「子どもとのコミュニケーションが増える」間取り4つのポイント|子供部屋の適正なサイズとは?
投稿日 2019.12.04 / 最終更新日 2023.02.22

「親が子どもにしてやれる事は何か?」この答えは無限にありますが、強いて、最も大切なことを挙げるとすれば、子どもとのコミュニケーションを増やすことだと、グッシンは考えています。
目次
子ども達とのコミュニケーションが大切な理由
まず何より、子どもが安心感を持つことができます。子どもにとって親は大きな存在であり、親に理解してもらっていると感じることは、何よりも情緒を安定させる基本となります。
次に、子どもの命を守ることにつながります。今、子どもの自殺率が高まっており、原因は学校でのいじめや勉強の悩みが多いようです。日々のコミュニケーションで、そのサインに気づき、大切な子どもの命を守っていきたいと思います。
もう一つは、親の心の安定です。「子どもが何を考えているかわからない」という状態は、親の心を不安定にさせます。親子に限りませんが、人間関係のストレスの原因のほとんどが、コミュニケーション不足。誰しも経験があるのではないでしょうか。
と、理由を3つ並べましたが、結局、子どもとのコミュニケーションって、単純に親が楽しいから増やした方がいいと思うんですよね。やっぱり、子育ては楽しまなくちゃ。ということで、子ども達とのコミュニケーションを増える間取りについて、解説していきます。
<人間関係のストレスの原因は、コミュニケーション不足>
【結論】「子どもとのコミュニケーションが増える」間取り4つのポイント
「子どもとのコミュニケーションが増える」間取り4つのポイントは、以下の通りです。
①リビング階段にする
②キッチンから死角を作らない
③1階に勉強スペースを配置する
④2階子供部屋は寝るだけサイズにする
①リビング階段にする
リビング階段は、最近の主流になりつつありますね。ぜひ、リビング階段を採用しましょう。
家に帰ったら、リビングにいる家族と必ず顔を合わせてから、2階に上がるような動線になりますので、自然とコミュニケーションが生まれます。外にでかけるときも同じく、顔を合わすことができます。
<自然と挨拶が生まれるリビング階段>
反対に、玄関ホール階段だと、リビングにいる家族と顔を合わせることなく、2階に上がることができてしまいます。これでは、家にいるのかさえ、分からなくなってしまいます。
玄関ホール階段同様に、2階リビングをおススメしない理由の一つが、これ。2階リビングにすると、子ども部屋が1階になるため、当然ながらリビングにいる家族と顔を合わすことなく、子ども部屋に入ってしまうことになります。
<挨拶・コミュニケーションが減ってしまう玄関ホール階段>
『リビング階段だと、リビングが寒くなるのでは?』に対して
リビング階段の注意点ですね。性能の低い家でリビング階段を採用してしまうと、暖かい空気が2階に逃げてしまい、1階が寒くなってしまうデメリットがあります。
第1章で紹介した基本性能(窓・断熱・気密・換気システム)をクリアした上で、リビング階段を採用するようにしてください。
関連記事:第1章 「断熱・気密・換気性能」について|記事まとめ
どうしても、性能の低い家でリビング階段を採用する場合は(基本的におすすめしませんが)、階段の手前に扉を設けるなどの対策を行いましょう。
<性能が低い家でリビング階段を採用するときの最終手段>
②キッチンから死角を作らない
キッチンに立った視点から、子どもたちが見える間取りを設計しましょう。子育てをすると、キッチンに立っている時間がとても長いことに気づきます。
そんなキッチンから、子どもたちが見えるようにしておくことで、子どもたちが安心感を持つことができますし、子どもが見えていることにより、親が安心して家事をすることができます。
<子どもは、親が想像できない遊びを思いつく>
『子ども達の安全を守る上で、他に気を付けることはありますか?』に対して
子どもの家庭内死亡事故の原因上位は、窒息、溺死、転落です。
窒息は、目を離さないことはもちろん、手の届かない場所に小物収納を作ることが有効です。窒息だけでなく、ボタン式電池やたばこの誤飲はとても危険なので、特に注意するようにしましょう。
溺死は、キッチンと洗面所・お風呂を隣接させることで、目を離しにくくすることが効果的。数十センチの水位でも、子どもは溺れます。家事動線の面でも大切なので、是非採用するようにしてください。
関連記事:「家事が楽になる」間取り5つのポイント|最も効率的な洗濯物干し動線とは!?
転落は、バルコニーからが多いので、バルコニーに踏み台になるような物を絶対に置かないこと。また、2階の大きな窓は、床面から1.1m高さ以上に設置し、ベッドや踏み台を近くに置かないようにしましょう。
<タバコや電池などの異物誤飲対策>
(出典:日本小児科学会)
③1階に勉強スペース
親から目が届く場所に、子どもが勉強できるスペースを作りましょう。
小学生低学年までは、1人で集中して勉強することができない、かつ、勉強の習慣は小学校低学年までにつくと、と言われています。つまり、小学校低学年までの間に、親の目が届く場所で勉強する習慣をつけておくことが大切だ、ということです。
また、家族共有のパソコンスペースを兼ねてもいいと思います。
<まずは、勉強する楽しさを身に付けてほしいですね>
『予算の関係で、勉強スペースを確保できないのですが?』に対して
勉強スペースを確保するのがベストですが、それが難しい場合は、おそらくダイニングで勉強することになりますので、ダイニング周りに、最低限の勉強道具を置ける場所を確保しておきましょう。
間取りはあくまで補助的な道具ですので、1階で勉強する習慣をつけていく親の意識が大切ですね。
<親の目が届くところで勉強する習慣を>
④2階子供部屋は寝るだけサイズ
2階の子ども部屋は、1人部屋なら4.5畳、2人部屋なら6畳で十分。
できるだけ家族でリビングに集まり、コミュニケーションを増やすようにしましょう。子ども部屋を大きくするために予算を使い、リビングを小さくするなんてことは、絶対にだめです。大切なのはリビングですからね。
関連記事:「コンパクトなのに広く感じる間取り」に共通する3つの条件|間取りにメリハリをつける方法
また、リビングも子供部屋も大きくするために、予算を上げるのも微妙です。家にお金を掛け過ぎてはいけません。そんなお金があるのなら、家族の思い出づくりにお金をかけましょう。旅行に行きましょう。ひらパーにいきましょう。
<家より思い出作りにお金をかけましょう>
『間取りだけで子育てが楽になるなら、誰も苦労しない!』に対して
全く持ってその通りです。間取りだけでどうこうなるものではありません。子育ては難しいですからね。日々実感します。
一方、失敗間取りが原因で、子どもとのコミュニケーションが減ったり、子育てに悪い影響がでることもありますので、親がしてやれる事はやる。でもそれ以上は、なるようになる。と考えるのが良いと思います。
グッシンが考える子育て論
子どもは親の所有物ではなく、子どもには子どもの意志があります。子供の意志まで含めて、親がどうこうすることはできませんし、どうこうしようとするのは親のエゴ。
また、親が子育てにストレスを感じて、心を乱してしまうことは、なにより子どもに悪影響を及ぼすので、子どものために!だけではなく、親がストレスをためない為に!と考えることも忘れてはいけません。
親がストレスをためない為には、必要以上に何かをしてあげるのではなく、結果は子供の自己責任と考え、親が過度に責任を感じすぎないこと。得に幼少期は、子どもの命を守るだけで精一杯ですから。それだけで立派だと思いますよ。
<子どもの命を守っているだけで、親はえらい!>
まとめ
「子どもとのコミュニケーションが増える」間取り4つのポイントは、以下の通りです。
①リビング階段にする
②キッチンから死角を作らない
③1階に勉強スペースを配置する
④2階子供部屋は寝るだけサイズにする
関連記事:優秀な「プランナー」を見極める方法|優秀なプランナー20の特徴
【文責:瀬山彰】
PROFILE

せやま大学の人
瀬山 彰
大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。
「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。
娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。