つけっぱなしが正解?エアコンの電気代を安くする”4つのポイント”は?

エアコンの電気代はせいぜい月6,000~8,000円前後ですが、使い方次第では「節約しよう!」と無理に頑張らなくても安く抑えることができます。

今回は、よく聞く「エアコンはつけっぱなしの方が安いのか?」についてや、電気代を抑えるためのコツ、エアコンを最大限活用するために覚えておきたい豆知識などを紹介していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。

電気代の高騰に合わせて使い方を見直そう!

新築住宅でエアコンを考える際に抑えておくべき点については、以下記事で網羅していますので、まだの方はこちらから読んでみてください。

関連記事:『【完全攻略】新築で抑えておくべき「エアコン計画」のイロハを徹底解説!

エアコンはつけっぱなしの方が電気代が安い?

こまめに消した方が電気代が安くなるケースが多い

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(出典:経済産業省 資源エネルギー庁)

「つけっぱなしだとその分だけ電気代がかかる」という意見もあれば、「高性能な家なら温度の変化も少ないからつけっぱなしの方が安い!」という意見もあり、混乱してしまいますよね。

結論、家の性能や生活スタイルによって大きく変わりますが、電気代だけで言えば「付けたり消したりする方が得になる」ことが多いです。

もちろん「30分消して、30分消す」のような短いスパンであれば、いっそのことつけっぱなしの方が電気代も安くなると思いますが、日中は仕事に出て、夕方帰ってくるような人であれば、当然日中の間は消しておいた方がお得でしょう。

快適さを重視するなら「つけっぱなし」を推奨

実際の節約効果は「月1,000~2,000円」程度

実際、私は「LDKのエアコン」と「屋根裏エアコン」の計2台を付けっぱなしにしていますが、それでも1ヶ月の電気代は6,000~8,000円です。(真冬の場合)

となると、これを付けたり消したりするしたとしても、節約効果はせいぜい月1,000~2,000円くらい。

この金額については個人の価値観もありますが、私個人としては「月2,000円で家の中を常に快適にできるなら安い!」と考えます。ちょっとした飲み会とかコンビニスイーツを我慢すれば良い程度の金額ですからね。

輻射熱を考えるとつけっぱなしの方が快適

私がエアコンをつけっぱなしにする理由ですが、これは人間の熱の感じ方に関連する「輻射熱」が関係しています。

輻射熱とは、空気自体の温度ではなく、その周りを構成する「壁」や「天井」が冷えることで、その空間自体が涼しく感じるという原理です。夏場の「打ち水(地面に水を撒く)」もこの輻射熱を抑えるためのものですね。

このように、人間は空間だけでなく、壁や天井の温度を感じやすいのですが、エアコンをこまめにつけたり消したりしてしまうと、壁や天井が熱くなってしまうため、そこから再度冷やそうと思ってもなかなか冷えなくなってしまうんです。

確かにこまめに付けたり消したり…をすることで少しばかり節約にもなるのですが、その分帰宅時の暑さ・寒さを我慢する必要があるため、月2,000円程度を許容できる+快適さを求めるのであれば「付けっぱなし」の方が良いと思います。(日中全く家にいない方は、帰宅する数時間前にエアコンをつける…でも良いと思います)

ただし最初に述べたように、これは家の性能に依存しますので、必ずせやま基準をクリアした性能レベルを担保するようにしましょう。

「冷房」の消費電力は、「暖房」の半分以下!

ちなみに、「冷房」にかかる電気代は「暖房」の半分以下

夏は暑くても35~36度で、そこから室温を25~26度にしますから冷房による温度変化は「10度前後」ですよね。一方、冬は0度くらいから20度ぐらいまで上げるわけですから、暖房による温度変化は「20度」くらいになります。

エアコンの電気代は、「どれだけ温度を変化させたか?」によって大きく変わるので、冬の電気代は夏の2倍くらいになるんですね。

このように夏の冷房費って冬よりもだいぶ安く済むので、熱中症など命に関わるリスクを回避するためにもケチらず積極的に使っていきましょう。

 エアコンの電気代を安くする「4つの対策」

①室外機は日陰+近くに物を置かない

室外機はエアコン本体よりも軽視されがちですが、「エアコンの給気・排気」を行う箇所のため、ここが妨げられてしまうと、運転効率が落ち、必要以上に電力を食ってしまいます。

エアコンの運転効率をよくするためには、空気の給気・排出を妨げてしまわぬよう、「室外機の周りに物を置かない」こと。あまり壁に密着させすぎるのも避けた方がいいですね。

また室外機に西日や朝日など、直射日光が当たってしまっても運転効率の低下につながるため、なるべく直射日光が当たらない場所に配置するのがポイントです。

②フィルター掃除をこまめに行う

先ほどの室外機同様、フィルター掃除を怠ってしまうと、ホコリが空気供給の妨げとなり、運転効率は低下し、電気代が20~30%程度上がってしまうと言われています。

エアコンの風切り音が大きくなったら「フィルターが詰まっているサイン」ですが、目安としては「1週間に1回」ぐらいのペースで掃除できるといいですね。(フィルターの自動お掃除機能がついている場合は「2週間に1回」でOK)

またフィルターを掃除しても風切り音が収まらない場合は、エアコン内部(熱交換器など)の汚れが原因のため、専門業者にクリーニングしてもらうのがおすすめです。

③APF(通年エネルギー効率)の高いエアコンを買う

APFとは、「エアコンにおける運転効率(ざっくりいうと省エネ性能)」を示す値ですが、このAPFの数値が高いエアコンを買えば当然電気代を下げることにもつながります。

ただAPFが高いものは、その分初期費用が高くなりがち。

当然初期費用が高くなりすぎると、いくら電気代が安くなってもトータルコストで差が出しずらくなってしまうため、APFだけを見て購入機種を決めるのはお勧めできませんが、「『エアコンの本体価格』と『APF』を見ながら購入機種を選ぶ」というのはアリだと思います。

APFを気にするよりもこまめなフィルター清掃を!

APFが優秀なエアコンであっても、フィルター掃除を怠ると、その分エアコンの運転効率は落ちるため、電気代も上がってしまいます。

そのため電気代を下げたいのであれば、エアコン本体のAPFを気にするよりも「フィルター掃除を徹底する」よう心がけましょう。こまめなフィルター掃除は、エアコン本体の故障リスクを抑えることにもつながりますよ。

④エアコンの温度設定を下げるor上げる

室温は、快適さや健康状態にも直結するため、あまりお勧めできませんが「電気代を下げる」という点においては有効です。

個人差や好みなどもあると思いますが、特に冬は電気代が上がりやすいので、「22度(寒がりの方は24度)」あたりを目安にするとよいでしょう。

 

まとめ

エアコンの電気代を抑える際に覚えておくべき要素は以下の3点。

エアコンの電気代を抑えるための方法は?

  • エアコンはこまめに消した方が電気代も安くなりがち
    ⇒オン・オフのスパンなどにもよるため、一概には言えない
  • つけっぱなしにしてもせいぜい月1,000~2,000円
    せやま基準をクリアしていればつけっぱなしを推奨
  • エアコンの電気代を安くする方法
    • ①室外機の近くに物を置かない
    • ②こまめにフィルターを掃除する
    • ③APFが高いエアコンを買う
      ⇒エアコン本体が高くなるので、参考程度に…
    • ④室温を過度に上げないor下げない
      ⇒得に冬の電気代は高いので「22~24度」を目安に

性能で迷ったら「せやま基準一覧表」

BE ENOUGHでは、住宅会社選びのための補助ツールとして、「せやま性能基準」「せやま標準仕様」の2つからなる「せやま基準一覧表」を無料配布しています。

「せやま性能基準」を使えば、上記で紹介したように各建材について、「完全に不足→少し不足→ちょうどいい塩梅→余裕が余れば」と家づくりで抑えておくべき性能レベルを検討できます。

詳しい使い方に関しては、下記リンク先の記事をご覧ください

ダウンロードページ:『せやま基準一覧表|お役立ちツール|BE ENOUGH

合わせて読みたい記事:『営業マンより「家の性能」に100倍詳しくなる方法|せやま性能基準
解説動画(YouTube):『家づくりの超実践ツール「せやま基準一覧表」の使い方<総集編>

PROFILE

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せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

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