あまり知られていない固定資産税を抑える対策7選!安くする設備の選び方・家の建て方【裏技も紹介】

あまり知られていない固定資産税を抑える対策7選!安くする設備の選び方・家の建て方【裏技も紹介】 | 「住宅設備」の選び方を知りたい

毎年、4月や5月になると固定資産税の納付書が送られてきて、「想定外に高い」と思う人も多いですよね。ところで「固定資産税が高くなる住宅設備」「固定資産税を急速に減らせる建て方」「年末に建物を解体してはいけない理由」「二世帯住宅で固定資産税を減らす裏技」はご存知でしょうか。こういった知識やテクニックを知っているかどうかで、一生涯の固定資産税の支払い額が50万円どころか100万円ぐらい変わる可能性があります。

「ぶっちゃけ、固定資産税ってどれくらいかかるの?」と気になる人もいますよね。そこで、評価額の決まり方や固定資産税の決まり方といった具体的な計算方法を紹介します。また、2024年は3年に1度訪れる、固定資産税の「評価替え」の年です。

住宅営業マンでも、こういった知識を持っている人は10人に1人もいないでしょう。そのため、施主側がしっかり知識を持ち、正しいルールに則って節税をしていく必要があります。

そこで、今回は以下を詳しく解説していきます。

固定資産税とは

我が家「せやま家」の固定資産税負担額

私の家の固定資産税額は142,400円です。延床面積26坪強(87㎡)と小ぶりな家ですが、新築住宅の優遇措置が終わっています。一般住宅だと3年間、長期優良住宅だと5年間は建物の固定資産税が半分になるんですが、それが終わっているため、今が一番高いゾーンです。しかも、私が住んでいるところは土地が割と高めなので、これぐらいの負担になっています。

固定資産税とは

固定資産税とは、厳密には「固定資産税」と「都市計画税」の2つの税金の合計です。さらに、土地と建物のそれぞれに対して、この固定資産税と都市計画税がかかります。

4~5月くらいに、一年間分を一気に払う場合と4期(4回)に分けて払う場合の2種類の納付書が送られてきます。

この納付書の「支払額」だけではなく「評価額」を知識を持って見ていくと、なかなか面白いです。手元に納付書がある人は、それを見ながら記事を読んでみてください。

土地の固定資産税/都市計画税の計算方法

固定資産税を算出するためには、土地の評価額を計算しなければなりません。評価額というのは、実際に土地を買った時の価格とは異なります。土地の売買価格の、50~70%くらいをイメージすると良いでしょう。

これは、地域によって異なります。売買価格が2,000万円だとすると、固定資産税評価額は1,000~1,400万円くらいです。

安ければ安いほど、税金が安くなるので嬉しくなる人もいるでしょう。ただし、評価が実勢価格に追いついていない状況というだけなので、いずれ上がってくることは覚悟しておいてください。

土地の固定資産税を算出するための要素

  • 土地の売買価格:2,000万円
  • 土地の評価額:1,000万円
  • 固定資産税の税率:1.4%
  • 都市計画税の税率:0.3%

上記のように2,000万円で購入した土地の評価額が、1,000万円だとします。固定資産税の税率は1.4%で、都市計画税の税率は0.3%なので、合計で1.7%です。それを計算すると、1,000万円×1.7%=17万円の固定資産税がかかるのではないかと不安になる人もいるでしょう。

ただし、そんなにかからないので安心してください。

小規模住宅用地の特例というものがあり、土地の上に建物が建っている場合、固定資産税の課税評価額が約1/6、都市計画税の課税評価額が約1/3になります。

具体的には、以下のようになります。

土地の固定資産税計算の例

  • 土地の売買価格:2,000万円
  • 土地の評価額:1,000万円
  • 固定資産税の税率:1.4%
  • 都市計画税の税率:0.3%
小規模住宅用地の特例が適用されると……
固定資産税:1,000万円×約1/6×1.4%=約2.3万円
都市計画税:1,000万円×約1/3×0.3%=約1万円

固定資産税も都市計画税も、課税標準額やそれぞれ約1/6、約1/3となるため、上記のように変わってきます。すなわち、固定資産税の評価額が1,000万円の土地の場合、土地の固定資産税と都市計画税の合計が、1年間で約3.3万円となります。

小規模住宅用地の特例の注意点は?

小規模住宅用地の特例の注意点としては、土地の広さが200㎡までです。200㎡を超える部分に関しては「一般住宅用地」となります。

一般住宅用地の優遇措置は、固定資産税の課税評価額が約1/6ではなく約1/3、都市計画税の課税評価額が約1/3ではなく約2/3ということで、それぞれ2倍になります。

ただし、200㎡を超える土地であっても、0~200㎡までは小規模住宅用地の特例が適用されるので、それほど心配しなくても良いでしょう。

安い土地の方が税金も安くなる?

こういった話をすると「高い土地を買うと税金が高くなるから、安い土地の方が良い?」と考える人もいるでしょう。確かに、税金だけの負担でいえば安い土地の方が良いです。

ただし、土地は経年劣化しないため、ある意味では貯金のようなものです。総額が高いとか安いではなく「将来的に売れそうな良い土地なのか」ということが大事です。多少高い土地であっても固定資産税は1/6くらいになるので、将来的な資産価値を優先しましょう。固定資産税を気にしすぎて、立地の良い土地を避けるということは、しない方が良いです。土地はとにかく立地が良いところにしましょう。

建物の固定資産税/都市計画税の計算方法

土地と同様に、建物も評価額を算出します。評価額は「再調達価格」といって「もう一度家を建てたらいくらくらいになるか」というところから計算します。ただし、ここの部分を細かく把握する必要はありません。

結局は、皆さんが住宅会社と契約した金額の40~60%になることが多いです。構造や使っている設備によって異なりますが、目安としてはこれくらいです。仮に建物価格が2,400万円だとすると、評価額は950~1,450万円くらいのイメージです。これに税率がかかるので、建物の評価額は安ければ安いほど良いと考えてください。

軽減措置①経年減価補正率

建物の固定資産税には「軽減措置」といって、税金が減るルールが2つあります。

経年減価補正率は、家は年々傷んで価値が下がっていくので、固定資産税の成立をかける元になる課税標準額もちょっとずつ減らしていくという考え方に基づいています。

1年目は0.80、2年目は0.75、3年目は0.70……というように減っていきます。

つまり、建物の評価額が1,000万円だとしても、1年目から0.80をかけて800万円に下がります。

軽減措置②新築住宅の減税措置

建物の固定資産税には、新築住宅の場合は建ててから3年間は1/2、長期優良住宅の場合は5年間は1/2になるという減税措置があります。

ただし建物も上限があり、延床面積120㎡までの建物が対象です。120㎡までの税金は1/2になりますが、120㎡を超えた部分に関しては半額になりません。また、この減税措置は都市計画税は適用外です。

こちらはあくまで期間限定の措置なので、土地の固定資産税の負担よりも、建物の固定資産税の負担の方が大きくなります。

建物の固定資産税の計算例(1年目の場合)

建物評価額:1,000万円
経年減価補正率:0.80
新築住宅の軽減措置:1/2
固定資産税の税率:1.4%
→1,000万円×80%×50%×1.4%=約5.5万円

1年目の場合、建物の評価額が1,000万円だとすると、経年減価補正率や新築住宅の軽減措置を加味した値に固定資産税の税率1.4%をかけると、固定資産税は約5.5万円となります。

建物の都市計画税の計算例(1年目の場合)

建物評価額:1,000万円
経年減価補正率:0.80
都市計画税の税率:0.3%
→1,000万円×80%×0.3%=約2.4万円

都市計画税の場合、建物の評価額1,000万円に経年減価補正率をかけて、都市計画税の税率0.3%をかけると、約2.4万円となります。

つまり、建物の固定資産税と都市計画税の合計は、1年目で約8万円となります。ただし、建物半額期間でこの価格なので、建物半額の特例が切れてしまった後は高くなります。

建物の固定資産税の計算例(4年目の場合)

建物評価額:1,000万円
経年減価補正率:0.67
固定資産税の税率:1.4%
→1,000万円×67%×1.4%=約9.4万円

家を建ててから3年経って4年目になると、長期優良住宅じゃない場合は建物の固定資産税半額の減税措置がなくなります。4年目は軽減減価補正率が0.67なので、固定資産税の税率をかけると約9.4万円になります。

建物の都市計画税の計算例(4年目の場合)

建物評価額:1,000万円
経年減価補正率:0.67
都市計画税の税率:0.3%
→1,000万円×67%×0.3%=約2万円

都市計画税の経年減価補正率も0.67となるので、都市計画税の税率をかけて約2万円となります。

つまり、4年目になると建物の固定資産税と都市計画税の合計は、約11.4万円となります。1年目が約8万円だったので、3万円以上高くなっています。長期優良住宅の場合、新築住宅の減税措置が5年間なので、6年目にこのような現象が起きてしまいます。ここで固定資産税が高くなったと感じるかもしれませんが、元に戻っただけです。

固定資産税/都市計画税の注意点

経年減価補正率は、1年目から27年目まで設定されています。27年目以上は0.20なので、20%は常に価値が残っている計算になっています。しかも、そこからは下がりません。

建物の価値がゼロになっても、固定資産税を計算するうえでの価値は20%分は永遠にかかります。

建物の固定資産税/都市計画税の計算例(27年目以降)

  • 建物の固定資産税
    1,000万円×20%×1.4%=約2.8万円
  • 建物の都市計画税
    1,000万円×20%×0.3%=約0.6万円
  • 固定資産税と都市計画税の合計
    約3.4万円

つまり、27年目以降も建物の固定資産税は年間約3.4万円かかります。

土地と建物の固定資産税/都市計画税のまとめ

土地と建物の固定資産税/都市計画税の合計

  • 土地の評価額:1,000万円
  • 建物の評価額:1,000万円
<1年目>
土地:約3.3万円
建物:約8万円
→合計:約11.3万円

<4年目> ※一般住宅の減税措置終了後
土地:約3.3万円
建物:約11.4万円
→合計:約14.7万円

このように、土地と建物の固定資産税の合計は、減税措置が終了したタイミングが一番高くなります。ここから徐々に建物の経年減価補正率で下がっていきます。

土地と建物の固定資産税/都市計画税の合計

  • 土地の評価額:1,000万円
  • 建物の評価額:1,000万円
<27年目>
土地:約3.3万円
建物:約3.4万円
→合計:約6.7万円

27年目の合計金額は、約6.7万円です。もちろん土地の評価が上がれば金額も上がります。建物の評価に関しても情勢に応じて変わる可能性があるので、確定ではありません。ただ、「27年目以降も固定資産税はゼロにならない」ということは覚えておきましょう。

固定資産税の「評価替え」

土地や建物の評価方法は3年ごとに見直されていて、3年間は据え置きです。2024年は評価替えの年なので、手元にある2024年の納付書を見ると、去年と評価額が大きく変わっているでしょう。

我が家の固定資産税は?

  • 我が家の土地評価額
    2018年:1,062万円
    2021年:1,073万円
    2024年:1,093万円
  • 我が家の建物評価額
    2018年:720万円
    2021年:627万円
    2024年:624万円

土地の価格が上がっているのは、土地の相場が上がっているので良いことです。ただし、建物の方は2021年から2024年まで3年経ったのに、ほとんど変化がありません。

前述の通り、建物の価格は「もう一回家を建てた時の金額」が元になります。現在、建物価格が上がっているので、残念ながら固定資産税の評価額も上がっています。

一戸建ての固定資産税を安くする方法7選

方法①建物を大きくしすぎない

建物を大きくしすぎず、ちょうどいい塩梅の大きさにしましょう。マンションだったら100㎡だとVIPなのに、戸建になると100㎡で30坪だと狭いと言うのは、ちょっと贅沢です。約30坪を目安にして、コンパクトな家にしましょう。

家が大きいほど固定資産税は高くなるので、なるべく安くしましょう。しかも土地の固定資産税よりも建物の固定資産税の方が負担感が大きいです。土地をどうにかするよりも、小ぶりな建物にして固定資産税を抑えるのが基本です。

方法②長期優良住宅の活用

そもそも、私は長期優良住宅にすること自体には、あまり意味がないと考えています。気密性能の担保や換気システムのメンテナンスといったチェック項目がないため、長期優良住宅の認定は甘いです。

とはいえ、税制優遇があれば取得しましょう。特に今は子育てエコホーム支援事業の補助金がありますし、住宅ローン控除の優遇もあります。こういった税制優遇をとったついでに、固定資産税の減税措置が3年ではなく5年になるというボーナスをゲットできます。今家を建てる人であれば、補助金をとってローン控除の枠を広げ、固定資産税の優遇措置もゲットするのがおすすめです。

固定資産税が半額になる優遇措置は2026年3月まで続くことが決まっているので、良いですよね。先ほどの一般住宅の例だと4年目の建物の固定資産税は約9.4万円でしたが、長期優良住宅の場合は約4.6~4.7万円の期間が2年続き、10万円弱くらい浮きます。これは結構大きな減税優遇でしょう。

方法③木造で建てる

固定資産税とか関係なく、戸建住宅を建てるなら気密性能を担保できる木造がおすすめです。

さらに、木造は固定資産税の面でもおすすめです。木造の場合、経年減価補正率は順調に減っていきますが、非木造の場合はなかなか減りません。1年目が0.9579で、0.20になるのは45年目です。これは「耐用年数」という法律で決まっている数値に則って決められています。

「それなら鉄骨の方が持ちが良いってことじゃないの?」というのは確かに正しいです。ですが木造だろうと鉄骨だろうと、ちゃんとした建て方をしてメンテナンスをすれば40年や50年くらい普通に住めます。「木造の耐用年数は短い」なんてことはありません。

方法④固定資産税を上げる設備を避ける

建物の評価を上げる設備をなるべく避けましょう。ただし、「固定資産税が上がるから」という理由で、やりたいことを我慢するほどではありません。知識として知っておいて、「どっちでも良い」という程度であれば、避けた方が良いくらいです。

固定資産税が上がる設備の例

  • 床暖房
  • 業務用エアコンを使った全館空調
  • 天井カセットエアコン
  • タイル外壁
  • 幅3m超えのキッチン
  • 平屋

上記のような設備を入れると固定資産税が上がってしまいます。固定資産税のために我慢する必要はありませんが、あまり過度な設備は入れずに、ちょうどいい塩梅の家づくりをしましょう。

また、2階建てよりも平屋の固定資産税の方が高くなります。同じ30坪であれば、2階建てよりも平屋の方が屋根も基礎も大きくなるので、仕方ないでしょう。ただし、平屋を建てる場合は階段もないので、30坪よりもコンパクトにすることで対策できます。

関連記事:『致命的なデメリット!「全館空調システム」を絶対におすすめしない”3つの理由”とは?

方法⑤不服申し立てをする

クレームではなく、こういった権利が認められています。特に大きな土地を分筆した場合や、3年に1度の評価替えの年は本当にチャンスの時期です。

不服申し立てのよくある例

  • 変形地
  • 旗竿地
  • 私道

変形地のように形がいびつな土地や、旗竿地(はたざおち)といって細い専用通路があって奥に広いスペースがあるような土地は、綺麗な整形地よりも土地の評価が低いと思いますよね。ただし、評価の際に職員さんが評価の低さを加味していないことがあります。

変形地や旗竿地、色々な人が通る私道を含めて所有している人は、不服申し立てを行いましょう。「横の土地の整形地と同じ単価の評価になっているのでは?」「ちょっと不便だし、変形地だからもう少し安いはず」という内容を、書面に書いて申し立ててください。

1月1日時点の所有者、もしくは所有者から委任状を受けた代理人が交渉可能です。納得いかない人は、この方法も検討してください。

方法⑥解体工事のタイミングの吟味

これはマニアックですがインパクトが大きいのでしっかり押さえておきましょう。固定資産税の基準となる日は1月1日です。その時点で土地の上に建物があると、小規模住宅用地の特例が使えますが、建物の固定資産税がかかります。

建物の解体を年末にするか年明けにするかによって、固定資産税の金額が大きく異なります。

年末に解体した場合

  • 1月1日時点で土地の上に建物がない
    →建物の固定資産税はなし
  • 小規模住宅用地の特例は適用外
    →土地の固定資産税が約6倍、土地の都市計画税が約3倍に

年末に建物を解体すると、建物の固定資産税はかかりません。しかし、小規模住宅用地の特例が適用外になるので、土地の固定資産税・都市計画税が跳ね上がってしまいます。

年始に解体した場合

  • 1月1日時点で土地の上に建物がある
  • 小規模住宅用地の特例が適用される
    →土地の固定資産税は安くなる
  • 建物が残っているので、固定資産税がもう1年分かかる

建物を年始に解体する場合、小規模住宅用地の特例が適用されるため、土地の固定資産税は安くなるというメリットがあります。一方で、建物が残っているので固定資産税が1年分かかるというデメリットもあります。

解体工事はいつ行うべき?

一般的に、解体するような建物は前述の経年減価補正率の一番下になっていることが多いです。つまり、建物の固定資産税は数万円以内に抑えられている可能性が高いと考えられます。一方、土地の固定資産税は建物がないと約6倍になってしまいます。

これらを考えると、土地の固定資産税を下げることを優先する、すなわち年明けに解体に着手する方が得になる可能性が高いです。特に土地の価格が高い地域や広い土地に住んでいる人の場合は、1月1日時点で建物が建っていて小規模住宅用地の特例が使える状態にして、年始に解体する方が良いケースが多いです。

ただし、土地の評価がめちゃくちゃ低いところや狭いところの場合、建物の固定資産税をなくした方が得になるケースもあります。そういう場合は年内に解体しましょう。

ちょっとややこしいケースですが、解体のタイミングによって数万円くらい金額が変わります。自分たちの土地の評価額を吟味しながら決めてください。

家の完成時期も同様の理屈

これは、家の完成を年内に迎えるか年明けにするのか、ということも同じ理屈で考えることができます。

一般的には土地の固定資産税が約6倍になった方がインパクトが大きいので、年内に完成させて1月1日時点に建物がある状態にし、小規模住宅用地の特例を使えるようにする方がお得です。ただし、こちらも土地の評価額によってはケースバイケースです。また、工務店のスケジュールの問題もあるので、年内完成が難しい場合もあるでしょう。ただ、微妙な状況の場合は、年内に完成を迎えて登記まで終えておくと節税に繋がるという知識は覚えておきましょう。

方法⑦二世帯住宅の優遇措置を存分に使う

先ほど、小規模住宅用地の特例は200㎡の土地まで適用されると紹介しました。ただし二世帯住宅の場合は建物が2つあるため、適用される土地の広さが400㎡までになり、その広さまで固定資産税が約1/6、都市計画税が約1/3になります。

建物の固定資産税に関しても、前述の通り120㎡までの一般住宅は3年間、長期優良住宅の場合は5年間1/2になります。これに関しても、二世帯住宅は240㎡まで適用されます。二世帯住宅の人は、これらの優遇措置を存分に使いましょう。

二世帯住宅の優遇措置

  • 小規模住宅用地の特例上限→400㎡に
  • 新築住宅の減税措置上限→240㎡に
<適用条件>
構造上の独立性及び利用上の独立性担保

ただし、この優遇措置には適用条件があります。各世帯用に専用の玄関・キッチン・トイレがあり「それぞれが独立した戸建」だと認められる間取りじゃなければなりません。

二世帯住宅の場合、間に行き来できるような通路がある家もあるでしょう。この扉にも鍵を付けなければなりません。

さらに、この判断基準は市町村によって微妙に異なります。二世帯住宅を建てる場合は、必ず建築先の市町村に問い合わせてください。「土地や建物の固定資産税の優遇措置を倍にするために、この図面でも大丈夫ですか?」ということを工務店経由で確認してから進めるようにしましょう。

まとめ

固定資産税の基礎知識と、安く抑える対策7選

  • 固定資産税とは
    →固定資産税/都市計画税の2つ:土地と建物それぞれに税金がかかる
    →4~5月くらいに納付書が届く
  • 土地の固定資産税の算出方法
    →売買価格の50~70%くらい
  • 小規模用地の特例措置
    →固定資産税の課税評価額が約1/6に
    →都市計画税の課税評価額が約1/3に
    ※適用は200㎡まで。超えた部分は固定資産税が約1/3、都市計画税が約2/3になる
  • 建物の固定資産税の算出方法
    →購入価格の40~60%くらい
  • 建物の固定資産税の優遇措置
    ①経年減価補正率:建築から経過した年数に応じた減価割合
    ②新築住宅の減税措置:3年間は固定資産税が1/2
     ※長期優良住宅の場合は5年間
     ※120㎡までの建物が対象、都市計画税は適用外
  • 土地・建物の評価額は3年ごとに見直し(3年間は価格据え置き)
  • 一戸建ての固定資産税を安くする対策7選
    ①建物を大きくしすぎない
    ②長期優良住宅の活用:子育てエコホーム支援事業の補助金、ローン控除の優遇あり
    ③木造で建てる
    ④固定資産税を上げる設備を避ける
    ⑤不服申し立てをする
    ⑥解体工事のタイミングの吟味:土地の評価によるが、年明けが有利な場合が多い
    ⑦二世帯住宅の優遇措置を存分に使う:小規模住宅用地の特例・新築住宅の減税措置の上限が倍に
せやまが

厳選した工務店のみを紹介

性能 × 価格 × × 会社を厳しくチェックし、
"ちょうどいい塩梅の家づくり”が実現できる工務店のみを紹介します!

せやま印工務店とは?

PROFILE

あまり知られていない固定資産税を抑える対策7選!安くする設備の選び方・家の建て方【裏技も紹介】 | 「住宅設備」の選び方を知りたい

せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

当社ウェブサイトでは、お客様に提供するサービスの向上・改善、お客様の関心やニーズに応じた情報・機能提供のためにお客様が当サイト使用する際に取得した情報を、当社分析パートナーと共有します。
詳しくは、個人情報保護方針をご確認ください。

OK