固定資産税ってどれくらいかかる?実際に計算してみた
投稿日 2023.05.20 / 最終更新日 2023.05.20

持ち家を所有するのにかかるお金は、住宅ローンだけではありません。家を建てたら、一生固定資産税を払わなければならないのです。その固定資産税ですが、意外と「実際にどのくらいかかるか」を知らない人が多いんです。そこで、ざっくりと計算していくので、チェックしてみてください。
住宅購入後の生活を考える上で知っておきましょう!
本記事の内容は、YouTube動画でも分かりやすく解説していますので、こちらもご覧ください!
参考動画:固定資産税ってどれくらいかかる?実際に計算してみた
目次
持ち家だからこそかかる必要経費とは?
持ち家を持つことで、賃貸の時にはなかった必要経費がかかるようになります。それは固定資産税と修繕費用。賃貸の時は、家が壊れたら大家さんに言えば直してくれていましたが、持ち家になるとそれができなくなります。
土地の固定資産税・建物の固定資産税
固定資産税は実は、土地と建物の両方にかかるものです。さらにその中でも固定資産税と都市計画税というものがあるんですが、そういう難しいことを覚える必要はありません。
大切なのは2つだけ。土地の固定資産税は、ずっとかかるものです。一方、建物の固定資産税25年目までは下がっていきますが、それ以降もずっとかかるものです。つまり、両方ずっとかかるということなんですね。
だから「住宅ローンが終わったら、もうお金の支払いがなくて楽だわ」思うかもしれませんが、残念ながらそんなことはありません。土地の固定資産税はずっとかかりますし、建物も最初の20%くらいまでは探しますが、その後はずっと変わりません。一生税金を払い続けることは覚えておいてください。
固定資産税がいくらになるか、実際に計算してみた!
たとえば1,500万円の土地に100㎡の建物をたて、さらに長期優良住宅の認定をとらなかったと仮定します。この条件で、いったいいくらの固定資産税がかかるのでしょうか。
まず、土地に関してですが、土地の売買価格と固定資産税の評価額は違います。地域によって全然違うのですが、大体土地の売買価格の6~7割くらいになることが多いので、今回は大体70%くらいだとして評価が1,000万円だとしましょう。建物も100㎡でも、家によって微妙に評価が異なります。そこで、今回は建物も評価1,000万円だとします。
つまり、土地の評価が1,000万円、建物の評価が1,000万円、長期優良住宅の認定をとっていない場合の固定資産税がどのくらいかかるか計算するわけですね。
では、まず実際の価格を計算してみました。土地の評価が1,000万円、建物の評価が1,000万円の初期評価ですね。そうすると、1年目の固定資産税は合計で113,333円くらい。だから月に1万円くらいになりますね。最初の3年間は「建物の固定資産税が半額になる」という減税措置があるので、これくらいで推移します。
次に、一番高くなるのが4年目です。減税措置がなくなるので、固定資産税の額は148,933円になります。これでは月1万円を超えてしまいますね。長期優良住宅の場合は減税措置が5年目までいくので、4年目・5年目の固定資産税は大体101,333円になり、6年目が一番高くなります。つまり、大体4~6年目あたりが固定資産税のマックス額になるということですね。
それから徐々に建物の評価額が下がっていくので、10年目くらいに125,133円となり、月1万円くらいになります。そして25年目で67,333円になったら、ここからは変わりません。残念ながらここから減らないので、月に5,000円くらいは一生かかるというのが現状です。
ポイントとして覚えておきたいのが、固定資産税というのは3年ごとの更新です。更新する年が変わっていて、令和3年・令和6年・令和9年……と続いていきます。つまり家に住み始めた時期によっては、ちょうど3年目で固定資産税が更新になるか、2年目に更新があって変わっていくかは人によって異なります。とはいえ「3年ごとに更新」と覚えておけば良いでしょう。
また、土地の評価に関しては相場で上下することもあるんですけど、「3年・5年住んだからどれくらい変わります」ということはなく、基本的に評価はずっと変わりません。一方、建物に関しては1年目に1,000万円であれば、翌年には80%になります。そして4年目には68%、7年目には61%…と、この数字はもう決まっています。建物の評価によっても微妙に異なりますが、大体はこの数字になるでしょう。
そして繰り返しになりますが、25年目に20%になったらもう下がりません。どれだけ住んで、どれだけボロボロになっても、このままです。
固定資産税+修繕費で、月にどのくらい必要?
こうやって実際に計算してみると、結構かかることが分かりますよね。結論としては、固定資産税+修繕費で月2万円ぐらいみておくと良いでしょう。
ローンの支払いだけ考えていてはいけません。それ以外に、固定資産税や修繕費もかかってきます。入居当初は建物の価値が高いので固定資産税の方が高く、修繕費はそれほどかかりません。ですが、時間が経っていくと建物の評価が下がり固定資産税は下がりますが、今度は修繕費が必要になっています。つまり、どっちもどっちなんですよ。
つまり月2万円くらいは固定資産税とか修繕費用に貯蓄しておくぐらいのつもりじゃないと、家計が厳しくなるでしょう。さらにローン控除で10年~13年くらい戻ってきます。なので、それも貯めておけばいいんです。それも固定資産税や修繕費用として貯めておくのが、無難な選択なんじゃないかなと思います。
家を建てる時にはお金がたくさんかかってしますが、このようにメリットだけではなくデメリットもしっかり理解しておきましょう。その上でメリットで選んでいくのが正しい選択の順番なんだと思います。家作りの基本として、覚えておいてくださいね。
まとめ
実際にかかる固定資産税額は?
- 固定資産税は土地と建物の両方にかかる
- 土地の固定資産税はずっとかかる
- 建物の固定資産税は20%で下げ止まりするけど、ずっとかかる
- 固定資産税と修繕費で2万円/月みておくのがおすすめ
PROFILE

せやま大学の人
瀬山 彰
大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。
「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。
娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。