【注文住宅vs建売住宅】注文住宅はデメリットだらけ?物価高時代の“最強の選択”はコレ!【新築一戸建て】

建売住宅と注文住宅、どっちがいい?実は“第三の選択肢”もある

建売住宅と注文住宅。

この話になると、「注文住宅の方が理想的」「でも土地や価格の問題で建売にせざるを得ない」という流れになりがちです。

でも、本当にそうでしょうか。

たしかに建売住宅は、性能や間取りの面で不安があります。だからといって、注文住宅なら絶対安心かというと、そうでもありませんよ。

注文住宅にも、意外と見落とされがちなデメリットがあります。

大事なのは、建売か注文住宅かの二択で考えすぎないこと。

今回は、建売住宅と注文住宅のメリット・デメリットを整理しながら、その間にある“第三の選択肢”について解説します。

建売住宅のメリット

1. 土地がいい

建売住宅の大きなメリットは、土地。

建売は、基本的に不動産会社が主導していることが多いです。不動産会社は土地の仕入れが上手ですし、造成や区画整理にも慣れています。

駅近や人気エリアの土地を見ると、「建築条件付き」や「〇〇タウン8区画」のような形で出ていることがよくあります。あれは、不動産会社が土地を先に押さえているケースが多いですよ。

2. 価格が安い

建売住宅は、利益率の設定が低めなので、注文住宅に比べて価格を抑えやすい。

同じエリアに複数棟をまとめて建てるため、工事の効率がいいのと、仕様もある程度決まっているので、打ち合わせや設計の手間も少なくなります。その分、コストを抑えやすい。

もちろん、その安さの裏側で性能や仕様が削られていることもあります。ただ、価格面だけで見ると建売住宅は強いですね。

3. すぐ住める

完成済みの建売住宅なら、購入後すぐに住めます。

注文住宅のように、土地探しから始めて、間取りを決めて、仕様を選んで、着工して……という長い工程がありません。

最近は「売り建て」や「自由設計」と呼ばれる、建築条件付きの土地だけ売って、自由設計で間取りを描いて建てるタイプの建売もありますよ。

この場合でも、すでに区画割りや高低差処理、水道の引き込み、境界処理などが終わっていることが多いです。つまり、建て始めるまでが早い。

時間をかけずに家づくりを進めたい人にとっては、かなり大きなメリット。

建売住宅のデメリット

一方で、建売住宅には大きな弱点も…。

1. 性能が粗悪

一番は、性能の低さです。

もちろん、なかには高性能な建売住宅もあります。ただ、全体で見るとかなり少数派。

多くの建売住宅では、窓がアルミ樹脂複合サッシだったり、断熱性能が不十分だったり、気密測定をしていなかったりします。換気も、ダクトレスの3種換気が多い傾向。

外壁の塗膜保証が10年程度だったり、シーリングが通常品だったり、屋根もルーフィング940使っていたり、スレート瓦(化粧スレート)を使っていたり…

使ってはいけない材料をふんだんに使っていることも多いですよ。

2. 間取りが微妙

さらに、間取りにも要注意。

工事のしやすい画一的な間取りになっていたり、暮らしやすさが後回しになっているケースもあります。

2階リビングになっている。1階に必要な収納がないなど…。

土地が良くて価格も安い。でも、性能や間取りがいまいち。これが建売住宅をおすすめできない理由です。

注文住宅のデメリット

では、注文住宅なら安心か。残念ながら、そうとも言い切れません。

注文住宅の方が、性能を担保できる可能性はあります。ただし、注文住宅だから高性能というわけではありません。

樹脂サッシを使っていない会社もあります。気密測定をしていない会社も多いです。シロアリ対策や基礎まわりの仕上げも、十分とは言えないケースも。

つまり、注文住宅は「性能を上げられるチャンスがある」だけ。会社選びを間違えると、注文住宅でも性能は担保できません。

1. 利益率が高い

注文住宅は、建売住宅に比べて価格が高くなりやすいです。

契約してから完成までの期間が長く、その間に打ち合わせや設計、変更対応、トラブル対応などが発生します。住宅会社側としても、その分のリスクを見込んだ利益率にする必要があります。結果として、建売よりも利益率が高くなりやすい。その分、施主が払う金額も上がります。

対策は、家を大きくしすぎないこと。

一番コストカットに効果があるのは、設備を少し削ることではありません。家のサイズです。40坪、45坪の大きな家にすると、当然金額は一気に上がります。長い廊下や無駄なスペースを減らし、コンパクトでも暮らしやすい間取りを目指しましょう。

また、ハウスメーカーは金額が高いので、ハウスメーカー以外を検討するのも選択肢の一つ

工務店が不安な気持ちも分かりますが、中には財務状況も安定していて、かつコスパの高い良い家づくりをしてくれる工務店もありますので、そこを見極められる勉強をしていくことが何よりの対策になると思いますよ。

2. 土地探しが大変

注文住宅では、土地探しが大きな壁になります。

住宅会社が良い土地を持っているケースは、そこまで多くありません。

建築条件なしの土地を探す。または、建築条件付きの土地の条件を外してもらう。このどちらかになることが多いです。でも、建築条件を外すには追加費用がかかることも。

さらに、土地を安く買えたと思っても、造成費や水道の引き込み費用、土の処分費、境界ブロックの工事などが後からかかることもあります。土地探しは、価格だけでは判断できませんよ。

対策は、自分で土地を探すこと。

住宅会社任せ、不動産会社任せでは、なかなか良い土地には出会えません。自分で探すことで、相場観も養われます。土地を見る目を育てることが大事です。

3. 住むまでに時間がかかる

注文住宅は、完成までに時間がかかります。

土地探し、契約、間取り、仕様決め、着工待ち、工事。人気の工務店だと、契約してから1年以上待つことも。

その間に、物価や金利が上がる可能性もあります。今のように価格上昇や金利上昇が気になる時期には、この時間差もリスクに。

対策は、必要以上に先送りしないこと。もちろん、今後、価格や金利が下がる可能性もゼロではありません。ただ、下がることを期待して待っている間に、さらに価格や金利が上がる可能性もあります。

何より、家は投資ではなく、「実需」、自分たちの暮らしのためのもの。良い家で過ごせる時間は、長い方がいいです。特に子どもがいる家庭なら、子どもが小さいうちに快適な家で暮らせる価値は大きいです。

4. 選べることが負担になる

注文住宅は、自由に選べるのがメリットですが、それが負担になる人も。

キッチンメーカーを何社も見に行く。お風呂、洗面、床材、壁紙、照明、外壁、屋根、換気、断熱材まで選ぶ。家づくりが趣味の人なら楽しいかもしれません。

でも、家を「暮らしのツール」と考える人にとっては、かなり大変です。選ぶには、時間も労力もコストもかかります。

対策は、標準仕様がある程度決まっている会社を選ぶこと。

キッチンはこの2社から。床材はこの範囲から。壁紙や照明は、インテリアコーディネーターが提案してくれる。このくらいの方が、多くの人には向いています。

何でも自由に選べる家づくりは、聞こえはいいですが、負担も大きいです。全部オーダーメイドにする必要はありませんよ。

5. 変な間取りになる可能性あり

注文住宅は、間取りを自由に作れますが、自由だからこその失敗もあります。

プランナーの腕が悪いと、使いにくい間取りになる。最悪、施主が自分で間取りを書いた方がマシというケースもあります。本来はプロが提案すべきところですが、現実にはそうでないことも。

対策は、良い間取りを真似ることです。世の中には良い間取りがたくさんあります。多くの人が暮らしやすいと感じる間取りには、理由があります。

オリジナリティを目指し過ぎず、良い間取りを参考にして、自分たちのこだわりを1つ、2つ加えるくらいがちょうどいいですよ。

間取りではなく、家電や食器、絵画などでオリジナリティを出していった方がいいと思います。

第三の選択肢:建売と注文住宅の“いいとこ取り”

建売住宅か、注文住宅か。

この二択で考えると、どちらにも不満が残ります。

そこで考えたいのが、第三の選択肢です。

1. 性能を少し上げた“やや高性能建売”

立地が良くて、どうしても建売や売建を選びたい場合。

そのままの仕様で建てるのではなく、少しでも性能を上げられないか相談してみましょう。

完成済みの建売では難しいですが、これから建てる売り建てや自由設計なら、交渉できる可能性があります。

最低限、相談したいのはこのあたりです。

・窓を樹脂サッシにする。

・断熱性能を上げる(UA値0.6以下)。

・屋根断熱を壁の2倍にする。

・気密測定をしてC値1.0以下を目指す。

・シロアリ対策でターミダンシートを敷く。

・許容応力度計算を行い、耐震等級2以上を取る。

全部は無理でも、少し変えるだけで住み心地はかなり変わります。

やってくれる会社ばかりではありませんが、言ってみないと始まりません。ダメ元でも相談してみる価値はありますよ。

2. 最高級を目指さない“80点注文住宅”

もう1つは、建売の良さを取り入れた注文住宅です。つまり、シンプルでコスパ重視の注文住宅。

・最高級の性能を求めない。

・家を大きくしすぎない。

・せやま基準をクリアしている。

・良い間取りをベースにする。

・性能は担保するが、やりすぎない。

まさに、ちょうどいい塩梅の注文住宅を是非目指してください。

よくある質問

注文住宅会社の規格住宅は?

規格住宅は、いくつかのパターンから選ぶことで価格を抑える仕組みです。

意外と制約が多く、間取りを少し変える、仕様を変える、オプションを足す。そうしているうちに、結局注文住宅とあまり変わらない金額になることもありますので注意してくださいね。

注文住宅会社が持っている建築条件付き土地は?

これは、条件が合えばかなりラッキーです。

本当に良い住宅会社が持っている建築条件付き土地なら、その会社で建てられるため話が早いです。土地と建物をセットで進めやすい点もメリット。

ただし、大手ハウスメーカーの大型分譲地などは注意が必要です。駅から遠い、資産価値が落ちやすい、分譲地内の人間関係が負担になる場合もあるので、私はおすすめしません。

建売会社の自由設計とは?

建売会社の広告で「自由設計」と書かれていることがありますが、自由設計ではないことが多いです。ある程度のパターンや制約がある。

超超セミオーダー設計くらいのイメージで見ておくといいです。

ただ、自由設計と書かれている場合は、まだ建っていない可能性があります。つまり、窓・断熱・気密・シロアリ対策・耐震性能を上げられるチャンスがあるということ。そのまま受け入れるのではなく、最低限の性能アップを相談してみましょう。

まとめ

建売住宅には、土地がいい、価格が安い、すぐ住めるというメリットがありますが、性能や間取りには不安が残ります。

注文住宅には、性能や間取りを整えられるチャンスがありますが、価格が高く、土地探しも大変で、選ぶ負担も大きいです。

だからこそ、建売か注文住宅かの二択で考えず、第三の選択肢、建売だけど、少し性能を上げる。注文住宅だけど、やりすぎずシンプルにする。この真ん中の選択肢が、実はかなり現実的です。

高すぎず、粗悪でもない。

自由すぎず、不自由すぎない。

やりすぎず、やらなさすぎず。

80点のちょうどいい塩梅の家づくりを目指していきましょう!

PROFILE

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せやま大学の人

瀬山 彰

筑波大学理工学群数学専攻卒(数理統計学士号取得)。硬式野球部に所属し、首都大学野球リーグの線形回帰分析に取り組む。

卒業後は、日本最大手の経営人事コンサルティング会社に入社。全国の住宅会社(大手ハウスメーカー・地場工務店)を担当。その中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。 中堅ハウスメーカー支店長経験を経て、2019年に起業。2021年にビーイナフ株式会社を設立。

主要事業である「せやま印工務店プロジェクト」は、2025年グッドデザイン賞受賞に加え、全国登録工務店65拠点、参加施主数は累計1723組以上、施主満足度95%以上と高い成長率と満足度を実現。また、施主や工務店のみならず、関わった全ての関係者が得をする(損をしない)、「全方良しのビジネスモデル」を他業界へ広める活動にも力を入れている。

広島県出身。娘4人の父親。2025年からは『カープ熱こじらせ兄さん せやまくん』としてのタレント活動も開始している。