2024.11.14
注文住宅の間取りや機能性は重要ですが、そこばかり意識して外観に気を遣わないとダサくなることがあります。「InstagramやYouTubeのマネをしたけど、なんか違った」「足場を外したら、想定と違っていた」となっても、後から外観だけ直すわけにはいきません。
家を建てる時、もしくは家を建てる前には、失敗するパターンを押さえておくことが大切です。外観と中の間取りの機能性の優先順位としては中が上ですが、それでもダサい外観にはしたくないですよね。
外観の好みは人それぞれですので、今回はダサくならないための方法を紹介します。コストをかけずに、誰でもできるちょっとした調整や意識の差で外観は良くなります。ダサくなる失敗例を紹介するので、そのポイントを押さえた上で、中を充実させましょう。
そこで、今回は以下を詳しく解説していきます。
目次
大失敗の外観実例9選
大失敗の外観実例①窓がダサい
これは鉄板の失敗実例です。「どうしてこの窓の配置にしたの」「なんでその窓の形にしたの」と思ってしまう人が多いんです。
窓のラインが揃っていない
2階と1階に同じような形の窓があるのに、ズレているケースです。間取り上仕方のないケースもあるかもしれませんが、揃えられるなら揃えましょう。
1階や2階の窓のラインを揃えることを意識するだけで、良くなります。
縦長と横長の窓がバラバラ
揃える場合は、窓の形にも注目しましょう。縦長の窓と横長の窓が家のあちこちに配置されてテトリスのようになっているのもダサイです。どちらかに揃えましょう。
縦長なら縦基調、横長なら横基調の窓で揃えることも大切です。
全部の窓が引き違い
全部の窓が引き違い窓、全部の窓が掃き出し窓、というデザインは、ちょっと面白くないです。
縦長のフィックス窓を入れてみたり、横長の滑り出し窓を入れてみましょう。このように少しデザインの変化があった方がオシャレな外観になります。全部同じ窓は避けた方が良いですよ。
顔に見える窓
上に窓が2つあって、下に窓が1つあると顔のように見えてしまいます。これはシミュラクラ現象と呼ばれる人間の防衛本能で、目と口のようなものがあると顔に見えてしまいます。顔に見えても支障はありませんが、一度顔に見えると「顔にしか見えない!」となってしまいます。その場合は、ちょっと窓の数を増やすなどの工夫をしましょう。
大失敗の外観実例②外観の張り分けがダサい
無理に2色で張り分け
窓の部分だけ線のように色を入れた家がありますよね。好みなので良いんですが、あれはやめた方が良いですよ。一時期、分譲系の会社で流行りましたが、せやまさんとしてはあまり好きではありません。
ダサくならないための対策としては、原則張り分けをせずに1色にしましょう。張り分けをしない方が高級感が出ます。
張り分けしてもダサくならない対策は?
どうしても張り分けをするのであれば、平面部分ではなく凸凹部分で張り分けましょう。基本的には入隅(いりずみ)部分で色を変えるのがおすすめです。
また、1階完結型の家の場合、1階と2階でサイズが違います。そこで、1階の出っ張っているところだけ色を変えていくような張り分けにしましょう。
このように凹凸の部分で家を変えていけば、シュッとした印象になります。外観は原則1色で良いですが、張り分けするのであれば凸凹分を狙いましょう。
大失敗の外観実例③のっぺりしていてダサい
窓が少ないとダサく見える
総2階の場合は、1階から2階まで壁になるので仕方ないでしょう。ただし、窓が少なくて壁面が多ければ多いほどダサいと感じがちです。特に北側は窓が少ないので、ダサくなってしまいがちです。
のっぺりしない対策①玄関ドアやシンボルツリーを利用
玄関ドアを見える位置に持ってくると、それだけでシュッとした印象になります。その他にも、玄関周りをオーバーハングにして窪ませることで、立体感が出ます。さらに軒天に少し木目を張ることで、かっこ良いデザインになるでしょう。
外構にシンボルツリーを生やすこともおすすめです。外壁の面を隠せば隠すほどかっこ良くなるので、「ここの外壁が大きいな」と感じたら、その部分にシンボルツリーを持ってきましょう。それでバランスが取れることもありますよ。
このように、デザインは家だけではありません。外構とセットで考えていきましょう。
のっぺりしない対策②窓をゼロにする
窓がないのであれば、ゼロにする手段もアリです。美術館や店舗系のデザインで使われることがあり、振り切っていてかっこ良いです。
たとえば西側道路の場合、西日が邪魔になることもあるでしょう。実用的にも窓は要らないし、デザイン的にも窓をなくすことでスッキリします。こういうのもアリです。
おすすめしない対策:ランダムに窓を付ける
「Instagramで見た!」と言ってランダムに大きさの異なる正方形のフィックス窓を付ける人もいますが、これはちょっとハードルが高いです。Instagramなどではかっこ良く見えるかもしれませんが、実際に長年住むと微妙だと感じる人が多いようです。外観はあまり攻めないようにしましょう。
大失敗の外観実例④北側道路の外観がダサい
2階の窓上(おでこ)が広い
一時期、「太陽光パネルを全部乗せます!」という家が流行った時に、太陽光パネルを乗せる面積が広い片流れ屋根が増えました。
北側道路の場合、屋根が南に向いているため、北側から見ると屋根が上に上がっているところになります。
そうすると、2階の窓の上の壁のスペースが広くなり、「おでこが広い外観」になりがちです。これはちょっとダサいです。
2階の窓上を広くしない対策は?
太陽光パネルを乗せる量は4~5kgで良いので、基本的には切妻屋根にしましょう。太陽光パネルを乗せる場合は、東西の切妻屋根で三角にするとかっこ良いです。
南面にたくさんの太陽光パネルを乗せたい場合は、最後まで片流れ屋根にせず、差し掛け屋根や招き屋根がおすすめです。このようにして、北側の窓の上のおでこを狭くしていきましょう。
窓の位置を、2,200~2,300mmに上げるような微調整でも、外観の印象は大きく異なります。北側道路の人は、このテクニックを押さえておいてください。
大失敗の外観実例⑤引きの外観は良いけど近くはダサい
引きの外観がかっこ良くても、実際には引いて見る機会はめったにありません。基本的には見上げる外観をかっこ良くしましょう。さらに言うと、帰り道からの外観を意識するのがおすすめです。見えないところではなく、帰る時に見上げる角度からのかっこ良さを考えてください。
3Dパースの確認が大切
外観を決める時は、3Dパースをしっかり確認しましょう。立面図(りつめんず)といって、東西南北の正面からの外観は見せてもらえますが、3Dパースも確認してください。
住宅会社の中には、道路から見上げた配置からの外観を見せてくれないところもあります。ただ、これを見せてもらわずに外観を決めるのはおすすめできません。できるだけ実際の角度からの3Dパースを見た上で外観のチェックをしてください。
大失敗の外観実例⑥ダクトや室外機がダサい
3Dパースを確認しても、ダクトや室外機は置いていないので分かりません。実際に家が完成してから、エアコンのダクトや室外機、エコキュートや太陽光パネルのパワコンのダクトが道路から丸見えでダサいと感じることがあります。
もちろん、狭小地とかだと給湯器を道路側に出していかなければならないため、仕方ないこともあります。
ダクトや室外機でダサくならない対策は?
できるだけ、ダクトや室外機を側面にズラすようにしましょう。ズラせるならズラした方が良いです。特に太陽光パネルのパワコンのダクトや屋根裏エアコンは一番上から垂れてきます。そういったものは、基本的には道路の裏側に設置していけば見えません。
そういった配慮をしても仕方ない場合もありますが、なんの配慮もせずに「そういえば、これは奥にできましたね!」と言われることもあります。ダクトとか室外機とか給湯器の配置も、できる限り表から外していくようにトライしてください。
大失敗の外観実例⑦外構がダサい
外構と家はセットです。外構が家の化粧のようなものなので、外構はしっかりしましょう。
1番安いカーポート(丸いタイプ)
1番安いカーポートはおすすめしません。もちろん好みはありますが、せやまさんは丸いのは良くないと思います。南欧風でオシャレな家なら合うかもしれませんが、和モダンやシンプルタイプの家の場合は合いません。
カーポートは直線形がおすすめです。外観をこだわってもカーポートがダサいと台無しになるので注意してください。
全面土間コン
予算がない場合は仕方ありませんが、全面土間コンもおすすめしません。玄関に向かうアプローチくらいは、レンガや石目調のものを貼った方が良いですよ。豪華にする必要はありませんが、アプローチくらいは何かしましょう。
機能門柱
スペースがない場合は、機能門柱を置くケースもあるでしょう。ただ、スペースがある場合は、小さくても壁型門柱の方が高級感が出ます。
壁型門柱にする場合は、雨だれ防止の笠木を付けましょう。付けない方が外観はスッキリしますが、雨垂れの汚れが目立ってきます。
緑がない
緑があるだけで、外構の印象は大きく変わります。住宅会社で間取りを書くプランナーさんも「パースに緑を入れるか入れないかで契約率が変わる」と言います。
緑を入れた場合と入れない場合では、外観の締まり度が変わります。少しでも良いのでシンボルツリーを入れましょう。掃除の事も考えると落葉樹よりも常緑樹がいいのか、鳥が来るかとか、育てやすさなどの好みがあるので、外構屋さんと話し合って決めてください。
もちろんシンボルツリーじゃなくても、花壇を作って花を植えるのもアリです。どこかに植物を入れましょう。
外構に関しては、ぜひこちらの動画もご確認ください。
大失敗の外観実例⑧外壁のメンテナンス不足
どんなに綺麗な家を建てても、外壁が汚いとくすんでいきます。
外壁汚れ・雨だれ
外壁の汚れや雨だれでくすんでいくので、基本的には窯業系サイディングのセルフクリーニングありの外壁がおすすめです。特に水で汚れが落ちるタイプにしておくと、15~20年は大丈夫です。それくらい経つと塗膜(とまく)が切れてくるので、塗膜塗り直しをしながら綺麗にしていきましょう。
木材の白華現象
本物の木を使った場合、白華(はっか)現象といって白い粉を吹いてきます。木製サッシも性能面では良いですが、最低でも年に1回くらいはちゃんと塗料を塗らないと白華現象が起きるのでおすすめしていません。
ウッドデッキも、木のものはメンテナンスしないとどんどん朽ちていきますし、色も落ちますし、白華現象で白くなってしまいます。
こういったものを放置すると、本当に汚くなります。完成した時だけ綺麗でも仕方ないです。メンテナンスが大変なので樹脂製がおすすめですよ。
メンテナンスしやすい家がおすすめ
照明とか玄関ドアに凹凸があると、その部分にクモの巣が張ることもあります。こういった部分は掃除をしないと汚くなるので注意しましょう。ズボラな人は、なるべく掃除する箇所を減らしていき、掃除が必要な時にもやりやすいようにしておきましょう。
家に対する意識が一番高いのは、完成した時です。住んでいくうちに、「住むツール」という認識になっていくでしょう。そのように意識が低くなっても、綺麗な状態をなるべく保てる外観にしておくことは、結構大切ですよ。
大失敗の外観実例⑨家の周りのメンテナンス不足
車が汚い
家をダサくしないためには、車も綺麗な状態を保ちましょう。ボロボロの車が停まっていたり、黄砂などで汚れた車が停まっていると台無しです。
荷物が散らかっている
家の周りに荷物がぐちゃぐちゃに置いてあるのも、汚らしい印象になります。
草が生え放題
家の周りに草が生え放題になっていると、綺麗な外観にしても意味がありません。
住んだ後のことも考えて家を建てる。それでもメンテナンスは必要です。住んだら終わりではなく、大切な家を家族全員で愛でて、掃除をしていくことも大切ですよ。
よくある質問
質問①:羽目板はどう?
木の羽目板について聞かれることがありますが、外はおすすめしません。白華現象を起こすのでメンテナンスが大変です。樹脂製の軒天やウッドデッキがおすすめです。
質問②:キューブ型はどう?
キューブ型の家はかっこ良いですが、絶対にやめた方が良いです。雨漏りのリスクが高いですし、庇(ひさし)がないので日射遮蔽できません。デザイン的には良くても機能的には最悪です。
住宅会社にしてみればコストを抑えることができて都合の良い家ですが、施主からするとやめておいた方が良い家です。
質問③:黒い外壁はどう?
黒い外壁は問題ないです。「夏は暑くなるからやめた方が良いよ!」と言う人もいます。ただ、確かに表面温度は上がりますが、ちゃんと断熱しておけば中の部屋まで暑くなるといったことはありません。好みで決めて良いでしょう。
ただし、黒い外壁は白い汚れが目立ちやすいです。セルフクリーニング機能が付いた外壁にしましょう。
まとめ
大失敗の外観実例9選
- 窓がダサい
- 外壁の張り分けがダサい
- のっぺりしていてダサい
- 北側道路の外観がダサい
- 引きの外観は良いけど近くはダサい
- ダクトや室外機がダサい
- 外構がダサい
- 外構のメンテナンス不足
- 家の周りのメンテナンス不足