2024.11.14
夏の終わりを迎える9~10月は、最も空き巣の被害が増える季節です。今回の記事では、秋に空き巣が増える理由と、空き巣の防犯対策を21個紹介します。防犯対策というと「お金をかけなければならない」と思う人が多いですが、実は無料でできる防犯対策や、意識だけでできる防犯対策もたくさんあります。また、既に標準仕様で家に防犯対策がついているのを知らずに、使いこなせていないものもあります。
無料でできる防犯対策や少額でできるものに加え、コストカットできる防犯対策や、お金に余裕がある人におすすめの防犯対策を、合計21個紹介します。これから戸建を建てる人はもちろん、既に戸建に住んでいる人も空き巣が増える秋に向けて防犯対策を学んでくださいね。
今回は以下を詳しく解説していきます。
目次
秋に空き巣が増える理由
窓を開けることが増える
空き巣の侵入経路の約半分は、開いている窓や玄関ドアです。つまり、どんな防犯対策をするよりも、窓を閉めることが大切です。
秋は涼しくなるため、窓を開ける人が増えます。その窓を開けっぱなしにしたまま外出すると、空き巣に狙われてしまうので注意してください。
現金を家に置くことが増える
秋はハロウィンや七五三などのイベントが多く、年末年始のクリスマスや正月に向けて現金を自宅に置いておくことが増えるのも、空き巣が増える理由の一つ。
このような理由で、特に10月に向けて空き巣が増えます。「これ、我が家にも付いているからできる!」という対策もあるので、知識を使って防犯していきましょう!
無料でできる防犯対策6選
①SNSに外出中の投稿をしない
外出や旅行をした時に、リアルタイムでSNSに投稿するのはやめてください。泥棒や空き巣はSNSをチェックしていますよ。「今日は旅行に行きました!」という投稿は、家にいないことを全世界に発信していることになるので、投稿には時差を持たせる方が良いですよ。
また、自宅の住所が特定されるような投稿もやめた方が良いです。SNSの投稿によって個人情報や自分の行動がバレているという意識を持ってください。
②ご近所付き合いをする
ある程度のご近所付き合いはしておいてください。昔に比べるとご近所付き合いが少なくなっていたり、めんどくさいと感じたりする人もいますよね。ただ、泥棒は下見に行った時に近所の人にジロジロ見られたり声をかけられたりすると、やめるケースが多いです。
いつもは近所にいない人が覗いていると怪しいですよね。そういうことをちゃんと見て教えてくれるご近所付き合いはしておくのがおすすめです。面倒な自治会などもありますが、人付き合いは防犯にも繋がることを理解して、最低限のご近所付き合いはしてくださいね。
③ゴミが放置された地域は避ける
ゴミ出しの日に散らかっているのを放置しているエリアに住むのは避けた方が良いです。ゴミが汚い状態で放置されていると、泥棒は「見る目が少ない」と判断します。治安やマナーの面もありますが、防犯という観点でも汚い町は泥棒に狙われやすいので注意してください。
④戸締まりする
無料でできる防犯対策といえば、戸締まりです。被害の約半数は無施錠のドアや窓から侵入されています。戸締まりをすることが、最大の防犯対策になりますよ。
⑤二重ロックを使う
窓の下の部分にある二重ロックも活用してください。
基本的に、70%の泥棒は侵入開始から2~5分くらい経つと諦めます。二重ロックを使って時間を稼ぎ、侵入を諦めさせてください。大体どんな家にも付いている設備なのに、使っていないことが多いです。短時間の外出でも長期の外出でも活用してくださいね。
⑥自宅に現金を置かない
イベントごとが続くからといって、自宅に現金を置かないことも大切です。最近はキャッシュレスも増えているので、そちらを利用してください。泥棒はよく観察していて、狙う家が決まったら外出する時間や銀行のATMに行く時間や、給料日にいくらおろしているかを把握しています。現金や貴重品を家に置いておくのは危険ですよ。
少額でできる防犯対策8選
①人感センサー付き照明
人感センサー付きの照明はおすすめです。玄関周りを暗くしないことが大切ですよ。泥棒は見られることを嫌うので、玄関周りは明るくしておいてください。玄関だけではなく駐車場にも人感センサー付きの照明を付けておけば、家の周りを泥棒が歩いた時に明るくなるので、防犯効果がアップします。このように、人感センサー付きの照明は帰宅時に明るくなるだけではなく、防犯面でも効果がありますよ。
②録画機能付きインターホン
泥棒は不在かどうかを確認するためにインターホンを押すので、録画機能付きのインターホンであれば少し抑止効果が期待できます。もちろんカメラを隠して押されることもありますが、録画機能の有無を比較すると、ないインターホンを狙ってくるのは当然です。また、録画機能が付いていれば留守中に来客があった時にも便利です。宅配便の服装を着て現れる泥棒もいるので油断はできませんが、録画機能付きのインターホンはおすすめですよ。
③ディンプルキーを使う
普通のシリンダーキーは簡単に開けられてしまうので、ディンプルキーを使ってください。ディンプルキーも開けようと思えば開けられますが、ピッキングにかなり時間がかかります。
前述の通り「侵入に5分かかる」というのが一つの目安です。「入られない家」よりも「入るのに時間がかかる家」にしておけば対策になります。最近の家はほとんどがディンプルキーですが、だいぶ前に建てた家や、リフォームを検討している場合は、ぜひ玄関ドアをディンプルキーにしてくださいね。
④防犯機能付きのドア
YKK APのヴェナートのように、玄関ドア自体に防犯機能が付いているものもあります。鍵穴が見えないようになっているような玄関ドアがおすすめです。泥棒も、そういう玄関ドアを敢えて狙いません。しかも、ドアは鍵穴の下に鍵がある二重鍵になっています。
上のカギを開けられても、一定時間が経過すれば自動ロックされます。泥棒もこうした機能はよく知っているので、防犯機能が付いたドアは狙われにくいですよ。
前述した通り「入られない家」ではなく「狙われない家」にしていくことが大切ですよ。
⑤脱着サムターン
玄関のドアの隙間から手を入れて、サムターンを回して泥棒が入ってくることがあります。それを防ぐためにサムターンを外せる玄関ドアがあるので、外しておくのがおすすめです。いつも外していると邪魔くさいですが、長期で外出する場合は外しておいてください。
また、小さい子どもがいる場合、子どもの手の届く位置にサムターンがあるので勝手に開けて玄関ドアから出て行く事故もあります。こういったリスクがあるような家庭なら、サムターンを外しておくことをおすすめします。
子どもの不慮の事故に関しては、ぜひこちらの記事もご確認ください。
関連記事:住んでからでは遅すぎ!子どもの不慮の事故をおこさないための安全対策を徹底紹介【転落、誤飲・窒息、転落、やけど、肺炎】
⑥破られにくい窓にする
安全防犯ガラスのように、破られにくい窓を使ってください。死角になる部分に大きな窓がある場合は、そこだけ防犯ガラスにするのがおすすめです。
シャッターもおすすめですよ。下まで下げたらロックがかかるので、二重鍵と同等の防犯対策になります。特に防火地域・準防火地域などであれば防火対策をしなければなりません。その時に防火窓にするのではなく、引き違い窓・掃き出し窓の場合は手動シャッターで防火対策をするのもおすすめですよ。
シャッターボックスが付いて邪魔くさいと言う人もいますが、それほど気にする必要はありません。シャッターは防犯対策になりますし台風の時に閉めることもできるので、大きめの窓にはシャッターを付けることを検討してください。
⑦締め忘れ防止機能付きの窓
最近付いていることも多いですが、締め忘れ防止機能付きの窓もおすすめです。腰高の引き違い窓の場合、戸先錠というものがあります。一般的なクレセント錠は締め忘れることが多いですが、戸先錠の場合は窓を閉めたら自然と施錠されます。新築時やリフォームの際に窓を変える場合は、戸先錠にしてくださいね。
⑧防犯砂利
死角になる部分は音が鳴る砂利を敷いて、音で侵入者が分かるようにしておいてください。普通の砂利でも音はします。ただし、防犯砂利であっても街中だと音はそんなに聞こえません。特に都心部で道路沿いの場合はそれほど効果がないので、あくまでプラスアルファの予防効果くらいで考えておいてくださいね。
コストカットできる防犯対策4選
①オープン外構にする
クローズ外構のように閉鎖的な外構にすると「強固で頑丈な守り」という感じがするかもしれませんが、泥棒の隠れ場所を作ってしまいます。基本的にはオープン外構がおすすめですよ。
もしクローズ外構にするのであれば、後述するセキュリティ対策を入れた方が良いくらい、狙われやすいので注意してくださいね。
②勝手口や死角に大きな窓を付けない
勝手口とか見えない場所に、侵入できるような大きな窓を付けないようにしてください。付けないことで、コストカットもできますよ。
昔はゴミを捨てるために勝手口を付ける人が多かったですが、最近の家は換気性能がしっかりしているので、ちゃんと換気をしていれば臭いはそれほど気になりません。どうしても勝手口が必要な場合は付けても良いですが、そうでもない場合は付けない方が良いです。
また、死角になる部分に大きな窓を付けないようにしてください。どうしても付けたい場合は防犯性能の高い窓や、人感センサー付きの照明を設置するなど泥棒が嫌がる防犯対策をしてくださいね。
③バルコニーを作らない
バルコニーも意外と狙われる箇所なので、なるべく作らないようにしてください。バルコニーに上る経路がない場合は良いですが、BE ENOUGHが推奨している「1階がちょっと大きくて2階が小さい家」の場合、1階に下屋(げや)ができるので、そこから泥棒が侵入する恐れがあります。そうなると泥棒が隠れる死角になるので注意してください。
また、バルコニーは防犯面でリスクがあるだけではなく、建築費やメンテナンス費もかかりますし雨漏りの原因になります。さらに、思ったよりも使いません。このような理由があるので、なるべくバルコニーを作らないようにしてください。作ったとしても、なるべく小さめにするのがおすすめですよ。
④侵入できない細い窓にする
泥棒が侵入できないような細い窓にするのもおすすめ。窓を細くすることでコストカットもできます。ただし、窓のメーカーが言う「ここより細かったら侵入対策として有効」というサイズを勘違いしないようにしてください。
たとえば「036」と呼ばれる幅36cmの縦すべり出し窓は侵入できます。「侵入しづらいけど入れる窓」ということを覚えておいてください。
防犯対策として有効なのは「026」と呼ばれる幅26cmの窓です。このサイズまでいけば、まず入ってこられません。ガラスの面積が狭くなるので明るさなどは少し落ちますが、防犯対策を優先する場合や「ちょっとでも窓を付けたい」という場合は、026がおすすめです。
もちろん、お風呂やトイレ、脱衣所などに窓を付けるのは避けてください。空き巣問題に限らず、覗きなどの犯罪を誘発する恐れがあります。特にお風呂やトイレ、脱衣室といった水回りを中心に、無駄に窓を付けないことを覚えておいてくださいね。
さらに効果を高める防犯対策3選
①防犯カメラ
死角になる場所はどうしてもできますし、泥棒は記録にとられることや見られることを嫌います。防犯カメラを付けるのがおすすめですよ。
防犯カメラ選びのポイント
- 防水性能あり(IP65~IP67がおすすめ)
- 撮影可能な距離(日中と夜間)
- 画角
- 接続方法(無線は不安定なので有線推奨)
カメラを選ぶ時は、まず防水対策に注目してください。IP65は屋根があるところなら大丈夫な性能で、IP66なら台風でも安心です。IP67はかなり防水性能が高いです。他にも暗い時に撮影可能な距離や、写したい角度が収まるかどうかも確認してください。また、無線だと不安定なので接続方法は有線がおすすめ。
こういった点を押さえておけば、メーカーにこだわる必要はありません。防犯カメラの効果は絶大なので、犯罪が多い地域や子どもが多くて心配な家庭は検討してくださいね。
②ホームセキュリティ
しっかり対策したいなら、有名なSECOMやALSOKがおすすめです。個人的にはSECOMの方が対応がスムーズだと感じています。コスト的にもそれほど変わりませんよ。
ホームセキュリティのメリット
- 窓の戸締まりをチェック
- 室内の変化を感知
- 防犯ブザー付き
- 不在の緊急時に駆けつけ
月々10,000円くらいで、窓の戸締まりや室内の変化をチェックしてくれます。防犯ブザーも付いていて、不在の時に駆けつけてくれるサービスもあります。これくらいホームセキュリティサービスは充実していますよ。駆けつけるまでの時間にも着目して選んでください。ある程度の費用負担ができる人は、月々10,000円で安心感を得られます。
③IoTを活用
最近はIoT技術が進化しているので、こうした技術も活用してください。
IoTの活用例
- 長期不在を狙う空き巣
→照明を遠隔で操作し、在宅を装う:Switch Botなどを活用!
→室内に防犯カメラ&アピール
空き巣は長期不在のところを狙うため、窓の開閉や照明が付いているかをチェックしています。ここにIoT技術を活用することで、遠隔操作で照明を付けたり窓の開閉ができたりします。
我が家ではSwitch Botを活用しています。温度や湿度を測るだけではなく、カーテンの開閉もできます。新築住宅に限らず賃貸でも使えるサービスが充実しているので、こうしたIoT技術を活用して、長期不在の時に自宅の照明に動きを与えるのもアリです。
また、防犯カメラは外側だけではなく室内に取り付けることもできます。そういったものを取り付けて、外部から「室内にも対策している」ということが分かるようにアピールするだけでも予防効果があります。
世の中のほとんどの家が防犯対策をしていないため、泥棒が敢えて防犯対策されている家を狙うことはほぼありません。防犯対策の基本は、狙われない家にしていくこと。そして、狙われたとしても侵入に時間がかかる家にしていくこと。また、万が一入られた場合にも、盗るものがそれほどない家にしていくことも大切です。
お金をかけるのではなく、知識やテクニックを使って防犯対策をしてくださいね。
防犯対策に関しては、ぜひこちらの記事もご確認ください。
関連記事:お金をかけずにできる効果的な防犯対策7選|警視庁データから考える
まとめ
泥棒・強盗に入られないための防犯対策21選
- 無料でできる防犯対策6選
SNSに外出中の投稿をしない / ご近所付き合いをする / ゴミが放置された地域は避ける
戸締まりする / 二重ロックを使う / 自宅に現金を置かない - 少額でできる防犯対策8選
人感センサー付き照明 / 録画機能付きインターホン / ディンプルキーを使う
防犯機能付きのドア / 脱着サムターン / 破られにくい窓にする
締め忘れ防止機能付きの窓 / 防犯砂利 - コストカットできる防犯対策4選
オープン外構にする / 勝手口や死角に大きな窓を付けない
バルコニーを作らない / 侵入できない細い窓にする - さらに防犯効果を高める対策3選
防犯カメラ / ホームセキュリティ / IoT活用