2026.06.23
目次
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2026年8月に記事の内容を更新しております。動画の内容は撮影当時のものとなりますので、あらかじめご了承ください。
フラット35は本当にお得?住宅ローン選びで損しないための基本
住宅会社に紹介された銀行で、そのまま住宅ローンを組む人は多いです。
ただ、それが本当に自分にとってベストな選択かどうかは、別問題です。
「銀行によって条件はそこまで変わらない」「営業担当がすすめてくれたから大丈夫」と思いたくなりますが、住宅ローンは銀行選びで100万円、200万円単位の差が出ることもあります。
しかも、住宅ローンは一度組むと借り換えがかなり大変です。実質的には、最初に組んだ銀行と長く付き合うことになります。
住宅会社の営業担当は忙しいため、いつも使っている銀行へそのまま流すこともあります。それが施主にとってベストとは限りません。
だからこそ、施主自身が知識をつけて自分たちにとってベストな住宅ローンを選ぶことが大切です。
賢い住宅ローンの基本戦略
頭金を入れない・繰り上げ返済しない
まず大前提として、頭金を無理に入れる必要はありません。繰り上げ返済も、手元の現金を減らしてまで行う必要はありません。
もちろん、お金があり余っているなら頭金を入れても問題ありません。ただし、手元の現金を減らしてまで住宅ローンに突っ込むのはおすすめしません。
現金はとても大切です。できるだけ手元に残しておきましょう。
現金があれば余計な保険をカットできる
手元に現金があると、余計な保険を減らせます。
医療保険、がん保険、学資保険、車両保険など、手元に数百万円の現金があればカットできる保険は多いです。
日本人はリスクゼロを目指しすぎて、保険貧乏になっている人もいます。リスクを減らすつもりが、家計を圧迫して経済的なリスクを増やしている状態です。
住宅ローンを組むと月々の負担が増えます。保険や使っていないサブスクを見直し、家計を整えることも重要ですよ。
現金は資産運用や事業にも使える
現金が手元にあれば、資産運用に回せます。事業を始めたいときの資金にもなります。
住宅ローンの金利が上昇すると不安に感じる人もいます。しかし、手元の現金を住宅ローン金利以上で運用できるなら、頭金として使い切るより、手元に残しておく方が合理的な場合もあります。
家は資産というより、負債であり贅沢品でもあります。大切な現金をすべて家に突っ込む必要はありません。
現金は精神安定剤になる
手元に現金があると、心が安定します。
仕事ができなくなることもありますし、想定外の出費が出ることもあります。そういうときに頼れるのは現金。
収入がなくても半年から1年ほど生活できる現金を手元に置いておく。これだけで精神的な安定につながり、仕事のパフォーマンスにも良い影響があります。
つまり、住宅ローンは無理のない範囲で借りられるだけ借り、現金は手元に残すという考え方です。
もちろん、月々の支払いができないほど借りてはいけません。ただ、支払える範囲であれば、低金利の住宅ローンを活用する価値はありますよ。
変動金利か固定金利か
金利が上がっているため、変動金利に不安を感じる人もいます。一方で、固定金利は変動金利より1%以上高いことが多く、もったいないと感じる人もいます。
住宅ローンの金利は、大きく3種類あります。
| 変動金利 | 借入期間中、金利が変動するタイプ |
|---|---|
| 全期間固定金利 | 借入期間中、金利が固定されるタイプ |
| 期間固定金利 | 一定期間は固定金利で、その後は変動金利になるタイプ |
店頭金利と優遇金利を理解する
住宅ローンでは、店頭金利と優遇金利という言葉を理解しておく必要があります。
店頭金利は、いわば定価のようなものです。そこから優遇金利(割引)が引かれ、実際に適用される金利が決まります。つまり、店頭金利から優遇金利を引いたものが、自分たちの適用金利です。
変動金利は短期プライムレートに連動する
変動金利の店頭金利は、短期プライムレートという指標に連動します。
日銀が政策金利を上げる、無担保コールレート・オーバーナイト物が上がる、といったニュースが変動金利に影響します。
2026年6月には1.0%に上がりました。今後も上がっていく見通しがあるため、変動金利の店頭金利も上がっていく可能性があります。
固定金利は10年国債の利回りに連動する
固定金利の店頭金利は、10年国債の利回りで決まります。
10年国債の利回りが上がると、固定金利も上がります。固定金利を検討している人は、10年国債の利回りが上がっているのか、下がっているのかを見ておきましょう。
固定金利が先に上がり、その後に変動金利が追随するとも言われています。つまり、変動金利も固定金利も、今後は上がっていく傾向が強いということです。
重要なのは優遇金利
施主が特に見るべきなのは、優遇金利です。
優遇金利は、銀行ごとにかなり自由に決めています。銀行がどれくらい住宅ローンのお客さんを取りたいか、営業戦略によって変わる部分です。
最終的な適用金利を安くしようとしている銀行はどこか。ここを調べることが重要です。
変動金利か固定金利か?

結論として、絶対に変動がいい、絶対に固定がいい、とは言えません。将来の金利は誰にも分からないからです。最終的には、自分たちで判断するしかありません。
私なら、引き続き変動金利を選びます。
理由は、変動金利と固定金利には今でも1.5~2.5%程度の差があるためです。この差が本当に埋まるのかどうかを考える必要があります。
また、金利の影響は残債が多い時期ほど大きくなります。借入直後は残債が多いため、この時期の金利負担を下げる方が合理的です。
変動金利が上がるのは不安ですが、変動金利が上がる背景には、景気や物価、賃金が上向いていることもあります。
金利が上がるなら、その分、仕事や勉強を頑張って稼ぐ。私は、そういう覚悟を持つことも大切だと考えています。
固定金利が向いている人
固定金利が向いているのは、金利変動でドキドキしたくない人です。
固定金利が変動金利より高いのは、安心を買う保険のようなものです。安心を重視したい人には向いています。
また、将来的に政策金利が上がると予想する人も、固定金利の方が有利になる可能性があります。
期間固定は使い勝手が悪い
期間固定は、あまり選択肢に入れなくていいです。
昔は最初の10年間だけ金利がかなり安い商品もありましたが、最近はあまり見かけません。固定にするなら、フラット35の方が安いこともあります。
期間固定の注意点は、固定期間が終わった後の優遇金利が小さくなりやすいことです。
全期間変動の優遇幅より、期間固定後の変動金利の優遇幅の方が小さくなることが一般的です。総合的に見て、得になりにくいと考えています。
変動と固定のミックスも慎重に
変動金利と固定金利を半分ずつ組むミックス型もあります。
理屈上はリスク分散になりますが、固定部分の金利が高いため、全体で見ると金利が高くなりやすいです。なしではありませんが、数字で考えると得になる可能性は低いと考えています。
基本は、全期間変動か全期間固定。この2択で考えれば十分です。
フラット35徹底解説
フラット35の基本的な仕組み
フラット35は、住宅金融支援機構が提供する住宅ローンです。
商品自体は1つですが、それをさまざまな銀行や窓口が取り扱っています。金利は多くの窓口でほぼ同じですが、事務手数料は窓口によって変わります。そのため、どこから申し込んでも同じではありません。
フラット35は、全期間固定の住宅ローンです。借入期間中、金利が変わりません。
20年以下で組む場合は2.97%、35年以下で組む場合は3.29%、フラット50で50年以下の場合は3.50%という金利水準です。※2026年8月時点
全期間固定を選ぶなら、フラット35は最有力の住宅ローンです。
フラット35が向いている人

全期間固定にしたい人
まず、全期間固定にしたい人にはフラット35が向いています。
金利が変わらない安心感を重視する人には、有力な選択肢です。
自営業の人
自営業の人にも、フラット35は向いています。
一般的な銀行では、最低でも3年分の決算書を見られることが多く、業務上の取引なども細かく確認されます。一方、フラット35は最近1年間をベースに見る方針のため、自営業でも比較的組みやすい住宅ローンです。
転職して間もない人
転職して間もない人にも可能性があります。
極端に言えば、1ヶ月分の給与明細があれば審査の土俵に乗ることもあります。実際には3ヶ月から半年ほど経てば、かなり検討しやすくなります。ただし、前職とまったく違う業種に転職した場合や、年収が大きく下がった場合は注意が必要です。
同じ業種での転職や、明らかなキャリアアップで年収が少し上がったようなケースなら、数ヶ月から半年でも審査に乗りやすくなります。
団体信用生命保険に入れない人
一般的な住宅ローンでは、団体信用生命保険(亡くなったり高度障害になったりした場合に、住宅ローンがなくなる保険)への加入が基本です。
しかし、病気や手術歴がある人は、団体信用生命保険に入れないことがあります。フラット35は、団体信用生命保険に入らなくても組めるため、こうした人にとって有力な選択肢になります。ただし金利条件は変わってきますのでご注意を。
パート収入を全額合算したい人
フラット35は、パート収入を全額合算できる点も特徴です。一般の銀行では半額程度までしか合算できないこともありますが、フラット35では全額参入できる場合があります。
ただし、パート収入を合算しないと住宅ローンがギリギリ組めないような状態なら、家を建てるタイミングは慎重に考えるべきです。戦略的に借入額を伸ばしたい人にとっては、使いやすい選択肢です。
フラット35のポイント制度で金利が下がる
フラット35には、ポイント制度があります。
1ポイント獲得するごとに、5年間の金利が0.25%下がります。
4ポイントあれば、5年間で金利が1%下がります。5ポイント獲得すれば、6年目から10年目の金利がさらに0.25%下がります。
8ポイント獲得すれば、10年間マイナス1%。9ポイント以上なら、11年目以降にも適用できます。
子どもがいる世帯はポイントを取りやすい
子ども1人につき1ポイントもらえます。
子どもがいなくても、若年夫婦世帯に該当すれば1ポイント獲得できます。
さらに、お腹の中にいる赤ちゃんも対象です。母子手帳が出ていれば、胎児でも1ポイントとして扱われます。
住宅性能(フラット35 S)
フラット35Sの基準を満たすと、住宅性能でもポイントが取れます。
ZEHを取ると3ポイント、Aプランなら2ポイント、Bプランなら1ポイントです。ZEHは、断熱等級5、一次エネルギー消費量等級6、太陽光発電などを組み合わせることで取得できます。
Aプランは、断熱等級5と一次エネルギー消費量等級6で取得できます。耐震等級3などでも対象になるため、せやま基準をクリアしていればAプランは取りやすいです。
長期優良住宅
長期優良住宅を取得すると、さらに1ポイント獲得できます。
子どもが多い家庭で、住宅性能や長期優良住宅のポイントも組み合わせれば、かなり大きな金利引き下げになります。
フラット35の決済はなるべく月末に!

フラット35を利用するなら、月末決済を意識してください。
フラット35の固定金利は、月初に金利が変動します。今は上昇している基調なので、変動前がお得ですし、コストカットにも繋がりますよ。
フラット35に関するQ&A
窓口による手数料はどれくらい違う?
フラット35は、窓口によって事務手数料が大きく変わります。1%前後~2.2%とかなり差があるので、絶対に安い窓口から申し込んでください。
4,000万円の1%なら40万円。2.2%なら88万円です。その時点で40万円、50万円ほど差が出ます。
また、施主が窓口へ直接申し込むと、事務手数料が高くなることがあります。住宅会社経由で申し込む方が、提携により手数料が安くなることが多いですよ。
最低でも、1%前半くらいの事務手数料の窓口を選んでくださいね。
フラット35は9割融資しか無理?
フラット35は、原則として9割融資です。残り1割は現金を用意する必要があります。
ただし、現金を出せるけれど出したくない場合は、残り1割を融資してくれる制度が2パターンあります。
①フラット35の10割融資を使う方法
ただし、これを使うと金利が0.11%ほど上がります。ローン全体に金利上昇の影響が出るため、負担は大きくなります。
②窓口ごとの1割融資
窓口ごとに1割だけの分離した融資をやっています。この場合、金利は少し高めですが、適用されるのは1割部分だけで、残り9割には、元の安い金利が適用されます。
繰上返済をするなら、その1割融資から繰上返済していけば、金利が高いところから減らすことができますよ。
10割借りたい場合は、窓口ごとの1割融資を使う方がお得ですよ。
フラット50はどう?
フラット35でも返せるけれど、手元に現金を残しておきたいということを戦略的にやるならアリ。
ただし、目先の負担を減らす目的ならNG!「収入が低い人でもいけます」などと言って勧めてくる住宅会社もNGですよ。
借入可能額は?
年収400万円以上で約7~8倍までは借りられると思いますよ。
今は一般銀行とフラット35の借入可能額もあまり変わらなくなってきています。
まとめ
今回はフラット35に特化してお話しました。
固定金利を検討している方は最有力の選択肢ですが、制度を知らないと大きな損にも繋がりますよ。
しっかり情報をチェックして、後悔のない住宅ローン選びをして下さいね。


