2026.08.07
2026.08.07
【ちょうどいい塩梅の家づくり】住宅価格高騰・金利上昇の今、数百万の損を回避するために絶対必要な考え方
目次
これから家を建てる人へ

住宅価格が上がり、住宅ローン金利も上昇している令和の時代。先を見通しにくい今、家を建てるリスクは以前より大きくなっています。
だからこそ、家づくりを始める前に知っておきたいことがあります。
家にお金をかけすぎない。質は必ず担保する。そして、住宅会社任せにせず、自分で学び、判断する。
今回紹介するのは、令和の家づくりで守ってほしい5つの鉄則です。
この内容を理解したうえで、家づくりをやめるという選択をするのも一つですし、進めるのであれば、今回ご紹介する5つの鉄則をしっかり意識してください。
住宅会社は、こうした厳しい話は購入意欲を下げてしまうので、積極的にはしてくれません。
ただ、家を建てること自体がゴールではありません。本当に大切なのは、家を建てた後の暮らし。無理なくお金を残し、快適な住環境で家族と楽しく過ごす。その時間をつくることこそが、家づくりの目的・ゴールだと私は考えています。
少し耳の痛い話もありますが、住んだ後に後悔しないために、最後まで確認していきましょう。
家づくりを始める前に知っておきたい大前提
家づくりには、いろいろな考え方があり、誰にでも当てはまる「絶対にこれが正解」というものがありません。
ある人には私の考え方が合っていても、別の人には全く合わないこともあります。家づくりの情報を集めると、発信者によって正反対の意見が出てくるでしょう。
1階リビングが良いという人もいれば、2階リビングをすすめる人も。家にはなるべくお金をかけるべきではないという意見もあれば、一生に一度だから徹底的にこだわるべきだという考え方もあります。
情報だけを追いかけると、何を信じれば良いのか分からなくなります。
まず大切なのは、自分たちの価値観に合う考え方を持った人を見つけることです。
せやまの考え方
私にとって、家は暮らしを良くするためのツールです。家そのものに強い思い入れや熱意はありません。
なぜなら、家は基本的にお金を生み出すものではなく、お金が出ていく負債だからです。そのため、必要以上にお金をかけるべきではないと考えています。
一方で、住まいの質をしっかり担保した家は、本当に快適です。
私はもともと賃貸派、マンション派でした。しかし、質を担保した戸建て住宅で暮らしてみて、家が人生を豊かにしてくれることを実感しました。
私には子どもが4人います。子どもたちと過ごす環境としても、質の高い戸建て住宅は非常に快適です。
だからこそ、なるべくコストを抑えながら、必要な質はきちんと担保する。
「ちょうどいい塩梅の家づくり」
これこそが、施主目線の“解”なのではないだろうかと考え、一生懸命普及に努めているわけです。
家にとことんお金をかけたい人や、質よりも人生をかけて世界にひとつだけの作品(家)をつくりたい人には、私の話は参考にならないでしょう。
また、私はかなりのズボラです。意識の高い丁寧な暮らしもできません。同じような価値観を持つ人は、ここから紹介する5つの鉄則を頭に入れてください。
令和の家づくりで守るべき5つの鉄則
1. 家なんかにお金をかけるな!

最初の鉄則は、家にお金をかけすぎないことです。これは、家づくりを考えるうえで最も重要な大前提。
住宅会社の営業担当者から、「賃貸住宅では家賃を払っても何も残りませんが、家を建てれば資産になります」と説明されたことがある人もいるでしょう。
一部は間違いではありません。ただし、冷静に考えると、建物そのものは基本的に資産にはなりません。
住宅ローンを返済している間は、毎月お金が出ていきます。さらに、10年、20年と暮らせば、修繕費やメンテナンス費用も必要です。
家はお金を生み出すものではなく、お金を使うもの。つまり、基本的には消費であり、負債です。
食事や衣服、車と同じように、生活するうえで必要なものではありますが、必要だからといって、際限なくお金をかけて良いわけではありません。
もちろん、資産価値の高い土地を買えば、土地が資産になる可能性はあります。質の良い家で暮らすことで、健康という大切な資産を得られるという考え方もそのとおりです。
それでも、お金という面だけで見れば、建物は資産になりにくいもの。
だからこそ、家にお金をかけすぎない!家を大きくしすぎない!
延床面積は30坪前後を基本とし、大きくしても35坪程度まで。住宅価格が上がっている時代だからこそ、家にお金をかけすぎない意識を持ってください。
2. 質を担保しろ!

住まいの質は必ず担保してください。質を担保できないのであれば、家を建てないほうが良い。そのくらい重要!
家を建てる目的は、資産性だけでも、自己満足だけでもありません。最も大切なのは、住環境の質を高めることです。
質を担保した戸建て住宅は、一般的な賃貸住宅やマンションよりも、格段に良くすることができます。
一方で、家づくりに失敗すれば、賃貸住宅やマンションより暮らしにくくなることも。戸建て住宅を建てれば、自動的に良い住環境が手に入るわけではありません。
必要な条件を学び、質を担保した家を建てること。これができれば、戸建て住宅での暮らしは本当に最高です!
私は体が強いほうではありませんが、質を担保した家へ引っ越してからは、季節性の風邪にはかからなくなりました。
もちろん、持病の喘息が出ることや、ノロウイルス、インフルエンザ、新型コロナウイルスなどに感染することはあります。
ただ、家の中の温度がどの部屋でも一定で、二酸化炭素濃度を低く保てる空気環境は、体の健康をしっかり支えてくれます。
最低限クリアしたい6つの住宅性能
住まいの質を担保するには、何を確認すれば良いのでしょうか。
せやま基準一覧表では、性能に関する24項目を紹介しています。ただ、24項目すべてを確認するのが難しい人は、まず次の6項目を押さえてください。
| 窓 | 樹脂サッシを採用 |
|---|---|
| 断熱 | 断熱等級6、HEAT20のG1~G2程度を目安 |
| 気密 | C値0.7以下を実測で担保 |
| 換気 | シロッコファンを使ったダクト排気型の換気システムを採用 |
| シロアリ対策 | ピレスロイド系の防蟻・防湿シート「ターミダンシート」などを採用 |
| 耐震 | 許容応力度計算による耐震等級2以上、できれば耐震等級3を取得 |
この6つをクリアすることで、戸建て住宅の住環境は抜群によくなります!
さらに学ぶ意欲がある人は、せやま基準一覧表の性能24項目を確認し、必要な性能を担保しましょう。済んでからの快適性が担保されます。
「家なんかにお金をかけるな、質は担保しろ」
この「ちょうどいい塩梅の家づくり」こそが、令和の家づくりの答えだと考えます。
3. 「家づくり=ハウスメーカー」という思い込みを捨てろ!

3つ目の鉄則は、家づくりといえばハウスメーカー、という思い込みを捨てることです。
これは、ハウスメーカーを批判したいわけではありません。
ハウスメーカーは、与信が素晴らしい、企業としての知名度は大きく、働いている社員も優秀な人が多いでしょう。そこを優先する人がハウスメーカーを選ぶことは、まったく否定しません。
ただし、なるべくお金をかけずに質を担保する「ちょうどいい塩梅の家づくり」を目指す場合は、ハウスメーカーは割高すぎます。もったいない!質がそんなに高くないわりに値段が高すぎる!と費用対効果が合わないケースがあります。
実際の建物や性能に使われている費用だけでなく、人件費、広告宣伝費、展示場の維持費などにも多くのお金がかかるからです。
工務店ならどこでも良いわけではない
では、工務店なら安心なのか。もちろん、そんなことはありません。残念ながら、問題のある工務店も数多く存在します。
つまり、「ハウスメーカーで建てるべき」「工務店で建てるべき」という単純な話ではありません。
施主自身が家づくりを勉強し、住宅会社を見極める必要があるということです。
家づくりの本質を学べば、ハウスメーカーの価格が高くなりやすい理由も分かります。
人件費や知名度やブランド力を優先するならハウスメーカーという選択もあり。一方で、実際の建物にお金をかけ、コストを抑えながら質を担保したいなら、地域の優良工務店が有力な候補になります。
ただし、工務店選びにも知識が必要です。
家がどのような要素でできているのか。何をクリアすれば家づくりに成功できるのか。住宅会社の名前を比較するだけでなく、家づくりを構成する要素まで分解して学んでください。
優良工務店を意地でも見つける
地域の工務店の中には、適正な利益で住まいの質を担保し、標準仕様も充実している会社があります。さらに、担当者や職人の質が高く、財務状況も安定している会社も。
そうした工務店を、意地でも見つけてください。勉強して本当に良い会社を見極める。その気合いが、令和の家づくりを成功させる秘訣です。
4. 住宅業界の悪しき慣習に抗え!

住宅業界には、今でも施主にとって不利になりやすい悪しき慣習が残っています。
家づくりは一生に1回、多くても2回程度がほとんどで、比較する経験もないため、自分が建てた家が本当に良い家なのか判断することは簡単ではありません。さらに、リアルな口コミも、世の中に十分出ているとはいえません。
こうした状況の中で、「冬は寒く、光熱費が高くなる」と分かっていても十分な対策を提案しなかったり、契約後に300万円ほどの追加費用が発生すると分かっていても、契約前には詳しく説明しないケースがあります。
また、実際に施工する職人の技術や品質管理を十分に担保できていない住宅会社も珍しくありません。
「自分は大丈夫」と思ってはいけません。大切なのは、誰にでも起こり得るリスクとして正しく理解し、自分自身の知識で回避することです。
住宅会社の本当の実力は契約後に分かる
家づくりで本当に大切なのは、契約後と入居後。
契約前は、どの住宅会社も丁寧に対応し、良い顔を見せます。重要なのは、契約した後に何が起こるのか。
施主が分からない部分、気づけない部分まで先回りし、きちんと対応してくれる会社が本当に良い会社ですよ。
契約前に性能と標準仕様を確認する
住まいの質を担保するには、先ほど紹介した“重要な6大要素”をクリアすることが大事ですし、契約後の追加費用を抑えるためには、せやま基準一覧表の標準仕様に関する必須55項目もチェックしましょう。
契約後の追加費用を負担するのは施主です。だからこそ、確認を面倒がらず、契約前に標準仕様と見積りに含まれている範囲を必ず整理してください。
担当者・プランナー・現場監督・職人を指名する
営業担当者は、初回の打ち合わせ前に指名できます。住宅会社へ「経験があり、実績のある営業担当者をつけてほしい」と伝えてください。
契約前に間取りの打ち合わせをする場合は、プランナーもベテランを指名しましょう。
現場監督や職人についても同じです。「経験豊富なエースを担当につけてもらえなければ契約しません」と、契約前に伝えればOK。
多くの施主が希望を伝えないため、経験の浅い担当者や、技術力を確認できない職人が割り当てられてしまいがち。施主の力で変えられる部分は、遠慮せずに変えていきましょう。
長期保証制度だけで安心しない
「長期保証制度があるから安心」と説明されることもありますが、10年後、20年後のメンテナンス工事費を支払うのは施主。
保証を継続するために指定工事が必要となり、他社との相見積もりもできず、割高な費用を支払うケースもあります。長期保証という言葉だけで安心してはいけません。
外壁材、シーリング材、屋根材、ルーフィング、太陽光発電など、耐久性が高く、メンテナンス周期の長い材料を選んでください。知識を身につければ、契約前に確認できます。
住宅会社の財務状況も確認する
住宅会社が倒産すれば、家づくりの途中で大きな被害を受ける可能性があります。
実際に、赤字が続き、債務超過の状態にある住宅会社が倒産した事例も。財務状況を調べれば、事前にリスクを把握できるケースがあります。
専門家と同じ分析をする必要はありません。損益計算書が赤字になっていないか。貸借対照表が債務超過になっていないか。まずは、この程度でも確認してください。
完成保証制度へ加入できているかを聞くことも、財務状況を判断する材料のひとつです。
簡単な確認すらせずに契約し、後から苦労する施主は少なくありません。
住宅業界の悪しき慣習へ不満を言うだけでは、状況は変わりません。施主自身が学び、必要な情報を確認し、自分の力でリスクに抗いましょう!
5. 家を建てるなら稼ぐ覚悟を持て!

最後の鉄則は、家を建てるなら稼ぐ覚悟を持つことです。家は、どこまでいっても贅沢品。
賃貸住宅でも生活はできます。雨風をしのげる住まいがあれば、生きていくことは可能です。それでも、戸建て住宅を建て、質の高い住環境を手に入れようとしている。
日々一生懸命働いているからこそ、そのご褒美として建てられるもの。良い家を建てた後、家でのんびり過ごすことも大切です。お茶を飲み、映画を見て、趣味を楽しむ。そんな暮らしも良いでしょう。
ただ、それだけで終わってはいけません。家を建てた後こそ、稼ぐ覚悟をさらに強めてください。
お金があれば解決できる悩みは多い
仕事、家族、健康など、人生にはさまざまな悩みがあります。
すべてではありませんが、多くの悩みにはお金が関係しています。逆に考えれば、お金があることで解決できる問題も多いということ。
お金を重視する考え方に抵抗を感じる人もいるでしょうが、お金は大切。使い方を間違えれば人生を崩すこともありますが、正しく使えば、生活の安定や精神的な余裕を生み出してくれます。
堂々と稼ぎましょう。お客さんに喜んでもらい、「ありがとう」と言われながら、多くのお金を稼げば良いのです。
もちろん、育った環境や置かれている状況は人によって異なりますし、不運に見舞われている人もいます。環境に恵まれていない、会社が悪い、政府や国が悪い。そう考えてしまうこともあるでしょう。
ただ、日本は比較的、誰にでも稼ぐチャンスが与えられている国です。大金持ちになる必要はありません。少し余裕のある暮らしができる程度でも良い。ほかの人より大きな価値を世の中へ提供し、その対価として収入を得る覚悟が大切です。
家づくりは自己責任。そして、人生も自己責任です。家づくりというプロジェクトのリーダーも、人生の主人公も、脚本家も自分自身。
すべてを周囲のせいにするのではなく、自分で考え、選び、行動する。この姿勢は、家づくりでも人生でも欠かせません。
まとめ

住宅価格は高騰し、住宅ローン金利も上昇しています。ただ、仮に金利が1%上がっても、5,000万円を借りた場合の返済額の増加は月2~3万円程度です。決して小さな金額ではありませんが、収入を増やすという視点を持つことも大切。
転職や働き方の見直し、本業以外の収入づくり、投資など、方法は一つではありません。「できない理由」を並べるのではなく、「どうすれば実現できるか」を考え、行動すること。その積み重ねが人生を豊かにし、家づくりの選択肢も広げてくれます。
家なんかにお金をかけるな。でも、質は担保しろ。勉強しよう!自己責任で考えよう!そして稼ごう!
私も、一生懸命に家づくりを考える施主の役に立てるよう、そして誠実に良い家を建てる工務店が正しく評価され、適正な利益を得られる住宅業界を目指して、これからも努力を続けます。
皆さんも、施主目線の家づくりを成功させてください。
一緒に頑張りましょう!!!
PROFILE
せやま大学の人
瀬山 彰
筑波大学理工学群数学専攻卒(数理統計学士号取得)。硬式野球部に所属し、首都大学野球リーグの線形回帰分析に取り組む。
卒業後は、日本最大手の経営人事コンサルティング会社に入社。全国の住宅会社(大手ハウスメーカー・地場工務店)を担当。その中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。 中堅ハウスメーカー支店長経験を経て、2019年に起業。2021年にビーイナフ株式会社を設立。
主要事業である「せやま印工務店プロジェクト」は、2025年グッドデザイン賞受賞に加え、全国登録工務店65拠点、参加施主数は累計1723組以上、施主満足度95%以上と高い成長率と満足度を実現。また、施主や工務店のみならず、関わった全ての関係者が得をする(損をしない)、「全方良しのビジネスモデル」を他業界へ広める活動にも力を入れている。
広島県出身。娘4人の父親。2025年からは『カープ熱こじらせ兄さん せやまくん』としてのタレント活動も開始している。
