2026.06.23
目次
後悔しない室内ドアの選び方
引き戸と開き戸の適材適所
住宅会社の多くは、動線が良いという理由で「引き戸」を推奨しがちですが、引き戸のデメリットを理解せずに選ぶと後悔することがあります。
引き戸は開けた時に壁に収まるためスペースを有効活用できますが、一方で下のレールの掃除が非常に手間であることや、音漏れがしやすいという弱点があります。
実験データによると、引き戸は開き戸に比べて5デシベルほど音が漏れやすいという結果が出ています。
四方に隙間があるため、扉がないのではないかと感じるほど音が漏れることもあります。
また、扉を引くスペースが必要なため、耐力壁(地震に強い壁)が減ってしまうというデメリットも無視できません。
一方で開き戸は、開閉時にスペースを占有するため敬遠されがちですが、音漏れがしにくいという最大のメリットがあります。

1階のLDKや水回りなどの動線を重視する場所には「引き戸」を、2階の寝室や子供部屋、そして音をシャットアウトしたいトイレには「開き戸」を選ぶのが、ちょうどいい塩梅の選択です。
引き戸のデメリットを解消する「アウトセット」と「上吊り戸」
掃除の手間をなくす選択肢
引き戸を採用したいけれど下のレールの掃除が嫌だという方には、2つの解決策があります。

1. アウトセット引き戸
壁の外側にレールを取り付けるタイプ。下にレールがないため、床の掃除が劇的に楽になります。
ただし、壁の上にレールがあるため、そこには埃が溜まります。
また、壁の外側に扉が来るため、隠れた部分に耐力壁を配置できるという構造上のメリットもあります。
2. 上吊り戸(うわつりど)
枠の中にレールを組み込み、上でドアを吊るタイプです。アウトセットのように壁から出っ張ることがなく、見た目が非常にスッキリします。
通常の引き戸よりは少しコストが上がる傾向にありますが、おすすめしている選択肢です。
なお、上吊りやアウトセットは「グラグラするのではないか」という懸念の声もありますが、普通に使っている分には壊れたり不便に感じたりすることはありません。
音漏れに関しては、通常の引き戸と同様に漏れやすいため、静かに過ごしたい部屋には不向きです。
ソフトクローズ機能は必須
引き戸を採用する場合は、必ず「ソフトクローズ機能」を付けてください。
扉を閉める際にゆっくりと引き込んでくれる機能で、指を挟むリスクを減らし、閉まる時の衝撃音も防げます。
少なくとも閉まる側には必ず設置するようにしましょう。
コストを抑えておしゃれに見せるデザインと素材
素材は「シート」で十分
室内ドアの素材には「無垢材」と「シート材」がありますが、最近のシート材はデザインのレベルが非常に高く、パッと見では無垢と見間違えるほどです。
グレージュ系などのおしゃれな柄も豊富ですので、コストを抑えたい場合はシート材を選んで全く問題ありませんよ。
色の考え方
色の選び方は大きく分けて以下2パターンあります。
■壁紙に合わせて白などの同系色を選び、ドアの存在感を消す方法
■壁の色と変えて、ドアをアクセントとして際立たせる方法
ハンドルに関しては、マットな黒などは指紋が目立ちにくくおしゃれですが、最終的には好みで選んで良いでしょう。
失敗しないドアの活用術~場所別~
玄関ホールからリビングへの入り口
ここは家の顔ですので、標準的な2,000mmの高さではなく、2,200mm程度の「ハイドア」にすることをおすすめします。
天井ギリギリの2,400mmにするとコストが上がりますが、2,200mmであれば比較的安価に開放感を演出できますよ。さらにガラス入りのデザイン性の高いドアを選ぶのも、おしゃれでおすすめ!
また、「高断熱住宅ならリビングドアは不要ではないか」という意見もありますが、玄関を開けた時の視線や冷気の流入を考えると、ドアはあった方がストレスは少ないでしょう。
シューズクローク・和室・パントリー
シューズクロークやリビング横のミニ和室などは、ほとんど開けっぱなしにするため、建具ではなく「ロールスクリーン」で十分です。
和室をどうしても仕切りたい場合は、開放感を損なわないよう、最低でも扉2枚分が全開になる引き戸を選んでください。
パントリーや小物収納には、折れ戸よりも使い勝手の良い「両開き(観音開き)」の戸が適しています。
トイレのドアと換気の関係
トイレは音漏れ対策を優先するのであれば「開き戸」、動線を優先するのであれば「引き戸」です。
ただし、開き戸の場合、換気システム「澄家(すみか)」を採用する場合は注意が必要です。
通常のトイレ用ドアは下から給気しますが、澄家は床から排気するためショートサーキットが起きてしまいます。
そのため、上部にスリットを設けた「アッパーカットトイレドア」の使用を推奨します。
また、中で人が倒れた時の救助を考え、開き戸は必ず廊下側(外側)に開くように設計してください。
収納・クローゼット
収納の幅に合わせて「折れ戸」や「引き違い戸」を選びますが、折れ戸は中身が全て見渡せる反面、手前に扉が出てくるためスペースを占領します。
引き違い戸は半分ずつしか開きませんが、手前がスッキリします。 ※下記サイズ表を参照

コストカットを考えるなら、子供部屋のクローゼットに扉は不要でしょう。
扉をなくすだけで数万円の節約になります。
まとめ
室内ドア選びのポイントは、引き戸のデメリットを正しく理解し、適材適所で使い分けることです。
上吊り戸を活用して掃除を楽にしたり、音漏れが気になる部屋にはあえて開き戸を選んだりといった工夫をしてくださいね。
不要な場所の扉をなくすことでコストを抑え、将来にお金を残せる家作りを心がけましょう!
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