夢の新築マイホームが雨漏りだらけの欠陥住宅になる原因TOP9【知らないと絶対後悔】

夢の新築マイホームが雨漏りだらけの欠陥住宅になる原因TOP9【知らないと絶対後悔】 | 家の性能

「雨漏りなんてめったに起きない」と思っている人が多いですが、そんなことはありません。雨漏りはすぐに気付かないですし、被害に気付いた時にはもう手遅れになっていて、数百万円規模でのメンテナンスをしないと住めない状態になってしまうことがあります。しかも、本記事で紹介する雨漏りの原因9選には、令和の時代の新築住宅でも普通に使われている建材や、普通に施工されている方法も含まれています。

そのため、施主自身が把握せずに住宅会社任せにしてしまうと、雨漏りリスクのめちゃくちゃ高い家が建ってしまう恐れがあります。実際に、雨漏りリスクが高い住宅が建ち続けているという現状があります。雨漏りするとテンションが下がりますし、費用もどんどん出ていって、本当に人生計画が狂ってしまいかねません。

しかも、材料の選び方や施工の仕方、仕上げ材の選び方といったように、家を建てる前じゃないとできない対策、というのがほとんどです。そこで、家を建てる前に雨漏り対策を把握しておきましょう。

今回は、施主があまりお金をかけずに、確実に雨漏り対策ができる方法を紹介します。これらを押さえておけば安心して生活できるので、必ずチェックしておきましょう。

今回は以下を詳しく解説していきます。

雨漏りだらけの欠陥住宅になる原因①屋根材の選び方

スレートはおすすめしない

屋根材に化粧スレートを選ばないようにしましょう。「30年は色の保証をします!」という商品もありますが、色が大丈夫でも雨漏りしたら意味がありません。スレートは割れる上に苔も生え、さらに雨漏りリスクが非常に高い屋根材です。絶対に避けましょう。

屋根材はガルバリウム鋼板がおすすめ

屋根材はガルバ鋼板がおすすめです。ガルバの中でも、塗膜保証15年、穴あき25年保証タイプのものを選んでください。

さらにリスクを減らすのであれば、縦葺きがおすすめ。立平(たてひら)という縦ラインのものです。雨が流れる方向に継ぎ目がないので、雨漏りリスクがめちゃくちゃ低いです。そして、それほど高価ではありません。

瓦屋根もアリ

もちろん、瓦も耐久性が非常に高いので良い屋根材です。ただし値段も高くて重量があるというデメリットもあるので、ガルバ鋼板の方がおすすめです。

雨漏りだらけの欠陥住宅になる原因②ルーフィング(下葺き材)

ルーフィングの役割は?

屋根材というのは、「多少、この中に水が入るかもしれない」という前提の造りです。そこに水が入った時に家を守るのが、ルーフィングという、屋根の下に敷いている下葺き材です。防水シートと言うこともあります。

ルーフィングのおすすめは?

ルーフィングを選ぶ際、「アスファルトルーフィング940」という最低グレードは選ばないようにしましょう。

おすすめは「改質アスファルトルーフィング」です。これなら、大体どのメーカーも30年以上の耐久性能を持っています。下葺き材を施工し直すのは大変なので、費用に余裕があるのであれば、50年、60年もつような最高級グレードのルーフィングを選んでも良いでしょう。ここはお金をかける価値がある部分です。コスト的に余裕がある人は、ルーフィングにお金をかけていきましょう。

質問①:ガルバは音がうるさいのでは?

音に関しては、瓦に比べると少し大きめです。ただ、1時間に5mmや10mmというような土砂降りじゃなければ、そんなに音は気にならないでしょう。私自身もずっとガルバ鋼板の屋根の家に住んでいますが、それほど気になりません。

どうしても気になる人は勾配をきつくしましょう。4.5寸とか4寸とかにしておけば、雨音を緩和できます。このように勾配で調整してください。

質問②:ガルバは電波が入りづらいのでは?

ガルバには携帯の電波をブロックする性質があるので、確かに電波は入りづらいです。とはいえ「屋根がガルバだから電波が悪い」ということはあまりないでしょう。ただし、外壁までガルバにすると電波が入りづらくなるので、基本的にはWi-Fiで繋がなければなりません。

雨漏りだらけの欠陥住宅になる原因③屋根の形状

雨漏りしやすい屋根の形状は?

軒ゼロはおすすめしない

屋根には、切妻や寄棟、片流れというように色々な形状があります。その中でも雨漏りのリスクが高い軒ゼロはやめましょう。

一時期流行したキューブ型の家は、確かにかっこいいです。しかも住宅会社からすると、コストを抑えられるため利益もとりやすく、一石二鳥の家です。

ただし、軒がないと雨漏りの原因にもなりますし、日射遮蔽ができずに夏の日射がどんどん入ってきて、室内が暑くなるというデメリットもあります。

陸屋根も非推奨!

マンションなどでは屋上に色々な設備を置いてあるので、陸屋根にして屋上に上がれるようになっています。ただし、戸建の場合はやめた方が良いでしょう。屋上庭園をする人もいますが、メンテナンスが大変です。陸屋根と軒ゼロはNGと考えてください。

その他の形状の屋根は?

その他の屋根の形状については、軒さえついていれば良し悪しです。雨漏りのリスクはそれほど変わりません。この後で紹介する施工方法の方が重要です。

屋根選びに関しては、ぜひこちらの記事もご確認ください。

関連記事:【完全攻略】雨漏り対策を踏まえた新築の「屋根選び」の極意を徹底解説!

雨漏りだらけの欠陥住宅になる原因④外壁のシーリング材

一般タイプのシーリング材はNG

外壁の間に打つゴムのような部分がシーリング材です。これに高耐久じゃない一般のタイプを使わないようにしましょう。もちろん、そこから水が入っても、その下に防水シートが貼られているので、すぐに水が入ってくることはありません。ただし、壁の中に水が入る状態になっていると、家の中にも水漏れしやすくなります。

シーリング材は高耐久タイプを!

シーリング材は15年以上の保証が付いている、高耐久タイプのものを使いましょう。

質問:うちの家はシーリングレスの外壁ですが、どうですか?

確かに目地のない外壁もありますが、これを使った場合でも窓周りや角っこのコーナー部分にはシーリングを使う場合がほとんどです。「シーリングが全くない家」というのはほぼありません。

また、塗り壁のように塗っていくタイプの外壁もシーリングが表に出てこないので大丈夫だと思いがちですが、見えないところでシーリングを使っています。

どんな外壁材であっても、必ずシーリングは高耐久のものを使ってください。

外壁選びに関しては、ぜひこちらの記事もご確認ください。

関連記事:ツートンはダサい!?かっこいい+機能性の高い”外壁材ランキング”を徹底解説!

雨漏りだらけの欠陥住宅になる原因⑤施工の精度

施工の精度を上げる方法

たとえば、屋根の下に敷く防水シートの重ね代をしっかり取っていくことが大切です。

その他にも、屋根の湿気を抜くための通気口を確保することも重要です。

外壁に関しても、隠れている部分まで防水シートを貼りましょう。縦の外壁の裏に貼る防水シートを途中までしか貼らないと、その部分から水が入ってくる恐れがあります。

このようなところは細かいポイントなので、施主側で管理するのは難しいでしょう。ただし、工務店にこういった会話を振ってみましょう。それで「もちろんやっていますよ!」と、堂々と言ってもらえれば大丈夫です。一方「いや、そこはちょっとどうかな…」のように曖昧な返事をされた場合は、細かく確認しながら施工の品質を可能な限りチェックしていきましょう。

窓周りの角の部分や屋根と下屋(げや)がぶつかる部分は、防水工事を強化する必要があります。これは基準があるので工務店側もしっかりやっているとは思いますが、興味がある人は確認してみてください。

施工の精度に関しては、こちらの記事もご確認ください。

関連記事:【完全攻略】雨漏り対策を踏まえた新築の「屋根選び」の極意を徹底解説!

雨漏りだらけの欠陥住宅になる原因⑥気密性能

窓周りの気密性能の担保が重要

気密性能が大切なことは皆さん把握していると思いますが、気密性能は雨漏りにも影響します。特に、窓周りには注意が必要。窓周りは水がかかる場所なので雨漏りリスクが高い場所です。そのため、窓周りの気密性能が担保されていないと、そこから水が入って来やすくなります。

第三種換気やレンジフードを使うと、家の中が負圧状態になりやすくなります。つまり、外から水が入りやすい状態になりがちなのが、現代の高気密住宅です。負圧状態だと、さらに窓周りから水が浸入しやすいので注意しましょう。

さらに、窓周りから水が浸入すると窓周りが腐ります。そうなるとシロアリの餌になってしまうというパターンに陥るので、とにかくしっかりと気密性能を担保しましょう。

C値は最低でも0.7以下、できれば0.4以下を目指してください。そうすれば家の中が暖かくなって換気が上手くできるだけではなく、雨漏りの防止にもなります。気密性能は非常に重要な要素なので、網羅的に押さえてください。

気密性能に関しては、ぜひこちらの動画もご確認ください。

関連動画:【永久保存版】気密性能 完全攻略!C値とは?気密測定の手順や高気密住宅のデメリットなども分かりやすく解説

雨漏りだらけの欠陥住宅になる原因⑦バルコニー

バルコニーは雨漏りの原因になりやすい箇所ですので、なるべく付けないようにしましょう。「どうしても外干ししたい」「どうしても付けたい」という人は付けても良いですが、やはり雨漏りの原因になります。

また、バルコニーはメンテナンスも必要です。もし付けるのであれば、BE ENOUGHが推奨する「板金防水」なら、基本的に掃除以外のメンテナンスはそれほど必要ありません。

ただし、FRP防水のように一般的な防水であれば、10~15年に一度はきちんとメンテナンスしないと、雨漏りします。しかし、あまりメンテナンスをしない人が多いため、バルコニーの下がぐちゃぐちゃになって腐っていく、というのがよくあるパターンです。

バルコニーはメンテナンスが大変なだけじゃなく、費用もかかるので、付けなくても良い設備です。

バルコニーに関しては、ぜひこちらの記事もご確認ください。

関連記事:バルコニー付けると後悔する理由5選!でも付けるべき人の特徴とバルコニーを無駄にしない鉄則7選も紹介!

雨漏りだらけの欠陥住宅になる原因⑧基礎の防水性能

基礎のコーティングが重要

基礎から水が入ってくることも結構あります。基礎に水が入ると、中に入っている鉄筋の錆びに繋がり、家の耐久性が落ちます。基礎の外側を綺麗に塗装するコーティングが非常に大事なことを覚えておきましょう。

良くないのは、むき出しの基礎です。シロアリ被害に気付きやすいので敢えてむき出しにするということもありますが、やっぱり水が浸入しやすくなりますし、基礎の劣化も早く進んでしまいます。なんらかのコーティングはしましょう。

コーティングの種類は2種類!

1つ目は、モルタルの刷毛(はけ)引きです。コンクリートを塗る方法ですが、割と水が入るのでおすすめしていません。

モルタルの刷毛引きではなく、弾性タイプの基礎保護材がおすすめです。このタイプの仕上げ材を塗ることで水の浸入も防げますし、基礎にクラック(ヒビ)が入ることも防止できます。また、基礎の中性化も防げるので、一石三鳥の効果があります。水の浸入によって基礎の中の配筋の劣化を抑制するためにも、弾性タイプの基礎の仕上げ材を塗りましょう。

基礎に関しては、ぜひこちらの記事もご確認ください。

関連記事:【完全攻略】ベタ基礎VS布基礎!本当に災害に強いのはどっち?

雨漏りだらけの欠陥住宅になる原因⑨メンテナンス

メンテナンスはきちんと行いましょう。屋根に関しては塗膜保証が15年なので、20~25年くらいで塗膜のやり直しをしましょう。太陽光パネルが載っている部分はほとんど劣化していないので、それ以外のところをやりましょう。

外壁に関しても同様に、塗膜保証15年タイプの外壁を選んだ場合、20~25年くらいで塗膜のやり直しをしましょう。シーリングも20~25年くらいで痩せていくので、改めて高耐久のシーリングを打ち直してください。

メンテナンスの頻度を抑える家づくりをすることは大切です。とはいえ、適切なメンテナンスは行う必要があります。家を大切に愛でていくことも、忘れないようにしましょう。

まとめ

注文住宅が雨漏りだらけの欠陥住宅になってしまう原因9選

  1. 屋根材の選び方
    化粧スレートは選ばない。ガルバリウム鋼板の選択を!
  2. ルーフィング(下葺き材)
    アスファルトルーフィング940はNG!改質アスファルトルーフィングを選択!
  3. 屋根の形状
    軒ゼロ・陸屋根はNG!
  4. 外壁のシーリング材
    一般タイプは水漏れしやすいので、高耐久タイプに!
  5. 施工の精度
    防水シート等の確実な貼り上げは必須!
  6. 気密性能
    特に窓周りに注意!C値は0.7以下必須、0.4以下を目指す!
  7. バルコニー
    なるべく付けない!
  8. 基礎の防水性能
    弾性タイプの基礎保護材によるコーティングを推奨!
  9. メンテナンス
    屋根・外壁:20~25年で再塗装を
    シーリング:20~25年で打ち直しを
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PROFILE

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せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

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