【土地探し】プロも狙ってる穴場の土地実例5選

【土地探し】プロも狙ってる穴場の土地実例5選 | 土地探し

不動産情報サイトを見たり不動産屋さんから土地の情報をもらった時に「三方囲まれているから、暗い家になりそう」「面積が小さすぎて2階建ては無理だけど、3階建ては嫌だからこの土地はやめよう」と早々に諦めている人がいます。もちろん誰もが素敵な土地を買えれば良いですが、予算には限りがあります。そのため「みんなは避けるけれど、実はプロはこういう目線でこういう土地を狙っている」ということを知っておけば「周りの相場に比べてかなり安く買えました!」「みんなが敬遠していた土地で素敵な間取りが入りました!」となります。

そこで、今回は土地を売りたい売り主の気持ちも交えながら、土地の狙い方を紹介します。土地の探し方に関するよくある質問10選にも答えるので、そちらも参考にしてください。

今回は以下を詳しく解説していきます。

お宝土地の見つけ方実例5選

①旗竿地

旗竿地とは通路があって奥が広くなっていて、奥に家を建てるような土地です。一般的には良くないと言われている土地で、確かにそれは間違っていません。「旗竿地は資産価値も低いし、中に入るのが大変そう」という考えも間違いではないです。

ただし、旗竿地でも通路部分の間口が3m以上あれば問題ありません。建築基準法上は2mあれば家を建てられますが、2mだと車で通るのが厳しいですし、2.5mだとテクニックが必要です。ただ、間口が3mあれば最初は抵抗があるかもしれませんが慣れます。さらに、3.5mくらいあればめちゃくちゃ良いです。

「旗竿地だからダメ」ではなく、旗竿地の通路の幅をチェックして3mあれば検討してください。しかも旗竿地を持っている売り主は「売りにくくて困る」と考えている人が多いので、価格交渉がしやすいですよ。

質問:旗竿地の駐車が不安だけど大丈夫ですか?

旗竿地だと駐車を不安に思う人が多いですが、これは慣れるから大丈夫ですよ。

②古家付き土地(中古住宅)

ピカピカの更地が好きで古家付きの土地を避ける人が多いですが、情報を検索する時に土地だけで検索するのはダメです。古家付きの土地に、中古住宅を含めて検索すると結構出てきますよ。

中古住宅のなかには築70年のものもあり見栄えが悪く、写真を見ても「ここに住みたい」という気持ちが湧きにくいです。ただし、家を建て替えると土地は見違えます。絶対に中古物件を除外せず、中古物件付きの方が狙い目だと思って土地を探してください。

質問:解体費が上がっているので、中古物件を買うと高くなるのでは?

確かに解体費は高いです。昔は30坪の木造住宅なら100万円くらいで解体できていましたが、最近は150~200万円くらいかかります。ただし、解体費が上がっているのであれば、その分価格交渉をしてください。中古物件付きの土地は売り主さんも売りにくいので「解体費用を少し負担しないといけないかも」と思っています。仲介に入っている不動産屋さんも交渉してくれるので、中古物件の時は価格交渉もしくは更地渡し交渉がしやすいと考えて、遠慮せずに交渉してください。

また、解体の見積は複数もらってください。住宅会社もしくは仲介の不動産屋さんお抱えの解体屋さんにやってもらうのも良いです。一見さんで見つけるのは難しいかもしれませんが、最低でも住宅会社と不動産屋さんの2つの見積をとって比較してくださいね。地域ごとに強い会社があるので、100万円近く価格が異なることもありますよ。

古い家の場合はアスベストにも注意が必要。アスベストの除去が必要だと価格が一気に高くなるので、検査は早めに行ってくださいね。

③北道路

南道路にこだわる人が多いですが、こだわりすぎです。南道路は南側に玄関が来る可能性が高いので一番良い南側が玄関で潰れてしまいますし、高いのでなかなか見つかりません。

北道路が狙い目ですよ。日光には直射日光と天空光(間接日光)があり、北側でも空に乱反射した天空光が柔らかく降り注ぐので、明るいリビングを作ることができます。もちろん東側でも西側でもできます。

質問:三方向が囲まれていると、さすがに明るい家は無理?

三方向囲まれていても、道路側は絶対に空いています。そこに大きな窓を持ってくればなんとかなります。最悪、吹き抜けを作っても良いですし、吹き抜けになる階段を建物のない方向に持ってくるという工夫もできます。

「それだと日中に電気を付けずに過ごせません!」と言われることもありますが、日中も電気を付けて過ごしても問題ありません。そこまで条件の良い場所に住みたいのであれば、田舎に土地を買うしかありません。「街中の便利な場所で、ちょうどいい塩梅の家づくりをする」というのがBE ENOUGHの考えなので、あまり方角にとらわれすぎずに土地を選ぶと割安で土地を買えますよ。

④狭小角地

土地の面積が小さい角地は狙い目です。角地は土地の何%まで家を建てていいかという建ぺい率が10%ボーナスで増えます。土地のギリギリまで家を建てられるようになりますし、角地は駐車がしやすいというメリットもあります。

しかも、家を道路側のギリギリまで攻めることができます。基本的に隣地側は民法によって「50cm開けましょう」という規定がありますが、道路側は配管計画さえ収まればちょっと攻めることができます。

これらの理由で、角地の狭小地は意外と良い2階建てが建てられますよ。

質問:何坪くらいまでなら2階建てを建てられる?

23~24坪あれば十分です。それくらいの土地があれば1台分の駐車場を作って、少しコンパクトにはなるものの3LDKの2階建てが建てられます。

意外と20坪前半の角地は狙い目です。20坪前半というと、2階建てには狭くて3階建てには広すぎると思われて、穴場になりがちです。このような角地もぜひ狙ってくださいね。

角地に建てた家の間取り実例に関しては、ぜひこちらの記事もご確認ください。

関連記事:【せやまどりNo.42】土地25坪・角地に建つ4LDKの1階完結型間取り/駐車場付き

⑤分譲地の不人気区画

何区画かある分譲地で建築条件がついていて、指定された不動産屋さんで建てないといけない土地の中でも、奥の土地や入口の角で斜めになっているところ、ゴミ捨て場がある場所は売れ残りがちです。

こういった場所は不動産屋さんも「早く売りたい」と思っているので、建築条件を外してもらえる可能性が高いです。しかも建築条件を外すための上乗せ価格も交渉しやすいので、不人気の区画を敢えて狙うのもおすすめです。

質問:分譲地の中で自分だけ建築会社が違うといじめられませんか?

ここまで考え始めると、家を建てること自体が妬まれる要素です。結婚や出産、車を買うこと、子どもに塾を行かせることなど、妬まれるネタなんて人生にはたくさんあります。人の目ばかり気にして自分が幸せになるための方法を選べないのは良くないので、気にしすぎないでください。

土地選びのよくある質問10選

①騒音は気にしなくて良い?

土地の周りに音が出る施設があった場合、気にする人もいるでしょう。ただ、高気密・高断熱でせやま基準をクリアしているような、せやま印工務店の家であれば割と音は減ります。30dBくらいは減るでしょう。

すごい音ならやめた方が良いですが、多少の音ならなんとかなります。

②振動はどう?

一方、振動はどうしようもないです。トラックがスピードを出すような幹線道路、線路の近くは振動があります。駅の近くなら減速しますが、駅の中間地点だと揺れを感じます。

揺れに関してはどれだけ家を良くしても対策できませんし、家が傷みやすくなります。音よりも振動の方が避けた方が良いですよ。

③高低差はどれくらいならOK?

土砂処分費がかかりますし、階段が必要になるので高低差はない方が良いです。ただし、1mくらいまでなら階段がプラス3~4段くらいなので選択肢に入れても良いですよ。

④前面道路が狭い土地はどう?

家の前の道路の幅が狭い場合でも、4mあれば十分です。

建築基準法では道路幅4m以上必要と規定されています。ただし、昔の家は道路が狭くても建っているので、3~3.5mの道路が存在します。この場合、新築を建てる際にはセットバックが必要となる場合があります。セットバックとは、家の建築時に道路中心線から2mを確保するために敷地の一部を後退させることです。これにより、建築可能な面積が減る可能性があるため注意してください。また、駐車がしにくい場合もあるので、近隣環境や土地の間口によって影響を考慮しつつ、4mの道路幅が確保されている土地を選ぶことをおすすめします。

「4mでも狭い」と言う人もいますが、そんなことを言っていると本当に土地が見つかりません。「4mあれば十分」と考えて前面道路の幅を見てください。

⑤間口が狭い土地はどう?

間口は広い方が良いですが、最低でも5.5mくらい、できれば6mくらいあれば良いです。これくらいあれば、大体5P(1P=91cm)取れるので4P幅のリビングと階段を付けられます。さらに、7mあれば幅3.5Pのリビングと2.5Pのミニ和室が作れるので1階完結型の間取りができます。

最低でも5.5m、できれば6mの間口を確保してください。ただ、間取り実例で紹介しているようなリビング併設のミニ和室を作って1階完結型の間取りにしたい場合は、7mは確保してください。

⑥駅から離れた閑静な土地はどう?

やめた方が良いです。電車が全然ない車社会なら良いですが、ある程度の都市部で電車を使う生活の場合は、駅近で徒歩15分圏内に留めておくのがおすすめです。

土地は資産なので、ローンで支払っていく貯金のようなものです。金利を除けば資産になりますし、良い土地なら資産価値が上がっていく可能性があります。そのため、良い場所の土地を買うことが重要です。

逆に駅から離れた過疎地のような土地を買ってしまうと、土地の価値が目減りします。ただでさえ建物が負債になるのに土地の価値が目減りすると大変です。もちろん、めちゃくちゃ駅近は無理なのでバランスが大切ですが、なるべく良い場所の土地を買ってください。

⑦狭小土地3階建てはどう?

どうしても土地が厳しい時は、2階完結型の間取りを目指してください。2階にLDKと水回りを固めていくと、いつも2階に上がらなければならないので大変ですが、割と便利な家になります。

ただし、前述の通り20坪前半でも角地なら2階建てにできますし、24~25坪あれば角地じゃなくても2階建てを狙うこともできなくはありません。駐車場は「近くに月極を借りる」という考え方もあります。

そのため、なるべく2階建ての可能性は追い求めてほしいものの、無理な場合は3階建てで2階完結型の間取りを目指してください。さらに言うと「3階建てだけど2階に水回りをまとめるのは無理」という場合は1階に水回りを下ろすこともあります。ただしこの場合でも2階にミニ洗面を作るのがおすすめです。2階に全く洗面がないのはかなり不便なので、歯磨きができる程度のミニ洗面を作るのがポイントです。

⑧駅近の分譲地はどう?

駅近の綺麗な分譲地は不動産屋さんが建築条件付きで出している場合が多いです。そうなると建てる会社が決まっていることが多く、せやま基準をクリアした家づくりは難しくなる傾向があるので苦労します。

土地の価格は上がりますが建築条件を外して自分の好きな工務店で建てるか、不動産屋さんに建築条件の交渉をして、窓・断熱・気密・換気・シロアリ対策・耐震辺りは押さえてもらってください。それらの条件をクリアした上で、指定の不動産屋さんに家を建ててもらうのはありです。ただし、だいぶハードルが高い点は注意してくださいね。

建売を建てる場合にクリアしたい条件については、こちらの記事もご確認ください。

関連記事:【建売住宅VS注文住宅】こんな建売はいい選択肢になる!あなたが選ぶべきは○○!

⑨大型の分譲地はどう?

50区画や100区画の大型分譲地は、個人的には大変だと考えています。同世代の人たちが多く、コミュニティが形成されるので付き合いが大変です。そういう付き合いが好きな人は良いですが、苦手な人は苦労します。大型分譲地は「意外と面倒!」となる人が多いです。同世代の人たちとの付き合いが得意なのか、好きなのかを判断基準に加えてください。

⑩ハザードエリアは気にするべき?

極力避けてください。津波や洪水の他、都市部では内水氾濫という下水道のオーバーフローもあるので避けた方が良いです。ただし、そう言っていたら土地が見つからないこともあるので、そういう場合はハザードエリアはしょうがないです。ただし、なるべく50cm未満のエリアを選ぶことを意識してください。

それでも難しくリスクがある場合は、避難場所や避難経路を家族で共有しておくなど、災害への備えをしっかりやっておくことで対処してください。

もちろん、ハザードエリアで家を建てる場合、床下浸水対策も忘れずに行ってください。地面から45cmまでは、水が来ても床下浸水しないようにしてください。45cm以下で床下浸水すると水災保険の対象外になってしまいます。45cmまでは水が来ても絶対に床下浸水しないような対策をしてください。

まとめ

プロも狙っている穴場の土地実例5選

  1. 旗竿地
  2. 古家付き土地(中古住宅)
  3. 北道路
  4. 狭小角地
  5. 分譲地の不人気区画
せやまが

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PROFILE

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せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

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