お金をかけずに夏涼しい家にする方法|効率的な暑さ対策とは?

お金をかけずに夏涼しい家にする方法|効率的な暑さ対策とは? | エアコン計画・湿度管理を学びたい

「夏でも涼しい家」にするなら、家の断熱性能・気密性能・窓の性能を上げることが大切です。ですが、家の断熱性能を上げ始めると、それだけコストが多くかかってしまいます。どれだけ立派な高気密高断熱住宅を建てても、ポイントを抑えないと夏暑い家になってしまいます。なるべくお金をかけないように家作りの観点、家電の効率的な使い方の2点から、涼しい家にする方法を紹介します!

お金ではなく「知識」で家を涼しくしましょう!

本記事の内容は、YouTube動画でも分かりやすく解説していますので、こちらもご覧ください!

参考動画:お金をかけずに夏涼しい家にする方法|効率的な暑さ対策とは?

お金をかけずに夏でも涼しい家にするポイント4選!


暑い夏でも涼しい家を作るためには、家の断熱性能・気密性能・窓の性能を上げることが大切です。ですが、キリがないですしコストもかかってしまいますよね。

そこで、あまりお金をかけずに夏でも涼しい家にしたいなら、ポイントはこの4点です。

  1. 窓の配置
  2. 外壁と屋根の色
  3. クーラーの活用方法
  4. 扇風機・サーキュレーターの使い方

こちら、それぞれ詳しく見ていきましょう!

 

ポイント①窓の配置

窓は、家の中で一番熱が出入りする場所です。そのため、窓をつければつけるほど、外の熱が家の中に入ってきてしまいます。しかもそれだけではなく、朝日や夕日(西日)といった直射日光も家の中に入ってきてしまうと、窓にストーブをつけているような状態です。

そういう状態では、いくら断熱性能をあげたりクーラーをがんがんかけたりしても、家は暑くなってしまいます。ということなので、まずは東西になるべく窓をつけないことが大切。どうしてもつけるなら、小さめの窓にしましょう。

こうすることで「お金をかけない」どころか「コストを下げる」ことが可能になります!それで夏が涼しくなるので、一石二鳥ですね。

ただ、どうしても東向き・西向きの道路があって、東西に大きな窓をつけなければならない時もあるでしょう。そういう時は、外付けの「アウトシェード」をつけましょう。よしずやすだれでも構いませんが、取ったり外したりが便利なのでアウトシェードがおすすめです。これをつけておけば、外からの熱の8割はカットしてもらえるので、明るさを担保しながら日射を防ぐことが可能です。

 

ポイント②外壁と屋根の色

小学校の理科でやった人も多いかもしれませんが、黒い折り紙に虫メガネで日光を集めると火がつきますよね。というくらい、黒は熱を集めやすい色です。そのため、外壁や屋根に黒系の色はあまり使わない方がいいです。

これはお金をかけるというよりも、色を選択するだけですよね。基本的に外壁は白系や薄い色を選ぶと良いでしょう。屋根はガルバリウム鋼板を選ぶなら、シルバー系がおすすめです。白だと見た目も微妙なので、ステン系を選んでもらったら、暑くなりにくく見た目にも良いでしょう。

 

ポイント③クーラーの正しい活用

ポイントの3つ目はクーラーを上手く使うことです。家を建てた後の人でも通用する話ですので、ぜひ参考にしてほしい話です。

日本人だと「いつまで暑さを我慢できるか…自分との闘い!」なんて考える人も多いですが、これはやめた方が良いです。特に今は35度を超える日も多いので、クーラーがないと熱中症のリスクが上がってしまいます。なので、エアコンはケチらないようにしましょう。

もちろん「光熱費が心配」という人もいると思いますが、実は冷房は暖房に比べて光熱費は安いんです。というのも、外の気温がどんなに暑くても37~38度くらい。そこから室温を27度に下げるとしたら、冷房は10度下げるだけですよね。一方、暖房は外の気温が0度なのに室温を20度くらいまで上げるんです。これを考えると、暖房の方が光熱費がかかるのも納得ですよね。

つまり、冷房は思ったよりも光熱費がかからないので、ケチらずに使っていきましょう。かかっても数千円なので、それならコンビニでついつい買ってしまうものをちょっと我慢する方がマシです。


ちなみにエアコンに関してよくある疑問が「付けたり消したりするのと、付けっぱなしのどちらが良いのか」というものです。これに関しては、推奨は付けっぱなしです。電気代に関しては付けっぱなしの方が多少上がってしまいますが、それでも付けっぱなしがおすすめなんです。

というのも、ちょっとマニアックな話になりますが、人間の体感温度には、4つの要素が関係しています。その1つ目が温度。そして2つ目が湿度で、3つ目が周壁温度。つまり、壁や天井といった人間の周りの温度が高ければ暑く感じますし、低ければ涼しく感じるんです。

実は1回壁や天井が暖まってしまうと、なかなか表面温度が下がりません。つまり外出時に一度エアコンを消して帰ってきてからエアコンをつけると、空気自体はすぐに冷えます。それでも「なんか暑いな」と感じるのは、周壁温度が原因なんです。そうなると輻射熱(ふくしゃねつ)というものが壁や天井から人間の身体に移ってきて暑くなってしまうので、そういう意味でも付けっぱなしにしておくことが大切です。

 

ポイント④扇風機・サーキュレーター

涼しい家にする4つ目のポイントは、扇風機やサーキュレーターを上手に使うことです。先ほど、体感温度は4つの要素が関係していると説明しました。温度・湿度・周壁温度と、さらに4つ目が気流感です。つまり、空気が動いているかが大切なんですね。

空気が冷えているかどうかだけではなく、空気が動いていると体感温度が下がります。「風が吹いたら涼しく感じる」というやつですね。このためには、サーキュレーターを上手に使いましょう。サーキュレーターは扇風機とは違い、人間の身体に風を当てるためのものではなく、空気の流れを作るためのものです。

特にクーラーだと、どうしても吹き出す方向や強さに限界があるので、クーラーの冷気が届かない場所がどうしても出てきてしまいます。たとえばキッチン・和室・洗面所などは冷気が届きづらいですよね。そういうところにサーキュレーターを使って冷気を流してあげると、涼しい家を作るためには有効です。

もちろん扇風機でも良いですが、扇風機とサーキュレーターでは送る空気の量が違います。なので、できればサーキュレーターを使うのがおすすめです。

さらに扇風機は、人間の身体に空気を当てるために作られています。なので、首振りをしながら弱い風で運転することで、涼しく感じることができるでしょう。ちなみに、サーキュレーターは基本的に首振りせずに固定せずに使った方が、気流感を作ることができますよ。

 

まとめ

お金をかけずに涼しい家を作るポイント

  • 東西の窓を減らす
  • 東西に窓を作るならアウトシェードをつける
  • 外壁と屋根の色は黒系を避け、白・シルバー系にする
  • クーラーをケチらない
  • クーラーをつけっぱなしで周壁温度を下げる
  • 扇風機・サーキュレーターで気流感を作り体感温度を下げる

PROFILE

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せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

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