住んでからでは遅すぎ!子どもの不慮の事故をおこさないための安全対策を徹底紹介【転落、誤飲・窒息、転落、やけど、肺炎】

住んでからでは遅すぎ!子どもの不慮の事故をおこさないための安全対策を徹底紹介【転落、誤飲・窒息、転落、やけど、肺炎】 | 家づくりの前に

子どもの動きは予測不能で、ふとした拍子に重大な事故を引き起こしてしまうこともあります。事故が起きてから後悔しないために、悲しい事故を起こさないために、全ての親御さんに知ってほしい安全対策を紹介します。私自身も4人の子どもを持つ親として実体験を踏まえながら網羅的に紹介しますよ。

今回は

  • 家の中で起こる不慮の事故のリスクと対策
  • 不審者への対策

など詳しく解説していきます。家を建てる人だけではなく、全ての親御さん必見ですよ。

不慮の事故で子どもたちが亡くなる割合は?

(出典:消費者庁消費者安全課)

上記の表からも分かる通り、14歳までの全てのお子さんが亡くなる原因の上位に「不慮の事故」が入っています。

(出典:消費者庁消費者安全課)

さらにこちらの円グラフを見ると、年齢別の死亡事故発生比率(平成29年~令和3年)は、0歳が25%以上を占めていることが分かります。3歳までの年代が半分以上を占めているので、0~3歳の年代が非常に危険なことが分かりますね。

これくらいの年代のお子さんがいる家庭は、ちょうど家を建てる人が多いんです。ただ、家を建てて悲しい事故が起きると、本当に辛いですよね。

今日お話する対策を理解していないと、階段の上に付ける「落下防止柵を付けるための壁がない!」ということになりかねません。また、チェーンに絡まって首が絞まってしまうような事故も、過去にありました。乳幼児って一人で玄関から出ていくこともあるので、それも防止しなければなりません。そうならないように、しっかり対策を覚えておきましょう。

小学生や中学生になってくると、一人で出歩くことも増えますよね。そうなると、心配になってくるのが不審者の存在です。このあたりは家づくりに直接関係はありませんが、具体的な対策をお話しています。また、14歳までの不慮の事故の原因の1位は交通事故です。これも昔から変わらない要因ですので、決して他人事と思わずしっかりと対策をとっていきましょう。

リスクと対策①洗濯機・乾燥機内への閉じ込め

洗濯機・乾燥機内への閉じ込め、そして窒息による死亡事故はリスクが高いです。子どもはかくれんぼが好きですよね。隠れられるようなところにはすぐ入り、扉を閉めたりします。いくら言っても子どもたちには分からないところもあるので、ドラム式洗濯機を導入する場合は絶対に扉を開けっぱなしにしないようにしましょう。「中のカビが心配」ということもありますが、開けっ放しにすると危ないです。閉めておいても、中にカビが発生しにくいようなドラム式洗濯機を選んでください。

チャイルドロック機能も必要ですよね。扉を閉めていても、4~5歳になると自分で開けることがあります。これも危ないので、チャイルドロック機能を必ず使いましょう。

また、最近では低い位置に置くことを推奨した新型DXタイプの乾太くんが発売されました。「ボタンが上についていて、下に置けるので取り出しやすい」というのがメリットですが、これも子どもがいる家庭では非常に危ないです。しかもドラム式洗濯機のように「扉が開かないようにする」というチャイルドロック機能が付いていません。この新型DXの乾太くんを導入する場合も、やっぱり上に付けるのがおすすめです。取り出しもそれほど大変ではありませんし、どうしても大変なら足台を使えば良いでしょう。子どもたちの安全性を優先してくださいね。

リスクと対策②柵が付いていない階段からの落下

階段の上が最も危険な場所です。2階で寝ていて起きた時に落ちてしまうケースが危ないので、落下防止柵を付けましょう。落下防止柵は壁に突っ張らせて付けるタイプが多いので、階段を上がったところの両側には、防護柵用の壁を残しておいてください。

(出典:日本育児)

壁がない場合は、床置きタイプの落下防止柵もあります。これは少しスペースを取ってしまいますが、これでも構いません。壁がどうしても付けられない場合は、階段の上に必ずこれを置いてくださいね。

リスクと対策③ロールスクリーンや網戸チェーン事故

チェーンが巻き付いたことによる窒息死は実際にありました。子どもたちって、こういったもので遊ぶのが大好きですよね。

対策としては、使わない時には必ず付属のクリップを使い、子どもたちの手が届かない場所に束ねて上げておきましょう。ロールスクリーンを付けてもめったに使わない箇所もあるので、普段は上にまとめておいてくださいね。

(出典:サンゲツ)

それでも心配な方は、チェーンタイプではなくプルコード型がおすすめです。引っ張る部分が常にプラプラしているのと、真ん中にあって邪魔というデメリットはあります。ただ、チェーンの事故が心配な方にはおすすめですよ。

もちろん、子どもたちがチェーンで遊んでいたら、厳しく怒ることも大切です。しっかり怒って怖い思いをさせて、チェーンで遊ばないよう、親の責任で指導してあげましょう。

リスクと対策④玄関から飛び出しての交通事故

好奇心旺盛で、歩き始めた2~3歳の子どもは特に注意が必要です。

対策としては、ドアガードを使いましょう。高い位置に付いているドアガードを使えば、2~3歳の子どもではまず開けられません。

(出典:YKK AP)

さらに対策をするなら、サムターンを外しましょう。たいてい、鍵は2つ付いていますが、1箇所はとれるんです。元々は泥棒などが外から針金などで開けられないようにサムターンを外せる仕様になっています。これを外しておくのもアリでしょう。もちろん毎回付けなければならないので面倒ですが、「一度家に出てしまって、この子はまた出ていくかもしれない」という時には、サムターンを外しておくのもおすすめですよ。

リスクと対策⑤窓やバルコニーからの落下

高層マンションなどでのバルコニーからの落下は非常に多いですよね。

窓の対策としては、まずは窓の近くにベッドを置かないようにしましょう。どうしても置いてしまう場合でも少し離して、子どもたちがぴょんぴょん跳んだ時に落ちないような配置にしましょう。

また、窓には二重鍵がありますよね。鍵を開けてても窓が開かないという二重ロックの機能がありますので、面倒かもしれませんがこれを使いましょう。

バルコニーに関しては、足台になるようなものを置かないようにしましょう。エアコンの室外機を置いている場合は多いですが、室外機は上に乗っても落下の危険性がない場所に置きましょう。他にも、プランター・椅子・テーブルといったものは絶対に置かないようにしてください。

そもそもコストやメンテナンスのことを考えると、バルコニー自体を極力付けない方が良いでしょう。めったに使いませんし、外に洗濯物を干したい時は、物干し金物を付けておけば外干しできます。このようにバルコニーを付けないこと自体も、一つの対策になります。

リスクと対策⑥お湯を張ったお風呂への転落

子どもたちはびっくりするくらい浅い水でも溺れますし、ちょっと目を離した隙に潜り始めます。

まずは、子どもがお風呂に入っている時は絶対に目を離さないようにしましょう。親が入っている時も、シャンプー中は目をつむっていることもありますよね。そんな時も、常に声をかけながら髪を洗いましょう。5~6歳になってくると自分一人で入れるので、ちょっと目を離しがちになりますが注意しましょう。湯船に入る時は声掛けをしたり、目を離す時は「歌を歌いながら入りなさい!」という対策も有効ですよ。

また、全員がお風呂に入り終わったらお湯は抜きましょう。「洗濯に使いたい」などの事情はあるかもしれませんが、できる限りお湯は抜いておく方が安全です。

お風呂のドアも、つまみによって鍵をかけることができます。しかも大体高い位置についているので、お湯を抜かない場合は扉の鍵をかけて、子どもが入れないように対策をしましょう。一瞬の気の緩みが一生の後悔に繋がるのが子どもの不慮の事故です。細かく気をつけましょうね。

リスクと対策⑦家具の転倒

地震の時はもちろん、普段も本棚などの転倒は危ないですよね。本棚によじ登り、その重みで倒れるということもあります。

対策としては、本棚やテレビボード、カップボード、食器棚といった家具は壁付けにするのがおすすめです。建築工事で壁にガッチリ固定しましょう。ただし、全部を固定できるわけではありません。冷蔵庫のように固定できない家具に関しては、必ず固定金具を付けましょう。本棚も後付けする場合は、地震対策の固定金具を付けましょう。

リスクと対策⑧やけど・刃物によるケガ

一番の対策は、キッチンの前に防護柵を付けることです。ただ、これは結構邪魔になります。付けるのが理想ですがキッチンは出入りが多い場所なので、大人が不便になりすぎるんです。また、キッチンからは物を持って運ぶことが多いので、防護柵につまずいて危なくなるというリスクもあります。

そこで、防護柵を付けるよりも、包丁やはさみを手の届かない場所に置きましょう。時々「シンクの中に包丁を置いたまま」なんて状況もありますがこれは危ないです。子どもたちがお皿を下げている時に手を切るリスクがありますよね。面倒でも、包丁を使った場合は一回ずつ洗い、手の届かない場所にしまいましょう。

お鍋などは手前に置くしかないので、これはもう目を離さないことしかできません。子どもたちに「絶対にキッチンに入らないように」という教育をしたり、何かを煮込んでいる時は絶対に目を離さないようにしましょう。

また、アイロンも危ないです。温めている間に子どもたちが触る、ということが結構あります。アイロン台は結構低い位置にあるので、置きっぱなしにしないようにしてくださいね。

リスクと対策⑨加湿器肺炎

加湿器の中に水が入っていると、レジオネラ菌などの菌が発生します。それが空気中に撒かれて、その空気を吸うと肺炎になる恐れがあります。この肺炎は命の危機にさらされることもあるので、加湿器を使う場合は注意しましょう。

加湿器の水は、必ず毎日入れ替えてください。ちょっと残っている場合も、注ぎ足さないようにしましょう。注ぎ足すとレジオネラ菌が繁殖し続けるリスクがあるので、必ず毎日替えることが重要です。

また、内部の清掃も怠らないようにしてください。特に超音波式の加湿器は汚れやすく、菌が溜まりやすいので注意が必要です。気化式の加湿器も、菌が死ぬレベルまで温度が高まるわけではないので、しっかり掃除をしてくださいね。スチーム式の場合は水を沸騰させるので、比較的菌を死滅させやすいです。それでもメンテナンスは必要なので、忘れずに掃除してくださいね。

ズボラなせやまさんがどんな機種を選んだかについては、こちらの記事でも紹介しています。おすすめの機種も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:加湿器マニアが選び方と冬の乾燥対策を徹底解説!湿度を%で管理したらダメ!

リスクと対策⑩誤飲・食べ物による窒息

これは危険性を理解していない人が結構多いんです。一番危ないのはボタン式の電池ですね。万が一ボタン式の電池を飲み込んでしまった場合、内臓を溶かす危険もあります。

対策としては、選べる場合はボタン式電池を使っている商品を選ばないようにしましょう。それでもボタン式電池の商品を使うしかない場合は、絶対に放置しないようにしてください。使った後の電池は、家の中に残しておかずにすぐに捨てることが大切です。

食べ物の誤飲も注意しましょう。ウズラの卵やブドウ、ミニトマト等は特に危険ですよね。とにかく食べる時は目を離さず「こぼしてもいいから、ガシッと噛みなさい」と、しっかり噛むようにしつけることが大切です。

(出典:産経新聞)

それでも万が一詰まった場合の対策も覚えておきましょう。背中を叩いたり、みぞおちを圧迫したりといった対策を覚えておいてくださいね。

リスクと対策⑪不審者による誘拐

不審者対策として一番大切なことは、とにかく一人で歩かせないことです。複数人で歩いていると騒がれるため、不審者も狙わないと言われています。とにかく一人で歩かせず、一人で歩く場合であっても人通りが多いところを歩くように教えましょう。

その次に防犯ブザーやGPSシステムを持たせましょう。こういったものを持たせれば子どもたちの所在地が分かりますし、万が一どこかに行ってしまった場合も追跡できます。最近では防犯ブザーは小学校で配られることもありますし、付けておくことで犯罪を抑止する効果もありますよ。

また、「不審者が来た時にどうするか」という具体的な対応を、子どもたちに教えておくことも大切です。不審者が来たらどこでもいいからお店に駆け込んだり、逃げるように教えておきましょう。声を出す時も「助けてー!」「きゃー!」という声だと、子どもたちが遊んでいる声だと誤解されて人が来てくれないこともあります。昔からよく言われていますが、「火事だー!」という叫び声がおすすめです。そうすれば周りの人も心配で出てきてくれます。「火事だ!」「110番通報してください!」という言葉で人を呼ぶように教えておきましょう。

誘拐事件の中には「道を教えてください」など、子どもたちの親切心に付け込む悪質なタイプもあります。こういった内容で声を掛けられたら、子どもたちも教えてあげたくなりますよね。ただ、これは本当に危ないです。子どもに何かを尋ねる大人は大体が不審者ですので、絶対に逃げるように教えておきましょう。

車が自分のすぐ横に停車した場合も、車への連れ込みというリスクがあります。近くに車が停まっている場合に横を通らないとか、車が近くに停まった場合はすぐに離れるように教えておきましょう。事前に言っておくことで子どもたちの対処のスピードも上がりますので、しっかり注意しておきましょう。

リスクと対策⑫交通事故

(出典:消費者庁消費者安全課)

14歳までの不慮の事故で一番多い死亡原因は、交通事故です。家づくりにお金をかけ過ぎず、交通事故の防止にお金をかけましょう。

まずは、ヘルメットの着用ですね。ママチャリなどに子どもを乗せる時もヘルメットを着用させましょう。暑くて嫌がることもありますが、ここはしっかり着用させることが大切です。もちろん一人で自転車に乗る時も、ヘルメットを着用することが大事です。かぶりたくなるようなかっこいいデザインのヘルメットを買ってあげてくださいね。

車のチャイルドシートやベビーシートも使いましょう。義務の年齢と義務じゃない年齢がありますが、推奨年齢になったとしても極力使った方が良いですよ。「ベビーシートを嫌うから」などの理由で載せない人もいますが、これは非常に危険です。

軽自動車も、安全性能が高くなったとはいえ、乗用車とぶつかったら負けてしまいます。出来る限り軽自動車は避けて乗用車にしましょう。軽自動車の方が価格も税金も安いですし小回りもききますが、最近では軽自動車くらいのサイズの乗用車も増えてきています。家に40~50万円かけるより、軽自動車ではなく乗用車を買う方に40~50万円使う方が、確実に命を守ることに繋がりますよ。
運転する場合にも注意が必要です。ながら運転は絶対にダメですよ。スマホを見ながら車を運転したり、ヘッドホンで音楽を聴きながら自転車に乗るのは非常に危険です。音が聞こえないのは危ないのでヘッドホンを付けて自転車を運転するとか街中を歩くとかは、本当にやめた方が良いです。子どもたちにヘッドホンを買う場合も、必ず使う際の条件を伝えましょう。

また、車を運転をする人を信用しないようにしましょう。「きっと車が止まってくれるだろう」なんて思うのは危険です。自転車に乗る時や歩く時は、他の人を信用しないようにしましょう。自分が運転する時も、周りを信用しないようにしましょう。先日、渋滞の時に後ろから大型車に突っ込まれてしまい、死亡する事故もありましたよね。このようなケースもあるので、渋滞の最後尾につく時は前の車から距離をとりながらハザードランプをたいて、後ろやその後ろの車がハザードをたくぐらい確認してからじゃないと止まらない方が良いですよ。このように「突っ込んでくるかもしれない」「変な人が来るかもしれない」という風に考えながら運転しましょう。

電車を待つ時に最前列で待つのも危ないですよね。ホーム柵があるところなら良いですが、ホーム柵がない場所だと危険です。後ろの人に押されたら落ちてしまいますよね。あまり周りの人を信用しないようにしましょう。

まとめ

不慮の事故のリスクと対策

  1. 洗濯機・乾燥機内への閉じ込め
    →扉を開けっぱなしにせず、チャイルドロック機能を使う
  2. 柵が付いていない階段からの落下
    →階段上部に防護柵用の壁を残す or 床置きタイプの防護柵を使う
  3. ロールスクリーン・網戸のチェーン事故
    →不要な時はクリップでまとめる
  4. 玄関から飛び出しての交通事故
    →ドアガードを使う or サムターンを外す
  5. 窓やバルコニーからの落下
    →窓の近くにベッドを置かない、窓の二重ロック機能を使う、バルコニーには足台になる物を置かない、バルコニーを極力付けない
  6. お湯を張ったお風呂への転落
    →入浴時は目を離さず、終わったらお湯を抜く
  7. 家具の転倒
    →家具を壁付けにする、据え置き家具には地震対策を!
  8. やけど・刃物によるケガ
    →包丁、はさみは手の届かない場所に。アイロンを放置しない!
  9. 加湿器肺炎
    →水は毎日入れ替え、内部の清掃を怠らない
  10. 誤飲・食べ物による窒息
    →ボタン式電池を放置しない、よく噛んで食べるようにしつける
  11. 不審者による誘拐
    →一人で歩かせない、防犯ブザー・GPSシステムを持たせる、対応方法を練習しておく
  12. 交通事故
    →ヘルメット・ベビーシートを着用する、相手の車や周りの人を信用しない

PROFILE

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せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

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