「せやまどり」とは？

せやまどりとは、その名の通り、私せやまが考案した間取り図のこと。

このせやまどりでは、「リビング・収納は贅沢に、２階・廊下は徹底的に削減」を基本方針に、コンパクトながら、開放感・機能性を感じられる間取りに仕上げています！

お施主さんからの要望は？

今回、お施主さんから以下のような要望をいただきました。

家づくりを始めたばかりだと、色々なSNSやYouTubeなどで間取りを見て、そこへのコメントや批判的なメッセージが目に入ることがあります。色々な情報が氾濫している時代なので「誰かの正解」に振り回されてしまいがち。

そこで、今回は延床面積29坪のお手本せやまどりを紹介します。リアルに暮らしやすく、機能的でデザインもおしゃれという非常に参考になる間取りです。その間取りと一緒に批判的な意見と併せて、それに対する私の考え方を紹介します。大切なのは、誰かの意見より皆さん家族の幸せな生活です。楽しい家づくりをしてくださいね。

家を建てようと思ったきっかけ、今の家の不満は？

今の家の不満

今はアパートに住んでいますが、どうしても手狭で広い家に憧れていました。

新しい家の一番の楽しみは？

広いキッチンがほしかったので、それが一番楽しみです。

要望を踏まえた実際の間取りは？

「玄関」編

要望①：広めのシューズクロークがほしい

シューズクロークは幅1.5P(1P＝91cm)で、棚とコート掛けを配置しました。

「シューズクロークには扉を付けた方がいい」と言われることが多いです。もちろん付けたい人は付けても良いですが、実際は開けっ放しになることが多いです。また、扉を付けると中のスペースを一部潰してしまうこともありますし、コストも上がります。

そのため、来客時にだけ目隠しができるように、ロールスクリーンがあれば十分ですよ。

シューズクロークの天井には換気口を付けて、臭い(イソ吉草酸)対策もしています。

玄関は土間が幅1.5P×奥行き1.5P、玄関ホールが幅1.5P×奥行き1Pです。「玄関が狭すぎる、マンションみたいな玄関はやめたほうがいい！」という意見をもらうことがあります。もちろんお友達と頻繁に話すという人は広くしてもらってもいいですが、実際はそんなに玄関でおしゃべりすることはないので、十分です。玄関にスペースを使うくらいであれば、リビングや収納に使うことをおすすめします。

「LDK」編

要望①：開放感のあるリビングにしたい

要望②：LDKは18畳くらいほしい

LDKは約18畳です。全て南に面していて、非常に明るいリビングです。

ソファからテレビまでの距離は奥行き3.5P取れています。テレビボードを置くスペースの幅は3P、ソファを置くスペースの幅も3P取れています。

窓にはハイサッシを採用し、天井を少し上げることで開放感を演出しました。玄関ドアもH2,200mmなので開放感があります。

階段の手すりはオープンデザインです。スケルトン階段にしなくても手すりをオープンデザインにするだけでも開放感が出ますよ。

エアコンが見えているとダサいと言われることもありますが、最近はデザインがシュッとしてきているので、それほど気になりません。生活感を一切なくしたい場合は隠す方法もありますが、エアコンを隠すと運転効率が悪くなりますし、コストもかかります。そこまで細かいことを気にする必要はありませんよ。

関連記事：『【間取りのコツ】「広く見えるリビング」を作るための鉄則ルール６選！』

要望③：ミニ和室がほしい

窓の反対側には、収納が充実している3.1畳のミニ和室もあります。幅2.5P×奥行き2.5Pで、敷布団を二枚敷けるサイズです。

物干し金物も設置したので、セカンドランドリールームとしても使えますよ。

階段下も有効活用し、収納が非常に充実しています。和室では子どもたちが遊ぶことが多いので、おもちゃ収納も付けてくださいね。

要望④：1階にウォークインクローゼットがほしい

和室には1.5畳のウォークインクローゼットがあります。ここもシューズクローク同様に扉を付けても良いですが、基本的に開けっ放しになるので、来客時だけ目隠しできるようにロールスクリーンを採用しています。

入口を中央に配置し両側を収納に使うことでスペースを有効活用しています。ウォークインクローゼットの奥には換気システムの排気口を付け、衣類のカビを防止しました。

ウォークインクローゼットにはロボット掃除機用のコンセントを付けておくと便利です。

「和室が3.1畳だと狭すぎる」と言われることがあります。確かに親戚が集まったり法事の機会が多い場合は広くしても良いです。ただ、それほど人が集まる機会はありません。年に数回の行事のためにスペースを広く取るよりは、憩いのスペースとして最低限の広さを確保して、残りをリビングや収納にする方が住みやすい家になります。

水回りの近くには、2畳のウォークインクローゼットがあります。和室と合わせると3.5畳のウォークインクローゼットです。こちらも中央に入口を設置し、両側を収納スペースにする効率的な配置です。

ウォークインクローゼット内の棚板やハンガーパイプの数・仕様は、工務店ごとに標準仕様の内容が異なります。オプションとなる場合もあるため、契約前に標準仕様でどこまで対応可能かを確認してくださいね。

このように階段下が見えているのを嫌がる人もいます。もちろん気にする人は避けた方が良いですが、これを避けて完璧を目指すと家が大きくなって予算オーバーし、住んだ後にお金がなくなって困ることになりかねません。家全体のバランスを整えるだけではなく、住んだあとの人生を楽しむための予算を残すことも、家づくりでは大切なポイントです。

要望⑤：ダイニング・リビングから外の景色が見たい

ダイニングに座ると、梅の花が見える場所にダイニングを配置しました。注文住宅ならではの、素敵な間取り配置です。

ダイニングにはW1,800mmの執務スペースも設置しました。隠れ収納もあります。このように配置すると、多少片付いていなくても、リビングや和室からは見えないので、ぜひこういった配置も試してください。

関連記事：『【間取り事例】書斎・勉強スペースの間取りと適正サイズ（畳数/奥行/幅）は？』

要望⑥：キッチン周りの収納を充実させたい

W2,700mmのカップボードと、その横にパントリーを配置し、収納を充実させました。

間取りの一番奥にキッチンをもってきているので、東側の壁を全面収納として使うことができています。奥に洗面への通路を作ると、その横に冷蔵庫スペースが来て収納スペースが狭くなってしまうので、洗面には横動線で向かうようにしてください。

冷蔵庫を隠したいと言う人もいますが、最近の冷蔵庫はかっこ良いので、それほど隠す必要はありません。また、冷蔵庫は熱を発するので隠さない方が良いですよ。同様にパントリーもウォークインにして隠したがる人もいますが、奥まっていると取り出しにくくなるので注意してください。

動線としては、玄関から直接パントリーに入って、そこからキッチンに抜ける動線にしたいと言う人もいます。もちろんそれも良いですが、玄関→パントリー→キッチンの動線を限定してしまうと、全体の間取りをそこから作り始めなければならなくなります。その結果、家が全体的に大きくなったり、やりたいことができなくなる可能性があるので、玄関→パントリー→キッチンの動線にこだわりすぎないようにしてくださいね。

キッチンと洗面の動線を近くする必要性を感じないという人もいます。ただ、忙しい人だと料理や洗濯、お風呂の準備を同時進行することになるので、近い方が楽ですよ。とはいえ、家事の時間が分かれている場合は、近くに設置するのが必須というわけではありません。

関連記事：『【完全攻略】目指せ家事ラク！「キッチン計画」を進める際に知っておくべき徹底解説！』

「2階」編

要望①：主寝室＋子ども部屋×2の計3部屋ほしい

主寝室

主寝室は5.6畳です。ウォークインクローゼットにこだわらず、通常のクローゼットを採用しました。5.6畳あればシングルベッド2つと、ミニテーブルを置けますよ。

子ども部屋

子ども部屋は4.5畳と4.4畳です。クローゼットの扉をなくすことでコストカットしました。子ども部屋が狭いと大人になってからも住む時に困るという声もありますが、親離れならぬ子離れをすることも大切ですよ。

各部屋には屋根裏エアコンの排気口を付けました。屋根裏のエアコン1台で2階を全て冷やせて、夜もぐっすり眠れます。エアコンが苦手な人にもおすすめです。

関連記事：『2階はエアコン1台でOK！夏の暑さ対策に最適な「せやま式屋根裏エアコン」とは？』

要望②：トイレとミニ本棚がほしい

廊下にミニ本棚を付けておくと便利です。書籍やアルバムなどをしまえます。

2階にもトイレを配置しています。アッパーカットトイレドアを採用したので、嫌な臭いが気になりにくくなりますよ。

関連記事：『う○ちの臭いが消える！？「アッパーカット トイレドア（特許出願中）」全国販売開始！』

お施主さんインタビュー

家が完成した今の気持ちは？

待ちに待った日が来ました！

なかなか実感がわきませんが、見てみてすごく嬉しいです。

引越したら何からする？

前の家で使っているものが12～13年経っているので、買い替えて綺麗に保てるように頑張りたいです。

せやま印工務店プロジェクトの感想は？

本当になんのストレスもなく、全部順調に進んで良かったです。それぞれのスタッフさんに恵まれて、きちんと対応していただいて素晴らしかったです。

後輩クルーへのアドバイス！

もし知り合いに聞かれたら、せやま印工務店をオススメします。「全て良い！」と思います。

自分の思いを形にしてくれるので、遠慮せずにどんどんやりたいことを伝えてください。しっかり伝えずに、完成してから「ちょっとこうしたかったな」と思ってももったいないです。なんでも叶えてくれると思うので、遠慮せずにどんどん要望を伝えて理想の家を完成させてください！