住宅ローンを「ネットバンク」で組む際のデメリット・注意点は?

住宅ローンを「ネットバンク」で組む際のデメリット・注意点は? | 「住宅ローン」について学びたい

住宅ローンを検討する際、ネットバンクは低金利なため、とても人気が高いですね。

中には、時期にもよりますが変動金利で0.4%前半どころか、0.4%以下のネットバンクもあります。

ただその反面、デメリットを知らないと損をしてしまうこともあるので、今回はネットバンクの落とし穴と注意点を一緒に理解していきましょう。

住宅ローンは慎重に検討しよう!

本記事は、YouTubeでも分かりやすく解説しておりますので、動画で見たいという方は以下からご覧ください!

解説動画(YouTube):『ネットバンク住宅ローンのデメリットと対策|おすすめのネット銀行

ネットバンクで住宅ローンを組むときのデメリットって?

ネットバンクの魅力は、「金利の低さ」ですが、実は意外な弱点も。主なデメリットはこちら。

  1. 金利変動リスクが高い
  2. つなぎ融資に不利
  3. 審査が遅い&厳しい

次項からは上記で紹介したデメリットについて、それぞれ詳しく掘り下げていきます。

ネットバンクで住宅ローンを組む際のデメリット・注意点

①:金利変動リスクが高い

ネットバンク一番のデメリットは、やはり金利変動リスクが高いこと。

というのもネットバンクの場合、金利を勝手に変えられてしまうことがあるんです。

一般の銀行(リアルバンク)は、「短期プライムレート」といって日銀や国が決めている金利によって連動していますが、ネットバンクは経営状況や経費によって「勝手に金利を変えられる」という条項がついているところがほとんど。

なので僕は「結構リスク高いな…」と思っています。

金利変動リスクの低いネットバンクはあるの?

金利変動リスクの低いネットバンクというと、住信SBIネット銀行の名前が挙がります。

住信SBIネット銀行に限っては、「短期プライムレートに連動する(=金利変動リスクが低い)」と明記されているので、ネットバンクを使うんなら住信SBIネット銀行がいいんじゃないかな、と思います。

とはいえ、僕も全部のネットバンクを見たわけではないので、他に短期プライムレート連動のところがあればそこを検討してもいいと思います。

ただ、有名どころのネットバンクには注意。恐らくほとんどが「自由に金利を変えられる」ようになっています。

②:住宅ローンのつなぎ融資に不利

家づくりの際は、以下のようにお金を払うタイミングが4回ほど存在します。

  1. 「土地を買う時」
  2. 「建物が着工する時」
  3. 「建物が上棟する時」
  4. 「完成する時」

この4回のタイミングのうち、銀行がお金を出してくれるのは基本的に最後だけ

ネットバンクも同様なので、1〜3のタイミングでは「分割融資」や「つなぎ融資」を使ってお金を払う必要がありますが、この「分割融資」や「つなぎ融資」に対応しているネットバンクは非常に少ないんです。

なのでやはり、ここは「ネットバンクのデメリットだな…」というところ。

ただ、アプラスという信販系の会社がブリッジローンという独自のつなぎ融資をやっているので、ネットバンクに取り組む際は活用を検討すると良いと思います。

住宅ローンでネットバンクを活用する際は、「つなぎ融資」の対策をすべし。

つなぎ融資のデメリットが関係ない人は?

つなぎ融資のデメリットが関係ない人は、以下の通り。

  • 元々土地を持っているため、土地費用の支払いが必要ない人
  • 「建物の着工金」「上棟時の中間金」の両方を現金で立て替えられる人

これらに当てはまる人は、つなぎ融資を絶対に受ける必要がないため、上で話したつなぎ融資に関してのデメリットは関係ないんです。

他にも大手ハウスメーカーは銀行と提携した独自のつなぎ融資があるので、大手ハウスメーカーで住宅購入を検討している方についても、「ネットバンクのつなぎ融資」は必要ないといえます。

解説動画(YouTube):『住宅ローン用語解説「分割融資」と「つなぎ融資」の違いとは?

③:ネットバンクは審査が遅い&厳正

ネットバンクは、リアルバンクなどに比べて審査がちょっと遅いんです。

リアルバンクなら事前審査は3日で、本審査は1週間とかで通るところを、ネットバンクは手続きを全てネット上で完結させるため、審査はもちろん、電話でのやり取りや書類の送付などに時間がかかってしまいます。

そのため、ネットバンクを活用する際にはある程度時間に余裕を持って申請しなければなりません。

特に、「良い土地見つけた!or買い付けを入れた!」という時は、ネットバンクの審査の遅さに困ることもありますので、事前に把握しておきましょう。

【注意点】ローン特約も頭に入れておこう

住宅ローンを組む際には、「ローン特約」という「○日までにローンを通してくださいね。それまでに通らなかったら白紙解約できますよ~」みたいな期限が定められます。

この期限が迫ってくると、「早く本審査通さないと!」みたいな状況になってしまうため、審査が遅いネットバンクは若干使いにくくなってしまいます。

こういった点も踏まえると、ネットバンクは「時間に余裕があってローン特約を延ばせる」とか、「土地を持っているから土地決済する必要はない」という人におすすめと言えるでしょう。

またネットバンクは審査が厳しく、「属性の良い人」が主な対象になっています。

以下に当てはまる人であれば、銀行の評価も高いので、ネットバンクでも問題なく審査が通るでしょう。

  • 公務員or上場企業の会社員
  • 土地を持っている
  • 銀行に現金を多く入れている

一方これらに該当しない場合は、思ったような条件が出ないこともあるため、使い勝手が悪い…というかトライするだけ時間の無駄になってしまうこともあるので注意してください。

結局、住宅ローンをネットバンクで組むのはやめた方がいい?

上で話したデメリットは、もちろんカバー可能なものもあるため、一概にネットバンクはやめたほうがいいとも言えません。

例えば以下に当てはまるような人であれば、ネットバンクの利用に向いているでしょう。

ネットバンクが向いている人

  • つなぎ融資が弱い点に対応できる人
  • 審査をゆっくり待てる人
  • 公務員・大手企業勤務など属性が良い人

加えて先にもお話ししたように、ネットバンクを活用する際には、「金利が短期プライムレートに連動しているか?」の確認が必須です。

とはいえ最近は、リアルバンクでも結構金利が低いので、そこまでネットバンクにこだわる必要もないでしょう。

ネットバンク並みに金利が低いリアルバンクは?

ここまでネットバンクのデメリットと注意点を解説しましたが、これまでの話の中で「ネットバンクは嫌かも…」「ネットバンクにこだわる必要はないかな?」と感じた方は、リアルバンクを検討しても良いと思います。

条件付きではありますが、リアルバンクの中でも特に低金利なのは以下の二つ。

  • 三井住友銀行 ⇒ 金利:0.445% (最優遇でNISA等の協力をした場合)
  • りそな銀行 ⇒ 金利:0.47% (融資手数料型の場合)

2023年3月時点での情報です。

このように最近では、金利が0.5%を切るリアルバンクも結構あるので、ネットバンクとそこまで遜色ありません。

むしろネットバンクに加え、つなぎ融資を組むとその分費用がかさんでしまうので、「少し金利が高くても、リアルバンクの方が良いんじゃね?」となります。

ちなみに支店にもよりますが、りそな銀行はつなぎ融資にも対応していますし、三井住友信託銀行であればつなぎ融資こそないものの、土地/建物の分割ローンを組むことができます。

ネットバンクだけでなく、「金利が低いリアルバンク」も検討すべし。

まとめ

住宅ローンでネットバンクを活用する際のデメリット・注意点は、以下の3つ。

ネットバンクのデメリット・注意点

  1. 金利変動リスクが高い
  2. つなぎ融資に対応しているところが少ない
  3. 審査が遅い&厳正

PROFILE

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せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

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