布基礎?ベタ基礎?「基礎工事」における3つのポイントとは?

布基礎?ベタ基礎?「基礎工事」における3つのポイントとは? | 最重要記事

今回は、家の足元である「基礎工事」について、布基礎vsベタ基礎という観点から解説していきましょう。

見極めのためのポイントも3つ紹介します!

本記事は、YouTubeでも分かりやすく解説しておりますので、動画で見たいという方は以下からご覧ください!

家づくりにおける「基礎工事」とは?

<布基礎とベタ基礎の違い>
布基礎とベタ基礎の地面にかかる荷重の違い

(出典:SUUMOジャーナル

基礎とは、建物の下に打設するコンクリートを指し、これらは建物の重さを地盤へ均等に伝える役割を担います。

そしてこれら基礎工事には、「布基礎」「ベタ基礎」の2種類存在します。

「布基礎」と「ベタ基礎」の違い

「布基礎」とは?

<防湿コンクリート打設を行った、一見ベタ基礎に見える布基礎>

防湿コンクリート打設を行った、一見ベタ基礎に見える布基礎

(出典:お金で失敗しない家づくり 

布基礎とは、「柱・壁の部分の下にだけ基礎をつくる工法」です。

基礎がない部分は土むき出しか、防湿コンクリートを打設。防湿コンクリートを打設する場合は、上の写真のように一見ベタ基礎にも見えますが、底面に配筋はないため構造上は「布基礎」となります。

鉄骨住宅の場合は、家の荷重が一部に集中してしまうため、この布基礎を採用することが多いです。

「ベタ基礎」とは?

<底面にも配筋有のコンクリートを打設するベタ基礎>
地盤改良工事が抑えられるベタ基礎

先ほどの布基礎とは異なり、「底面全体にも配筋有りのコンクリート打設を行う工法」です。

当然コンクリート打設や配筋などを「底面全体」に行うため、布基礎に比べるとコストも上がりますが、昨今では価格の安い建売住宅等でも、この「ベタ基礎」が一般的になってきています。

布基礎vsベタ基礎、どっちがいい?

基礎の話になるとよくとりだたされる、「『布基礎』と『ベタ基礎』どちらがいいのか?」という問題ですが、この答えは「家の構造による」です。

鉄骨住宅の場合は、家の荷重が一部に集中してしまうため、「布基礎」の方が適しています。一方木造住宅の場合は、家の荷重が全体に分散するので、不同沈下を防ぐためにも「ベタ基礎」が適しています。

なので、鉄骨なのか、木造なのかに応じて最適な基礎形状を選んでいくのが正解ということですね。

【結論】基礎工事(木造)におけるちょうどいい塩梅は?

先に結論を言うと、木造住宅における基礎は、以下水準が「ちょうどいい塩梅」だと思います。

  • 基礎形状  ⇒ ベタ基礎(木造の場合)
  • 強度    ⇒ 耐震等級2
  • 基礎の高さ ⇒ 45cm以上

ちょうどいい塩梅の「●●」とは・・・やりすぎずやらなさすぎず。建材のレベルは、ある一定まで上がるとそれ以降は費用対効果が悪くなるので、その手前(最も費用対効果が高いところ)で止めましょう、という“ちょうどいい塩梅主義”に基づいてセレクトされた推奨レベル。

では、上記の「ちょうどいい塩梅」について、それぞれ解説していきます。

基礎工事で「ベタ基礎」を推奨する理由(木造の場合)

ちょうどいい塩梅の基礎工事は、「ベタ基礎」ですが、私が木造住宅で「ベタ基礎」を推奨する理由としては、以下の3つ。

  1. 「ベタ基礎」は、「布基礎」よりも不同沈下しづらい
  2. 「地盤改良費用」を抑えることができる
  3. ベタ基礎はシロアリ対策にもなる

①「ベタ基礎」は、「布基礎」よりも不同沈下しづらい

「布基礎」の場合、柱・壁の部分の下にだけ基礎をつくる…という性質上、地盤との接地面が「点」になります。すると建物の荷重が一点に集中してしまうため、不同沈下しやすくなってしまいます。

一方「ベタ基礎」の場合、底面全体にコンクリートを打設するため、地盤との接地面が「面」となり、荷重が分散され、不同沈下しにくくなります。

不同沈下(ふどうちんか)とは?

地盤のゆがみなどにより、「建物が傾く(地中に沈む)こと」を指します。

似た言葉に「地盤沈下」がありますが、 地盤沈下の場合は「地盤が均等に沈下する状態」のため、建物も均等に沈下し、建物に傾斜は発生しない状態となります。

なんでベタ基礎の方が荷重が分散される?

布基礎とベタ基礎の違いは、スキーのストックと板と似ている

スキーの「ストック」と「スキー板」を思い浮かべてください。

ストックは「点」なので、グサッと雪に刺さりますが、スキー板は「面」なので、すーっと滑っていきます。これを家に置き換え、「ストック⇒布基礎、スキー板⇒ベタ基礎」、と考えれば、原理は同じです。

②「地盤改良費用」を抑えることができる

またベタ基礎にすることで、地盤改良工事費用を抑えることもできます。

地盤調査の結果、「布基礎なら地盤改良工事が必要だが、ベタ基礎なら地盤改良工事不要」となることが良くあります。これは不同沈下しにくいベタ基礎ならではメリットですね。

地盤改良費については、以下記事で詳しく解説しているので併せて参考にしてみてください。

関連記事:『地盤改良の工事費用を抑える!コスパの高い調査会社の選び方とは?

③「ベタ基礎」はシロアリ対策にもなる

さらにベタ基礎は、底面全体にコンクリートを打設するため、布基礎よりもシロアリの侵入しづらく、シロアリ対策にもなります。

ただし、「ベタ基礎にすればシロアリ被害は出ない」というわけではないので、「ベタ基礎であってもシロアリ対策は必要」ということは頭に入れておきましょう。

シロアリ対策については、以下記事で詳しく解説しているので併せて参考にしてみてください。

関連記事:『シロアリ対策・予防に!新築戸建てに最適な「防蟻処理」とは?

基礎工事で「耐震等級2」を推奨する理由

これは、耐震等級2以上であれば「基礎の強度計算が義務になる」ためです。

耐震等級1だと、外部チェックが行われず、設計士任せになってしまうため強度面にやや不安が残ります。私が推奨するちょうどいい塩梅は「耐震等級2」ですが、予算に応じて「耐震等級3にするかどうか?」を検討してみてもいいと思います。

地震対策や耐震等級などについては、以下記事で詳しく解説していますので、こちらも参考にしてみてください。

関連記事:『耐震等級だけは不十分!新築住宅で不可欠な「地震対策」とは?

基礎工事で「基礎高45cm以上」を推奨する理由

基礎高が「45cm以下」の場合、床下浸水に対して水災保険が適用されないためです。

基礎高が45cm以下で床下浸水を防ぐ場合には、基礎の全開口をふさぐ必要があるので、興味がある方は以下の記事を参考にしてみてください。

関連記事:『災害(火事/水害/台風)に強い新築住宅を建てる方法とは?

基礎工事(布基礎・ベタ基礎)に関するよくある質問

Q.なぜ大手ハウスメーカーの多くは「布基礎」?

冒頭でも触れた通り、鉄骨住宅は家の荷重があるため、布基礎が適しています。加えて昨今では、シロアリ対策として、底面は地面むき出しではなく、布基礎+土間コンクリートという施工をする会社が増えていますね。

一方、木造住宅で布基礎を採用している会社の狙いは不明です。

無料で地盤調査を行い、「不同沈下リスクがあるので、ベタ基礎にした方が良いですよと、ベタ基礎へのオプション変更を提案してくる会社もありますが、最初からベタ基礎にしておけよ!と言いたいですね。

Q.基礎工事でほかにチェックすべきポイントは?

基礎工事の配筋は、シングル配筋+200mmピッチを安全ラインの目安とする

いくつかありますが、以下の「ちょうどいい塩梅の地震対策」を意識してもらえれば、おおむねクリアできます。

ちょうどいい塩梅の地震対策は?

  • 配筋
    配筋の種類は、シングル配筋/ダブル配筋、配筋ピッチは300mm/200mm/150mm…とタイプがあります。最低限クリアすべき目安は、「シングル配筋/200mmピッチ」ですが、耐震等級2を取得するために必要な配筋量にしてもらえればOKです。
  • 底板の厚み
    国の基準は12cm以上ですが、15cmが目安
  • 立ち上がりの厚み
    国の基準は12cm以上ですが、15cmが目安

ちょうどいい塩梅の地震対策については、以下記事で紹介していますので、こちらも参考にしてみてください

関連記事:『耐震等級だけは不十分!新築住宅で不可欠な「地震対策」とは?

まとめ

ちょうどいい塩梅の基礎工事は、以下の通り。

ちょうどいい塩梅の基礎工事

  • 基礎形状  ⇒ ベタ基礎(木造の場合)
  • 強度    ⇒ 耐震等級2
  • 基礎の高さ ⇒ 45cm以上

ちょうどいい塩梅の「●●」とは・・・やりすぎずやらなさすぎず。建材のレベルは、ある一定まで上がるとそれ以降は費用対効果が悪くなるので、その手前(最も費用対効果が高いところ)で止めましょう、という“ちょうどいい塩梅主義”に基づいてセレクトされた推奨レベル。

また基礎工事は、床下浸水などの水災や地震、シロアリ対策などにも関連してくるので、平行してこれらについても学んでおいた方がよいです。

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PROFILE

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せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

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