2025.01.15
お風呂のメーカーや浴槽の種類にこだわる一方で、お風呂の配置や設計で失敗する人が意外と多いです。「間取りに失敗して、安心して服が脱げない」「家族同士でストレスになって喧嘩の原因になる」ということもあります。お風呂はトイレの次にプライベートゾーンなので、間取りの作り方が非常に重要です。今回は、よくある質問も交えて網羅的に紹介します。新築を検討している人だけではなく、リフォームを考えている人も参考にしてくださいね。
今回は以下を詳しく解説していきます。
目次
お風呂の間取り完全攻略
①洗面脱衣を分けるかどうか
洗面脱衣は分けるのが理想です。そうすれば、誰かが洗面を使っている時でも、扉を閉めればお風呂に気兼ねなく入れますし、入浴中の人がいても気兼ねなく洗面を使えます。さらに、洗面脱衣を分けるとトイレをお風呂の近くに配置できます。
洗面脱衣を分けない場合、トイレの位置によっては「誰かがお風呂に入っているとトイレに行けない!」なんてことになりかねません。そうならないよう、洗面脱衣を分けて洗面側からトイレに行くような配置にできるのも、洗面脱衣を分けることのメリットです。
質問①:洗面脱衣は絶対に分けるべき?
洗面脱衣を分けるのが理想ですが、絶対に分けなければならないわけではありません。洗面脱衣を分けると家が大きくなりますし、扉の分のコストも増えます。家族の暮らし方や関係性次第では、洗面脱衣が一緒でもそれほど問題はありませんよ。できれば分けた方が良いですが、こだわる必要はありません。
②壁際にお風呂の入口を作らない
お風呂の入口は端ではなく、絶対に壁を引いて手前側からお風呂に入る動線にしてください。
一番奥のスペースは、乾太くんや洗濯機を置いたり、収納を設置するのに最適な場所です。このスペースに扉を設けると単なる通路になってしまうため、浴室の扉は奥ではなく手前に配置してくださいね。奥のスペースは有効に活用することをおすすめします。
③脱衣所~玄関は一直線にしない
脱ぐ場所から扉を全部開けても、玄関が見えないようにしてください。仮に入浴中にお風呂を閉めていても、家族がお風呂に入っていると分からずに玄関のドアを開けることがあります。全部ドアを開けている状態で脱いだところから玄関が見える配置だと、外が見えたり誰かに裸を見られる可能性があります。めったにないことですが、そういう心配をしながら生活するのは嫌なものですよ。
脱いだ状態からは家族が誤ってドアを開けた場合でも、玄関が見えないようにしておいてください。もちろん、お風呂に入る時はドアを閉めることも大切ですよ。
④ドアの種類を適切に選ぶ
お風呂のドアは、折れ戸か開き戸にするのがおすすめ。折れ戸はベーシックなのでコストが抑えられる点と、洗い場のスペースを広く取れるというメリットがあります。一方、レールの掃除が大変というデメリットもあります。
開き戸は少しコストが高いですが、1~2万円程度です。優先度の高いオプションです。開き戸はレールの掃除が楽な点と、タオル掛けが付けられるというメリットがあります。少しお金を出せるのであれば、優先的に開き戸にしてください。
ただし、開き戸はお風呂の中に椅子を置いておくと開閉の時に当たる恐れがあり、洗い場が少し狭くなります。また、開き戸は90度開かないというわずらわしさもあります。
引き戸は動線的には良いのですが、おすすめできません。コストが高いことと、引き戸の場合は脱衣所側にドアが来るので、脱衣所に水が浸入するリスクがあります。しかも、水が入るとレールの掃除がめちゃくちゃ大変です。
これらの理由から、お風呂のドアは折れ戸か開き戸がおすすめです。お金をかけられる場合は開き戸を推奨します。
⑤サイズは1坪で十分
お風呂のサイズは1坪で十分です。「子どもと入ることがあるから、お風呂は広めの1.25坪にしたい」と言う人がいますが、子どもと一緒に入る期間は短いです。しかも1.25坪にしたところで、基本的に大きくなるのは浴槽ではなく洗い場です。洗い場だけ広くしても意味はないので1坪で十分ですよ。
質問②:介護する時に狭いのでは?
介護の予定が具体的にある場合は1坪だと狭いので広くしても良いです。ただ、介護の予定がない場合に広くする必要はありません。そこまで考えるなら、脱衣所や扉も広くして玄関もスロープにしなければなりません。そこまでするとお金もかかります。どこまでやるかは個人の自由ですが、将来のリスクにばかり備えるのはやり過ぎですよ。ただし、最終判断は個人の自己責任で行ってくださいね。
⑥浴槽の配置
浴槽は基本的に奥に配置するのがおすすめ。その方が手前に洗い場が来るので、広く使いやすいです。
特に開き戸の場合は90度開かないので、浴槽が横にあると通路が狭くて邪魔になります。原則、浴槽は奥にしてください。開き戸の場合は絶対に奥にするのがポイントです。折れ戸の場合は奥じゃなくても良いですが、できるだけ奥にするのがおすすめです。
ただし、お風呂のお湯を掛け湯として使ってから入浴する人は浴槽を右に配置するのか、左に配置するのかを考えてください。日本人は右利きが多いので右側に浴槽を配置する人が多いですが、お風呂のお湯を使う人の利き腕に配慮するのがおすすめです。
ただし、賃貸の時には浴槽が右にあるか左にあるか気にしたことがない人も多いでしょう。慣れるといえば慣れる場所ですが、こういったポイントも頭に入れておいてくださいね。
⑦窓は不要
お風呂場に窓は要りません。防犯面でも覗かれるリスクがありますし、覗けないすりガラスにしても外からお風呂に入っていることが分かってしまいます。また、窓を付けると結露のリスクが高いですし、窓を付けるコストがかかるので不要です。
ただ「朝風呂に入る時に朝日を浴びながら入りたい」という人は好みで決めてください。ちょうどいい塩梅で考えるならお風呂場に窓は不要ですが、こだわりがある場合はデメリットを理解した上で設置してください。
ちなみに、お風呂の照明はダウンライトの方がおすすめです。少しコストはかかりますが、デザイン的にはスタイリッシュになりますよ。
まとめ
お風呂の間取りづくりのポイント
- 洗面脱衣は別が理想
- 壁際に入口を作らない
- 脱衣所~玄関は一直線にしない
- ドアの種類を適切に選ぶ
- サイズは1坪で十分
- 浴槽は奥に配置
- 窓は不要