2024.11.14
「年を取ると、なかなか2階には上がらなくなるよ…」なんてよく聞きますが、これから家を建てる方の中には、直近の生活だけでなく、「老後も安心して暮らせる間取りを目指したい」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は老後も安心して暮らせる、ほぼ平屋の「1階完結型間取り」を作るためのポイントについてご紹介していきます。
是非、これから間取りづくりをはじめる方は、「間取りづくりの際に抑えておくべき基本的な考え方」として参考にしてみてください。
まずはざっくりとした配置から考えよう!
関連記事:『【完全攻略】「間取りづくり」で抑えておくべきポイントを”部屋別”で完全網羅!』
目次
ほぼ平屋!「1階完結型」の間取りとは?
<老後の生活に、1階完結型の間取りは最適>
「1階完結型間取り」とは、その名の通り、2階に上がらずとも1階だけで生活が完結できる間取りのこと。
この1階完結型間取りでは、土地が許す限り1階を充実させ、1階に確保できなかった寝室などを2階に配置し、「若いうちは寝るときだけ2階に上がり、老後は2階に上がらずに生活できる」というような間取りを目指していきます。
もちろん、土地が広い場合はまず平屋から検討していただくのがベストですが、2階建てで老後のことも考えるのであれば、「2階はおまけ」と考えて1階で生活のほとんどが完結できるような間取りを目指すとよいでしょう。
「1階」の間取りを考える際のポイント・注意点は?
1階に「1LDKの間取り」を作ろう!
子供がいるうちは2階に部屋が必要ですが、子供が家を出ていったあとは、夫婦2人ですから、老後になれば2階は収納スペースになりほぼ2階に上がらなくなります。
なので、老後も同じ家で過ごす想定なのであれば、1階だけで夫婦2人が暮らせるような間取り(1階だけで1LDK)を意識しましょう。
ただし1階に立派な主寝室を確保してしまうと、リビングや収納を圧迫してしまいます。
そのため老後のことも考えるのであればおすすめは「リビング併設の3.1~3.7畳の和室」。このぐらいの広さであれば若いうちはリビングの一画として、子どもの遊び場にしておいて、老後は敷き布団を2枚敷いて寝室としても活用できるのでおすすめですね。
「収納スペース」は1階に集中させよう
特にウォークインクローゼットは1階が推奨
<1階にクローゼットを配置すると動線が楽に>
1階完結型を目指す際には、「収納」をとにかく1階に充実させましょう。代表的なのが、衣類ですね。
まずは、「ウォークインクローゼット=2階の主寝室!」という思いこみを一回捨てましょう。
もちろんしばらく使わないような洋服は2階でもいいのですが、普段着として使う服は1階に置いておいた方が洗濯動線的にも確実に良くなります。
ウォークインクローゼットが作れない場合は…?
万が一1階にウォークインクローゼットを設置できないようであれば、ウォークインでなくとも「普段使いの洋服が収納できるスペース」でもOKですよ。
とにかく収納スペースが2階にあると、都度1階⇔2階の移動が発生しますから、衣類だけでなく、食材・靴・書類・筆記用具・生活小物など、使用頻度も踏まえて、1階の収納スペースを考えてみましょう。
関連記事:『「生活感のない家」を作るための収納基本ルール5選|収納の失敗パターンとは?』
1階に集中させすぎると、リビングが狭くならない?
土地の広さにも限界がありますから、同様に「1階部分の広さ」にも限界があります。
ただその一方で、昨今の間取りには「無駄なスペース」が多いというのも事実です。
この無駄なスペースを極限まで減らし、1階完結型の考え方を「基本」に間取りづくりを進めれば、完璧は無理でも、広いリビングと1階の機能充実は両立できると考えています。
例えば、以下YouTubeでご紹介している家の土地面積は「22.4坪(駐車場無し)」ですが、ここに駐車場を追加したとしても、土地面積が26~27坪くらいあれば、これくらいの1階完結型の間取りにすることは可能です。
「2階」の間取りを考える際のポイント・注意点は?
「2階は寝るだけ」と割り切ってコストカット対象に!
1階完結型の間取りを目指すなら、「2階は寝るだけのスペース」と割り切って考えましょう。
1階を目いっぱい充実させて、2階は寝室のみにする、というイメージですね。
ちなみに広さとしては、寝室(子供部屋)は1人部屋であれば「4.5畳」、主寝室も寝るだけなら「6畳」で十分。
寝室は来客などで見られる可能性もありませんし、コストカットの対象と考え、その分とことん1階のリビング、収納を充実させて、機能性の高い間取りを目指していきましょう。
子ども部屋4.5畳って狭いんじゃない?
<子ども達は20歳前後で家を出る>
(出典:引越侍)
子どもに1人部屋が必要な期間は、小学校高学年~高校・大学くらいでしょう。となると高校で家を出る場合は5年、そうでない場合もせいぜい10年程度です。
そして子どもが出ていったあと、残された部屋は「荷物置き場」になるのが関の山…。
このように、子どもに1人部屋が必要な期間は意外と短いので、子ども部屋を大きくするくらいならリビングや主寝室を大きくした方が、長年活用できる有益な空間になりますよ。
2階の収納は「納戸」的な使い方で!
先ほどは「収納は1階に…」とお話ししましたが、とは言っても1階に全ての荷物を収納するのはさすがに無理なので、2階にもそれなりに収納スペースが必要です。
そのためイメージとしては、
- 1階=使用頻度が高く、日常的に使用するものを収納
- 2階=扇風機・ひな人形などの季節ものを収納
というように、「2階収納=納戸」というような使い方が理想です。
また、もし1階のウォークインクローゼットに洋服がしまいきれないようであれば、2階クローゼットに直近で着ない冬物or夏物をしまっておき、季節ごと衣替えを行うのも良いでしょう。
このように、日常的に使う荷物を1階に、そうでないものを2階に収納することで、階段の登り降りも「寝る時、起きた時の1日1往復」に近づけることができます。
【注意点】「2階リビング/3階建て」は極力避けよう!
「階段の登り降り」が頻繁になるため老後がキツイ
<極力、2階リビング/3階建ては避けよう>
2階リビングにも日当たりが良かったり、洗面所⇒ベランダが同フロアで完結できたり…というようなメリットもありますが、階段の昇り降りの頻度が高くなってしまうため老後を考えると推奨できません。
同時に、1階リビングで、洗面所を2階に設ける間取りも、同様の理由でおすすめできませんね。(洗濯機のみなら最悪ありですが…)
また3階建てにも、土地が小さく済むので総予算を抑えられるというメリットがありますが、3階建ての場合、1階が駐車場となり、先ほど同様リビングが2階になってしまうため非推奨です。
関連記事:『家事を楽にするための5つのSTEP|家事が大変になる失敗間取りとは?』
駅近の土地だと、どうしても3階建てになってしまう場合は…
この場合、選択肢は3つです。
①価格が高くても2階建てが建てれる土地を買う
まず、月々支払いが余裕なら、価格が高くても2階建てを建てられる土地を買ってしまいましょう。
家本体とは違い、土地は経年劣化もないですし、価格も目減りしないので「貯金」みたいなものです。ローン控除をフルに使えば、よりお得に感じられるはずです。
②駅近がマストであれば「中古マンション」も視野に
月々支払いを増やせない場合は、中古マンションを検討しましょう。
駅近の3階建てとなると、土地ありきで購入する人が多いので、建物の質はかなり低くなってしまいます。
メリットは駅に近いだけで、階段昇降ばかりの暮らしづらい家に住み続けるくらいなら、階段無しで住環境まずまずの中古マンションをおすすめします。
③本当に「駅近」がマストなのか?を話し合う
最後は、「そもそも駅近がマストなのか?」を今一度夫婦で話し合うというパターン。
「駅まで自転車でいけるんじゃない?」「最悪タクシー使えばよくない?」「車通勤すれば?」「てか駅近が必要なのはあんた(夫)だけじゃない?」など、今一度話し合いの場を設けることで、意外と駅近でなくてもいけるという結論に至ることがあります。
いずれにしても、3階建ての家は階段の上り下りも多くなり、老後だけが大変なのでおすすめしません。
まとめ
「1階完結型の間取り」を目指す際に抑えておきたいポイント・注意点は、以下の通りです。
「1階完結型の間取り」をつくるポイントは?
- 「1階」の間取りを考える際のポイントは?
- 1階に「1LDKの間取り」を作ろう!
- 収納スペースは「1階」に集中させよう!
- 「2階」の間取りを考える際のポイントは?
- 「2階は寝るだけ」と割り切ってコストカット!
- 2階収納は季節ものをしまう「納戸」に!
- 【注意点】「2階リビング/3階建て」は極力避けよう!