【削除覚悟】コスパ最強!地盤改良の調査会社の選び方【完全攻略】

【削除覚悟】コスパ最強!地盤改良の調査会社の選び方【完全攻略】 | 住宅業界の裏話

地盤改良は、住宅のコストパフォーマンスを向上させ、品質を保証するために重要です。しかし、地盤改良工事には業界内の忖度や癒着が多く見られます。その理由は、地盤保証業界がビジネスモデル的にあまり収益性が高くないためです。これを補うために、地盤改良工事を行う会社に顧客を紹介し、紹介料を受け取る形で成り立っている業界でもあります。つまり、「地盤改良工事をしてください」という会社がキックバックを期待しているため、工事が過剰になりやすいのです。そこで本記事では、必要十分な地盤改良工事を行いながらコストを抑える方法を紹介します。

地盤というのは基礎の下にあるもので、非常に大事です。「安心した地盤にするために必要十分な工事ってどこまですれば良いの?」「そもそも地盤が強い土地の選び方は?」「データで見るの?地名で見るの?」このような疑問を抱いている人も多いでしょう。さらに、2024年の能登半島地震では液状化現象が起きました。こういった対策も含めて、網羅的に地盤改良・地盤保証についても紹介します。

そこで、今回は以下を詳しく解説していきます。

地盤改良工事とは

地盤改良工事とは

これは、その名の通り地盤を強くする工事です。家を建てたら、地盤は多少沈みます。ただし、それがまっすぐ沈めば問題ありません。

問題は「不同沈下」といって、斜めに沈んでしまうこと。この不同沈下を防ぐための工事が、地盤改良工事です。

地盤保証とは

不同沈下してしまった場合に、元に戻す費用を保証するのが、地盤保証です。地盤保証会社が「この工事で10~20年間地盤を保証します」と依頼し、その保証に値する工事を地盤改良会社が請け負う、という関係があります。

地盤保証の対象は?

地盤保証の保証が効く傾きは、5/1000です。角度でいえば、0.29°以上の傾きです。かなり小さな角度ですが、人間が傾きを感じ始めるのがこれくらいからだと言われています。

こういった数字は、後ほど紹介する液状化現象による傾きの地震保険の話に繋がるので、覚えておいてください。

地盤改良工事の方法

地盤改良工事の種類

  • 表層改良
    表面(地表)を固い土にする
  • 柱状改良
    コンクリートの柱を杭として支える
  • 鋼管杭
    鉄の棒(鋼管)で支える

地盤改良工事は、上記のように色々な方法があります。これは保証会社の指示通りの工事になるので、施主としてはそこまで詳しく知る必要はありません。

ただし、冒頭で紹介した通り、地盤改良の業界は忖度があるため、過剰工事になる恐れがあります。その点だけは頭に入れておきましょう

どれくらいの地盤改良工事をすれば良い?

質問:地盤保証は何年にするべき?

過剰工事にならないためには、地盤保証を何年にすれば良いのか知っておいてください。地盤保証の期間は10年や20年と選べますが、私は10年で十分だと考えています。

「地盤は足元だし、大事だから過剰なくらいの方が良いんじゃない?」と言われることもあります。もちろん、個人の判断ですので20年保証にしても問題ありません。ただし、80点くらいを超えるちょうどいい塩梅で考えると、10年保証で良いです。

大体、地盤が不同沈下するのは10年だと言われています。しかも地盤保証に適用される5/1000(0.29°)以上傾いて保証が効くようになる確率は、1/10000くらいだと言われています。これくらい確率が低いので、10年保証で十分でしょう。

ただし、決めるのは自分です。やりたい人は20年保証でもなんでもやってください。とはいえ、地盤改良にコストをかけると、何十万円や何百万円くらいかかります。また、地盤改良するということは、良いことばかりではなくデメリットもあるので注意が必要です。

地盤改良工事のデメリットは?

地盤改良で地面に埋めた杭などは、地中埋設物になります。つまり将来的に家を売ろうと思った時に、「地中障害がある」ということになります。工事のコストもかかりますし資産価値も落とすので、地盤改良工事はできることならしない方が良いです。ただし、不同沈下になると困るので、必要最低限、つまり80点くらいの地盤改良はしておきましょう、というのがちょうどいい塩梅だと考えています。

「資産価値を気にするなら売る時に柱を抜けば良いのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、抜くのは施工するよりも大変で、多額のお金がかかります。現実的には杭がある場所を避けて新しい家を建てたり、杭と同じ位置に家が来るなら再利用することになります。このような結果になるので「土地の資産価値的には、地盤改良工事はできることならやらない方が良い」ということは頭に入れておいてください。

質問:液状化で傾いたら地盤保証は効く?

液状化現象で傾いた場合、地盤保証は効かないです。液状化現象は地震が原因で起きる現象なので、地震保険に入っていないと効きません。

しかも「地震保険さえ入っていれば、0.29°以上傾いていたら保険が効く」というわけではありません。

地震保険の適用条件

  • 1°(17/1000)→全損(100%)
  • 0.8°(14/1000)→大半損(60%)
  • 0.5°(9/1000)→小半損(30%)
  • 0.2°(3.5/1000)→一部損(5%)

上記の通り、地震保険が適用される「全損」の扱いになる傾きは、1°(17/1000)です。これはふわふわする浮動感があり、気持ち悪くなるレベルです。これくらい傾かないと、地震保険は適用になりません。このように地盤保証の規定よりも、地震保険の規定は厳しくなっています。しかも保証上限は火災保険の50%です。

このため、「液状化現象も地盤保証で賄える」というのは間違いですし、「地震保険に入っているから安心」というのも少し間違っています。これは知識として知っておいてください。

そのため、土地を選ぶ時には液状化しない場所を選ぶことが大切です。地盤が強い土地探しのポイントは、後ほど紹介します。

液状化現象のリスクに関しては、ぜひこちらの記事もご確認ください。

関連記事:耐震性が高い住宅も危険『液状化現象の基礎知識』、地震保険の補償内容を徹底解説【土地探し】

地盤改良工事のコストを抑える方法とは?

地盤改良工事のコストを抑えるためには、地盤改良工事会社を紹介していない、つまり地盤保証だけを独立的に行っている会社に地盤調査・地盤保証を依頼しましょう。地盤保証会社は地盤改良工事会社からキックバックをもらっていることが多いので、独立した地盤保証会社に依頼することが重要です。BE ENOUGHでは、地盤ネットホールディングスという会社によく依頼しています。

一方で、ホームページに「地盤改良工事会社を紹介します」と書いている会社は、設計が過剰なこともあるので注意してください。

セカンドオピニオンはアリ?

地盤調査のセカンドオピニオンは、個人的にアリだと考えています。ただし、住宅会社にとってはセカンドオピニオンを嫌がる会社や、断る会社もあるので聞いてみてください。

また、地盤改良工事の結果が出てから「じゃあセカンドオピニオンをします」と言っても、工程的に時間が厳しい可能性があります。そのため、セカンドオピニオンをするのなら、住宅会社お抱えの地盤保証会社が調査するのと同時期に調査してもらいましょう。そうしないと間に合わない恐れがあるので注意してください。

さらに、セカンドオピニオンをした上で、結論が同じということもあります。その場合はセカンドオピニオンにかけた費用が無駄になります。こういったリスクも頭に入れた上で、セカンドオピニオンをするかどうか判断してください。

地盤が強い土地探しのポイントとは?

地盤データをチェック

まずは、自分が選ぼうとしている土地の近くの地盤データを見てください。地盤ネットやジャパンホームシールドのような、地盤保証・地盤改良工事をやっている会社に、近隣の地盤データを閲覧できるサービスがあります。大体の住宅会社は加入しているので、見てもらってください。

「ここの土地に目星をつけているんですが、周りの地盤データはどうですか?」「データもらえますか?」と聞けばデータをもらえるので、参考になります。

地盤データチェック時の注意点

地盤の強さと利便性は、大体が矛盾するので注意してください。地盤が強いのは山の方です。一方、利便性が良いのは川や平地といった低い土地です。利便性が良ければ良いほど地盤は弱くなる傾向にあります。

私個人としては、土地は資産価値で買うべきなので、利便性を重視するのがおすすめです。その上でハザードマップを見て、大きなリスクはなるべく回避するのが、ちょうどいい塩梅でしょう。

ハザードマップを見る

ハザードマップを見るポイントは、水災と地震/津波マップ、液状化マップです。

水災:外水氾濫

外水氾濫はゼロが良いですが、仮にあったとしても50cm未満のエリアを選びましょう。ただし、一級河川は氾濫対策されているので例外です。

水災:内水氾濫

都市部を中心に、内水氾濫をチェックしましょう。下水道のオーバーフローのリスクがチェックできます。

地震/津波マップ

震度6以上のエリアはなるべく避けましょう。そこしかない場合は仕方ないですが、できるだけ避けたいエリアです。そこの地域に入っている場合は、地震保険の加入がおすすめです。

液状化マップ

液状化の起こる地域はほぼ予想されています。液状化の被害が多い地域は細かいマップが出ていますし、そうではない地域に関しても、元々川だった旧河道や、川の近くにできた自然堤防や、埋立地のような地形の歴史を見ると、大体液状化のリスクが分かります。

専門家がリスクの度合いをまとめたマップが公開されているので、それを必ず見ましょう。液状化リスクがゼロの土地を探すことは無理ですが、リスクが非常に高いところを避けることができます。川や海が近い人は特に、しっかりとチェックした上で土地を選んでください。

液状化リスクの確認方法に関しては、ぜひこちらの記事もご確認ください。

関連記事:耐震性が高い住宅も危険『液状化現象の基礎知識』、地震保険の補償内容を徹底解説【土地探し】

よくある質問

質問①:地盤改良費用を事前に調べる方法は?

地盤改良工事の費用を土地購入前に知る方法はありません。スクリューウエイト貫入試験(SWS)という方法を行わないと、地盤改良工事の費用は分かりません。しかも掘る場所は家を建てる場所じゃないと意味がありません。

土地や建物の契約の前に【リアル資金計画書】を使って資金計画を立てないと、契約後に追加費用が出て大変ですが、唯一地盤改良の工事の費用だけは出せません。ただし、予算取りをすることはできます。地盤データを見れば大体の予測はつきますが、分からない場合は、50万円くらいは予算に入れておけば良いでしょう。住宅会社が出してくる予算表だと「調査による」と書かれているなど、金額が入っていないことが多いので注意してください。

質問②:地名で土地を選ぶべき?

「川・沢・谷・田・沼」のような漢字が入っている地域は水が多いから地盤が弱いのではないかと心配する人は多いでしょう。確かに、昔はそう言われていたので間違いではありません。

ただし、現在は地盤改良工事の技術も進歩していますし、治水工事といって氾濫を防ぐ工事も進歩しています。地名を気にしていたら土地が見つからないので、気にする必要はないでしょう。

質問③:地盤調査報告書の見方は?

地盤調査の報告書は、上のようなものです。

まずは「土の種類」を見ましょう。「粘性土」または「砂質土」と書かれています。その次に「換算N値」という項目を見てください。

粘性土の場合は換算N値が3.0以上、砂質土の場合は換算N値が5.0以上が安全の目安だと言われています。逆に、上記の数値を下回っている場合は、地盤が弱い恐れがあるので、地盤改良が必要かもしれません。

また「貫入深さ」という項目もチェックしてください。これは何m潜ったかが分かる数値で、換算N値は潜ったところの硬さを意味しています。

たとえばこの表だと、土の種類が砂質土で、0.75mくらいの深さまでの換算N値が5.0以下なので、1mくらいまでは地盤が弱いと判断できます。

一方、貫入深さが1mくらいになると換算N値が7.6くらいになるので、このくらいの深さからは地盤が強いことが分かります。

もちろん、この数値だけで全てが分かるわけではありません。数値や堀った深さによって地盤保証できる工事の内容が変わってくるので、素人が「大丈夫!」と判断するのはやめた方が良いです。ただ、大体のことは分かります。強い地盤であれば最初から換算N値が5.0以上だったり、貫入深さが3mくらいで止まって、これ以上掘れないことを意味する「空転」というデータが出ることもあります。

このようにどれくらいの深さまで調査できたかということも影響しますが、あくまで参考としては「土の種類」「換算N値」「貫入深さ」の項目を見れば良いでしょう。

土地の探し方に関しては、ぜひこちらの記事もご確認ください。

関連記事:【土地探し】プロは絶対選ばない!コスパ最悪の土地7選

まとめ

必要十分な地盤改良工事をしながらコストを抑える方法

  • 地盤保証は何年にすべき?
    →原則10年でOK!
  • コストを抑える方法は?
    →地盤ネットなど、独立した地盤保証会社に依頼
  • 地盤が強い土地探しのポイント
    →地盤データ・ハザードマップを見る
  • 液状化現象で傾いた場合、地盤保証は効く?
    →効かないので、地震保険が別途必要 ※適用条件が厳しいので注意
せやまが

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せやま印工務店とは?

PROFILE

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せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

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