【住宅契約時の罠】施主を騙す手口と回避する方法7選 | “ヤバい住宅会社”を見抜きたい

住宅を契約する時は、営業マンの対応に注意が必要です。現在の住宅価格の高騰に伴って契約がとれず、ハウスメーカーや工務店が困り、営業マンは契約をとるために施主にとってリスクの高い契約をしようとすることもあります。「せやま印工務店」はクルーによるアンケート結果を元に私が第三者の視点で監査を入れていますが、そうじゃない工務店の場合は、「さらに追加費用が発生した!」なんて話もあります。

このような危険な契約を迫ってくるハウスメーカーや工務店との契約はやめた方がいいんです。ネットで見かける「建てて良かったハウスメーカーランキング」なども忖度の塊なので信用できません。「せやま印工務店」ですら、アンケートで「対応が悪い」と言われたところは改善するように監査を入れていますが、それでも全体の1%くらいは「こんな話を聞いてない!」という苦情が出ることもあります。これくらい監査をしても苦情が出るんですから、もっとクローズな環境のハウスメーカーや工務店はさらに問題が起こりやすいですよね。

では、そんな悪い営業マンがどんな手口を使ってくるのか、対策と一緒に7つ紹介していきます!

リスクの高い契約を回避するよう、自己防衛していきましょう!


本記事の内容は、YouTube動画でも分かりやすく解説していますので、こちらもご覧ください!

参考動画:【住宅契約時の罠】施主を騙す手口と回避する方法7選

住宅契約時の営業マンの心理は?

最近は、建物の価格も土地の価格も高くなっていて給料も上がらない状態になっているので、家を建てる人が全体的に減っています。そのような状況で受注・契約が減った営業マンが何を考えるのかというと「とりあえず契約すればこっちのもんだ!」と思うんです。ただし、価格が高いと契約がとれないので「なるべく見積を安く見せよう」とするんですね。

ただし、安い金額で契約をすると利益率が悪くなってしまい、営業マンとしても困りますよね。なので「契約後に追加費用をとって、利益を確保すればいいんだ!」と考えるんです。追加必要がかかることを分かっていても、わざと契約後に言うんですね。

そこで、施主としては自己防衛できるように、テクニックや知識をつけていくことが大切です。そうすれば良い営業マンを見極めることができるので、しっかり勉強していきましょう!

 

危険な契約の手口とチェックポイント7選

早速、危険な契約の手口とチェックポイントを紹介していきます。まずは危険な契約7選とは、以下の通りです。

  1. “仮”の間取りで契約する
  2. 性能数値保証がない状態で契約する
  3. 住宅設備のグレードが不明確な状態で契約する
  4. 付帯工事が見積外の状態で契約する
  5. 土地特有の造成費用の想定漏れ
  6. 諸費用を明示せずに契約する
  7. 根拠のない値引きの打診

それぞれ、どういった手口なのか、対策と一緒にチェックしていきましょう。

 

手口と対策①仮の間取りで契約

「仮」の間取りで「本」契約なんて、どう考えてもおかしいですよね。住宅営業マンは「希望を言ったら大体30坪でいけると思うので、予算取りしておきました!」とか「そんなに金額は変わらないと思いますよ」と言いますが、絶対変わるので注意しましょう。しかも、その「30坪」というのが、「1階15坪+2階15坪の総2階の家」なのか「1階18坪(60%)+2階12坪(40%)」の家なのかで、窓の数や家の形や扉・収納の数などが変わるので、金額が何万円どころではなく、何十万円・何百万円と変わってきます。

だからこそ、仮の間取りなんかで契約をしたら、契約後に金額が変わるのも当然ですよね。営業マンもそんなことは分かっているのですが、間取りを詰めていたらリアルな金額が出てしまいますし、時間がかかって施主の意欲が下がって契約が流れるリスクもあるので「仮の間取りで契約しましょう!」と言うんです。

特に、土地を購入する人は、土地を決めてからなるべく早いタイミングでローンの本審査を通さないといけません。そのローンの本審査を通すためには請負契約といって建物の契約を締結しなければなりません。だからこそ、営業マンも「ローンが間に合わないので、とりあえず仮の間取りでローンを通しましょう!」なんて言ってくるんです。

ですが、土地が決まってから請負契約の期間まで3~4週間あるので、その間に間取りを決めれば問題ありません。「そんな短い間に決められません!」なんていうと営業マンの言いなりになってしまいます。それくらいの期間があれば間取りを決めることはできるので、安心してください。

対策①間取りが確定してから契約しましょう!

とにかく、仮の間取りでの契約はNG。特に「壁・窓・扉・屋根」の間取りが確定してから契約をしてください。「契約後に間取りを決めましょう」とか「仮間取りで契約を進めましょう」みたいな工務店やハウスメーカーは、だいぶ危ういと思います。ちなみに「せやま印工務店」では、施主からの強い要望がない限りは、絶対に請負契約までには間取り確定することをルールにしていますよ。

 

手口と対策②性能数値保証がない状態で契約する

断熱性能とか気密性能の数値の保証がない状態で契約をするのもNGです。ホームページにUA値(断熱性能)やC値(気密性能)を書いてある会社も最近は増えてきています。ただし、商品にも「松竹梅」のようなランクがあり、どの数値が施主自身の家に該当するかは分からない状態で契約することがあるんです。

しかも、その数値というのが全く保証されていないこともあります。たとえば【せやま基準一覧表】なら「UA値0.6以下必須、0.5以下を目指す」や「C値0.7以下必須、0.5以下を目指す」のようなせやま基準がありますが、保証していない会社が結構多いんです。

たとえば「気密測定をしてみたら1.2でした」と言われたとします。一般的にはC値が1.0を下回ると高気密住宅とは言えないので、施主が「C値を1.0以下にしてください」と言ったとしますよね。そんな時、「それはできますけど、オプションです」なんて言われることもあるんです。そこで施主が「ホームページでは0.5って書いてありますよ!」と言っても「契約書では保証してないので」なんて言われることもあるんですね。このように性能是正工事がオプション料金になってしまうこともありますし、なんなら気密測定自体がオプションと言われるケースもあるようです。

対策②性能数値は保証値をもらいましょう!

なので、最低でもUA値やC値といった性能数値は保証値をもらうようにしましょう。それを契約書に明記してもらうようにお願いしてください。断熱性能や気密性能だけではなく、窓や換気性能、屋根や外壁、耐震関係やメンテナンス関係も、漏れなくチェックしてください。最低でも【せやま基準一覧表】の「★★★」の項目は全てクリアしていて、クリアしていることが契約書に添付されている仕様書に明記されているのかを確認してください。

 

手口と対策③住宅設備のグレードが不明確な状態で契約する

キッチンやお風呂、洗面やトイレといった住宅設備の標準仕様が明確になっていない状態で契約するのは絶対にNGです。住宅設備をオプションにすると、10~20万円どころではなく、100~200万円あがってしまいます。それにもかかわらず、たとえばキッチンなら「どんな食洗器?蛇口?レンジフード?IHコンロ?」ということを把握せずに契約する人が結構いるんです。

住宅会社も、そのように確認しない人が多いことを分かっているからこそ、綺麗なモデルハウスを見せておいて、契約書にはしれっとローグレードの設備を入れることもあります。それで契約後にショールームに行ってテンションが上がっているところに追加費用を付けて、普通に100~150万円かかるってこともあるんですね。「これは当たり前ですよ!家づくりってのはお金がかかるものなので!」みたいなことを言われる人が多いんですね。

対策③【せやま基準一覧表】を使って、契約書の仕様をチェックしましょう!

たとえばキッチンなら、どのキッチンでどの仕様になっていて、扉の色はどういう色から選べるのかということは、最低限チェックしてください。

 

手口と対策④付帯工事が見積外の状態で契約する

見積書現場の諸経費とか確認申請の費用とか構造計算の費用とかの、どんな家にもかかるお金が契約書の見積の中に入っていないこともあります。家を建てるには確認申請の費用が必要ですし、耐震等級をとるなら構造計算が必要ですが、それが見積に入っていないと「追加費用ですよ!はい、15万円計上しますね!」なんて言われて、契約後に追加費用が発生してしまうんです。

付帯工事は、家を建てるなら絶対にお金がかかる内容です。なので、【せやま基準一覧表】の右下の部分をちゃんとチェックして、それが見積に入っているのかチェックしてください。もちろん、せやま印工務店はそれらを全て入れることをルールにしていますよ。

対策④付帯工事の内容もチェックしましょう!

また、付帯工事とはちょっと別の切り口で注意しなければならないのが、本体工事と付帯工事が分けられてる見積です。施主は本体工事のところを注意して見るので、付帯工事の部分を隠して本体工事を安く見せることで「安い!」と思わせる住宅会社が意外と多いんです。

本体工事だけでA社・B社・C社の3社を比較したらB社が一番低く見えても、付帯工事を入れたら「そんなことはなかった!」なんてこともよくあります。「本体工事」と「付帯工事」を分ける定義は会社ごとに異なっているので、本体工事・付帯工事を全部合わせた金額と、性能面・標準仕様面・付帯工事の内容をチェックして比較してください。そうしないと、正しい相見積もりができないので注意してくださいね。

 

手口と対策⑤土地特有の造成費用の想定漏れ

造成費用の見積が甘いと「高低差処理費用」などがかかる恐れがあります。「高低差があるので、階段とかの擁壁費用が要ります」とか「解体費用が要ります」とか「境界のブロックをカットしないといけない」とか言われて、追加費用がかかることがあります。

ただし、これらの内容って「契約する前に全部分かるでしょ!」という内容なんですよね。それなのに、わざと契約後に出して追加費用がかかるようにする工務店もいるんですね。それでも、契約してしまうと施主側が弱い立場なので、出さざるを得ないんです。出さないと「じゃあ着工延期ですね~」なんて言われてしまうこともあります。

なので、土地に家を建てるためにどのような造成費用が必要なのか、【リアル資金計画書】を使って、契約前に住宅会社に確認してください。「契約後にここが加算されることはないですよね?」と確認してから、契約をしてくださいね。

対策⑤【リアル資金計画書】もチェックしてみましょう!

手口と対策⑥諸費用を明示せずに契約する

これはもう、本当にダメですよね。先ほど紹介したリアル資金計画書】の諸費用の部分は、ちゃんと埋めてから契約してください。

住宅会社としては「諸費用は住宅会社がもらうものではないので、書く責任はないですよね」とか「契約の時に説明する必要はないじゃないですか!」なんて言いたくなるものでしょう。とはいえ、説明されないと施主としては分からない部分ですよね。

営業マン任せにしてしまうと、地盤改良の予算をかなり安くしたり「調査による」と書いて0円にしておいたり、多くの人が一括で前払いするローンの保証料80~100万円を金利上乗せにすることによって0円って書いたりとか、されてしまう恐れがあります。

対策⑥諸費用はしっかり埋めてもらいましょう!

なので、「きちんと諸費用を入れてください」と頼むことが大切です。施主からしてみたら、住宅会社に支払うお金であっても、保険会社や司法書士に支払うお金であっても、同じですよね。なので、【リアル資金計画書】で諸費用まで含めた資金計画をしたうえで契約してくださいね。

 

 

手口と対策⑦根拠のない値引きの打診

「〇月までなら△△キャンペーンで200万円値引きします!」とか「完成見学会キャンペーンで150万円下げます!」なんて言われることもありますが、これに騙されてはいけません。

急な値引き提案をしてくる会社は、最初に余裕を見た金額を提示してきているだけです。これは最初に高い金額を提示しておいて、最後の段階で施主がしぶったから値引きをしているだけですね。施主がしぶらなかったら、200万円や150万円を上乗せしたまま契約してるんですね。こんな会社、信用できませんよね。この後もトラブルを起こす可能性が高いでしょう。

対策⑦根拠のない値引きをする会社を信じないようにしましょう!

「3,000万円」なんて最初に言って、「ウチはいい建材を使ってるんで、値段が高いんです」なんて言って「良い家」という演出をしておいて、最後の最後に値引きをして「今なら2,700万円!」といってお得感を出すんですね。もう、古典的な手段です。

なので、大幅値下げに限らず、根拠のない値下げをしてくる会社はマジでダメです。「不誠実の塊」だと思っても良いでしょう。そんなことで施主の心をつかむような会社を信用してはいけません。それよりも、誠実に施主の心を掴もうとする会社の方が良いと思います。

まとめ

施主にとってリスクの高い契約の方法7選

  1. 仮の間取りで契約
  2. 性能数値の保証なし
  3. 標準仕様が不明
  4. 付帯工事が見積外
  5. 造成費用が想定漏れ
  6. 諸費用が想定漏れ
  7. 根拠のない値下げ
せやまが

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せやま印工務店とは?

PROFILE

【住宅契約時の罠】施主を騙す手口と回避する方法7選 | “ヤバい住宅会社”を見抜きたい

せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

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