサイズを見極めたい場合には、以下の早見表を活用してみてください。

最適な畳数がわかる!エアコン容量早見表はこちら

ダウンロード(無料):『エアコン容量早見表のダウンロードページ

会員登録なしですぐに使えます

早見表の使い方はこちら:『何畳用のエアコンを買うべき?畳数から最適なエアコン容量を計算する方法!

賢いエアコン購入・施工方法

エアコン設置で最も重要なのが、壁の穴あけに伴う気密処理です。高性能な住宅を建てて気密測定で良い数値を出しても、エアコン設置時に雑な穴あけをされるとすべて台無しに。家電量販店やネットで購入する方が安く済みますが、提携業者が丁寧な気密施工をしてくれる保証はありません。

基本的には住宅会社経由で、気密施工に慣れた電気業者に依頼するのが安心。その際、必ずダクト周りの気密処理をした証拠写真を撮ってもらうようにしてくださいね。

おすすめのメーカーと付加機能

メーカー選びについては、日本の大手メーカーであればどこを選んでも大きな失敗はありませんが、私は安心感から「ダイキン」をいつも使っています。機種選びのポイントとして、リビング用はある程度風量が強く、遠くまで冷気を飛ばせるタイプが良いですね。

ただし「加湿機能付きエアコン」は不要。冬場の加湿効果は限定的ですし、故障のリスクも高まります。一方で「自動掃除機能」は、メンテナンスの頻度を下げたい人にはおすすめ。リビングは埃が立ちやすいため、自動掃除機能があると非常に楽ですよ。2階の個室など使用頻度が低い場所は、掃除機能なしのシンプルなモデルで十分です。

ただし、初期費用、業者クリーニング費用、移設費用が割高になるデメリットも理解しておいてください。遠隔操作機能についてはSwitchBotで代用可能なので不要です。

関連記事:『量販店orネット通販?エアコンは”どこで”、”どういう機種”を買うべき?

STEP3:エアコンの設置・運転をはじめよう!

設置工事前に注意点を押さえておこう

エアコンの設置工事は、家の性能だけでなく、外観などにも影響する重要事項

そのためエアコン設置前には、施主側でも最低限以下の内容を押さえておきましょう。

エアコン設置前に押さえておくべき事

  • 貫通部には「気密施工」がマスト!
  • 「化粧カバー」「壁」の色を合わせる
  • 「ドレン管」経由での虫の侵入対策

木造住宅なら「後から穴あけ」がベスト

木造住宅における穴あけに関しては、後回しで構いません。もちろん、柱や筋交いといった重要な構造材を傷つけないように配慮することは必須。これらは図面をしっかりと確認すれば、正確に判断できます。

なぜ後回しが良いかというと、実際に住んでみないことには、本当にすべての場所に穴が必要かどうかが分からないから。私としては、まずはコンセントだけを全室に設置しておくことを推奨します。実際に穴が必要になったタイミングで壁に穴を開け、その際にしっかりと気密処理を行ってください。

RC造・鉄骨造は「事前あけ」が鉄則

一方で、RC造(鉄筋コンクリート造)や鉄骨造に関しては、木造と同じようにはいきません。これらの構造では、後から壁に穴を開けることが非常に困難なケースが多いです。そのため、RCや鉄骨の家を建てる場合は、事前に穴を開けておく方法で計画を進めてください。

関連記事:『”穴開け”が肝!新築のエアコン設置工事で抑えておくべき「注意点」とは?

つけっぱなし VS こまめに消す

電気代だけを単純に比較すれば、こまめに消した方が安くなる可能性は高いです。それでも、私は圧倒的に「つけっぱなし」を推奨します。

その理由は「輻射熱」。体感温度は、温度・湿度・気流だけでなく、壁や天井の温度である「輻射熱」によって決まります。

夏場、壁や天井が熱を持っていると、体感温度は非常に暑く感じます。エアコンを消して壁や家具が一度温まってしまうと、再びエアコンをつけて空気を冷やしても、壁の熱(輻射熱)はすぐには下がりません。

特に夜の睡眠の質に影響します。壁から熱が放たれている状態で冷房をかけるのは、暖炉に囲まれながら冷やしているようなもの。これではぐっすり眠れませんよね。

24時間壁や天井を冷やし続けることで、輻射熱が軽減され、さらさらとした快適な環境で過ごせます。電気代が数千円上がったとしても、健康的に過ごせて生産性が上がる方が、人生の価値としては大きいと考えています。これは冬に関しても同じ考えです。

電気代を抑える4つの節約術

「寒いor暑いけど我慢」というような節約はおすすめしませんが、エアコンは「使い方次第」で運転効率も変わってくるため、そこまで頑張らなくても意外と節約できたりします。

無駄な出費を抑えるためにも、実際に使い始める前にエアコンの電気代を抑える方法について知っておきましょう。

1. 日射遮蔽と窓の性能

窓からの熱を入れないことが最優先。東西の窓は基本つけない。つけても小さくし、大きな窓をつける場合はアウターシェードを必ずつけてください。

窓の性能も重要。樹脂サッシ、Low-Eペアガラス(アルゴンガス入り)、樹脂スペーサーの組み合わせは必須ですよ。

2. フィルターの定期清掃

フィルターが詰まると効率が極端に落ち、電気代が跳ね上がります。リビングのエアコンは2~3週間に1回は掃除をしてください。エアコンの風切り音がちょっとでも大きくなったら、フィルターが詰まっているサイン。フィルターの掃除をしても風切り音が収まらない場合は、フィルターのさらに内部が汚れているので専門業者にクリーニングの依頼を!

3. 室外機の環境整備

室外機に直射日光が当たると効率が悪くなります。日陰に置いて、吹き出し口と壁の距離をとってください。前に物を置くのもやめてくださいね。見栄えを気にして室外機カバーで囲う人がいますが、空気が出にくくなり効率が悪くなるので絶対にやめてください。

4. APF(通年エネルギー消費効率)の確認

カタログに載っている「APF」が高い機種ほど省エネです。初期コストとのバランスはありますが、電気代を抑えたいならこの数値が高いモデルを選んでください。

関連記事:『つけっぱなしが正解?エアコンの電気代を安くする”4つのポイント”は?

快適に過ごすための運転設定

風量は好みによるので、自分に合う方法を試してみてくださいね。(中~強・自動・弱+サーキュレーター)また、サーキュレーターを併用して空気を循環させてください。気流を作ることで体感温度を下げることができますよ。

運転モードは「冷房モード」が基本。除湿(ドライ)モードはエアコン内部をキンキンに冷やすため、かえって寒く感じることがあります。除湿モードより冷房モードの方が除湿量が多い場合もあります。除湿だけで涼しくしないのが基本。部屋を冷やしすぎずに除湿したい場合は「再熱除湿」機能付きの機種もありますが、コストがかかります。

温度を25〜26度設定にして自動運転で絶対湿度14~15g/㎥にして、側の輻射熱を抑えて、サーキュレーターで空気の流れを作っていけば快適です。

夏場に絶対湿度を冬場のような低さまで下げる必要はありませんよ。温度・湿度・輻射熱・気流の4つのバランスを整えるのが、最も快適な方法です。

除湿器は音が大きくリビングには向きません。ランドリールームにはありですが、除湿機より強めのサーキュレーターで風を当て続ける方が、洗濯物が乾きやすく臭いも防げますよ。

冬の温度設定は個人差もありますが、22度前後が目安。体調を優先して無理をしない、我慢しない設定にしましょうね。

サーモオフ対策

「サーモオフ」とはエアコンが設定温度まで冷えた際、「これ以上冷やす必要がない」と判断して運転をセーブ、あるいは停止する機能。

エアコンが休止状態に入るため、一見すると良い機能のように思えますが、サーモオフが起きるとエアコンの内部に溜まっていた結露水が再び蒸発し、湿った空気が室内へ戻ってくることがあります。

これが「サーモオフ現象」や「湿気戻り」と呼ばれる現象です。部屋を冷やしているはずなのに、かえって湿度が上がってしまうため、不快感の原因になります。

対策についてですが、28℃等に設定を上げすぎない。エアコン付近で風を遮らないようにして空気をうまく攪拌してエアコン周りだけキンキンに冷えないようにしてください。またエアコンを隠すカバーもつけないでください。100%防げるわけではありませんが、これだけでも大きな効果を実感できるはずですよ。

メンテナンスの注意点

メンテナンスの注意点は、前述の通り、リビングエアコンのフィルターの掃除は2~3週間に一度はしてください。埃が溜まるとドレン管が詰まり部屋に水が滴り落ちます。

また、「電源の2度押し」にも注意。エアコンをオフにした後に動いているのは、内部を乾燥させる「内部クリーン機能」です。これをもう一度ボタンを押して無理やり止めてしまうと、内部に結露水が残り、カビの原因になります。

冷房シーズンが終わる秋口には、半日ほど送風か暖房運転をして、内部を完全に乾燥させてからオフにしてください。

これを怠ると、次のシーズンにカビを放出することになります。2〜3年に1回は、専門業者によるクリーニングを依頼して、内部の汚れをリセットするのも大切ですよ。

 まとめ

エアコン計画で重要なのは、「高価な設備を入れること」ではありません。

家の性能・適切な容量・正しい配置・正しい使い方をバランス良く整えることです。この4つを意識するだけで、快適性は大きく変わります。

PROFILE

【完全攻略】失敗しないエアコンの選び方!サイズ・台数・正しい使い方を徹底解説【2026年最新版】 | エアコン計画・湿度管理を学びたい

せやま大学の人

瀬山 彰

筑波大学理工学群数学専攻卒(数理統計学士号取得)。硬式野球部に所属し、首都大学野球リーグの線形回帰分析に取り組む。

卒業後は、日本最大手の経営人事コンサルティング会社に入社。全国の住宅会社(大手ハウスメーカー・地場工務店)を担当。その中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。 中堅ハウスメーカー支店長経験を経て、2019年に起業。2021年にビーイナフ株式会社を設立。

主要事業である「せやま印工務店プロジェクト」は、2025年グッドデザイン賞受賞に加え、全国登録工務店65拠点、参加施主数は累計1723組以上、施主満足度95%以上と高い成長率と満足度を実現。また、施主や工務店のみならず、関わった全ての関係者が得をする(損をしない)、「全方良しのビジネスモデル」を他業界へ広める活動にも力を入れている。

広島県出身。娘4人の父親。2025年からは『カープ熱こじらせ兄さん せやまくん』としてのタレント活動も開始している。