2024.11.14
注文住宅業界では、家を建てたい施主の数に対し、「優秀なプランナー」が圧倒的に不足しています。
変なプランナーに当たってしまうと、時間をかけて間取りを作っても、あまり納得するものが作れなかったリ…と時間をムダにしてしまいますから、これから間取りづくりをはじめる方は「優秀なプランナーの見分け方」について、しっかり要点を抑えていってもらえればと思います。
プランナー=間取りを作る人のことだよ!
本記事内で使用するツール
本記事では、優秀なプランナーを見極めるために作成した「優秀なプランナー チェック表」を使用します。
良い間取りができるかどうかは、プランナーさんにかかっていますからぜひダウンロードして活用してみてください。(登録なしでダウンロードいただけます)
ダウンロードページ:優秀なプランナー チェック表(無料)
目次
「優秀なプランナー」と「ダメプランナー」の違いは?
優秀なプランナーとは?
施主の希望をもれなくヒアリングし、施主が指摘せずとも良い間取りのツボを抑えたうえで、施主の希望・機能性・構造・デザイン・予算のバランスを調整できるプランナーがBE ENOUGHの考える「優秀なプランナー」です。
ですが先述の通り、これを全部網羅できるプランナーはなかなかいないのが実際のところです。
ダメプランナーとは?
「ダメプランナー」は基本的にヒアリングが下手なので、施主の希望やそのニュアンスをうまく理解してくれません。
また希望を伝えたとしても、代替え案を提示することなく「それはできません」と突っぱねたり、気づいたら予算オーバーしてしまっていたり、構造への理解が浅いので強度の低い間取りになったり、デザイン性の低いダサい家になったり…といろいろ最悪です。
しかし家づくりが初めての施主にとっては、「家づくりってこんなものなのかな?」と施主自身で消化するしかないのが悲しい現実。
間取りづくりはめちゃくちゃ重要ですから、こんな事になってしまわないように、優秀なプランナーの見極め方を抑えておきましょう。
【結論】優秀な「プランナー」を見極める方法は?
<実際のチェック表(ダウンロード)>
結論としては、「自分の家の間取りを誰が作ることになるのか?」を確認し、そのプランナーとの面談を希望しましょう。
その上で、担当プランナーとなる方が過去に作成した間取りを見せてもらい、間取りの説明の中で「優秀なプランナー20の特徴」をどれだけ満たしているか?をチェックしてもらえればOKです。
優秀なプランナー20の特徴
ヒアリング力 | ①ヒアリングが細かい |
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1階完結型プラン力 | ②収納を1階に充実させる ③1階だけで1LDKを作る |
収納プラン力 | ④洗面所に衣類収納を充実させる ⑤玄関収納を充実させる ⑥キッチン収納を充実させる |
家事動線プラン力 | ⑦洗濯動線を個人の好みに合わせる ⑧部屋干しスペースを確保する ⑨キッチンと洗面所を隣接させる |
子育てプラン力 | ⑩リビング階段を採用する ⑪キッチンから全体を見渡せる配置にする ⑫1階に勉強スペースを設ける |
コスパを高めるプラン力 | ⑬廊下・通路を減らす ⑭玄関・客間・2階居室を大きくし過ぎない ⑮リビング・収納をケチらない |
シミュレーション力 | ⑯隣家を配置して採光シミュレーションを行う ⑰家具配置シミュレーションを行う ⑱内観・外観デザインを3Dパースで確認する |
バランス調整力 | ⑲常に構造の強度を意識している ⑳常に予算を意識している |
では具体的にどういった流れでチェックを行っていくのか?詳しくみていきましょう。
実際の「契約」は間取り確定後に!
中には、間取りプランが決まる前に契約を結ぼうとする住宅会社もいると思いますが、必ず住宅会社との契約は「間取り確定後」にしてください。
どうしても契約後は施主側の立場が弱くなってしまいますし、間取りが確定する前に契約してしまうと、「具体的にどういう間取りを、いくらで作るのか?」が見えないまま話が進んでしまうため、予算オーバーの原因にもなってしまいます。
そのため住宅会社との契約は必ず間取りが完成してから行うようにしましょう!
プランナーを見極めるための具体的な流れ
①「誰が間取りをつくるのか?」を確認して面談
間取りのことは直接プランナーに聞いた方がいいので、まずは「誰が間取りをつくるのか?」を確認し、プランナーとの面談を希望しましょう。
ちなみに「誰が間取りを作るか?」については、住宅会社によって担当が異なり、大きく分けて「営業プランナー」「設計プランナー」「専属プランナー」の3パターンあります。
プランナーの種類と特長
- 営業プランナー(営業が間取りを作成)
コミュニーションが円滑なので、施主の希望が反映されやすいですが、その反面構造的に弱い間取りになりがち。直下率や耐力壁の確保などは、 施主も注意しながら、間取り作成を進めていきましょう。 - 設計プランナー(設計が間取りを作成)
営業よりコミュニケーション能力が低く、施主の要望が正しく伝わらないことが多い。
また構造や施工性を優先するあまり、「それはできません」と言いがちなので、すべて真に受けず、「そこを何とかする方法はないですか?」 と食い下がっていきましょう。 - 専任プランナー(専任プランナーが間取りを作成)
間取り作成を専門でやっているので、プランニング能力は高い。ただデザインにお金をかけたがる傾向があり、機能性より美しさを優先する“作品づくり”になりがちです。
間取りって「設計」が作るんじゃないの?
設計にも、「間取り設計(基本設計)」と「詳細設計(確認申請業務など)」と2種類あるのですが、一般的よく言われる「設計」は、後者の「詳細設計」にあたります。
なので、「設計=間取りを作る人!」というわけではないのです。
②プランナーに過去担当したプランを見せてもらおう
面談の中で担当プランナーに過去作成したプラン(間取り)を見せてもらいましょう。
ここで見せてもらう間取りは、モデルハウスとかではなく、「自分の家に近い大きさ・家族構成の間取り」が良いですね。
これで、プランナーを見極める準備は整いました。
見せてもらったプランが、以下20の特徴をどれだけ満たしているか?を確認しつつ、プランナーの能力を見極めるための質問をぶつけていきましょう!
③「優秀なプランナー20の特徴」をチェックしよう
以降は無料配布している実際の「優秀なプランナー チェック表」をベースに、各項目に対してどうチェックしていくべきなのか?を解説していきますので、ぜひダウンロードいただいたPDFと合わせて確認していってください。
ダウンロードページ:優秀なプランナー チェック表(無料)
①:「間取りヒアリング力」
間取りづくりは「ヒアリングの精度で“8割”が決まる」と言っても過言ではありません。
そのため実際の間取りを元に、具体的にどういった要望でそうしたのか、実際のヒアリングしている項目などを確認しておきましょう。
①ヒアリングが細かい | 優秀なプランナーは、細かいところまで徹底的にヒアリングを行います。ヒアリングに漏れがあると、何回も間取りを作り直すことになるので要チェックです。 |
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おすすめの質問
- 「このプランのお施主さんの要望はどんな内容だったのですか?」
- 「必ずヒアリングする項目は何ですか?どれぐらい細かくヒアリングするんですか?」
②~③:「1階完結型プラン力」
プランナーが「理想の間取りは平屋」という認識を持っていると、打ち合わせもスムーズです。
なので、実際の過去プランや質問を通して、「1階完結型の間取りが作れそうか?」という観点でチェックしておきましょう。
②収納を1階に充実させる | 生活動線を考えると、収納は当然1階に充実させるべきなんですが、ダメプランナーは安易に2階にまとめがち。優秀なプランナーは、リビングの解放感を損なうことなく、1階に収納を充実させることができます。 |
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③1階だけで1LDKを作る | 老後のこともしっかり考えて、将来は1階だけで生活できるよう「1階に1LDKの間取りを作る」という考え方は持っておいてほしいところ。特に、安易に2階リビングや3階建てを提案してくるプランナーは要注意。 |
おすすめの質問
- 「平屋ってどう思われますか?」
- 「老後の生活への対策はどう考えていますか?」
関連記事:『老後も安心!「1階完結型」の間取りを実現するための超基本ルールとは?』
④~⑥「収納プラン力」
収納は量だけではなく、配置する場所が大切です。
最近では生活感のない=おしゃれなんて言われたりしますが、生活感をなくすためには、「必要な場所に、必要な収納を配置する」というのが第一歩ですよ。
④洗面所に衣類収納を充実させる | 最優先に収納を充実させるべき場所は「洗面所・脱衣所」。服を脱いだり、洗ったりする場所ですから、ここに衣類収納が充実していない間取りを描くプランナーは心配です。 |
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⑤玄関収納を充実させる | できればシューズクロークを配置したいところですが、無理なら大きめのシューズボックスでもOK。ただすっきりとした見た目のために、収納量を減らす間取りは絶対NG。 |
⑥キッチン収納を充実させる | 食材ストックはかなり場所をとりますから、災害用の備蓄食材なども含めてしっかりスペースを確保しておく必要がありますね。 |
おすすめの質問
- 「最優先に収納を充実させるべき場所はどこですか?」
- 「玄関収納ってどれくらい必要ですか?」
- 「収納関係で、他に注意すべきポイントとかありますか?」
関連記事:『生活感のない家を作るための「収納」基本ルール5選|収納の失敗パターンとは?』
⑦~⑨:「家事動線プラン力」
「料理と洗濯を楽にする間取りが作れるか?」は、家事の負担軽減のためにも非常に重要です。
プランナーの腕の見せ所と言ってもいいところなので、実際の間取りを踏まえて「なぜこういうレイアウトにしたのか?」など配置の意図についても質問してみましょう。
⑦洗濯動線を個人の好みに合わせる | 「洗濯物をどこで干したいか?」は、個人によって考えが異なるので、洗濯動線は好みに合わせるべき。過去に、施主は2階バルコニーに干したいのに、1階洗面→階段→2階バルコニーと酷い動線になってしまった家を見たことがあるので要注意。 |
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⑧部屋干しスペースを確保する | 雨や花粉を考えると、1年間で部屋干しが必要な日は「100日以上」と言われています。そのため、しっかり部屋干しスペースが確保されているか?は要チェック。 |
⑨キッチンと洗面所を隣接させる | 家事は、「料理」と「洗濯」がメインなので、キッチンと洗面所の往復はとても多いです。にもかかわらず、あまりにもキッチンと洗面所が離れている間取りは要注意。 |
おすすめ質問
- 「家事を楽にするポイントは何ですか?」
- 「洗濯物干しの動線はどう考えますか?」
関連記事:『家事ラク間取りに必須!洗濯物干し導線で「抑えるべき5項目」とは?』
⑩~⑫:「子育てプラン力」
家を建てるきっかけが、「子どもの誕生」という家庭も多いでしょう。
優秀なプランナーは、子育てしやすい間取りのポイントも理解していますからしっかりチェックしていきましょう。
⑩リビング階段を採用する | 2階建ての場合、子どもとのコミュニケーションを増やすためにも、「リビング階段」は必須。リビング階段を採用しても寒くならない性能担保も大前提ですが、安易に玄関ホール階段を採用するプランナーもいるので要注意。 |
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⑪キッチンから全体を見渡せる配置にする | 子育て世代にとって、キッチンからLDK全体を見渡せる配置にするのは非常に重要。子どもからしても見守ってもらえてる安心感がありますよ。 |
⑫1階に勉強スペースを設ける | 小学生低学年くらいまでは、一人で勉強するのが難しいので、親の目の届く場所で勉強できるよう1階に勉強できるスペースが設けられているか?は要チェックです。 |
おすすめ質問
- 「リビング階段のデメリットは何ですか?」
- 「子育てしやすい間取りってどんな間取りですか?」
- 「子ども部屋の適正サイズってどれくらいですか?」
関連記事:『コミュニケーションが増える!子供部屋を作る際の間取りのコツとは?』
⑬~⑮:「コスパを高めるプラン力」
家づくりは予算ありきですから、コストを意識できないプランナーはダメプランナーです。
優秀なプランナーは、コスパを高めるポイントをしっかり押さえていますので、以下のチェックポイントを確認していきましょう。
⑬廊下・通路を減らす | 「廊下・通路を減らす」のは、基本中の基本。コスト意識の高い優秀なプランナーは、異様なまでに無駄なスペースを無くすことにこだわってくれます。 |
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⑭玄関・客間・2階居室を大きくし過ぎない | 昔は玄関や客間を大きくすることが、「家の格」でもありましたが、現代ではそんなことはありません。「限られた予算やスペースは、家に住む家族のために使いましょう!」という考えのプランナーだと理想ですね。 |
⑮リビング・収納をケチらない | リビングは、毎日家族が集まる場所ですからケチらずにいきましょう。収納も同様。そのためにも、無駄なスペースを削る努力をしてくれるプランナーが理想です。 |
おすすめ質問
- 「間取りでコストカットする方法は?」
- 「階段の位置はどうやって決めますか?」
- 「一番贅沢にいくべきスペースは?」
関連記事:『無駄を削ってリビングに!「広く感じる間取り」に共通する3つの条件とは?』
⑯~⑱:「シミュレーション力」
<内観デザインの3Dパース>
(出典:安心計画)
住んだ後の「こんなはずじゃなかった…」という後悔は、シミュレーション不足にあります。
優秀なプランナーであれば、あらゆる角度から、3Dシミュレーションを行って施主のイメージとのすり合わせを行ってくれます。
⑯隣家を配置して採光シミュレーションを行う | 日当たりは隣家の影響も大きく受けますから、実際に隣家を配置しての採光シミュレーションは必須。特に太陽光発電を導入する場合は、屋根への日当たりシミュレーションも慎重に行う必要があります。 |
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⑰家具配置シミュレーションを行う | 家具を配置していない状態で間取りをつくってしまうと、思ったより家具を置くスペースがない、家具が邪魔で動線が悪い…など失敗のもとです。そのため家具を配置した状態で間取り作成を進めてもらえるか?を確認しておきましょう。 |
⑱内観・外観デザインを3Dパースで確認する | 内観・外観を3Dパースで見れるか?も確認しておきましょう。特に外観は、家への帰り道から見てカッコいいデザインになっているか?が大切です。 |
おすすめ質問
- 「3Dソフトは何を使っていますか?」
- 「隣家の影響とかシミュレーションしてもらえるんですか?」
関連記事:『間取りの「想定外」を防ぐ4つの方法|思っていたイメージと違う…の原因はシミュレーション不足』
⑲~⑳:「バランス調整力」
素敵な間取りでも、構造的に弱く、予算オーバーになったらだめですよね。
優秀なプランナーは、「素敵な間取り」×「構造」×「予算」を絶妙なバランス調整力で解決してくれるはずです。
⑲常に構造の強度を意識している | 自由に間取りを作ると構造が弱くなりがちなので、自由に間取りを作りつつも、常に構造の強度を意識しておく必要があります。壁の直下率50%以上を維持、壁や柱のない空間を広げ過ぎない、やたら引き戸を多用しない、四隅はなるべく壁にする、あたりがポイントです。 |
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⑳常に予算を意識している | 要望を詰め込んでいくと予算オーバーになりがちなので、要望を詰め込みつつも、常に予算を意識しておく必要があります。そのために大切なのは、プラン作成と予算確認を常にセットで行うことです。プランだけ完成させてから、最後に予算確認!みたいな流れは最悪です。 |
おすすめ質問
- 「間取りを作る過程で、構造の強度を高める方法はありますか?」
- 「予算オーバーさせない間取りづくりのコツってありますか?」
問題なければ、そのままヒアリングを進めてもらおう!
土地が決まっていない場合は土地探しから!
上記の20項目に対するチェック結果が問題なければ、早速ヒアリングしてもらって間取りづくりへ…といきたいところですが、土地が決まっていないと間取りづくりは進められません。
そのため土地が決まっていない場合には先に土地探し進めていきましょう。
もし「こういう間取りにしたい!」というイメージがあるのであれば、先にそれを営業マンに共有したうえで「その間取りが実現できそうな土地」を探してもらうのがいいですね。
関連記事:『どうやって進めるべき?注文住宅の「土地探し」の流れ・コツ・注意点を完全攻略!』
ヒアリングは「間取り希望共有シート」を使おう!
土地が決まっている場合は、早速間取りづくりを進めていくわけですが、まずは「自分がどんな家を建てたいのか?」を振り返るためにも、間取り希望共有シートを使ってプランナーに共有すべき希望事項をまとめておきましょう!
こちらも先ほどの「優秀なプランナー チェック表」同様、登録なしで無料でダウンロードできますからぜひ有効活用してみてください。
ダウンロード:『間取り希望共有シート(無料)』
プランナー・間取りづくりに関するよくある質問
まとめ
優秀な「プランナー」の見極め方として、抑えておくべきは以下20項目。
優秀なプランナー20の特徴
ヒアリング力 | ①ヒアリングが細かい |
---|---|
1階完結型プラン力 | ②収納を1階に充実させる ③1階だけで1LDKを作る |
収納プラン力 | ④洗面所に衣類収納を充実させる ⑤玄関収納を充実させる ⑥キッチン収納を充実させる |
家事動線プラン力 | ⑦洗濯動線を個人の好みに合わせる ⑧部屋干しスペースを確保する ⑨キッチンと洗面所を隣接させる |
子育てプラン力 | ⑩リビング階段を採用する ⑪キッチンから全体を見渡せる配置にする ⑫1階に勉強スペースを設ける |
コスパを高めるプラン力 | ⑬廊下・通路を減らす ⑭玄関・客間・2階居室を大きくし過ぎない ⑮リビング・収納をケチらない |
シミュレーション力 | ⑯隣家を配置して採光シミュレーションを行う ⑰家具配置シミュレーションを行う ⑱内観・外観デザインを3Dパースで確認する |
バランス調整力 |
⑲常に構造の強度を意識している |
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