【速報】日銀利上げ決定で住宅ローン地獄が始まる!?変動金利より固定金利を選ぶべき?

【速報】日銀利上げ決定で住宅ローン地獄が始まる!?変動金利より固定金利を選ぶべき? | 「住宅ローン」について学びたい

2025年1月24日、日銀から利上げの発表がありました。これは住宅ローンを変動金利で組んでいる人にとっては重大ニュースです。利上げ自体は予想されていましたが、その後の日銀総裁である植田総裁の質疑応答のなかで、今後家を建てる人は知っておきたい驚くべき情報もありました。それを含めて今回の利上げによる影響や、今後見込まれる利上げの幅やタイミングを根拠を含めて紹介します。そのうえで金利が上がっていく世界で家を建てる場合の注意点も紹介するので、参考にしてください。

今回は以下を詳しく解説していきます。

金利とは?

金利とは、景気の調整によく使われます。景気が悪い時はお金を借りやすくするために金利を下げて景気を上げていきます。これが今までの日本です。一方、景気が過熱しすぎて物価が上がるとお金の価値が下がるので、金利を上げて金融の引き締めを行います。このように金利を上げ下げすることで、日銀(日本銀行)は日本の景気を一番ちょうどいい塩梅のところに落とし込んでいます。

今までの日本は金利を下げていました。ただ物価が上がっているインフレ状態になっているため、これ以上物価が上がって貨幣価値が下がるのを防ぐために金利を上げるという話がでています。

さらに日本の金利が低いため、金利が高いアメリカのドルを買う人が多く円安になっています。こういった円安も是正しなければなりません。

ただ、金利を上げると国民の負担が増えるので賃金を上げないといけません。そこで、春闘で大手企業の賃金が上がっていることから「今こそ利上げのタイミング」と、2024年3月にマイナス金利を解除して政策金利を0.1%に引き上げました。そして2024年7月に政策金利がさらに0.25%に上がって、住宅ローンの変動金利も上昇しました。

さらに2024年12月に利上げの見通しがありましたが、ここでは利上げがありませんでした。そして年が明けた2025年1月に政策金利を0.25%から0.5%に上げるという利上げの発表がありました。

これによって短期プライムレートという変動金利の基準になるレートも、0.25%上がることが予想されています。それに伴い、変動金利も上がる可能性があります。ただし短期プライムレートの金利が変動金利になるわけではありません。

たとえば変動金利が2.475%で優遇が2%の場合、仕上がりが0.475%になります。この0.475%が実際に負担する金利になることは覚えておいてくださいね。

金利変動の流れ

  1. 政策金利が上がる
  2. 短期プライムレートが上がる
  3. 変動金利が上がる

政策金利が上がると短期プライムレートも上がり、それに伴って住宅ローンの変動金利が上がるのが金利上昇の流れです。今回もこの流れになることが予想されます。

変動金利はどうなる?

今回も変動金利は上がると予想されます。短期プライムレートが0.25%上がるので、変動金利も0.25%上がるでしょう。

4,000万円を35年ローンで借りている場合、月々4,500円の負担増になります。金利だけで考えても、35年で約188万円上がります。5,000万円を35年ローンで借りている場合は、月々の負担額が5,600円増えて、金利は35年間で約235万円上がります。

質問①:5年ルールや125%ルールがあるから大丈夫では?

こういったルールがあっても全然大丈夫ではありません。5年ルールは「急に返済額が上がると大変だから、5年間は支払金額を一定にする」というルールで、125%ルールは「支払額が上がったとしても25%までにしておく」というルールです。

ただし、これらはあくまで将来のツケです。支払金額は変わらなくても内訳が変わり、金利の割合が増えています。つまり返済しても元本が減らず、後から返さなければなりません。意味がないわけではありませんが、あまり意味のないルールなのであてにしないことが大切です。

金利は今後も上がる?ペースはどれくらい?

今後、金利を考える上では「中立金利」というキーワードを意識してください。

中立金利とは

中立金利とは、いわゆる「ちょうどいい塩梅の金利」です。金利が低すぎると経済が過熱して円安になりますが、金利が高すぎると不景気になって困ります。そのため、緩和しすぎず引き締めしすぎず、ちょうどいい塩梅のことを中立金利といいます。ここを目指すのが日銀の考え方です。

ただ、「中立金利は何%」と決まっているわけではありません。答えがあるものではないので、色々な人の考え方によって中立金利が変わります。

植田総裁の考える中立金利

植田総裁の会見の中で、「日銀の意見として」「人口の減少によって変わるかもしれない」という前置きをしながらも「中立金利は1.0~2.5%」という発言がありました。

これは私の予想ですが、植田総裁は中立金利を2.5%にするつもりはないでしょう。ただし「1.0%にはする」という決意表明をしたと考えています。そのため、近いうちに1.0%までは上がると考えています。

今回は政策金利が0.25%上がって0.5%になりました。次に上がるとしたら半年後の2025年7月の参院選後に、さらに0.25%上がって0.75%になるかもしれません。その後、2026年には1.0%まで上がる可能性は十分にあります。

諸外国や為替の動きなどの情勢に応じて決めることなので今は分かりませんが、政策金利が1.0%になることは覚悟した上で資金計画をしなければなりません。

政策金利が1.0%になった場合の返済額

  • 4,000万円借りている場合
    1.0%になれば月々約13,500円のプラス
  • 5,000万円借りている場合
    1.0%になれば月々約16,800円のプラス

政策金利が1.0%になった場合、4,000万円借りている人は月々約13,500円の負担増になりますし、5,000万円借りている人は月々約16,800円の負担増です。

質問②:変動金利が上がるなら固定金利にすれば良い?

「変動金利が上がるなら固定金利にすれば良いんでしょ?」という人がいますが、これは考え方が甘いです。変動金利よりも固定金利の方が先に上がっています。既にフラット35の金利は1.8~1.9%くらいになっているので、変動金利が上がったからといって固定金利に変えるのはあまり意味がありません。

2025年はフラット35の金利があまり上がっていないので、変動金利と固定金利の差が縮まっている時期かもしれません。ただし負担金利0.5%が0.75%になっても、変動金利と固定金利の差は1%強あります。今に限って言えば固定金利の方が少しお得かもしれませんが、それでも1%の差があります。これを埋めるためには1回の利上げ幅が0.25%だとして4回の利上げが必要になります。そう考えるとそれなりに差があります。

変動金利か固定金利か

私の見解としては、変動金利の方が良いです。変動金利が上がることによるドキドキ感はありますが、固定金利に追いつくのはよほどの好景気の場合です。好景気になれば賃金も増えるので、それほど問題になりません。

しかも金利というのは金額が大きい時に影響が大きいものです。将来的に残債が下がっていれば金利が上がっても影響は大きくないので、一番影響が大きい4,000万円や5,000万円借りている時の金利を下げることを優先したいので、変動金利がおすすめです。

ただし、ここは施主の自己責任で決めてくださいね。

金利引き上げの対策3選

①稼ぐ

金利引き上げに対する一番簡単な対策は稼ぐことです。金利が上がるということは賃金が上がっているということです。「それは大手だけ」と言いたくなるかもしれませんし中小企業にまで波及していないことは事実ですが、稼ぐチャンスはあります。人手不足なので転職がしやすい時代ですし、頑張らない人が多いので競争相手が弱いです。一所懸命勉強して頑張れば稼ぎやすい環境が整っているので、頑張りましょう!

政策金利が1.0%になると約13,500円や約16,800円増えると紹介しましたが、月々20,000円くらい返済金額が増えてもやっていけるくらいじゃないと、家を建てるのは危険です。ギリギリのカツカツで家を建てている時点でアウトです。「20,000円負担が増えるとしんどいけどなんとかなる!」というくらいの人じゃないと家を建ててはいけませんし、その程度の仕事しかしていないのは問題です。

「うちの企業は給料が上がらない」というのであれば転職すれば良いですし、「儲からない業界にいる」というのであれば、業界を変えるだけです。前向きに自分ができる対策をしていけば稼げる時代なので、稼いでください。

②繰上返済の原資を貯める

現在のローン控除は0.7%ですが、今回の利上げによって、金利が0.7%を超える銀行も増える可能性があります。その場合、「13年間は繰上返済をせずに待つ」という考え方は通用しなくなります。金利が0.7%を超える場合は、早めに繰上返済をした方が有利になる場合があります。また、手元に現金があるなら、頭金として支払うのもアリです。ただし、繰上返済には手数料がかかる場合があるため、そのコストも考慮してくださいね。

一方で、手元の現金が十分でないのに無理に繰上返済や頭金を支払うのはおすすめできません。現金を手元に置いておくことで精神的な安心感が得られますし、不必要な保険に加入するリスクも減らせますよ。

繰上返済や頭金の支払いを考えるのは、手元資金に余裕がある人に限られます。この点を意識しながら、ローン控除の0.7%と現在の金利動向を比較して判断してくださいね。

③元利均等ではなく元金均等を選ぶ

金利が上昇していく時代には、元金均等返済を検討するのもおすすめです。多くの人は、月々の支払額が一定で最初は利息の割合が多く、徐々に元金が減る「元利均等返済」を選択します。この方法は支払い額が安定しているため、計画を立てやすいのが特徴です。

月々の返済に余裕がある人は「元金均等返済」がおすすめです。元金均等返済では、元金部分を毎月一定額返済するため、初期の支払額は高くなります。一方、利息の負担が早く減るので、月々の支払い額が徐々に軽くなります。結果的に総利息額を抑えられるため、金利上昇時には特に有効ですよ。

どちらの返済方法にもメリットとデメリットがあるので、特徴を理解して生活設計や資金状況にあった選択をしてくださいね。

まとめ

金利上昇への対策

  • 社会の平均以上の付加価値を市場に提供して稼ぐ
  • 固定金利よりも変動金利の方がおすすめ
  • 稼ぐ能力がある人は元金金との選択肢もアリ
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せやま印工務店とは?

PROFILE

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せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

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