【施主向け】パネル選びの前に知っておきたい太陽光発電の仕組み・注意点をやさしく解説!

最近では、電気代の高騰を受けて太陽光発電の導入を検討している方も多いと思いますが、みなさん太陽光発電について、正しく理解できている自信はありますか?

太陽光発電で元を取るためには「そもそも太陽光発電がどういう仕組みなのか?」を理解した上で適切なパネルを選ぶ必要があるので、基礎的なところではありますがしっかり勉強していきましょう。

太陽光発電を誤解してる人も多いよ!

「そもそも太陽光って、今から始めても元とれるの?」という方は、先に以下記事から読んでいただくことをおすすめします。

関連記事:『【2024年版】元は取れる!今からでも「太陽光発電」をつけるべき3つの理由

そもそも「太陽光発電の仕組み」とは?

まずは「太陽光発電の仕組み」について解説していきます。

太陽光発電は、主に以下の2つの装置から成り立っています。

  • 「太陽光パネル」
  • 「パワーコンディショナー」

それではそれぞれの役割について、詳しく解説していきましょう。

太陽光パネル・パワーコンディショナーの役割は?

太陽光パネル:「太陽光」⇒「電力」に変換する

太陽光パネルは、太陽光発電の「顔」とも言える部分で、太陽の光を直接電力に変換する装置です。

具体的には、パネルに含まれる半導体材料が太陽光を受けると、光のエネルギーが電子を動かし、電流が生じる現象を利用して発電を行っています。

パワーコンディショナー:「作った電力」を使えるように変換する

故障すると発電量が0になるパワーコンディショナー(パワコン)

上記の太陽光パネルで発電した電力は「直流電気」と呼ばれるもので、このままだと一般利用が困難なため、生成した直流電気を一般家庭でも使える「交流電気(AC)」に変換する必要があります。

この変換を担っているのが「パワーコンディショナー(通称:パワコン)」です。

またパワコンは、交流電気への変換と並行して、発電された電力量の監視やシステム効率を最適化するような「太陽光発電の管理的な役割」も担っています。

【まとめ】太陽光発電の仕組み

  • 太陽光パネル
    ⇒「太陽光」を「電力」に変換する装置。
  • パワーコンディショナー
    ⇒発電した電気を『直流→交流電気』へ変換し、一般家庭でも使用できるようにする装置

太陽光発電は「パネル」と「パワコン」選びが重要!

このように太陽光発電は、ざっくり「太陽光パネル」と「パワーコンディショナー」の2つで成り立っているため、導入においてはこの2つの性能・スペックが「太陽光発電で元が取れるのか?」にも大きく影響します。

  • 実際にどういうパネル・パワコンを選ぶべきなのか?
  • BE ENOUGHがおすすめする太陽光パネルは?

などについては、下記記事で詳しく解説していますので、パネル・パワコン選びの際にはこちらも参考にしてみてください。

関連記事:『【マキシオン一択】太陽光パネル・パワコンの選び方・おすすめメーカーを徹底解説!(2024年版)

【注意】電気を貯めるには「蓄電池」が必要!

蓄電池がないと、夜は電気を買う必要がある

ただ先述した2つはあくまで「太陽光を使って発電し、それをそのまま家庭内で使用するための仕組み」であって、発電した電気を貯めるには別途「蓄電池」が必要です。

つまり蓄電池を設置しない場合、太陽光発電の運用としては以下のような形になります。

  • 昼間
    太陽光パネルで発電した電気をリアルタイムで使用
    使いきれなかった電気はそのまま「売電(※)」
  • 夜間
    太陽光パネルで発電できないので、別途電力会社から電気を購入
売電(ばいでん)・・・発電した電気を電力会社に売ること。この買取価格を「売電単価」ともいう。

ここに蓄電池を導入すると、昼間に使いきれなかった電気を売らず、蓄電池にためていき、夜はその蓄電池から電気消費を行っていくような形になります。(太陽光発電というとこの使い方をイメージしている方が多いと思います)

新築のタイミングで「蓄電池」も設置すべき?

【結論】蓄電池は「築11年以降」でOK!それまではポータブル電源で十分!

現在の蓄電池がコスト的にもまだまだ割高で、経済的には大幅なマイナス収支になるため新築時での導入は推奨していません。もし設置をするのであれば、「売電単価が下がる築11年目以降」を推奨しています。

家を建てた直後の10年間は国が「この値段で電気を買い取ります」と売電単価を保証してくれます(※)が、11年目以降はこの保証がなくなり、売電単価がガクッと落ちてしまうんです。

もしこのタイミングに蓄電池がないと、「昼間は格安で売電して、夜は割高で電気を買う」ということになってしまいますから、BE ENOUGHとしては、蓄電池を導入するのであれば国からの保証がなくなる築11年目以降のタイミングを推奨しているというわけです。

ただ将来的に蓄電池設置を考えているのであれば、新築時には「蓄電池を設置するための空配管(分電盤から床下まで)だけは設置しておく」というのがおすすめです。いざ蓄電池を設置をする~となった時も、空配管だけ通しておくと、導入コストも抑えられますよ。

また災害時の非常用電源として、必要最低限の電源が確保できれば良いと考えるのであれば、「ポータブル電源」がおすすめです。蓄電池程の容量はないですが、スマホの充電や一部暖房機器を動かせる程の容量を確保している機種でも数十万円以内で購入可能ですので是非検討してみてください。

「固定価格買取制度(FIT)」

「売電単価は年々下がっている」と聞きましたが…

 

これはその通りです。固定価格買取制度(FIT)が導入された2009年当時は、売電単価も『48円』と高額でしたが、現在は『16円』です。(2024年2月現在)

ただそれを加味したとしても、パネルの発電効率や耐用年数なども長くなっていますから、長い目で見る必要はありますが今から導入しても損はしないと思いますよ。

関連記事:『【2024年版】元は取れる!今からでも「太陽光発電」をつけるべき3つの理由

「電気自動車の電気スタンド」として考えるのもアリ

電気自動車がどこまで普及するかは未知数ではありますが、新築時にとりあえず電気自動車用のコンセント(200v防水)を付けておくと良いでしょう。

本格的に電気自動車が普及すれば、安い金額で売電するより給電することで経済効果を高める事が可能です。

まとめ

太陽光パネルの導入前に知っておくべき要点は以下の通り。

太陽光発電の導入前に知っておくべきことは?

  • 太陽光発電は「太陽光パネル」「パワコン」
    • 太陽光パネル:太陽光から「電気」を生成
    • パワコン:発電した電気を家庭で使えるように「変換」
  • 太陽光発電は「発電した電気をリアルタイムで使用する仕組み」
    使いきれなかった分はそのまま「売電」されてしまう!
  • 「夜のためにも蓄電しておきたい!」
    ⇒別途、「蓄電池」の導入が必要
  • 蓄電池の購入はFITが終了する「築11年目~」が推奨!

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PROFILE

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せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

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