2025.03.12
新築戸建てにかかるお金は、住宅ローンだけではありません。
家を建てたら、一生「固定資産税」を払わなければならないのです。そしてこの固定資産税ですが、意外と「実際にどのくらいかかるか」を知らない人が多いんです。
そこで今回は、新築戸建てを建てたときの固定資産税について、「大体どのぐらいかかるのか?」をざっくりと計算していこうと思います。
家づくりを考える前にしっかり知っておきましょう!
また固定資産税に関する基本知識や計算方法などについては、以下記事で解説していますので、先に以下記事から読んでみてください。
関連記事:『裏ワザも紹介!新築戸建ての「固定資産税」の計算方法・安くするための7つの方法を紹介!』
本記事の内容は、YouTube動画でも分かりやすく解説していますので、こちらもご覧ください!
解説動画(YouTube):『固定資産税ってどれくらいかかる?実際に計算してみた』
目次
持ち家だからこそかかる「必要経費」とは?
持ち家を持つことで、賃貸の時にはなかった「必要経費」がかかるようになります。
それは、「固定資産税」と「修繕費用」。
賃貸の時は、家が壊れたら大家さんに言えば直してくれていましたが、持ち家になるとそれができなくなるわけです。
そもそも「固定資産税」って?
固定資産税とは、「土地」と「建物」の両方にかかる税金です。
さらにこの固定資産税の中でも「固定資産税」と「都市計画税」というものがあるんですが、そういう難しいことを覚える必要はありません。
大切なのは2つだけ。
- 土地の固定資産税は、一生支払う必要がある
- 建物の固定資産税は、25年目までは下がっていきますが、それ以降もずっとかかる
ということです。
なので持ち家を持つと、一生税金を払い続ける必要がある、ということは覚えておいてください。
「固定資産税」がいくらになるか、実際に計算してみた!
計算条件:1,500万円の土地+100㎡(30坪程度)の一軒家
たとえば「1,500万円の土地に、100㎡(30坪程度)の一軒家」を建てたとしましょう。
「長期優良住宅」の認定をとらなかったと仮定します。
この条件で、いったいいくらの固定資産税がかかるのでしょうか。
まず土地に関してですが、地域によって全然違うのですが、大体土地の売買価格の6~7割くらいになることが多いので、今回は大体70%と仮定して、「評価額:1,000万円」としましょう。
建物も100㎡でも、家によっては微妙に評価額が異なります。今回は、「建物も評価額:1,000万円」とします。
つまり今回の例でいうと、「土地の評価額:1,000万円、建物の評価額:1,000万円(長期優良住宅の認定をとっていない場合)の固定資産税」を計算する形になります。
この条件でかかる固定資産税は?
では、実際に先の条件(1,500万円の土地に、100㎡の一軒家を建てた場合)で計算してみましょう。
1年目~3年目(減税措置あり)
まずは「土地の評価額:1,000万円、建物の評価額:1,000万円」が初期評価になりますので、上の表の通り、1年目の固定資産税は113,333円くらい。月換算で1万円以内に収まるくらいですね。
また最初の3年間は、「建物分の固定資産税が半額になる」という減税措置があるので、大体これくらいで推移します。
4年目~6年目
そして、一番高くなるのが「4年目」です。
これは、1~3年目まであった建物分の減税措置がなくなるからで、この例の場合は固定資産税は148,933円になります。4年目になり、減税措置がなくなってしまうと、月1万円を超えてしまいますね。
ただ長期優良住宅の場合は、固定資産税(建物分)に対する減税措置が「5年目」まで継続するので、4年目~5年目の固定資産税は大体101,333円となり、減税措置が終わる「6年目」が一番高くなります。
つまり固定資産税は、家を建ててから大体4~6年目あたりがマックスの額になるということですね。
6年目以降
上記の減税措置が終わってからは、徐々に建物の評価額が下がっていくので、10年目くらいに125,133円(月1万円くらい)になります。
そして、25年目に「67,333円(月5,000円くらい)」になって以降、支払い額は変わりません。
【ポイント】固定資産税は「3年更新」
固定資産税を考えるうえで覚えておきたいのが、固定資産税は「3年ごとの更新である」ということです。
これは家を建てた年から3年目・6年目・9年目という形ではなく、令和3年・令和6年・令和9年…と3年置きに更新されていくイメージです。
つまり家に住み始めた時期によっては、ちょうど3年目で固定資産税が更新になるか、2年目に更新があって変わっていくかは人によって異なるわけです。(とはいえ「3年ごとに更新」と覚えておけば問題ないと思います。)
また土地に関しては、相場で評価額が上下することもあるんですが、「3年・5年住んだから評価額が変わります」ということはなく、基本的に評価額はずっと変わりません。
一方建物に関しては、1年目に1,000万円であれば、翌年には80%、4年目には68%、7年目には61%…と、この数字は決まっています。(建物の評価によっても微妙に異なりますが、大体はこの数字になるでしょう。)
そして繰り返しになりますが、「25年目に20%」になったらもう下がりません。どれだけ住んで、どれだけボロボロになっても、このままです。
「固定資産税」+「修繕費」で、月にどのくらい必要?
先にお話しした通り、持ち家を持つ際にかかる必要経費は、「固定資産税」と「修繕費」です。
そして前述の条件の場合、固定資産税は大体月に1万円前後がかかるわけですが、修繕費を含め、月に大体どれくらい見ていけばいいのでしょうか。
結論としては、「固定資産税+修繕費で月2万円ぐらい」みておくと良いでしょう。
入居当初は、建物の価値が高いので固定資産税の方が高く、修繕費はそれほどかかりません。そして年を追うごとに建物の評価が下がり、固定資産税も下がりますが、今度は「修繕費」が必要になってきます。
つまり、どっちもどっちなんです。
なので、「固定資産税・修繕費として月2万円くらいはみておく」ぐらいじゃないと、家計が厳しくなってくると思います。さらにローン控除で10年~13年くらい戻ってきます。なので、それらも固定資産税・修繕費用として貯めておくのが、無難なんじゃないかなと思います。
当然ですが家を建てる際、このようにたくさんお金がかかります。
家づくりを考える際には、持ち家によるメリットだけを考えるのではなく、費用面などのデメリットもしっかり理解した上で正しい選択・判断をしていきましょう。家づくりの基本として、覚えておいてくださいね。
まとめ
「1,500万円の土地に、100㎡(30坪程度)の一軒家」を建てた場合、かかる固定資産税は以下の通り。
長期優良住宅の認定なし(建物分の減税措置が3年で終了する)の想定
- 1~3年目:113,333円(月換算:約9500円)
- 4~6年目(ピーク):148,933円(月換算:約12,500円)
- 7年目~:137,033円(月換算:約11,500円)から徐々に減少
- 25年目(下げ止まり):67,333円(月換算:約5600円)
あくまで上記条件における例です。
「固定資産税」で覚えておくべきこと
- 固定資産税は、「土地」と「建物」の両方にかかる
- 土地は一生、建物は20%で下げ止まるが一生かかる
- 固定資産税は「4~6年目」がピーク
- 固定資産税+修繕費で「2万円/月」はみておこう