2026.06.23
目次
住宅会社が倒産したら何が起きる?

資材価格の高騰など、住宅業界では不安な毎日が続いています。今回は、家づくりにおける最大級の不安要素である「住宅会社の倒産リスク」について、詳しく解説します。
住宅会社の倒産は、施主の人生設計を大きく狂わせかねない重大な問題。
住宅会社が倒産するとどうなるのか。簡単に言えば、お金は戻らない、工事は止まる、そして家づくりそのものが立ち行かなくなる可能性があります。その実態を知ってください。
1. 住宅会社倒産の影響
倒産による被害は、タイミングによって大きく異なり、着工前であれば、ショールームに通った時間や打ち合わせの労力は無駄になりますが、金銭的な被害は契約金の100万円程度で済みます。
決して小さな金額ではありませんが、人生が狂うほどの致命傷にはなりにくい。
本当に怖いのは、工事が着工した後に倒産した場合です。
支払った費用は?

注文住宅の支払いは、着工前(請負金額の3分の1程度)、上棟時(中間金として3分の1程度)、完成時という分割払いが一般的です。
この1,000万円単位の「着工金」を支払った直後に倒産してしまった場合、そのお金が戻ってくる可能性は極めて低い。ゼロではありませんが、ほぼ戻ってこないと考えておいたほうが良いでしょう。
工事はどうなる?
住宅会社が職人へ支払うお金が止まるため、当然ながら現場の工事も中断します。その続きを誰が担当するのかという問題が発生しますが、これは自力で探さなければなりません。
他社が途中まで進めた工事を引き継ぐのはリスクが高く、非常に手間もかかる。ミスも起きやすいため、多くの住宅会社は嫌がります。そのため、工事を引き継いでくれる会社を見つけること自体が非常に難しいのです。
住宅ローンは?
引き継ぎ工事は割高になるケースが多く、住宅ローンの再審査や借入額の増額交渉が必要になる可能性もあります。
住宅ローンは、特定の住宅会社が出した見積もりを前提に審査を通しているので、その前提が崩れれば、状況によっては銀行と一から交渉を行わなければなりません。
2. 「完成保証制度」とは?

住宅会社の倒産に対する強力な防衛策が「完成保証制度」。これは、万が一倒産した場合の保険のようなものだと考えてください。主な補償内容は以下の3本柱です。
- 増嵩工事費用の負担:他社に工事を引き継ぐ際に発生する割高な差額分を負担
- 先払い費用の保証:戻ってこない着工金や中間金などの損失を保証
- 引き継ぎ先の紹介:工事を継続してくれる住宅会社を一緒に探してくれます。
完成保証制度の費用と加入条件
この制度の加入費用は、一般的に10万円から15万円程度であり、原則として施主が負担します。住宅会社によっては標準仕様として見積もりに含んでいる場合もありますが、多くはオプション扱い。
決して安い金額ではありませんが、この金額で倒産リスクを軽減できるのであれば、出す価値は十分にあります。
全ての会社が加入できるわけではない
完成後10年間を保証する「瑕疵保険」は国の義務ですが、工事中の「完成保証制度」への加入は義務ではありません。
また、住宅会社が加入を希望しても審査が厳しく、財務状況が悪い会社や小規模な工務店は、加入を断られるケースも。そのため、検討している会社が完成保証制度に登録可能かどうかを確認してみてください。
加入するかどうかは別として、完成保証に入れること自体が一定の安心材料になります。
戦争や社会情勢による倒産は対象か
「戦争による破壊」などは保証対象外となる規定がありますが、現在の中東情勢などによる「間接的な資材高騰・不足」が原因での倒産であれば、完成保証の対象になる可能性が高い。
実際に、数年前のコロナ禍における倒産も適用対象となりました。今の情勢下では完成保証に加入するメリットは大きいと言えるでしょう。
加入のタイミングと「保証枠」の落とし穴
この制度は契約後でも、加入可能。特に中小工務店で建てる場合や、会社の財務状況がよく分からない場合には、有効な備えになります。

保証内容には「増工工事費用のみ」と「前払い費用までカバーする」の2パターンがあるので、加入時に必ず内容を確認してください。おすすめ「前払い費用までカバーする」プランですが、費用とのバランスも考えて判断しましょう。
ただし、住宅会社ごとに「同時に保証できる金額の上限(枠)」が決まっている点には注意が必要。例えばその会社の枠が5,000万円で、すでに他のお客さんの工事で枠が埋まっていると、加入したくても加入できないことがあります。
加入を検討している場合は、できるだけ早めに申し込みをし、保証枠を確保しておくことが重要です。
3. 倒産リスクの見極め
そもそも倒産しない会社と契約するのがベストです。倒産リスクの低い会社を見極めるための4つの方法を紹介します。
1. 完成保証制度に登録しているか確認する
これが最も簡単なチェック方法。保証会社から「一定の与信審査をクリアしている」という証拠となります。もちろん、与信が良すぎるからあえて入っていないという会社もありますが、登録されている事実は確かな安心材料となります。
2. 第三者の与信確認サービスを使う
施主個人で住宅会社の財務状況を詳細に調べるのは限界があるため、「せやま印工務店プロジェクト」のような、第三者が厳格に財務チェックを行っているサービスを利用するのはとても有効です。
専門家の目が入っている仕組みであれば、リスクを大幅に抑えられます。
3. 自力でデータを取り寄せる
帝国データバンクや東京商工リサーチなどで財務データを購入し、税理士などの専門家に分析を依頼する方法です。この際、データに付随する簡易的な「倒産リスク分析」だけで判断しないでください。
本当のリスクはキャッシュフローや借入の詳細を見ないと分かりません。自力で調べる場合でも、必ず専門家の目を入れてください。
4. 大手ハウスメーカーで建てる
中小工務店に比べれば、大手ハウスメーカーの倒産リスクは圧倒的に低いです。万が一の場合も、合併などで存続する可能性が高いでしょう。
性能やコストパフォーマンスの面では割高なケースも多く、私は積極的にはおすすめしていませんが、「倒産リスクの回避」という観点では、大手ハウスメーカーを選ぶという判断は一つの正解だと言えます。
まとめ
住宅会社の倒産は、一度起きてしまえば施主の力ではどうしようもできない最大のリスクと言えるでしょう。だからこそ、契約前に「完成保証制度」への加入可否を確認し、早めに申し込むなどの対策を徹底してください。
また、第三者の与信チェックを活用し、安全性が担保された会社を選ぶことが、自分たちの人生を守ることにつながります。
情勢が落ち着くのを待つのも一つの手ですが、じっくり待ちすぎると価格がさらに上昇する懸念もあります。今進めると決めた方は、しっかりとリスクヘッジを行いながら、納得のいく家づくりを進めていきましょう。
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