【間取りのコツ】玄関ホール・シューズクロークの適切なサイズと配置
投稿日 2023.02.15 / 最終更新日 2023.03.07

お客様をもてなす最初の場所である玄関。玄関は「家の顔」と言われることもありますよね。だからこそスペースを広くとっておくことが大切…と言われることもありますが、実は大きくしすぎないことが大切です。
玄関の間取りを決める時に押さえたいツボを覚えておきましょう!
本記事は、YouTubeでも分かりやすく解説しておりますので、動画で見たいという方は以下からご覧ください!
参考動画:【間取りのコツ】玄関ホール・シューズクロークの適切なサイズと配置
目次
機能的でムダのない玄関の作り方のポイント4選!
お客さんを出迎えるために広い玄関を作りたがる人は多いですが、実際はお客さんなんてめったに来ませんよね。そんなお客さんのために見栄をはっても無駄。大切なのは、玄関を大きくしすぎないことです。
家族のための家だからこそ、広さだけにこだわらずに機能的な玄関を作っていきましょう。そのための覚えておきたい4つのポイントはこちら!
- サイズ
- シューズボックス
- シューズクローク
- 配置
それぞれ、詳細をチェックして、機能的でムダのない玄関を作っていきましょう!
①サイズ
玄関サイズは、土間部分・玄関ホールともに1.5P×1.5P(1.365m×1.365m)がベスト。もちろん予算に応じてこれ以上に広げることはOKですが、機能的に考えるとこのくらいの広さがあれば十分です。
逆に、これだけのスペースがとれないという場合はホールの奥行きを少し縮めるのはアリです。やらない方がいいですが、機能的には耐えられないので、どうしても厳しかったらやってみてください。一方、幅を縮めるのは絶対にやっちゃいけないです。「子どもが二人並んで靴脱げないじゃん!」みたいなことになるので、やめておきましょう。
②シューズボックス
いわゆる下駄箱の適性なサイズや形状も考えてみましょう。シューズクロークを作るのが理想的ですが、スペース的には取れない場合もありますよね。その場合はシューズボックスだけでも全然いいんです。シューズボックスでも靴は十分に収納できるので、無理にシューズクロークを作るのはやめましょう。
シューズボックスのサイズに関しては、幅1.5Pがいいかと思います。形としては、「コの字型」で鏡がついているタイプが推奨です。コの字型なら、中間部分のスペースに鍵や写真たてなども置けます。ただし「絶対にコの字型じゃなきゃいけない!」ということもないので、好みで決めてください。
一般的に、コの字型のシューズボックスは40足くらい収納可能。中間部分も収納にすると、55足くらい入ります。靴の量によって決めてください。
③シューズクローク
玄関にはシューズクロークを作るのが理想的。玄関はどうしてもごちゃつくので、シューズクロークがあれば綺麗に収納できます。ただし、サイズや形状は迷う人が多いもの。「縦長がいいのか横長がいいのか正方形がいいのか…」といったところを間違えると、思ったほど収納量がないシューズクロークになってしまいます。
まずサイズとしては、予算に応じてとれるだけとるようにしてください。形状としては、幅2P(1.82m)とっておくと良いでしょう。そうすればクロークの両側に30cmの棚をつけても十分なスペースが生まれます。ベビーカーとかも置けますね。ただし広いシューズクロークにすると、通路が広すぎて無駄になってしまうこともあるので注意が必要です。そのため、ジャストサイズのシューズクロークを作りたいなら、幅1.5Pもアリだと思います。通路はちょっと狭くはなってしまいますが通れないことはありませんし、普段から歩くわけではありません。また、両側に収納をつけても60cmくらいの通路の幅は残ります。ムダのない理想的な配置になるでしょう。
また、入口の目隠しに関してですが「隠すために扉をつけたい」という人も多いですよね。とはいえ、扉をつけると「引きしろ」が必要になり余計なスペースが必要になります。さらにあんまり美しくないし、それなりに高いというデメリットも。そこで、個人的に目隠しはロールスクリーンでいいと思います。お客さんが来た時だけ隠せるようにしておくのが無難でしょう。
また、よくあるのが「家族用玄関とお客様用玄関を分けたい!」という意見。「回遊導線にしたい」という人もあったりするんですが、結論おすすめしません!通路になってしまうので、収納が減るのです。さらにせっかく玄関を分けたのに家族もお客様用玄関を使うことも多いので、収納量重視で作って良いでしょう。
シューズクロークのさらなる理想形は?
- シューズボックスとシューズクローク併用が理想的
- 併用する場合は左にシューズボックス・右にシューズクローク等の挟む配置が一般的
- 奥にシューズクロークを作ると、さらに無駄のないスペース活用も可能!
④配置
玄関の配置をどう考えていくのかは、玄関ホールからL・D・Kのどこに入るかが一番無駄のなく、コスパの高い間取りになるか考える必要があります。家を作るうえで、LDKの動線は結構大事なので、しっかり押さえてください。
LDKのどこに玄関ホールをつけるかは、やはりリビングから家に入っていくのが理想です。それが無理ならダイニングでもいいですが、基本的にはリビングかダイニングに進入路を持って行くのがセオリーです。
キッチンから入ってしまうと、どうしてもキッチンの足元が見えてしまいます。荷物をすぐにキッチンに運び込めるメリットはありますが、キッチンの足元が見えるとストレスになるもの。そのため基本的には、キッチンの足元が見えないようにしておきましょう。また、キッチンの後ろ側から入るのもおすすめできません。普段は冷蔵庫を置くような場所が通路になるので、キッチンの収納が狭くなってしまうのです。2.7mとれていた収納が1.8mになると一気に狭くなるので、キッチンの裏側から入る動線も避けた方がいいでしょう。
玄関のサイズと配置に関して、よくある質問3つ!
玄関を作る時によくある質問に関しても、念のためチェックしておきましょう。玄関を作る時によくある質問は、こちらの3つです。
- 玄関ホールの扉はなしでもいい?
- ホールから靴を取りたい場合は?
- 鬼門は気にしなくていいの?
こちらもそれぞれ解説していきます!
【質問①】玄関ホールの扉はなしでもいい?
玄関ホールからLDKに入るための扉は、あった方がいいでしょう。なくてもいいですが玄関はどうしても少し冷えやすいので、その冷気が常にLDKに入らないようにするためにも、扉をつけておきましょう。
【質問②】ホールから靴をとりたい場合は?
「靴を脱いだ状態で靴を取りたい!」という人は、玄関の間取りを作る時にとれる場所に収納を作るのがおすすめです。とはいえ、大体の人は普段使う靴は出ているので、そんなに気にすべきことではありません。気になる人だけ、収納の配置を考える程度でいいでしょう。
【質問③】鬼門は気にしなくていいの?
これはもう「信じるか信じないか、あなた次第!」というところです。個人的には、鬼門や裏鬼門を気にすることで、間取りがある程度決まって制限を受けてしまいます。そうなると最終的に昔ながらの間取りになってしまうので、不便になることも。昔は「南西は暑くなりやすい」などの理由もありましたが、今とは家の性能も大きく異なるので、鬼門を気にする実質的な効果はほとんどないでしょう。
まとめ
ムダなく機能的な玄関ホールを作るポイント4つ
- 玄関のサイズを確保する
- シューズボックスをつける
- シューズクロークが理想的
- 配置はリビングに繋げる
PROFILE

せやま大学の人
瀬山 彰
大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。
「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。
娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。