2025年に家を建てたら襲いかかる不安・恐怖6選【注文住宅】 | 「住宅会社の選び方」を学びたい

「ずっと賃貸だと将来が不安だから持ち家の方が良い」というのは嘘。持ち家はリスクだらけです。2025年は建築費や金利が上がるので、これから持ち家を考えている人は注意が必要です。今回は、家を売りたい住宅会社や営業マンは教えてくれないものの、知らなければならない内容を紹介します。この内容を知らないと、家を建てて住んだ後の長い人生で苦労することになります。

まずは持ち家のデメリットを知ってください。それでも「家を建てたい!」という人のみ、家づくりに進んでください。2025年に住宅業界がどうなるのか、という予想も含めて持ち家のリスクを紹介します。

今回は以下を詳しく解説していきます。

持ち家のリスク6選

①価格高騰

5年前と比べると、1坪あたり約15万円くらい価格が上がっています。昔は30坪であれば1,800~2,000万円くらいで、ちょうどいい塩梅の家づくりができました。ただ、今や2,200~2,300万円、税込みだと2,500万円くらい出さないと、まともな家を建てられません。

さらに、着工数も激減しています。2000年には注文住宅が45万棟くらい建っていましたが、2023年には前年比10%減の22万棟でした。このような状況だと、住宅会社が「棟数が減るなら単価を上げれば良い」と考えて、大手ハウスメーカーを中心にどんどん価格が高騰しています。住宅資材の価格も上がっていますが、利益率の設定も上がっています。

坪100万円以上が普通になっているので、施主が冷静にならなければなりません。これから家を建てる人は、住宅資材が高騰している中で質を担保しなければならない状況下でも、坪100万円以上はやりすぎです。世帯年収が1,500~2,000万円で、東京以外なら好きにできますが、年収600万円、800万円、1,000万円という人には坪100万円以上の家は贅沢しすぎです。車でいうとベンツやクラウンといった高級車という話になるので気をつけてください。

目安としては、30坪で税込み2,500万円までです。これくらいの目線で家を建てるのがおすすめですよ。ただ、これくらいの価格でも粗悪な家づくりをする会社も増えています。質は80点、90点を目指してください。【せやま基準一覧表】の必須項目をクリアしながら予算も抑えられるハウスメーカーや工務店を探すことが大切です。坪100万円以上はやりすぎですよ。住宅業界の「値上げは仕方ない」という雰囲気に惑わされず、乗せられないようにしてくださいね。

②工務店倒産の増加

(出典:東京商工リサーチ)

2024年の上半期は、建築業界で947件の倒産がありました。これは前年同期比で20%増えています。「うちは大丈夫」と思うかもしれませんが、倒産は突然きます。契約した後の着工中に倒産すると、本当に大変です。払ったお金は返ってきませんし、工事を引き継ぐ会社を探さなければならないので損が出ます。建った後ならアフターサービスがないくらいですが、建築中の倒産は人生が狂うリスクがあるので気をつけてください。

こういう状況なので「工務店は不安」「大手ハウスメーカーが安心」と考えてハウスメーカーに行く人がいます。もちろん、これは間違いないです。潰れるリスクや経営破綻するリスクは大手ハウスメーカーの方が低いです。ただし、前述の通り大手ハウスメーカーは利益率が高く、45%取っているようなところもあります。そんなぼったくり価格で家を建てたら住宅会社は大丈夫でも家計が破綻しますよ。

工務店でもハウスメーカーでも良いので、倒産リスクが低くて財務状況が良くて、コスパへの意識もあり、良い家づくりを責任持って行ってくれる住宅会社を探してください。

とにかく倒産が増えています。契約前に財務状況を確認したり、潰れてしまった場合の完成保証に加入するなど、倒産対策を慎重に進めてくださいね。

③金利上昇

2024年は変動金利が上がりました。無担保コールレートが0.25%前後の目標値になったことで、変動金利の基準金利である短期プライムレートが2024年9月から約0.15%上がりました。

今後は、無担保コールレートの目標値が0.5~1%に向かって上がると予想しています。そうなると今よりも0.25%高くなるので、さらに変動金利も上がる可能性があります。

こういった状況への対策としては、まずは予算を抑えること。土地は資産になるから良いですが、建物の予算はなるべく抑えてください。また、将来的に金利が上がってもローンの残債が少なければ大したことはありません。ローンの残債が多い時が金利の影響を一番受けるので、稼いで繰り上げ返済の原資を貯めてください。

コストを抑えてしっかり稼ぐことしか、金利上昇への対策はありません。

金利上昇の心配をしなくて良い固定金利もありますが、固定金利は変動金利が上がる前に先行して上がっていくので、かなり金利が高い状態になっています。将来の答えは分からないので自分で選択するしかありませんが、変動金利でも固定金利でも家を建てるのであれば、家にコストをかけすぎずにしっかり稼ぐ覚悟をしてくださいね。

金利上昇に関しては、ぜひこちらの記事もご確認ください。

関連記事:【速報】いよいよ変動金利が上昇か!?利上げで住宅ローンはどうなる?対策も徹底解説!

④社会保険料の上昇(実質増税)

所得税は累進課税により年収が高い人ほど税率が高く設定されています。一方で、所得税率を下げても、課税対象が少ない低所得層では恩恵が限定的で、生活が苦しい人の手取りが大幅に増えるわけではありません。社会保険料は年収に応じた定率で負担しているため、年収が高いほど影響が大きくなります。給料明細を見ると、社会保険料として例えば3~4万円と書かれていると思いますが、これは実は半額です。それと同じ額を企業側が負担しています。

ただし、これは「企業が負担しているから良い」という話ではありません。そもそもは皆さんがもらえるはずだったお金なので、倍減っていることになります。しかも、今後はさらに上がる見込みです。

そこで、政府に文句を言いながらもやることはやらなければなりません。そういう意味では、今は大チャンスです。収入も二極化して稼ぐ人と本当に困っている人に分かれているので、個人としては頑張って稼ぐ方に行かなければなりません。

稼ぐためのポイントは2つあります。その2つの掛け算で稼いでください。ポイントの1つ目は、自分のスキル。スキルを上げて人はできないけど自分はできることを増やして、給料を上げてください。そして、2つ目のポイントは稼げる業界に身を置くことです。稼げない業界では、どれだけスキルが高くても収入が上がりません。収益性が高い会社にいることが大切です。スキルを上げて、転職や独立をしてお金が流れているところで仕事をすれば勝てます。大人になっても頑張り続けて、稼ぎましょう!

⑤人口減少

2024年は出生数が70万人を下回ります。人口が減ると、不人気の土地の価格が暴落します。今後、土地を買うなら良いところを買ってください。良いところは人口が減っても価格は高騰していきます。ただし、駅から離れた過疎地のような不便なところの土地の価格は二束三文になります。

土地は資産になりますし、特に需要が高い地域では価格が上昇することも期待できます。好立地の土地を買ってくださいね。そして建物は、コストを抑えて質は担保するバランスが重要です。

⑥メンテナンス・維持費の負担

以前から工事費やリフォームの費用が上がっています。「持ち家の方が、ローンを払い終えたら楽」という気持ちになるかもしれませんが、ローンを払い終わる頃には大規模修繕が必要になり、外壁や屋根や防水のリフォーム費用がかかります。

土地の固定資産税はずっとかかりますし、建物がボロボロになっても最低限20%は固定資産税上の評価が残ってしまいます。

「持ち家だからローンを払い終えたら楽勝」ということはありません。月2万円ぐらいは火災保険や固定資産税、修繕積立費としてローンとは別にお金を貯めておかなければなりません。さらに、仕様を選ぶ際には、メーカー保証が長期間適用される外壁、シーリング、屋根、下地材を選ぶことが重要ですよ。

持ち家のメリット3選

①質を担保できる(可能性がある)

賃貸住宅は大家さんが自分で住むわけではないので粗悪ですし、狭いです。自分で戸建を建てることで、広くて質が担保できて自分好みの家にすることができます。窓、断熱、気密、換気、耐震を揃えていくことで賃貸住宅よりも良い環境を整えることができる場合もあります。

ただし、「戸建だから良い」というわけではなく「賃貸の方が良かった」というケースもあります。RCのマンションからボロボロの木造戸建に移住すると「冬は寒くて夏は2階が灼熱地獄で住めないし、光熱費もマンションの時より上がった」なんてことになりかねません。

そうならないように、知識を身につける勉強をしてくださいね。

②インフレ対策になる

(出典:ダイヤモンド・オンライン)

資産を現金で持っていると、物価が上がっていくインフレの時には価値が目減りします。昔は500円で一杯のラーメンが食べられたのに、今は1,000円かかります。つまり、500円をずっと持っていても今ではラーメンが食べられません。

このように物価が上がっていくので、資産は物にしておくのがおすすめ。とはいえ、金などを買うのは難しいので、土地を買ってください。土地は単価が大きいですし、住宅ローンを使えば現金がなくても買えます。土地を持っていることはインフレ対策になるので、良い土地を買ってくださいね。

③高齢でも賃貸迷子にならない

高齢になると孤独死などのリスクが懸念され、大家が敬遠するため賃貸を借りにくくなる場合があります。持ち家であれば自分の家なので堂々と住めることは間違いありません。

ただし、高齢者でも住めるような賃貸住宅は当然ありますし、そこに入ることもできます。また、賃貸で暮らしていてもお金を貯めておけば、老後に現金で小ぶりな中古マンションを買うこともできます。

このような選択肢もあるので「老後が心配なので持ち家」というのは、若いうちから考えすぎです。

よくある質問

質問①:賃貸か持ち家、どっちが良いの?

これは人それぞれです。私は元々賃貸派でしたが、賃貸よりも持ち家の方が質を担保できるので持ち家を建てました。こういうパターンもありますし、転勤があったり年収が増減した場合に家賃を下げられるようにしておきたいと考える人もいます。メンテナンスや修繕費、火災保険などが面倒だったり、とにかくめちゃくちゃ駅近に住みたいので賃貸にする人もいます。このように色々な事情があるので、一概には言えません。

質問②:人生における総費用はどちらの方がお得?

これは不確定要素が多いので分かりません。考えても不毛なので、どちらの方が高くてもそれを凌駕する稼ぎを持っておくことが重要です。お金だけで人生の悩みは解決しませんが、お金があれば人生の大半の悩みは解決できますよ。

まとめ

2025年に家を建てることのリスクと持ち家のメリット

  • 持ち家のリスク
    ①価格高騰
    ②工務店倒産の増加
    ③金利上昇
    ④社会保険料の上昇(実質増税)
    ⑤人口減少
    ⑥メンテナンス・維持費の負担
  • 持ち家のメリット
    ①質を担保できる(可能性がある)
    ②インフレ対策になる
    ③高齢でも賃貸迷子にならない
せやまが

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せやま印工務店とは?

PROFILE

2025年に家を建てたら襲いかかる不安・恐怖6選【注文住宅】 | 「住宅会社の選び方」を学びたい

せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

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