【間取りのコツ】”家事ラク”なキッチンを作るための動線・配置上のポイント6選!

【間取りのコツ】”家事ラク”なキッチンを作るための動線・配置上のポイント6選! | 間取り

キッチンは毎日立つ場所だからこそ、なるべくストレスのない空間にしたいですよね。

しかし、間取りの段階でミスしてしまうと「冷蔵庫の場所が不便」「なんだか生活感が丸出し…」など、ちょっとしたことが気になってストレス…というケースも少なくありません。

そこで今回はキッチンの間取り決めのポイント」について詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

キッチンの「配置」はすごく大事!

【大前提】キッチン間取りの考え方は2段階!

キッチン間取りで失敗しないための考え方は以下の2段階。

  1. キッチン」の配置
  2. キッチン設備」の配置

まずキッチンそのものの配置を決めてから、冷蔵庫やカップボードなどのキッチン設備の配置を含めてキッチンスペースの間取り計画を進めましょう。

ここからは「キッチン」の配置と「キッチン設備」の配置に分けて抑えておきたいポイントを解説していきます。

「キッチン」の配置について

ポイント①:玄関ホールからキッチンが見えないように!

キッチンは「汚くなること」を前提に配置!

キッチンの配置を考える際、「玄関ホールからキッチンに直通」や「LDKに入った時にキッチンの足元が見える」といった配置はやめましょう。

建てた直後は綺麗でも、仕事や家事で忙しいのにきれいに整頓…なんてしてられませんよね。

キッチンはある程度汚くなることを前提に、玄関ホールから入ったときにもキッチンの足元が見えないよう配置してください。

玄関ホール⇒キッチンなら「壁」で対策を!

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例えば上の間取りのように、玄関が北側にある場合は、リビングが南側になりますから、北側にキッチンを含めた水回りが来ることが多いと思います。

このようなケースだと、「玄関ホール⇒キッチン⇒リビング」という導線になるのですが、この場合、キッチンが丸見えになってしまうので、キッチン横に「壁」を作っておくといいですね。

ただその場合、平面図だけでなく、プランナーさんに3Dの内観パースを見せてもらいながら、「ちゃんと足元が隠れるか?」を確認しておきましょう。

ポイント②:キッチンは「見渡せる位置」に配置!

「リビングと斜め向かい」or「リビング・キッチン間にダイニングを挟む」

家族と別の空間にいると集中できる反面、なんだか寂しいですよね。

せっかく新しい家を建てるんですから、家族みんなが一体空間で過ごせるように、キッチンは「リビング・ダイニングが見渡せるような位置」に配置するのがおすすめです

とはいえリビングに近づけすぎると、料理中の音が響いてストレスになる場合があります。

なのでキッチンとリビングが隣接しないよう、「リビングの斜め向かい」もしくは、「リビング・キッチン間にダイニングを挟む」配置がおすすめですよ。

キッチンを「壁付け」にするのはどう?

キッチンを壁付けにすることで、リビング・ダイニング側のスペースを広く取れるというメリットもありますし、これは好みで決めてもらってOKです。

ただ、カップボードをキッチン横に置かなければならなくなるため、幅が短いのものしか採用できず、収納が減ってしまったり、リビング側からキッチンの足元が見えやすくなってしまったりとデメリットもあるので要注意。

ポイント③:なるべく洗面所の近くに配置!

料理だけでなく、皿洗いをしながら、お風呂の準備をしたり、洗濯物を干したり、子どものお風呂を見守ったり…と家事をするうえで「水回りの移動」は非常に多いです。

そのため、「キッチン」と「洗面所」はなるべく近くにレイアウトするようにしましょう。理想はほぼ横並び

今の生活で行き来が多い人は、なるべく近くに配置すると「家事の移動」が楽になりますよ。

玄関⇒パントリー⇒キッチンの回遊動線は△

憧れの回遊動線ですが、「玄関からLDKを通らずにパントリーに行けて、そこからキッチンに抜けられる」という動線はおすすめしません。

そんなに使いませんし、LDKを通ってキッチンに行けば良いです。

通路が増えるほど家はどんどん大きくなり建築コストも上がります。回遊動線は悪いものではありませんが、「本当に使うのか?」よく考えて採用しましょう。

「キッチン設備」の配置について

ポイント①:冷蔵庫はダイニングからアクセスを重視!

特に「冷蔵庫をキッチン奥に配置」はNG!

「生活感を消したい!」と冷蔵庫をキッチンの一番奥に配置する人もいますが、冷蔵庫を使うのはなにもキッチンで料理している人だけではありませんよね。

ダイニングから飲み物や調味料を取りに行く時、冷蔵庫がキッチンの奥にあると、キッチンに立っている人とすれ違うのも、ダイニングからぐるっと回るのも大変です。

そのため冷蔵庫は、ダイニングの近くに配置するか、キッチン周りを回遊動線にしてダイニング側からも冷蔵庫にアクセスしやすくしましょう。

カップボードと並べるなら、「約100~200mm」奥まらせておく!

冷蔵庫はカップボードよりも奥行があるので、カップボードと並べると、横から見たときに冷蔵庫がカップボードから100~200mm程度はみ出してしまいます。

こういった場合は、カップボードから飛び出さないように「冷蔵庫置き場」を少し奥まらせておけばOK!

ポイント②:給湯器モニターなどは「キッチン近く」がベター

給湯器やインターホンなどのモニターは、キッチンの近くにあると便利ですよ。

ニッチを作って配置するとすっきりしますが、なければ壁にそのまま付けても構いません。

「歩く時に当たりそう」という人もいますが、そんなに壁際ギリギリを歩くことはないので、ニッチにこだわる必要はありません。

ポイント③:キッチン通路は「800~1,100mm」が理想!

キッチンとカップボードの通路幅は、「800~1,100mm」くらいが理想です。(※)

キッチンは2人で立つこともある場所なので、狭すぎるとごちゃつきますし、逆に広すぎても、キッチンとカップボードの距離が遠くなり、食洗器からカップボードにお皿をしまう時の動線が悪くなります。

よく使われる奥行650mmのキッチンであれば、「カップボードの後ろの壁」から「キッチンの正面」に対し、約2.5P(1P=910mm)程度のスペースを確保しておけば良いでしょう。

そうすればキッチン・カップボード間の通路幅が約1,000mmになるので、通路としても片付け導線的にも最適な距離になりますよ。

一般的なキッチン:奥行650mm、カップボード:奥行450mmの場合

キッチンの間取りに関するよくある質問

質問①:勝手口って必要?

勝手口は原則不要です。

コストも結構かかりますし、防犯上もあまり良いものではありません。

ただ「こまめに毎日ゴミを外に捨てておきたい」という場合であれば、勝手口を付けてもいいと思います。

質問②:キッチンの床は変えるべき?

オイル塗装の無垢床の場合は、変更した方が良いです。

一方、ウレタン塗装の無垢床の場合や、突板・挽板の場合はそのままでも良いでしょう。

もし床材を変更するならクッションフロアがおすすめ。フロアタイルは継ぎ目のところに隙間ができて水が溜まりやすいので注意が必要です。

見切りは鋭利でないものを採用しよう!

部分的に床材を変えると、つなぎ目に「見切り材」を入れることになるのですが、見切り材が鋭利だと足を切るケースもあるようなので、なるべく鋭利になっていないものを選びましょう。

また躓く可能性がないか?ぶつかった時に、めくれてケガをするリスクがないのか、なども併せてチェックしておくといいですね。

質問③:天井下げ(下がり天井)はどう?

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キッチンをおしゃれにする手法の1つに「天井下げ(下がり天井)」がありますが、2,400mmの天井で採用してしまうと、ちょっと圧迫感が出てしまいます。

そのため「天井下げ(下がり天井)を採用したい!」という場合は、ちょっとコストがかかりますが、天井2,600mmにして、キッチンを2,500mmに下げる。その代わり2階の天井を2,400mmから2,200mmに下げる」という調整がおすすめです。

天井高が2,400mmのままの場合であれば、キッチンを下げるよりもリビングを100mmぐらい上げる(折り上げ天井)にした方が、コストを抑えてアクセントを加えることができるのでおすすめですよ。

まとめ

キッチンの間取りを考える際に、抑えておくべきは以下の通り。

キッチンの間取りづくりのポイント

  • キッチンの配置①:玄関ホールから足元は隠して
    →玄関ホール⇒キッチンなら壁で対策
  • キッチンの配置②:リビング・ダイニングが見渡せる位置に
    →「リビングと斜め向かい」or「リビング・キッチン間にダイニングを挟む
  • キッチンの配置③:洗面所と並べて家事動線を確保
    →家事をするうえで「水回りの移動」は非常に多い!
  • キッチン設備の配置①:冷蔵庫はダイニングからアクセスしやすい位置で
    →キッチンからもダイニングからも使いやすく
  • キッチン設備の配置②:給湯器などモニター類もキッチン近くがベター
    →給湯器やインターホンなどニッチの活用がおすすめ
  • キッチン設備の配置③:カップボード・キッチン間は「800~1,100cm」が理想
    →「カップボードの後ろの壁」から「キッチンの正面」に対して約2.5Pのスペースを確保
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せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

間取り実例(せやまどり)

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