太陽光発電システム(住宅用)の自然災害リスクと対策|雹(ひょう)による損傷に強い太陽光パネルはある?

太陽光発電システム(住宅用)の自然災害リスクと対策|雹(ひょう)による損傷に強い太陽光パネルはある? | 太陽光発電について学びたい

最近、メガソーラーによる火災が起きています。また、雹が降ることによる太陽光発電システムへの被害も懸念されています。既に太陽光発電システムを付けた人も、これから太陽光発電システムを付ける人も、できる対策を知っておきたいでしょう。

そこで、今回は

  • 太陽光発電システムについて
  • メガソーラー火災の原因と対策
  • 雹の危険性と対策

など詳しく解説していきます。今日紹介する対策を理解せずに太陽光発電システムを付けると、「太陽光を付けたことで家の火事のリスクが増えて不安」「雹の被害を受けて修理費用が大変」ということになりかねません。自分たちでできる対策を、しっかり覚えておきましょう。

太陽光発電システムはおすすめ?

せやまさんは、太陽光発電システムを推奨しています。色々な意見があるので必須とは言いませんがおすすめです。売電単価は下がっていますが、これから電気代は上がりますし使用量も増えるでしょう。もちろん、災害用の電源としても役立ちます。自分の家で使う電気くらいは自分で作る、というのがせやまさんの考えです。

ただし、蓄電池は費用対効果が悪いので、せやまさんとしてはポータブル電源で良いと思います。災害時にも最低限の生活ができるようにポータブル電源を使いながら、将来的には蓄電池を入れられるように仕込みだけしておくのがおすすめです。電気自動車用のEVプラグも付けておくのがおすすめですよ。

再エネ賦課金もかかりますし、太陽光発電システムはできるだけ付けておきましょう。せやまさんとしては、マキシオンというソーラーパネルがおすすめです。40~50年は交換しなくても使えるパネルだと言われているので、太陽光発電システムを付ける人は参考にしてください。

太陽光発電システムに関しては、ぜひこちらの動画もご確認ください。

関連動画:【完全攻略】最高の太陽光発電選び!ソーラーパネル・パワコン・屋根の選び方|雨漏りリスクは?リースはダメなの?

メガソーラー火災の原因と対策

メガソーラー火災は結構ニュースになっていますよね。「自分たちの屋根の上の太陽光も火災を起こすのでは?」と心配する人もいるでしょう。

メガソーラー火災の主な原因

  • 配線の施工不良や動物被害
  • パワーコンディショナーの故障
  • 発電低下パネルのホットスポット
  • 草による延焼

太陽光発電が広まった直後は、何も劣化していませんでした。ただし、年月が過ぎたことで配線やパワーコンディショナーが傷んで故障したり、太陽光パネルも経年劣化してきました。太陽光発電に使っているパネルは10年を超えてくると発電量が下がってきて、ホットスポットができやすい傾向にあります。このような事情で、今後もメガソーラー火災のニュースは増えていく恐れがあるでしょう。メガソーラーの所有者はしっかり点検をして、こまめに草刈りをすることが大切です。

住宅用の太陽光パネルに関しては、周りに草が生えていないのでメガソーラーほど火事が起きるリスクは高くないでしょう。ただ、火事自体は実際に起きていますし、起きるリスクもあります。

数年前に消費者庁が出していますが、住宅の太陽光パネルによって火事が起きる原因は「不燃材が施工されていなかったから」です。太陽光パネルは、どうしても発火リスクがゼロにはなりません。ただ、発火した時に家に燃え移らないように、太陽光パネルと家の間に不燃材を施工するように消費者庁からお達しが出ています。

つまり、施主としては太陽光発電の良し悪しよりも必ず家と太陽光パネルとの間に不燃材を施工することを押さえるべきです。これから家を建てる人は、必ず不燃材を施工しましょう。

特に注意が必要なのは、屋根と一体型の太陽光です。不燃材処理がされているものが発売されていれば問題ありませんが、まだほとんどの屋根一体型太陽光は不燃材施工されていません。「延焼試験をクリアしています」と言われても、不燃材が間に入っていないのは怖いですよ。消費者庁からもやめるように言われていますが、命令とまでは言っていないので販売自体は違法ではないんです。

というわけで、太陽光を付けるのは良いことですが、屋根一体型はやめた方が良いです。

火事の原因だけではなく雨漏りの原因になることもあります。太陽光パネルの発電が下がってきた時にはホットスポットで燃えるリスクが高まるので交換する必要もあります。その場合、屋根ごと交換しなければならないので、めちゃくちゃ大変ですよね。「屋根は屋根」として、屋根の上に太陽光を載せる形にするのがおすすめです。

雹の危険性と対策

雹(ひょう)は直径5mm以上の氷の塊です。大きいものも多く、ゴルフボール大のものが時速100kmで降ることもあります。こういった雹が降ると、太陽光も屋根も危険です。こうした雹の損傷に対応できる太陽光パネルは、今はないと思います。JIS規格では、直径25mmで秒速23m程度(時速83km)の雹までなら対応できるようになっています。これは世界基準でも同様です。

つまり、少々の雹なら大丈夫です。メーカーによって25mm以上や30mm以上の雹にも対応している太陽光パネルもあります。心配な人は、雹の対策をどれくらいしているかに着目して選んでも良いでしょう。ただ、25mmじゃなく30mmに対応したところで、40mmや50mmの雹が降ることもあります。その場合は、パネルではなく火災保険で対応しましょう。

火災保険には「雹災」というものがあります。大体は台風の被害を補償する風災とセットになっているものが多いです。日本全国で台風被害に遭う可能性はあるので、風災・雹災には必ず入るようにしてください。太陽光を搭載しているかどうかに関わらず、屋根が傷む可能性はあります。カーポートが対象になることもあるので、風災・雹災に入りましょう。

既に家を建てた人でも、火災保険は見直しができます。一度、風災・雹災に入っているか確認しましょう。入っていない場合はオプションでも良いので入ってくださいね。

まとめ

太陽光発電システムの自然災害リスクと対策

  • 太陽光パネルの火災リスクはメガソーラーよりも低い
  • 不燃材が施工されていないと怖いので、屋根一体型の太陽光パネルはおすすめしない
  • 雹の損害に関しては、火災保険の風災・雹災に入って対策を!

PROFILE

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せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

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