2024.11.14
外壁材は種類が非常に豊富なうえ、サイディングをやっている会社はサイディングを、塗り壁の会社は塗り壁を勧めてくるため、「結局私たちにはどれがいいの!?」と混乱してしまう施主も多いでしょう。
そこで今回は、これから新築の外壁選びを始める方に向けて、その選び方から各外壁材の特徴(メリット・デメリット)、さらにBE ENOUGHが推奨するおすすめする「外壁材ランキング」をご紹介していきますので、ぜひ外壁材選びの参考にしてください。
デザインだけでなく、”総合点の高い外壁材”を選ぼう!
本記事の内容は、YouTube動画でも分かりやすく解説していますので、こちらもご覧ください!
目次
外壁選びの前に抑えておくべき2つのポイント
①そもそも外壁選びに失敗するとどうなるの?
初期費用・メンテナンス費用が高くなる
外壁のメンテナンスを行う時には足場を組む必要があり、かなりの大工事になり費用がかさむため、メンテナンス周期の長い外壁材を選ぶ必要があります。
ただ逆にメンテナンスコストばかり警戒していると、今度は営業マンから「初期コストは高いですが、長い目で見たらお得ですよ!」と、メンテナンスに手がかからない分、初期コストが高い外壁材を提案してくる場合もあります。この考え方自体、悪いことではないんですが、メンテナンスコストを抑えるために300万円増額…となると、「それって、何年で元がとれるんですか?」って話ですよね。
そのため外壁材を選ぶ際には、初期コストが高すぎず、メンテナンスコストもそれなりの”ちょうどいい塩梅”を選ぶことが大切です。
家の外観がダサくなってしまう
また当然ですが、外壁材は家のデザインにも影響しますから、外壁選びに失敗してしまうと「家の外観」もダサくなります。
なので、外壁選びでデザイン的な好みを優先するのもありではありますが、コスト面でのデメリットは把握した上で選択していきましょう。
デザインだけで選んでしまうと、後後大変なことになりますよ。
雨漏りにつながってしまう
外壁の下には水の通過を防ぐ「防水層」があるため、すぐに雨漏りしてしまうわけではありませんが、シーリング(コーキング)と呼ばれる「目地」が切れてしまうと雨漏りしやすくなります。
中には「シーリングレス」呼ばれる外壁材もありますが、どんな外壁材でも窓サッシ部にはシーリングを使用するため、シーリングを完全にゼロにするのは不可能です。そのため外壁選びの際には、外壁材だけでなく、使用するシーリングの耐久性などもしっかり抑えておきましょう。
外壁やシーリングの保証期間ってあてになるの?
外壁材やシーリングにはメーカーによる保証期間が定められていますが、保証適用には諸条件があり、保証適用外になることも多いので、「保証があれば安心!」と考えるのは良くないです。
ただし、保証期間は割と無難な(まず耐久性に問題がこないであろう)年数を設定する傾向がありますので、「製品の質」を見極める際の目安にはなりますね。
外壁選びにおいては、外壁材(サイディングの場合)は「塗膜保証:15年以上」、シーリングは「保証期間:15年」のものを基準として考えてもらえればOKでしょう!
②外壁選びはどういう基準で進めるべき?
家は「快適な暮らしのためのツール」ですから、家のメンテナンスがストレスになったり、生活を圧迫してしまっては元も子もありません。
そのため外壁選びは、この軸をブラさないためにも以下ステップで検討することをおすすめします。
外壁選びまでの3ステップ
- ①:メリット・デメリットから「採用する外壁材」を選ぶ
- ②:「保証期間(塗膜保証)」を選ぶ
- ③:工務店と一緒に「デザイン」を検討する
特に外壁は「見た目」にも直結するため、ついデザインから選んでしまいがちですが、どの外壁材にもメリット・デメリットが存在します。
そのためまずは外壁材の特徴をしっかり抑えて、「採用する外壁材」を決めてから「デザイン性」を検討していくのがおすすめです。
「外壁」をかっこよく仕上げるためのコツ・注意点は?
外壁材の「色選び」におけるコツは?
濃い色を選ぶと、夏に熱くなっちゃうの?
「黒みたいな濃い色は夏に暑くなる?」と聞かれることがありますが、確かに濃い色の場合、白っぽい外壁よりも表面温度が高くなってしまいます。
ただ外壁自体が熱くなるからと言って、「その熱が部屋の中まで伝わるか?」というとそこまで心配しなくても大丈夫だと思います。
当然、せやま基準をクリアするぐらいの断熱性能が必要ですが、断熱性能をしっかり押さえておけば、外壁材の色によって室内の温度が急激に変わることはないため、「夏に室内が暑くなるかも…」という理由で濃い色を極端に避ける必要はないでしょう。
『せやま基準』とは?
BE ENOUGHでは、住宅会社選びのための補助ツールとして、「せやま性能基準」と「せやま標準仕様」の2つからなる「せやま基準一覧表」を無料配布しています。
「せやま基準一覧表」を使えば、各建材について「完全に不足→少し不足→ちょうどいい塩梅→余裕があれば」と家づくりで抑えておくべき性能レベルを検討できます。
ダウンロードページ:『せやま基準一覧表|お役立ちツール|BE ENOUGH』
汚れが目立ちにくい色は?
メンテナンスを考えると、汚れが目立ちづらいというのは大切ですよね。でも実はこれ、非常に難しい問題なんです。
というのも、白い外壁にしたら「黒い汚れ」が目立ち、黒い外壁であれば「白い汚れ」が目立つからです。
一応、一番汚れが目立たないのは「中間色(ベージュやグレーなど)」ですが、どうやっても汚れはついてしまいますから、色で目立ちづらくするのではなく、雨水で汚れが落ちる「セルフクリーニング対応の外壁材」を採用するのが推奨です。セルフクリーニングがついていれば、塗膜が切れない限り大体の汚れは雨で落ちますし、軒下の雨がかからない部分は自分で水をかけてあげれば大体きれいになりますよ。
「安っぽく見える!」「なんかダサい!」を防ぐためには?
外壁選びは一歩間違えてしまうと、家が安っぽく見えてしまいます。
特に、「ツートン(2色の貼り分け)」を採用する場合なんかは、安っぽく見えたり、ダサくなってしまうので注意が必要です。
もちろんツートン自体は悪いことではないんですが、「つるっとした窓のところだけ線を入れた」とか、「突然色が変わっている」というような不自然なツートンカラーは本当に安っぽく見えてしまいます。2色使用したい場合は、不自然にしないためにも、凹凸のある場所で色分けすると安っぽくならないですよ。
とはいえダサく見えてしまうリスクを防ぎたいのであれば、外壁は原則「1色のみ」で考えた方が無難でしょう。そうすれば失敗も少ないです。
【結論】外壁材のちょうどいい塩梅(推奨ランキング)は?
BE ENOUGHが推奨する「外壁材のちょうどいい塩梅ランキング」としては以下の通り。外壁材のちょうどいい塩梅はこれだ!
- 第1位:窯業系サイディング
コスト:◎ 耐久性:○ デザイン:○ - 第2位:ガルバリウム鋼板(金属系サイディング)
コスト:△ 耐久性:△~○ デザイン:◎ - 第3位:塗り壁(モルタルなど)
コスト:△ 耐久性:△ デザイン:◎
初期コストやメンテナンスの手間など、総合的に考えると「窯業系サイディング」で好みのデザインが見つかればそれを採用するのが理想ですね。
外壁材の種類・メリット/デメリットを紹介!
①窯業系サイディング
窯業(ようぎょう)系サイディングは、セメントや繊維質を混ぜ合わせたものが原料で、全国でも70%ぐらいの家で採用されている最もポピュラーな外壁材です。
メリット:初期コストが安い+デザインも豊富
窯業系サイディングのメリットは、コストが安いこと。さらに採用率が高いのもあってか、デザインパターンがかなり豊富ですね。
最近では、塗膜技術の発展により、メンテナンス期間を延ばせる材料もでてきていますので、価格が安い+デザインも豊富+メンテナンス性能も優秀と、外壁材の中でも比較的バランスに優れているのが特徴です。
デメリット:目地がダサい+選択をミスるとメンテナンスも…
一方、窯業系サイディングのデメリットは、シーリングやコーキングと言われる目地(継ぎ目)がダサいことです。
特にデザイン性を重視したいという方は、この「継ぎ目」を嫌う人が多いようですね。
確かに施工当初は特に気にならないと思うんですが、経年劣化でシーリング部分がだんだん痩せたり、変色してしまうと、見た目がダサくなることがあります。そのため窯業用サイディングを採用する場合には、「保証期間15年」の高耐久のシーリングを選ぶとよいでしょう。
関連Q&A:『シーリングレスのサイディングってどう?デメリットは?』
塗膜保証は「15年以上」のものを採用しよう!
窯業系サイディングの中でも、セルフクリーニング機能が付いていない”ローグレード”のものを選んでしまうと、10年程度で100万円規模のメンテナンスが必要になることがあるので要注意!
そのため窯業系サイディングを採用する場合は、「塗膜保証15年以上」の商品を選択してください。
塗膜保証15年以上のものにしても、初期コストはそこまで大きく変わりませんし、20~25年程度はメンテナンスなしでいける可能性が高くなります。
「窯業系サイディング」のおすすめ度は?
コスト:◎ 耐久性:○ デザイン:○
塗膜保証:15年保証、シーリング:高耐久タイプ(15年保証)を推奨
ちょうどいい塩梅!おすすめランキングも1位です!
②ガルバリウム鋼板(金属系サイディング)
ガルバリウム鋼板(金属系サイディング)はアルミニウムと亜鉛の「合金メッキ鋼板」で、従来は屋根で使われることが多いのですが、スタイリッシュに見えることから最近では外壁材としても非常に人気の素材です。
メリット:継ぎ目がないので、スタイリッシュ
何と言ってもガルバリウム鋼板のメリットは、「スタイリッシュな見た目」ですね。
金属の質感がスタイリッシュに見えるというのもありますが、シーリングの継ぎ目がないというのも大きいでしょう。
さらにガルバリウム鋼板は、外壁材の中でも比較的軽いため耐震的にも優れた素材と言われています。ただこれは、実際に構造計算をしてみるとなんてことはないので、これを決め手に…というほどではないですね。
ガルバリウムにも「シーリング」は使用する!
ガルバリウム鋼板の場合、表面上はシーリング(継ぎ目)がないように見えますが、実は「窓のサッシ周り」にはシーリングを使用します。
そのためガルバリウム鋼板を採用する際には、窯業系サイディング同様、使用シーリングは「高耐久タイプ(15年保証)」のものを選ぶようにしましょう。
デメリット:初期コストが高い+凹みやすい
ガルバリウム鋼板のデメリットは、初期費用がそれなりに高いことです。
またガルバリウム鋼板は平たくいうと「鉄板」なので、凹みやすいというデメリットもありますね。
飛び石があたったり、子どもが自転車をぶつけてしまった際には、結構ボコッと凹んでしまう場合もあるので、耐衝撃性が低いというのはデメリットとしても大きいでしょう。
塗膜保証は「15年タイプ」を採用しよう!
ガルバリウム鋼板の塗膜保証には、「10年保証」と「15年保証」と2パターンあるのですが、選べるのであれば「15年タイプ」を選ぶようにしてください。
ただ8~9割は10年保証のタイプなので「10年保証だとダメ!」ということではありませんが、この塗膜保証の年数は「耐久性」にも直結しますから、ガルバリウム鋼板を採用する際には、できれば15年保証タイプを採用するようにしましょう。
「ガルバリウム鋼板」のおすすめ度は?
コスト:△ 耐久性:△~○ デザイン:◎
塗膜保証:15年保証、シーリング:高耐久タイプ(15年保証)を推奨
おすすめランキングは「2位」です!
③塗り壁(モルタルなど)
塗り壁は、土や珪藻土、モルタルなどを塗った外壁ですね。
塗り方にも色々ありますが、仕上げ方によっては唯一無二な「独自の外観」を作ることができるため、おしゃれな外観を目指す方に非常に人気です。
メリット:継ぎ目もなく、デザインの幅も広くおしゃれ
塗り壁のメリットは、やはりデザイン・外観がおしゃれになることですね。
質感だけでなく、色や仕上げ方によっては、かっこいい/可愛い/和風といろんなデザインにもできるのでデザインの幅も広く、窯業用サイディングのような継ぎ目もないですから、デザイン性を重視したい方にとっては選択肢に入ってくるでしょう。
デメリット:初期コスト+メンテナンスコストが高い
一方で塗り壁のデメリットは、初期コストが高く、汚れが付きやすいこと。
汚れについては、例えば「田んぼや土が多い地域は汚れやすい」といった特徴もあるんですが、そもそも塗り壁には「セルフクリーニング(汚れを落とす機能)」に対応したものがほぼありません。
そのため大体10年ぐらい経つと、各所の汚れが目立つようになってしまうんですが、そうなると清掃業者に依頼して綺麗にしてもらったり、塗り替えたり…といった対応が必要になるので、初期コストだけでなく、メンテナンスコストも高くなりがち。
そのため塗り壁を採用する場合は、これらのコスト面のデメリットをしっかり理解した上で、「コスト云々ではなく、とにかく塗り壁を採用したい!」という場合のみ検討することをおすすめします。
関連Q&A:『「そとん壁」にすれば、汚れも付きづらくメンテナンスも楽になる?』
「塗り壁」のおすすめ度は?
コスト:△ 耐久性:△ デザイン:◎
おすすめランキングは3位!
④タイル
タイルは、石や土、粘土を焼き固めた外壁材です。
値は張りますが高級感が出ますし、耐久性も優れているので、マンションなどでも使われることが多いですね。
メリット:耐久性が高く、汚れも付きづらい
タイルのメリットは、なによりも耐久性が非常に高いこと。また表面に汚れがつきづらいため、長い間キレイな状態を保ち続けてくれるというのも大きなメリットでしょう。
またタイルは「高級感」を演出したい場合にも最適なので、かっこいい系の外観を目指す場合にはデザイン的にも相性が良いですね。
デメリット:初期コストが高い
タイルのデメリットとしては、初期コストが高いことです。
またタイルについて、「初期コストが高くとも、汚れが付きづらいので、メンテナンスなど長い目で見たらお得なのでは?」と聞かれることがありますが、残念ながらタイルであってもメンテナンスは必要です。
確かにタイル自体は汚れにくいんですが、タイルにも「目地」や「下地」があります。そしてこの目地や下地が劣化してしまうと、タイル自体が割れて剥がれてしまったり、剥がれたタイルが落下してしまう可能性があるんです。そのためタイルであってもメンテナンスは必要と認識しておきましょう。
「タイル」のおすすめ度は?
コスト:× 耐久性:◎※ デザイン:◎
タイル自体は汚れづらいが、目地などは別途メンテナンスが必要
タイルは高いので「圏外」!
⑤ALC(軽量気泡コンクリート)
ALC(軽量気泡コンクリート)とは、気泡を入れて軽量化されたコンクリートです。「特殊なコンクリートの外壁」と思ってもらえればOKですね。
メリット:耐火性が高い
ALCのメリットは耐火性が高いことです。
コンクリートなので燃えにくく、火事にも強いですね。これは非常に良いと思います。
デメリット:表面塗膜がはがれると雨漏りの原因に…
一方でALCのデメリットとしては、表面塗膜が剥がれてしまうと、めちゃくちゃ水に弱くなってしまう点が挙げられます。
これはコンクリートに「気泡」を入れてできているため、この気泡がスポンジみたいに水を吸ってしまうからです。これが原因で雨漏りにつながってしまうケースもあるので、ALSは外壁材の中でも特にメンテナンスに気を遣う必要があるでしょう。
ALC(軽量気泡コンクリート)のおすすめ度は?
コスト:× 耐久性:◎(目地のメンテナンスは必要) デザイン:◎
雨漏りリスクがあるので「圏外」!
⑥木質系サイディング(無垢の木)
木質系サイディングは、その名の通り「木の外壁材」です。本物の木(無垢材)を加工して、外壁にペタペタ貼っていく感じですね。
メリット:モデルハウスみたいなかっこよさ
木質系サイディングはなんといっても「かっこよさ」が最大のメリットですね。
また木材によっては、大人っぽい高級感だったり、メルヘンなかわいらしいデザインだったり幅広いデザインにも対応できますし、本物の木を採用することでデザイン的にもグレードアップさせることができるため、結構モデルハウスなんかでも採用されるケースが多いです。
デメリット:メンテナンスがめちゃめちゃ大変
ただし木質系サイディングは、メンテナンスがとても大変…。
本物の木なわけですから、白くなってしまったり(白華現象)、腐食したりもします。そのため1~2年ぐらいの頻度で表面塗膜のメンテナンスをしないと木材自体が朽ちてしまうんです。
「こまめにメンテナンスできます!」という人は採用してもいいですが、メンテナンスにも手間とお金がかかりますから、コストを抑えたいorズボラな人は採用しない方が無難ですね。
手間もコストもかかるため「圏外」
木目調の「窯業系サイディング」も選択肢に!
ちなみに最近では、窯業系サイディングにも「リアルな木目調」のものがありますから、「外観に木目を入れたいけど、メンテナンスは楽にしたい…」という場合は、窯業系サイディングの中から好みの木目を探してみるのもおすすめですよ!
⑦焼杉
ちょっとマニアックですが、杉を焼いて表面を炭化させた「焼杉」という外壁材もあります。
この焼杉は、昔瀬戸内地方でよく使われていた素材なんですが、非常に風合いが素敵でおしゃれですよね。
メリット:おしゃれ+部分的な取替も可能!
焼杉のメリットは焼杉にしか出せない風合い、そして炭化しているため表面の劣化が少ないことです。
また焼杉の場合、1枚1枚の板を組み合わせて施工するため、傷んでしまった板があればそこだけ部分的に取り替えることができる、というのも焼杉ならではのメリットですね。
デメリット:コストも高く+防火性能・衝撃に弱い
一方で焼杉はつまるところ「炭」なので衝撃に弱いというデメリットもあります。ぶつかったらぼろっと壊れてしまうんですね。
また焼杉はコストもそれなりに高く、防火性能も低いため防火地域では使用できないといった制限もあります。
ただ焼杉は外壁材の中でも結構特殊なものなので、「デメリットも分かるけど焼杉に憧れていたから絶対に採用したい!」といった方であればアリだと思います。(コストや機能性で見ると、決して優れた素材ではないので、「失敗したくない」とか「なるべくコストを抑えたい」という方にはおすすめできません)
特殊な素材なので、ランキング対象外
⑧樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは、その名の通り「樹脂」でできた外壁材ですね。
「樹脂」にもいろいろ種類があるんですが、樹脂系サイディングで使用されている樹脂は、窓サッシなどにも使われている「塩ビ(塩化ビニル)」という素材でできており、非常に耐久性が高いのも特徴ですね。
メリット:耐久性が高く、凍害・塩害にも強い
樹脂サイディングのメリットは、先にも述べたように耐久性が高いこと、それに加え凍害・塩害にも強いことです。
寒い地域だと、外壁が凍ってそこから外壁材が破損してしまう「凍害」、海の近くでは潮の影響で錆びてしまう「塩害」が考えられるのですが、そういった被害を受けにくいのがこの「樹脂系サイディング」というわけです。
そのため暖かい内陸地の場合は不向きですが、寒さが厳しい地域や海沿いの地域の場合は、樹脂系サイディングにした方がかえってメンテナンスコストを抑えられるケースもあるでしょう。
関連Q&A:『窓や外壁で使われてる「樹脂」って耐久性、大丈夫なの?』
デメリット:採用率が低いため、施工業者が少なくコストも高い
一方で樹脂系サイディングのデメリットは、国内でも採用率が低いため、施工できる業者が少ないという点。
加えて採用率が低いため、素材としてもあまり出回っておらず割高になってしまうというデメリットも挙げられます。また樹脂製のため、他の素材と比べ防火性能が少し低いのも考慮しておくべきですね。
素材自体はいいけど、ランキングは圏外
まとめ
外壁材選びの際に抑えておくべきは以下の5点。
ちょうどいい塩梅の「外壁材」はこれ!
- 【大前提】塗膜保証は「15年保証」、シーリングは高耐久タイプ(15年保証)を推奨
- おすすめ1位:窯業系サイディング
+:初期コストが安い+デザインも豊富
-:目地がダサい+選択をミスるとメンテナンスも… - おすすめ2位:ガルバリウム鋼板(金属系サイディング)
+:継ぎ目がないので、スタイリッシュ
-:初期コストが高い+凹みやすい - おすすめ3位:塗り壁
+:継ぎ目もなく、デザインの幅も広くおしゃれ
-:初期コスト+メンテナンスコストが高い - ランキング圏外
- タイル
+:耐久性が高く、汚れも付きづらい
-:初期コストが高い - ALC(軽量気泡コンクリート)
+:耐火性が高い
-:表面塗膜がはがれると雨漏りの原因に… - 木質系サイディング
+:モデルハウスみたいなかっこよさ
-:メンテナンスがめちゃめちゃ大変 - 焼杉
+:おしゃれ+部分的な取替も可能!
-:コストも高く+防火性能・衝撃に弱い - 樹脂サイディング
+:耐久性が高く、凍害・塩害にも強い
-:施工業者が少なく、コストも高い
- タイル
性能で迷ったら「せやま基準一覧表」
BE ENOUGHでは、住宅会社選びのための補助ツールとして、「せやま性能基準」と「せやま標準仕様」の2つからなる「せやま基準一覧表」を無料配布しています。
「せやま性能基準」を使えば、上記で紹介したように各建材について、「完全に不足→少し不足→ちょうどいい塩梅→余裕が余れば」と家づくりで抑えておくべき性能レベルを検討できます。
詳しい使い方に関しては、下記リンク先の記事をご覧ください。
ダウンロードページ:『せやま基準一覧表|お役立ちツール|BE ENOUGH』
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解説動画(YouTube):『家づくりの超実践ツール「せやま基準一覧表」の使い方<総集編>』