どっちが向いてる?「戸建vsマンション」問題をメリット・デメリットを元に徹底解説!

どっちが向いてる?「戸建vsマンション」問題をメリット・デメリットを元に徹底解説! | 最重要記事

「戸建(一軒家)vsマンション」問題は、誰もが一度は通る道ですね。

選んだ後にあとで後悔しないためには、それぞれのメリットだけでなく「デメリットを正確に理解すること」が大切です。

あっちにしておけば…なんて後悔は避けましょう!

以下では「戸建(一軒家)vsマンション」問題について、それぞれメリット・デメリットから見た「向いている人」と「抑えておくべきデメリット」について詳しく解説していきます。

どんな人が「マンション」に向いている?

マンション向きな人の特徴は?

マンションが向いている人は、以下の通りです。

  • 駅からの距離重視
  • 車が不要(あっても一台)
  • 子どもが少ない
  • 色々決めるのが面倒

 マンション向きな人①:駅からの距離重視

マンションのメリットは、何といっても立地(ロケーション)の良さです。

徒歩15分以上のマンションは、売れませんから、マンションのほとんどは駅から徒歩10分以内です。

マンション向きな人②:車が不要(あっても一台)

<カーシェアリング車両台数は増加し、利便性は向上している>
カーシェアリング車両台数普及推移

(出典:交通エコロジー・モビリティ財団

当然ですがマンション暮らしの場合、駐車場費用はローンとは別なので、マンション暮らしにとって車は経済的な重荷になります。

「車は使わないよ」や「使うときはカーシェアリングだよ」という人であれば、マンションに向いているといえるでしょう。

マンション向きな人③:子どもが少ない

マンション暮らし最大のデメリットは「狭さ」なので、子どもが少ない(もしくはいない)のであれば、広すぎない方が掃除も楽なのでマンションは快適といえます。

マンション向きな人④:色々決めるのが面倒

<間取りを選べるのは、和室or洋室くらい>
マンションの間取りで選べるのは和室or洋室くらい

(出典:あなぶき興産

マンションでは、間取りや仕様もほぼ決まっているため、「色々決めるのが面倒!」という人には助かりますね。

当然「自分で選びたい!」という人にとってはデメリットですが、「家のことをいろいろ考えるのが面倒」という人も案外多いのではないでしょうか。

知っておくべき「マンション」のデメリットは?

マンションのデメリットは、以下の通りです。

  1. 狭さ、収納の少なさ
  2. 換気不足のリスク
  3. ローン支払い以外の費用が高い 
  4. 駐車場までが遠い
 …見落としがちなデメリット

マンションのデメリット:①狭さ、収納の少なさ

マンションは70~80㎡の広さが多いので、手狭になる。収納が少ない。(出典:大京

マンション暮らし、最大のデメリットは「狭さ」「収納の少なさ」です。マンション⇒戸建(一軒家)への住み替えをする方の多くが、「収納が少ない」「手狭になった」と言います。

これは、マンション業者が考えた(?)「㎡表示にすると広く感じる魔法」が原因だと思われます。

マンションの広さの感覚は、「70㎡台が平均」、「80㎡台は広め」、「100㎡超はハイグレード」という感じですが、この㎡表示を坪表示に変えてみましょう。

マンションの「㎡」表記を「坪」で計算すると…

  • 70㎡(平均)≒21坪
  • 80㎡(広め)≒24坪
  • 100㎡(ハイグレード)≒30坪

このように、思ったより狭いことに気づきます。

戸建(一軒家)を建てるほとんどの人が、「延床面積30坪くらいは最低欲しいかな~」と言いますので、住んでみるとこの差を実感するわけです。

マンションのデメリット:②換気不足のリスク

マンションに使われている換気システムは、最も性能の低い「第3種換気」(外部フィルターや熱交換システム無)なので、換気不足で室内の空気が淀んでしまうリスクが高くなります。

さらに「第3種換気」は、熱交換システムがないため冬なら冷たい空気がそのまま入ってくるので、当然室内は寒くなります。室内が寒くなれば換気を止めたくもなりますが、換気を止めると、その分室内の空気が淀んでしまいます。どっちも嫌ですが、どちらかしか選択できないつらさがあります。

換気不足に対する対策は、「寒くても絶対に換気システムを止めないこと」です。もしくは、後付けできる「第1種換気システム」もあるのでマンション暮らしを検討される場合はこちらも検討してみてください。

関連記事:『高気密住宅のデメリット!換気システム選びに失敗すると、生活の質が悪化してしまうワケは?

マンションのデメリット:③ローン支払い以外の費用が高い

<管理費+修繕積立金は1.5~2.5万円が最多>
分譲マンションの管理費と修繕積立金の平均値

(出典:SUUMO

マンションの注意点は、分譲であっても「半分賃貸」だという事。

実際にマンションに住んでみると、駐車場/駐輪場費用、管理費、修繕積立金など、ローン以外の支払いが多いことに気づきます。

上記のデータを参照すると、「管理費+修繕積立金だけで2万円前後」ですので、ここに駐車場/駐輪場費用を加えると、大体「3~4万円」くらいでしょうか。さらに修繕積立金は年々上がっていきますので、ここにも注意が必要です。

このように分譲マンション購入を検討する際には、「住宅ローン支払い額が安い!」と言う理由だけで購入するのではなく、住宅ローン以外の駐車場/駐輪場費用管理費修繕積立金などの金額もシミュレーションするようにしましょう。

マンションのデメリット:④駐車場までが遠い

駐車場が遠いのは、地味にしんどいです。立体駐車場だと、入出庫に時間がかかるので尚更です。

ここに加えて車自体の維持費もあるので、マンションに住むなら、車は持たずにカーシェアやレンタカーを使うのがベストです。

マンションのデメリット:⑤非常時の脆弱性

マンションの場合、停電などが起こると水道ポンプが止まり、断水になることがあります。

加えて、停電でエレベーターが止まったら地獄です。その他にも救急車を呼んでも、部屋に到達するまでに時間がかかってしまうなど、マンションは比較的「非常時に弱い」というのは抑えておきましょう。

マンションのデメリット:⑤騒音問題

マンション暮らしでなんといっても外せないのは「音の問題」です。

いくら防音性が高いマンションであっても、上下お隣さんへの配慮は必要です。特に、子どもがいる家庭だと、子どもに我慢を強いることになるので、大きな問題となります。

実際せやまも元々はマンション派だったのですが、子供が騒いだ時などに怒りたくない…というのもあって新築戸建を建てることにしたので、同じように子供にのびのび暮らしてもらいたいという方は戸建にした方が良いでしょうね。

どんな人が「戸建(一軒家)」に向いている?

戸建(一軒家)向きな人の特徴は?

戸建て(一軒家)向きな人は、以下の通りです。

  1. 快適な広さ・収納が欲しい
  2. 音を気にする生活が嫌
  3. 車を良く使う
  4. 間取りを自由に決めたい
  5. 「住環境」にこだわりたい

戸建(一軒家)向きな人:①快適な広さ・収納が欲しい

まず1つ目のメリットは、やっぱり広いことですね。

一軒家であれば、100㎡(坪換算:30坪)あたりの広さが多いですが、マンションの場合、どれだけ広くても「70~80㎡(坪換算:約21~25坪)」程度。

5坪って聞くとそこまで差がないように見えるかもしれませんが、畳数換算すると「10畳」ですから、2部屋分ぐらい変わってくるわけです。

このように「広さ」や「収納」を重視したいのであれば、戸建一択でしょう。

戸建(一軒家)向きな人:②音を気にする生活が嫌

マンションの場合、「マンションでもできるエクササイズ」というのが流行るくらい、音が気になるんですよね。隣だけでなく、上の階や下の階もあるので当然ですよね。

その点、やっぱり戸建(一軒家)は完全に独立しているので、子どもたちが騒いでも怒られなくていいんです。これは非常にありがたいですよね。

戸建(一軒家)向きな人:③車を良く使う

駐車場がすぐ、というのも地味に大きいメリットです。

都心のマンションでは、車の出し入れのために立体駐車場で何分も待たないといけませんが、戸建(一軒家)であればそんな心配もありません。車をピュッと停めて、ピュッと玄関から入るだけ。

大きな荷物を搬入できる掃き出し窓が駐車場が側にあれば「ピュンッ!」です。荷物だけではなく、子どもが車で寝てしまったときにも便利ですよね。

戸建(一軒家)向きな人:⑤間取りを自由に決めたい

これは新築の注文住宅に限った話ですが、間取りを自由に決められるのも戸建のメリットです。

もちろん変わった間取りや面白い間取りに挑戦する必要はありませんが、個人によっては「本が多い」や「靴が多い」、「書斎やミシン、アイロン台がほしい」などの理想がありますよね。

そういったものを含め、全て自分の思い通りにした間取りに決められるのは、やっぱり戸建(注文住宅)ならではのメリットでしょう。

戸建(一軒家)向きな人:⑥「住環境」にこだわりたい

<住環境を整えるために必要な4要素+エアコン>

戸建住宅を建てる時に意識したいポイント
(出典:Twitter

戸建であれば、先にマンションの弱点として挙げた「換気システム」も自由に選択できるので、その分住環境をより快適にすることが可能です。

ただし換気システムを含めた建材選びに失敗すると、逆にマンションより住環境が格段に落ちてしまうので注意が必要です。(詳しくは後述)

参考記事:『営業マンより「家の性能」に100倍詳しくなる方法|せやま性能基準

知っておくべき「戸建(一軒家)」のデメリットは?

戸建てのデメリットは以下の通りです。

  1. マンションより住環境が格段に落ちるリスクがある
  2. 災害への備えが必要
  3. 庭の手入れが手間
  4. 防犯面に不安がある
  5. 駅へのアクセスが悪い

戸建(一軒家)のデメリット:①マンションより住環境が格段に落ちるリスク

マンションは、上下お隣さんに囲まれているので、多少断熱・気密性能が低くとも、上下左右の部屋が断熱材の役割をしてくれるので、それなりに快適に暮らすことができます。

しかし戸建ての場合、家の外は四方全面が外なので、外気の影響をモロに受けてしまいます。

そのため戸建(一軒家)の場合、「家の基本性能(窓/断熱/気密/換気)」をしっかり担保しないと、マンションよりも住環境が劣悪になってしまうケースもあるんです。

ざっくり住環境でランキングを付けるなら、以下のようなイメージ。

1位 「良い戸建」>2位 「良いマンション」>3位 「悪いマンション」>>>>断トツ最下位 「悪い戸建」

家の性能はどうやって担保すればいい?

家の性能と言っても、窓・断熱・気密・換気などのさまざまな観点からチェックが必要。

そこで基本性能が丸っとチェックできる「せやま基準一覧表」を無料で公開していますので、戸建を建てる場合は、工務店・HMにこのチェックシートへの回答を協力してもらうなどして、性能面の担保を目指しましょう。

ダウンロードページ:『せやま基準一覧表

戸建(一軒家)のデメリット:②災害への備えが必要

戸建ての場合、マンションと違って「土地」「建物」すべて自己所有となりますので、自己責任で災害対策を行う必要があります。

もちろん、地震対策だけなく、風災や水災への備えも必要ですから、家づくりの際には、「災害に強い家づくりのコツ」をしっかり押さえておく必要がありますね。

関連記事:『災害に強い新築住宅を建てる方法|火事・水害・台風被害から家族を守るために

戸建(一軒家)のデメリット:③庭の手入れが手間

庭の手入れは、意外と大変です。土の部分には、必ず雑草が生えますからね。

対策としては、庭を広くとらないか、費用は掛かりますが、防草シート+人工芝や土間コンクリートを施工して雑草が生えないようにするのが良いですね。

戸建(一軒家)のデメリット:④防犯面に不安がある

戸建(一軒家)の場合、1階に部屋があるため「防犯面が心配」という方も多いと思います。対策としては、

  • 1階の大きな窓にシャッター設置
  • オープン外構で「死角」を作らない事
  • 外部照明でまわりを明るくする事

などが有効です。

新築戸建ての防犯対策については下記記事に詳しくまとめていますのでこちらも参考にしてみてください。

関連記事:『お金をかけずにできる効果的な防犯対策7選|警視庁データから考える

戸建(一軒家)のデメリット:④駅へのアクセスが悪い

マンションとは異なり、戸建の場合土地を購入しないといけませんから、マンションに比べたら、間違いなく駅から離れてしまいます

もちろん車通勤が可能であれば問題ありませんが、電車・バスなどの公共交通機関を使って通勤される場合は、慎重に検討が必要ですね。

関連記事:『注文住宅のための「土地の探し方」と“いい土地”を見つけた時の対応・コツを徹底解説!

戸建(一軒家)vsマンションに関するよくある質問

Q.マンションと戸建、資産性が高いのはどっち?

資産性を考えることも大切ですが、家は「身体の健康を支える土台」ですので、まずは家族がストレスなく、健康的に暮らせることを優先しましょう。身体の健康は、何より大切な資産です。

その上で金銭的な資産性を考えるなら、やはり「立地」が大事。これは、マンション・戸建共通です。

そのため、「どちらが資産性が高いか?」という質問の答えとしては、「どちらかが高いということはなく、ともに立地による」といった感じでしょうか。

ただし繰り返しますが、「快適性」と「資産性」は矛盾するので、家と資産は別物で考えた方が賢明ですね。

Q.駅近の戸建分譲地はどうですか?

確かに駅近の戸建分譲地なら、戸建のデメリットである「立地の悪さ」は全くありませんね。ですが結論、あまりおすすめしません。

ほとんどの駅近分譲地は、主に「不動産系の住宅会社」が手掛けているケースがほとんどで、こういった好立地物件の場合、ユーザー側も性能より「立地重視」で購入しますから、わざわざ家の性能を上げなくても売れてしまうんです。

そのため基本的に、家の基本性能が低くなりがちなので、住環境を重視して戸建にするのであれば、あまりおすすめしない、というわけです。

まとめ

戸建(一軒家)orマンションに関しては、メリットよりもデメリットへの理解が重要。

見落としがちなデメリットを正しく理解した上で、「戸建にするか?」「マンションにするか?」を検討していきましょう。

「戸建orマンション」を考える際に抑えておくべきことは?

★:見逃しがちなデメリット

  • マンション向きな人の特徴は?
    ・ 駅からの距離を重視する
    ・ 車が不要(あっても一台)
    ・ 子どもが少ない
    ・ 色々決めるのが面倒
  • 知っておくべき「マンション」のデメリットは?
    ・ 収納が少ない ★
    ・ 換気システムの性能が低い ★
    ・ ローン支払い以外の費用がかかる
    ・ 駐車場までが遠い
    ・ 非常時の脆弱性
    ・ 騒音問題の可能性
  • 戸建(一軒家)向きな人の特徴は?
    ・快適な広さ・収納が欲しい
    ・音を気にする生活が嫌
    ・車をよく使う
    ・ 間取りを自由に決めたい
    ・ 「住環境」にこだわりたい
  • 知っておくべき「戸建(一軒家)」のデメリットは?
    ・ マンションより住環境が格段に落ちるリスクがある ★
    ・ 災害への備えが特に必要 ★
    ・ 庭の手入れが手間
    ・ 防犯面の不安
    ・ 駅へのアクセスが悪い
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PROFILE

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せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

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