【間取りのコツ】玄関ホール&シューズクロークの理想的な広さ/サイズ/配置は?

【間取りのコツ】玄関ホール&シューズクロークの理想的な広さ/サイズ/配置は? | 間取り

玄関はお客様をもてなす最初の場所であることから、「家の顔」と言われますが、だからといって広くすればいいというものでもありません。

家を建てるのは、お客様のためのではなく「家族のため」ですから、抑えるべきポイントをしっかり押さえて家族全員が使いやすい!と言ってくれるような機能的な玄関づくりを目指しましょう!

広さより「機能性」を重視しよう!

本記事は、YouTubeでも分かりやすく解説しておりますので、動画で見たいという方は以下からご覧ください!

 

関連動画(YouTube):『【間取りのコツ】玄関ホール・シューズクロークの適切なサイズと配置

機能的&ムダのない玄関の間取りポイント4選!

 

家族のための家だからこそ、広さだけにこだわらずに機能的な玄関を作っていきましょう。

玄関の間取りを考える上で抑えておくべき点は以下の4つ。

  1. 玄関ホール・土間スペースの広さは?
  2. シューズクロークは必要?最適な広さは?
  3. シューズボックスのサイズ・形状は?
  4. 玄関ホールからのLDKに入る動線は?

それでは、それぞれ詳細をチェックしていきましょう!

①玄関ホール・土間スペースの広さは?

土間・玄関ホール、共に『1.5P×1.5P』が推奨

来客のことも考えて広い玄関を作りたがる人は多いですが、実際お客さんなんてめったに来ませんよね。そんなお客さんのために見栄をはっても無駄。大切なのは、玄関を広くしすぎないことです。

玄関の推奨サイズは、土間部分・玄関ホールともに、『1.5P×1.5P(1.365m×1.365m)』がベスト

もちろん予算に応じて広げるのもOKですが、機能的に考えるとこのくらいの広さがあれば十分です。

1P=91cm

スペース次第では「ホールの奥行」を縮めるのもアリ

逆にこれだけのスペースがとれないという場合は、「ホールの奥行を少し縮める」というのもアリでしょう。もちろんやらない方がいいですが、どうしても厳しかったらやってみてください。

ただ一方で玄関スペースの横幅をこれ以上縮めるのは絶対にNGです。「子どもが二人並んで靴脱げないじゃん!」みたいなことになりかねませんから、横幅を狭めるのはやめておきましょう。

②シューズクロークは必要?最適な広さは?

間取り上可能であれば作るのが理想

玄関は家族全員が出入りするスペースのため、どうしてもごちゃついてしまいます。

そのため急な来客時などの収納を考えると、間取り上可能であればシューズクロークを作っておくのが理想ですね。

シューズクロークの最適な広さ・形状は?

シューズクロークの間取り例(左:幅2P、右:幅1.5P)

シューズクロークを考える際、「どのぐらいの広さがいいのか?」「縦長がいいのか横長がいいのか正方形がいいのか…」など悩むことも多いでしょう。

まず広さについては、予算に応じて「とれるだけとる」ようにしてください。

ただしシューズクロークをあまり広くしてしまうと、通路部分が無駄になってしまうこともあるので、ジャストサイズで無駄のないシューズクロークを作りたいなら「幅1.5P(上図:右)」、左右に十分なスペースを確保したいのであれば、「幅2P(上図:左)」程度を目安に確保すると良いでしょう。

両側に30cm程度の棚を設置する想定

シューズクロークの目隠しは「ロールスクリーン」で!

またシューズクロークの中が見えないように、「扉(引き戸)をつけたい」という人も多いと思いますが、扉をつけると「引きしろ(扉を引き込むスペース)」が必要になり、シューズクローク内で使用できるスペースが減ってしまいます。

加えて、デザイン的にあまりきれいでないですし、それなりに高いというデメリットもありますので、シューズクロークを隠せるようにしたいのであれば、扉ではなく、「ロールスクリーン」にするのがおすすめです。

シューズクロークの回遊導線はどう?

シューズクロークを用いた回遊導線の間取り例

よくあるのが「家族用玄関とお客様用玄関を分けたい!」「回遊導線にしたい!」という意見。

これは、シューズクローク自体が「通路」となり、収納スペースが減ってしまうためおすすめしません。

またせっかく家族用とお客様用と導線を分けても、結局めんどくさくてお客様用玄関を使う…というケースも考えられますから、シューズクロークを作るなら回遊導線にせず、「収納量重視」で考えた方が良いでしょう。

シューズクロークを設置する際の理想的な配置は?

シューズクローク+シューズボックスの配置例

収納スペースとしての理想は、「シューズクロークに加えて、シューズボックスも設置する」ですね。

その場合は上図のように「右にシューズクローク、左にシューズボックス」というように、それぞれ左右に配置するのが一般的だと思います。(この場合玄関ホールの横幅が2Pに)

奥にシューズクロークを設置する場合の間取り例

またより無駄なスペースを削りたいのであれば、上図のように「奥にシューズクロークを配置するレイアウト」にしてもらえれば、先ほどは2Pだった玄関ホールの横幅を1.5Pに抑えることができるので、より無駄を減らすことができますね。

③シューズボックスのサイズ・形状は?

 シューズクロークは無理せず!

もちろんスペース的にもシューズクロークが作れるのが理想ですが、スペース的に難しい場合もありますよね。

そういった場合はシューズボックスだけでも全然OKなので、無理してシューズクロークを作るのはやめましょう。

シューズボックスの推奨サイズは「幅1.5P」

コの字型シューズボックスの実際の例

シューズボックスのサイズに関しては、「幅1.5P」がいいと思います。

また形としては、中間部分のスペースに鍵や写真立てなども置ける「コの字型で鏡がついているタイプ」がおすすめですね。ただここについては、「絶対にコの字型じゃなきゃいけない!」ということもないので、好みで決めてもらってOKです。

幅1.5P+コの字型だと何足入る?

一般的に、幅1.5P+コの字型シューズボックスであれば「40足」くらいは収納可能です。

またコの字の中間部分も収納にすると、全部で「55足」くらいは入りますから、形状を検討する際には靴の量も踏まえて考えるようにしましょう。

④玄関ホールからのLDKに入る動線は?

玄関ホールからLDKに入る際に、「リビング/ダイニング/キッチンのどこにつながるように配置するか?」は、無駄のなく、コスパの高い間取りにするためにも非常に重要な要素です。

やはり理想としては、「玄関ホール⇒リビング」という動線ですね。

もちろんそれが無理なら玄関ホール⇒ダイニングでもOKですが、基本的には「リビング」or「ダイニング」に進入路を持って行くのがセオリーになります。

対して「玄関ホール⇒キッチン」という動線にすると、荷物をすぐにキッチンや冷蔵庫に運べるメリットはありますが、生活感が出やすい「キッチンの足元」が丸見えになってしまうため、こまめな掃除が苦手な方にはあまりお勧めはできません。

キッチン裏に玄関を配置するパターン

また上図のように「キッチンの後ろ側」から入る動線もありますが、本来であれば冷蔵庫が置けたスペースを進入路にしているため、キッチン収納の量が幅3Pから2Pとかなり減ってしまいます。

そのためキッチン裏に玄関を配置するというパターンもやめておいた方が良いですね。

関連記事:『【間取りのコツ】キッチンでやりがちな致命的な配置・レイアウトの失敗例7選!

玄関の間取り(広さ/配置)に関するよくある質問

質問①:玄関ホールの扉はなしでもいい?

玄関ホールからLDKに入るための扉は、あった方がいいでしょう。

なくてもいいですが玄関はどうしても少し冷えやすいので、その冷気が常にLDKに入らないようにするためにも、扉をつけておきましょう。

質問②:ホールから靴をとりたい場合は?

「靴を脱いだ状態で靴を取りたい!」という人は、玄関の間取りを作る時にとれる場所に収納を作るのがおすすめです。

とはいえ、大体の人は普段使う靴は出ているので、そんなに気にすべきことではありません。気になる人だけ、収納の配置を考える程度でいいでしょう。

質問③:鬼門は気にしなくていいの?

これはもう「信じるか信じないか、あなた次第!」というところです。

個人的には、鬼門や裏鬼門を気にすることで、間取りがある程度決まって制限を受けてしまいます。そうなると最終的に昔ながらの間取りになってしまうので、不便になることも。昔は「南西は暑くなりやすい」などの理由もありましたが、今とは家の性能も大きく異なるので、鬼門を気にする実質的な効果はほとんどないでしょう。

 まとめ

玄関ホールや土間部分、シューズクロークなど玄関の間取りづくりにおいて抑えておくべきポイントは以下の4つ。

玄関の間取りづくりにおけるポイント

  • 玄関ホール・土間スペースの広さは?
    ⇒それぞれ「1.5P×1.5P」がちょうどいい塩梅
  • シューズクロークは必要?最適な広さは?
    ⇒間取り上作れるなら作るのが理想
    ⇒広さは「幅1.5P~2P」が推奨
  • シューズボックスのサイズ・形状は?
    幅1.5P+コの字型がおすすめ(40足分)
  • 玄関ホールからのLDKに入る動線は?
    玄関>リビングorダイニングの動線がセオリー
    キッチン側に進入路を設けるのは非推奨!

PROFILE

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せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

間取り実例(せやまどり)

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