2026.07.31
2026.07.31
【完全攻略】新築の「窓選び」最適解は?窓の種類/性能/配置など徹底解説!
目次
家づくりで重要な窓選びを徹底解説
窓は、日当たりや室内温度、換気性能などの「住環境」を大きく左右するため、家づくりの中でも「最重要事項」。
そこで今回は、窓選びを失敗してしまうとどうなるのか?をはじめ、性能面を踏まえた窓の選び方、最適な窓の設置位置、窓の種類など、「この記事さえ読めば窓のすべてが分かる!」という記事を作りました!
ぜひ家づくり、窓選びの参考にしてみてください。
窓選びは、家づくりの「要」!!!
「窓選び」の失敗は、「家づくりの失敗」に…
まずは「家づくりにおける窓の重要性」を理解するためにも、窓選びに失敗した際に生じる問題について、把握しておきましょう。大きく分けて以下の3点です。
- 冬は寒く、夏は熱くなる
- 光熱費が爆上がりしてしまう
- 内部結露から家の寿命が短くなる
1. 冬は寒く、夏は熱くなる
当たり前といえば当たり前ですが、窓は通常であれば断熱材を敷き詰める壁に穴をあけるわけですから、その分熱の出入りを許す形になります。
そのため窓選びに失敗してしまうと、「冬は寒く、夏は熱い」という快適とは程遠い家に…。
季節ごとの、「窓から出入りする熱」については以下の通り。
窓を経由して出入りする「熱」(夏・冬)
窓メーカー大手のYKK AP公表のデータによると、以下の図の通り「夏は約70%の熱が室内に入り、冬は50%以上の熱が窓から逃げていく」そうです。
このように、熱のほとんどは窓から出入りする=窓は断熱性を左右するからこそ、快適な住環境のためにも窓選びは重要なんです。
アルミサッシとペアガラスを採用した場合

(出典:YKK AP)
2. 光熱費が爆上がりしてしまう
最近、電気代やガス代がめちゃくちゃ上がっていますが、窓選びに失敗すると「暑いので冷房ガンガン使う」とか「寒いので暖房ガンガン使う」という状態になって、光熱費がどんどん増加。
光熱費が高くなれば、毎月のローン支払いはしんどくなりますし、遊びに行くのも外食も我慢しストレスをためてしまうかも…。ストレスの原因のほとんどは「お金」ですからね。
そして、窓選びの失敗はお金の問題だけではありません。夏は暑く、冬は寒いため快適に眠れず、生活リズムが乱れる原因にもなります。
3. 内部結露から家の寿命が短くなる

窓選びに失敗してしまうと、冬は窓際が寒くなるのでめちゃくちゃ結露します。
「そんなの昔の家だけでしょ?」なんて言う人もいますが、今でも日本の家の7~8割くらいがこの状態。「結露は当たり前!冬の風物詩!」なんて言う人もいますが、それは単に窓選びに失敗しているだけです。とにかく「冬になると結露する」ような状態は絶対に避けましょう。
いまだに「アルミ樹脂複合サッシ」を採用する会社もありますが、結露対策を本気で考えるなら、選ぶべきは「樹脂サッシ」一択。さらに、家全体の隙間を減らす「気密性能」についても、樹脂サッシの方が圧倒的に優秀です!
例えば、外気温が0度のとき、樹脂サッシのフレーム温度は約18度を保ちますが、アルミ樹脂複合サッシは約14度まで下がります。この「4度の差」が、結露が発生するかどうかの運命を分けるんです。
「なぜ結露するとダメなのか?」窓の表面が結露する分には拭けば良いだけ。しかし、窓が結露しているということは、同様に「壁の中」も結露しています…
特にアルミ樹脂複合サッシの場合、壁に接している部分が熱を通しやすい「アルミ」なので、壁の内部で結露が発生しやすくなります。
壁の中となると、結露でぬれてしまった部分を拭くことは不可能。なかなか乾かないので、柱などの大事な木材がどんどん腐っていって、その腐ったにおい(腐朽菌)にシロアリが集まってきます。
このように窓選びの失敗は、家の寿命を大きく縮めてしまう原因になりますよ。
①断熱性能から「窓の仕様」を選ぼう!
【結論】ちょうどいい塩梅の「窓の仕様」は?

(出典:YKK AP ※一部加工)
窓の仕様を考える際は、「サッシ」、「窓ガラス(中空層)」、「スペーサー」と大きく分けて3つの部材を選ぶ必要があります。それぞれのちょうどいい塩梅は、以下の通り。
”ちょうどいい塩梅”の「窓の仕様」は?
- サッシ ⇒ オール樹脂サッシ
- 窓ガラス(中空層) ⇒ Low-Eペアガラス(アルゴンガス入り)※
- スペーサー ⇒ 樹脂
省エネ基準地域区分1~3のエリアの場合は、「Low-Eトリプルガラス」を検討してもOK。
窓の仕様を、「工務店・HM選び」に活かそう!
そもそも「工務店・ハウスメーカーに行って窓を選ぶ」ってあまりないですよね。
これは、「工務店・HM側で採用する窓のスペックがおおよそ決められているから」です。「松・竹・梅」のようにグレードが分かれていることもありますが、窓は家の性能を決める重要な建材ですから、これから紹介する窓を標準仕様として採用している工務店・ハウスメーカーに絞り、打ち合わせを進めていくのがおすすめ。
【部材別】仕様の種類と性能ランキング
窓サッシ 編
(出典:YKK AP ※一部加工)
窓選びの中でも、最も重要なのが「窓サッシ」。
ここの選び方を失敗すると、どんなにスペックの高いガラスにしても結露してしまいます。さらに、窓サッシは壁と接しているため、結露してしまうと先にも紹介した「内部結露」の原因にも。木材の腐食やシロアリ被害によって家の寿命を大幅に縮める可能性もあるので、まずは窓サッシの性能を最優先に担保しておきましょう。
性能面で比較した場合のランキングは以下の通り。
「窓サッシ」の種類と性能ランキング
- 「オール樹脂サッシ」
- 「アルミ樹脂複合サッシ(半樹脂/アルプラ)」
- 「アルミサッシ」
関連記事:『アルミor樹脂?断熱性能から考える「窓サッシ」の種類と選び方を紹介!』
窓ガラス×中空層 編

(出典:AGC)
窓ガラスは、「ガラスを何層にするか?」、「複層の場合、間に入る中空層は?」によって性能が変わってきますが、よく使われるものからピックアップすると以下の4種類。
「窓ガラス×中空層」の性能ランキング
- Low-Eトリプルガラス(クリプトンガス)
- Low-Eトリプルガラス(アルゴンガス)
- Low-Eペアガラス(アルゴンガス)
- Low-Eペアガラス(空気)
今やほとんどの工務店・HMがLow-Eペアガラスを採用しているので、「シングルガラス」や「ペアガラス」を採用する会社は、かなり時代に取り残されていると思ってもらってOKです。
性能的には、「Low-Eトリプルガラス(三層)」が最も優れていますが、コスト面を考えると少し費用がかさんでしまうので、「ちょうどいい塩梅の家づくり」を目指すBE ENOUGHとしては、2位の「Low-Eペアガラス(複層)で十分」だと考えています。
関連記事:『断熱性能から考える「窓ガラス・中空層」の種類と選び方を紹介!』
スペーサー 編

(出典:YKK AP ※一部加工)
スペーサーは、「ガラスとガラスの間のスペースをつくるためのパーツ」で、窓の結露を防ぐ上でとても重要な部分。
種類は、「アルミ」と「樹脂」の2種類のみですが、性能面は以下の通り。
「スペーサー」の種類と性能ランキング
- 樹脂スペーサー
- アルミスペーサー
関連記事:『窓ガラスよりも重要!?見落としがちな「スペーサー」の種類と選び方を紹介!』
②日射を踏まえ「窓の設置箇所」を考えよう!
【結論】各方角ごとの「窓」に対する考え方は?

窓の設置位置を考える際は、「季節ごとの太陽の高さを踏まえた日射取得/日射遮蔽」を踏まえた検討が必要ですが、大体以下のように考えてもらえればOKです。
【方角別】窓はどこに設置するのがいい?
- 東側:設置しない方がいい
- 西側:設置しない方がいい
- 南側:多めに設置すべき
- 北側:明るくしたいなら「窓」を付けるべき
詳しく抑えておきたい場合は、以下記事も併せて参考にしてみてください。
関連記事:『【方角別】日射取得/遮蔽を踏まえた「窓の設置場所」と「窓の種類」を解説!』
③設置する「窓の種類(タイプ)」を選ぼう!
引き違い窓:リビングや個室に向く王道の窓

大きな開口が取れるため採光や換気に優れていますが、隙間ができやすく気密性が低くなりやすいという弱点も。窓の幅として、1,300mmから1,500mm以上の大きな開口を確保したい場合に採用を検討してください。
部屋の広さに合わせた推奨の窓幅
- 6畳程度の部屋:窓幅1,500mm〜1,600mm程度あれば十分。
- 4.5畳前後のミニマムな部屋:窓幅1,330mm程度のコンパクトなサイズを選んでください。
2階に設置する際の安全対策
2階に設置する場合、窓の下枠が床から1,100mm以下の位置に来ると落下の危険性が高まります。安全のため、「床から1,100mm」の位置に窓の下枠がくるよう、窓自体の高さを900mm程度に抑えるのがおすすめ。
「戸先錠」の採用と網戸の注意点
鍵は、一般的なクレセント錠よりもワンタッチで開閉できる「戸先錠(とさきじょう)」が圧倒的に便利。
また、網戸をしているのに虫が入るという方は、窓の開け方を間違えていますよ。窓は必ず「端までしっかり開け切る」ことで、網戸との隙間をなくしましょう。
引き違いテラス戸(掃き出し窓):リビングの大開口におすすめ!
庭やバルコニーに繋がる掃き出し窓。高さを2,200mm程度まで上げると、非常に高い開放感を得られます。 ここで忘れてはいけないのが、1,800mmを超える大きな窓にする場合は「サポートハンドル」を付けること。これがあるだけで、重い樹脂サッシの開け閉めが劇的に楽になります!防犯が気になる場所には、電動シャッターの設置が効果的。
縦滑り出し窓:気密と換気に優れた万能窓
ドアのように外に開く窓で、閉めた時の気密性が非常に高いのが特徴。左右に開き分けるように配置すると、効率よく風を取り込めます。
虫対策には「オペレーターハンドル」
縦滑り出し窓は網戸が室内側に付きます。ロール式網戸は虫を巻き込みやすいため、固定式の網戸が使える「オペレーターハンドル仕様」にするのが正解。 防犯性を極限まで高めたいなら人が通れない幅(呼称幅02クラス)を選びますが、採光とのバランスを考えると一般的な幅(03クラス)で問題ないでしょう。
横滑り出し窓は?
高い場所に横長の窓をつけた時に横滑り出し窓を使うことが時々ありますが、手の届く範囲は縦滑り出し窓の方が使いやすいと思います。
「段窓」と「ウィンドウキャッチ窓」

上が縦すべり窓、下がFIX窓になっている「段窓」は、外観のアクセントとして道路側の和室やリビング(2つ目)に使うのがおすすめ(※準防火地域では不可の場合あり)。
また、中央がFIX窓で両サイドが縦すべり窓の「ウィンドウキャッチ窓」は、換気効率が非常に高いので、価格は高めですが、主寝室などで重宝します。
FIX窓(はめごろし窓)の使いどころ

開ける必要のない階段、吹き抜け、洗面台の上などはFIX窓を採用します。外側の掃除がしにくいため、汚れが目立ちにくい「型ガラス(すりガラス)」を選ぶのが鉄則。
デザイン重視なら「上げ下げ窓」
南欧風などの可愛い家を目指すならこれ一択。気密性は高いですが、掃除がしづらく価格が高めという点は理解しておいてください。
【結論】こういう時、どの窓にすればいい?

【目的別】こういう時、どの窓にすればいい?
- 部屋を明るくしたい
⇒性能面で優れた「FIX窓」一択! - 開け閉めしたい(外に出られなくてOK)
⇒「縦滑出し窓」or「横滑出し窓」 - 大開口が欲しい(外に出られなくてOK)
⇒「連窓」or「ウインドキャッチ窓」or「引き違い窓」 - 窓から外に出たい
⇒「掃き出し窓」一択
関連記事:『【方角別】日射取得/遮蔽を踏まえた「窓の設置場所」と「窓の種類」を解説!』
④快適さを左右する最終チェックポイント
「型ガラス」か「透明ガラス」か
- 透明ガラス:リビングや子ども部屋など、見通しを優先したい場所(+カーテン)。
- 型ガラス:見通しは不要だが明かりは欲しい場所、外側の掃除ができない場所。
網戸は「クリアネット」を選ぶ
網戸は、網目が細かく見通しの良い「クリアネット」がおすすめ!存在を忘れるほど視界がクリアで、かつ小さな虫の侵入も防いでくれます。
まとめ
窓選びの失敗は、「家づくりの失敗」そのもの。窓の結露は壁の内部結露を招き、木材を腐らせ、シロアリを呼び寄せます。
家を長持ちさせたいなら、窓への投資を惜しんではいけません。
家族が健康で、家が30年、50年と長持ちする窓選びを実践してくださいね。
PROFILE
せやま大学の人
瀬山 彰
筑波大学理工学群数学専攻卒(数理統計学士号取得)。硬式野球部に所属し、首都大学野球リーグの線形回帰分析に取り組む。
卒業後は、日本最大手の経営人事コンサルティング会社に入社。全国の住宅会社(大手ハウスメーカー・地場工務店)を担当。その中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。 中堅ハウスメーカー支店長経験を経て、2019年に起業。2021年にビーイナフ株式会社を設立。
主要事業である「せやま印工務店プロジェクト」は、2025年グッドデザイン賞受賞に加え、全国登録工務店65拠点、参加施主数は累計1723組以上、施主満足度95%以上と高い成長率と満足度を実現。また、施主や工務店のみならず、関わった全ての関係者が得をする(損をしない)、「全方良しのビジネスモデル」を他業界へ広める活動にも力を入れている。
広島県出身。娘4人の父親。2025年からは『カープ熱こじらせ兄さん せやまくん』としてのタレント活動も開始している。

