戸建は「坪」マンションは「㎡」が使われる理由|いい塩梅の家の広さ

戸建は「坪」マンションは「㎡」が使われる理由|いい塩梅の家の広さ | 間取り

間取りを作っていると、多くの施主さんは「どのくらいのサイズがいいのか」と悩みます。大きすぎると高くなるし、小さすぎると不安になります。そういった悩みを解決できるよう、いい塩梅の家のサイズの基準をお伝えしていければと思います。また、そもそも戸建住宅では「坪」表記なのに、マンションでは「㎡」表記が多いという謎に関しても解説し、ちょうどいい塩梅の大きさの家を建てる方法を、単位の読み取り方と一緒に解説していきます。

一生に一回の家なので、しっかり考えましょう!

本記事の内容は、YouTube動画でも分かりやすく解説していますので、こちらもご覧ください!

参考動画:戸建は「坪」マンションは「㎡」が使われる理由|いい塩梅の家の広さ

 

家の広さの平均は?延床面積を「坪」じゃなく「㎡」で考えよう!


家の広さは、大体の場合「坪数」であらわされますよね。延床面積、つまり「1階の床面積+2階の床面積」で、「35坪くらいあったらいいかな」と考える人が多いようです。

ですが、実はよく考えてみてください。「坪」ではなく「㎡」で考えると、面白いことに30坪は大体100㎡になるんです。35坪になると、115㎡。40坪は、なんと130㎡になります。

ここでピンと来た人も多いかと思いますが、マンションで考えてもらったら30坪でもめちゃくちゃ広いことが分かります。賃貸マンションとかだと、大体ファミリー用でも60~70㎡ですよね。分譲マンションでも、70~80㎡が平均です。100㎡のマンションなんて、かなりVIPですし、120㎡のマンションというと芸能人クラスです。

なので、戸建は元々広いんです。坪数であらわすと「30坪だと狭いかなぁ」と思う人もいるかと思いますが、㎡に直すことで広いことが分かります。大きすぎる家を建てる人が多いので、注意してください!

 

戸建で「坪」、マンションで「㎡」が使われる理由は?


では、なぜ戸建住宅では「坪」が使われるのでしょうか。実は、住宅会社にしてみれば、30坪の家を建てるのも、40坪の家を建てるのも、手間ってそんなに変わらないんです。その割には利益が大きく変わるので、住宅会社としては「なるべくでかい家を建ててほしい!」となるんですね。だから「30坪だと小さい」なんていう感覚が刷り込まれているんです。

逆に、マンションで㎡が使われる理由は、戸建住宅とは逆なんです。会社としては、できるだけ小刻みにして売りたいんです。ただし戸建住宅とは違い、広さを倍にしても値段は倍になりません。だからなるべく小ぶりなものを売った方が良いので「70~80㎡ってことは広い!」と思ってほしいんです。ここを「25坪」と言ってしまうと「狭いんじゃない?」と思われるので、マンション業界は㎡表記をするんですね。

たとえば、今60㎡のマンションに住んでいる人に「100㎡の戸建です」というと、めちゃくちゃ広く感じて満足してしまいますよね。ただし、これでは住宅会社としては都合が悪くなるので、坪表記を使うみたいですよ。そういうことに惑わされず、適正な広さを考えてくださいね。

 

ちょうどいい塩梅の家の広さは?


このことから、ちょうどいい塩梅の家の広さは30坪(100㎡)です。なぜかというと、マンションってちょっと手狭ですよね。マンションから戸建に引っ越す最大の理由は「手狭になった」とか「収納が少ない」というものなんだとか。

つまり70~80㎡台のマンションが多いので、それが狭いと思ってしまうんです。そう考えると、マンションよりちょっと広い90~100㎡くらいの家がちょうどいい塩梅の戸建になるんですね。坪数だと、28~30坪なので、十分ですよね。

そこから人数によって広くしていくのがいいと思います。ただ、3LDKとかなら28坪でいいと思います。私の家は86㎡ですが、それでも十分ですからね。大きすぎる家を建てても仕方ないので、注意してください。

 

コストカットしたい場合はどうする?


コストカットしたい場合の合言葉は「家を小ぶりに」です!たまに「建材の質を抑える」とか「キッチンのグレードを抑える」と言う人もいます。そういった点で10万円くらいコストを抑えることも確かに大事ですが、実はそういうことをするよりも家のサイズを1坪下げたら、50~60万円のコストカットになります。

1畳削ったら、25~30万円くらいのコストカットになるんです。半畳でも、12~15万円のコストカットです。「1畳のスペースが30万円」と考えると、なるべく無駄なスペースをなくして、無駄のない間取りを作っていく大切さが分かりますよね。30坪でも4LDKの間取りは作れるので、それを基準に家を建ててほしいと思います。

 

まとめ

ちょうどいい塩梅の家を建てるためのポイント

  • 戸建住宅で延床面積30坪は十分な広さ
  • 30坪=100㎡の大きさ
  • 大きすぎる家を建てても無駄になるだけ
  • 家のコストカットは設備ではなく広さを削る
  • 1畳のスペースを削ったら30万円の節約になる

PROFILE

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せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

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