【せやまどりNo.6】動線完璧な平屋のおてほん間取り!4LDK30坪の家
目次
間取り紹介動画
お施主さんからの要望
今回は、お施主さんから以下のような要望をいただきました。
延床面積 |
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玄関 |
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LDK+和室 |
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水回り |
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その他 |
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上記のような要望を踏まえ、4LDKの平屋を実現しました。平屋独特の注意点と一緒に、どう間取りに落とし込んでいくのかといったコツも紹介していきます。
平屋は屋根とか基礎が大きいので割高になりがちですが、コンパクトにしつつ間取りの面を含めて質を担保するいい塩梅の平屋を実現しましたので、ぜひ参考にしてください。
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平屋独特の注意点とは?
①居室空間とLDK空間を分ける
二階建ての場合は階段で仕切ることができますが、平屋の場合はそれができません。そこで、完璧な続きにならないように、ちょっと場所を分けてください。今回の場合は、廊下を挟んで子ども部屋・主寝室を分けています。こういう風にすることで、LDKと居室空間を分けることができます。それでも音が気になる場合は、扉や遮音カーテンをつけていくのも良いでしょう。
②南面が少なくなる
平屋では、どうしても南面が少なくなってしまいがちです。二階建てなら一階・二階の2つの南面がありますが、平屋の場合は少なくなるので、優先的に南側をLDKにしてください。居室を南面にするとLDKが暗くなってしまうので、そこはある程度割り切りましょう。日当たりが良い方向を存分にLDKにしてくださいね。
③適度に凹凸をつくる
これは二階建ての場合もそうですが、特に平屋の場合に注意したいポイントです。真四角の平屋にしてしまうと、公民館のように味気ない外観になってしまいます。なので、ちょっと凹凸をつくることで屋根にアクセントを加えたデザインにしてください。
もちろん真四角であっても、片流れにしてシャープな外観にするなど、窓でデザインをとるなどの工夫もできます。ただし、やはり凹凸をつくった方がデザインをつくりやすいので、平屋のポイントとして覚えておきましょう。
④天井を上げて開放感を出す(勾配天井)
これは注意というか、平屋独自のメリットでもありますが、勾配天井にするなど、天井を上げて開放感を出していきましょう。平屋は上に二階がないので、屋根の角度に合わせるといった色々なことができます。このようなメリットを存分に活かしながら、できればLDKあたりの天井をあげていくのがおすすめです。
ただし、勾配天井にすると、屋根と直接接することになり、夏の暑さをもろに受けやすくなってしまいます。なので、せやま基準一覧でも言っていますが、屋根の断熱の厚みは壁の2倍にしましょう。そして気密性能をちゃんと担保するようにしてください。それをしないとLDKがめちゃくちゃ暑くなってしまうので、こういったこともセットで注意しながら平屋のメリットを存分に活かしていってください。
平屋のデメリットについては、ぜひこちらの記事もご確認ください。
・平屋のデメリット9選と具体的な解決方法|間取りの基礎知識
玄関編
玄関について
玄関はいつも通りで、平屋独特のポイントも特にありません。雨に濡れないように玄関の外に屋根を作り、サイズはそれほど大きくせず、収納をしっかりとることが大切ですね。
玄関を入ったところの土間や玄関ホールは、1.5P×1.5P(1P=91cm)で十分です。また、今回はお施主さんの要望で、シューズボックスをつくりながらも、シューズクロークもつくりました。これは理想的なパターンですね。シューズクロークも、2畳とれています。ただ、シューズクロークに扉をつけるとごちゃつきますので、ロールスクリーンにしました。
シューズクロークにカッパなどを掛ける人は、棚だけではなくハンガーパイプとかに割り振りをして、好みで組み合わせてもらえればと思います。
「靴を履かずに靴を取りに行きたい」という人の場合はホール側にシューズクロークをつくらなければなりません。ただ、普段使ってる靴は出しっぱなしにする人が多いでしょうし、普段使わない靴の場合は靴を履いて取りに行けば良いと私は思います。ただ、これは個人の自由なので、こだわりがある人はホールからもとりに行ける配置にしてください。
該当のせやまどりルール
- せやまどりルールNo.40
玄関ポーチで雨に濡れないように! - せやまどりルールNo.28
玄関を広くしすぎない! - せやまどりルールNo.16
玄関収納は多めに!
トイレについて
そして、今回はトイレが玄関ホールにありますね。LKDから扉を2枚はさんだ場所にトイレを配置することで、LDKへの音漏れを防ぎます。
LDK+和室編
リビング・和室について
リビングはいつも通り、ソファからテレビまで4Pとれていますね。また、ソファとテレビの横側に大きな窓をつけて、テレビの背面には窓をつけていません。ソファスペースの幅も3Pあるので、2,500mmサイズといった超ビッグサイズのソファまで置くことができます。
該当のせやまどりルール
- せやまどりルールNo.6
ソファーとテレビの距離は十分に! - せやまどりルールNo.7
テレビの背後に大きな窓は避ける!
和室は3.7畳で、3P×2.5Pのちょっと変形の和室です。よくある和室といえば3P×3Pで4.5畳の和室ですが、「布団をちゃんと敷こう」ということだけを考えると、奥行は最低2.5Pで十分です。ただし、奥行を2Pにしてしまうと布団が敷けないので、その点は注意してください。
また、LDKから見た開口の方を長くとる方がいいでしょう。ここが狭くて奥行が長いような和室をとる人もいますが、そうなると期待したような開放感が出ません。なので、なるべくLDK側の開口の辺を長くとることを意識して、一体感と開放感のある配置にしてください。
今回の場合、和室とLDKで23畳ぐらいありますが、「豪邸感」や「注文住宅感」が非常に出ていますよ。リビングと和室の間は、20cmくらい段を上げています。段上げをする場合、大体15cm~30cmがおすすめです。階段1段が20cmくらいなので、それくらいなら上がりやすいでしょう。ただし、腰掛ける場合は20cmだと低いので、腰掛けることを優先にするんだったら30cmくらいまではいいと思います。それ以上になると少ししんどいので、注意してください。
和室に扉をつけると圧迫感があるので、完全にオープンにしています。段上げをして扉もつけると少し危ないので、扉をつける場合は段をつけずにフラットにするのがおすすめです。
該当のせやまどりルール
- せやまどりルールNo.52
無理に扉を付けない!
さらに和室には一畳分の押入をつけて、その横は板間にしています。お雛様や兜とかを飾ったりとか、仏間にすることもできます。また、東側はしっかりと収納に使って、南側に大きな掃き出し窓をつけました。これによって、キッチン・リビング・和室の三部屋が南向きで非常に明るくなっています。平屋は暗くなってしまいがちですが、いい感じのLDK+和室の空間になっています。
該当のせやまどりルール
- せやまどりルールNo.5
リビングの開放感は最重要! - せやまどりルールNo.46
東西の窓は少なく!南窓はたくさん!
キッチン・ダイニングについて
キッチンは幅2.5mです。奥行はいつもより広くて80cmで、対面フラットキッチンが入っています。2,700mmのカップボードと、キッチンとの距離が1m以上確保できています。そして横に幅1.6mのめちゃくちゃ広いパントリーがありますね。
また、キッチンから全体が見渡せるいい配置です。正面がめちゃくちゃ明るくてリビングが見えて、テレビも見える配置ですね。さらに和室も勉強スペースも見えるので、「子育てにはもってこい!」みたいな配置になっていますね。勾配天井にしているので、開放感もあって素敵ですよ。
該当のせやまどりルール
- せやまどりルールNo.14
キッチンとカップボードの距離は1mが理想! - せやまどりルールNo.19
キッチン収納は多めに! - せやまどりルールNo.12
キッチンから全体を見渡せる配置に!
今回、キッチンとダイニングは並列型ですが、その場合はダイニングの幅に注意してください。今回、ダイニングの幅が4Pとれていることによって、通路をしっかり確保できています。キッチン側の幅は3.5P強くらいしかとれていませんが、キッチン側は3.5Pでも問題ありません。ダイニングテーブル側をしっかり4Pとって、椅子に人が座った状態でも、ぐるっと動きやすいようにしましょう。
また、ダイニングテーブルの横には2人分の勉強スペースも確保しています。これによって、必要要素がきっちりと確保できたキッチンとダイニングになっていますね。
該当のせやまどりルール
- せやまどりルールNo.11
勉強スペースを確保しよう!
水回り編
水回りはいつも通りで、特に平屋独自のポイントといったものはありません。ただし、今回の間取りでは洗面所と脱衣所が分かれています。少し贅沢ですが、やっぱり分けた方が良いですよね。
トイレの位置について
水回りと言えばトイレの位置です。せやまどりでは「玄関ホールのそばにトイレ」という配置によくしますが、なかには「お風呂の近くにトイレがほしい!」という人もいます。そういう場合は、洗面所と脱衣所を分けて、「洗面所からトイレに行く」という配置にするのはありだと思います。
そうすることで、洗面の扉とトイレの扉で、LDKからトイレの間に扉を2枚挟むことができます。また、誰かがお風呂に入っていても脱衣所を使えるので、洗面所を通ってトイレに行くことができます。なので、トイレの位置は玄関ホールの近くが一番無難ではありますが、お風呂の近くにしたいという場合は、脱衣と洗面を分けて、洗面所からトイレの動線にするのがおすすめです。
洗面所・脱衣所について
今回はキッチンから洗面所への動線もバッチリ近いですね。脱衣所があるので、洗面所には扉をつけていません。また、洗面所も1.2mくらいの広めの洗面にしています。脱衣所だけでも2畳とっているので、結構贅沢ですね。
脱衣所には洗濯機があって、上に乾太くんを置いて、横には棚ですね。バスタオルなんかを入れる棚を置いているので、少し贅沢ですが非常にいい配置でしょう。脱衣所の窓に関しては、乾太くんをつけるので、窓なしにしています。
該当のせやまどりルール
- せやまどりルールNo.22
キッチンと洗面所を隣接! - せやまどりルールNo.17
洗面所の収納は必須!
また、廊下の突き当たりに収納があるので、トイレットペーパーや洗剤の備蓄をすることもできます。
浴室について
浴室に関しては細かいポイントですが、お湯を身体にかけて使う人は、鏡に向かって座った状態で「右側に浴槽があるのか、左側に浴槽があるのか」ということを意識した方が良いでしょう。
座って右側に浴槽があるのは、右利きの人が使いやすい配置ですね。左利きの人の場合は、この逆にするのがおすすめです。せっかく注文住宅で選べるので、細かいですけどそういう配慮もしていきましょう。
脱衣所同様に、浴室にも窓はありません。つけてもいいですけど、外からの視線も気になりますし、「朝日を浴びて入りたい!」という人じゃなければ、換気は換気扇でやればいいので、浴室の窓は必須ではないでしょう。窓をつけない方がコストを下げることもできますし、サッシは将来的には雨漏りのリスクも出てくるので、「なくてもいいならつけない」という感じで決めてもらえればと思います。
居室・収納編
平屋独自の注意点で紹介した通り、居室とLDKは分けるのがおすすめです。廊下を最低限の長さにしながらも、居室とLDKを分離しましょう。また、収納を充実させながら「部屋は寝るだけ」と割り切ることも大切です。
居室について
主寝室と子ども部屋に関しては、基本的な動線は「廊下から入る」というようにしてください。また、子ども部屋と主寝室は、できれば廊下を挟むのがおすすめです。必須ではありませんが、夫婦のコミュニケーションもあるので分けた方がいいでしょう。
また、今回は主寝室から洗面所への動線もしっかり確保できています。キッチン・ダイニング・主寝室・洗面所と回遊動線になっていて、非常にいいですね。回遊動線にしすぎると通路が増えてしまうこともありますが、上手くとることで無駄のない、いい動線にすることができます。
主寝室の形は、いつも言っている通り3.5P×3.5Pでほぼ正方形です。また、キッチン側のくぼみを活用して本棚も作りました。固定式の本棚を一箇所作っておくことで、地震で転倒する心配もありませんし、非常にいいと思います。
子ども部屋はドアの部分を含めて4.5畳で、決して広くはありません。ですが、シングルベッドと机を置くことができますし、プラスで1畳のクローゼットがあるので一人部屋なら十分でしょう。二人部屋なら、5.5畳~6畳くらいは必要だと思います。子ども部屋にお金をかけすぎないことで、30坪ちょっとでいい感じの平屋にすることができます。
また、ベッドとクローゼットが近い場合は、クローゼットの扉は引き違いにするのがおすすめです。クローゼット扉にすると、開けた時にベッドに当たってしまうこともあるので、引き違いの扉にすることでスペースを有効に使ってください。
該当のせやまどりルール
- せやまどりルールNo.26
主寝室と子ども部屋は隣接させない! - せやまどりルールNo.32
子ども部屋は4.5畳で十分!
収納について
収納に関しては、1階にWICを作りましょう。平屋なので優先度は低いですが、洗面とか仕事着とか、普段使うものを全部突っ込んでおくことで、各部屋にいちいち取りに行く手間を省くことができます。今回のWICは1.5畳ですが、これくらいの広さがあれば普段のものとかを結構入れることができるので、十分でしょう。
こちらのWICは納戸です。普段使わないものを入れておいたり、休日に着るようなオシャレ着を入れておいたりできます。今回は4畳のWICですので、服屋さんみたいにすることもができます。
こちらの廊下の突き当たりは、勝手口にしています。荷物を置いたりもできるようになっていますし、勝手口が要らない人は廊下収納にしても良いでしょう。また、平屋とはいっても「トイレが2個ほしい!」という人もいるので、トイレにするのもありです。平屋はトイレを1個にしがちですが、4人家族や5人家族だとトイレが混みあってしまいます。なので、平屋でもトイレが2箇所というのもありでしょう。
マンションのように「ワンフロアにトイレは1個」というイメージを持つ人もいますが、2階建てだと多くの人がトイレを2個にしますよね。そうなると、平屋でも30坪前後あるわけですから、トイレが2個あっても良いと思います。ただし、2個つけるのであればトイレが近い場所にあっても意味がないので、離れた場所かつLDKから遠い場所につけたり、LDKに扉をつけて音対策をしたりと、検討してみてください。
<間取り図データの無料ダウンロードについて(内定クルー限定)>
せやま印工務店での契約が決まっているビーイナフクルー(内定クルー)の方は、間取り図面を”無料で”ダウンロードすることができます。
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本部への「内定済の報告」状況については、直接工務店にお問い合わせください。
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②初回打ち合わせアンケートに回答済
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③内定(工務店から本部への内定報告)から100 日経過していない
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PROFILE
せやま大学の人
瀬山 彰
大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。
「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。
娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。