昭和レベルの劣悪な新築戸建が建ち続ける理由|住宅会社の罪

昭和レベルの劣悪な新築戸建が建ち続ける理由|住宅会社の罪 | 家づくりの前に

ずっと大切にしたい一軒家を建てるためには、注意すべきポイントがあります。断熱性能(UA値)や省エネ基準など、国の基準を過信してはいけません。昭和基準のヤバ戸建が今も建ち続けている、その理由を紹介していきます。

良くない戸建はどういう戸建なのかチェックしましょう!

本記事の内容は、YouTube動画でも分かりやすく解説していますので、こちらもご覧ください!


参考動画:昭和レベルの劣悪な新築戸建が建ち続ける理由|住宅会社の罪

ヤバ戸建は他人事じゃない!その原因とは?


ヤバ戸建は、全然他人事の問題じゃないんです。よく施主の方や工務店から「せやま基準をクリアした家を建てました!」なんて報告されるんですが、実はそれもよくよく聞いたら一部だけしかクリアしてないなんてこともあります。

ですが、家作りは全体を網羅することが大切です。網羅的・体系的に考えないと良い家は建たないのに、一部だけ見て「大丈夫!」と思ってしまう人も多いんですね。

そこで改めて、他人事だと思わずに自分事だと思ってヤバ戸建が建ってしまう原因をチェックしていってください。ヤバ戸建が建つ代表的な原因は以下の3つです。

  1. 国の基準が超甘
  2. 施主が無知
  3. リアルな評判が出てこない

それぞれ詳しく解説していきましょう!

 

ヤバ戸建の原因①国の基準が超甘

実は、戸建に関しては国の基準が超甘いんです。

 

断熱性能(UA値)が甘い

よく言われている話では断熱性能(UA値)が話題に出ますよね。省エネ基準がUA値0.87以下なので超甘いんです。最低でもZEH基準の0.6以下にはしたいですよね。ちなみに、私の基準では0.6以下推奨です。

ただ、2022年4月以降は断熱等級5・6・7が新設され、長期優良住宅の認定をとる基準も変わっていくので、現在は改善傾向にあります。「それでも甘いので、もっと断熱性能の基準を先進国並にあげましょう!」という話までは、まぁよく言われていることです。

 

気密性能(C値)の基準が一切存在しない

面白い話は実はここから。「国の基準が超甘い」と言われていても、実は気密性能(C値)は一切話題に上がらないんです。

断熱性能の基準は改善されてきていますが、C値は誰も触れない。タブー扱いされているんじゃないか、というレベルです。理由としては、大手鉄骨ハウスメーカーへの配慮だと思っています。鉄骨住宅自体が気密とかが得意な家ではないので、良い数字が出ないんです。ハウスメーカーは国と繋がっているので、C値が建築基準に入らないんです。私の想像ですけどね。

 

換気システムのメンテナンス基準がない

換気に関しては、2003年(平成15年)に、2時間に1回の換気ができるシステムを入れましょう、という制度ができました。ですが、数年後も正常に動作しているかどうかは、実は不問なんです。

フィルターの掃除をして目詰まりしないように運用できるかどうか、といった基準は一切ないんです。「つければいい!」ということになっているばかりではなく、「計算上でOKなら、つけた時点で実際は換気不足になっていてもOK」という基準なんです。なので、換気についても国の基準は超甘いんです。

私はよく窓・断熱・気密・換気という4つは家を建てるうちの四大要素だと言っていますが、そのうちの1つである断熱しか国の基準がないと言っても過言ではないです。残りの3つは国の基準がないので、個人基準で対応していきましょう。そんな時に【せやま基準一覧表】を使ってもらえればと思います。

 

ヤバ戸建の原因②施主が無知

これは最近、YouTubeなどで色々な人が発信しているので、だいぶ施主の皆さんも詳しくなってきています。それでも、やっぱり知らない人はたくさんいますし、工務店側にとって有利な情報しか基本的に発信されていないので、施主が情報を知る術がなかなかないんです。

施主が無知だとヤバ戸建に気付けません。ですが、私の動画等でしっかり知識を得てもらえれば、対策できると思います。

家の性能に詳しくなる方法に関しては、ぜひこちらの記事もご確認ください。
営業マンより「家の性能」に100倍詳しくなる方法|せやま性能基準

 

ヤバ戸建の原因③リアルな評判が出てこない

家というのは、基本的に1回しか建てないので、他社との比較がなかなかできません。居酒屋とかなら色々な店に行って「こっちは美味かった」とか「まずかった」などと言えるので消費者の評判が出ます。そして、評判が悪い店はつぶれていくでしょう。

ですが、家ではそれができません。住宅業界は評判が出てこないんです。もっと言えば、施主としても「自分の住む家を悪く言いたくない」という心理があるんです。「臭くて寒くて、終わってる家に自分は住んでる」なんて言いたくないですよね。

こういうことが原因で、自分の住む家が本当に良いのか悪いのか、適切に判断できないんです。

つまり、クソみたいな工務店・ハウスメーカーがヤッバい家を建てても、悪い評判は世の中に出てきません。ここまでSNSが発展しても悪い評判が出てこないのは、こういう構造的な原因があるんですね。

なので、【せやま基準一覧表】【せやま印工務店】を一つの選択肢にしてもらえれば、ある程度安心できる選択肢の一つになると思います。もちろんそこで建てなくても良いですが「80点の基準をクリアできる工務店」をなんとか見つけて、ヤバ戸建にならないように気を付けてください。

 

せやまの戦い方:腐った住宅業界をぶっ潰す作戦

先ほどから紹介している【せやま基準一覧表】を無料で公開していますが、これは結構ヤバい工務店にとってはキツイみたいです。「どんだけヤバいツール出してるの!」なんて声も結構きましたよ。ちゃんとやってない会社にとっては、あのツールは困るんです。

つまり、逆を言えば、せやま基準一覧表をちゃんと使うことで、ヤバい工務店やハウスメーカーを見分けて排除することができるんです。なので、あれを見せて嫌な顔をする会社は弾くような、リトマス紙のような使い方をしてもらえれば、と思います。

また、現在ではせやま基準クリアが当たり前になるように、【せやま印工務店】を全国に広げる活動も行っています。将来的にはヤバ戸建が消えていくように活動していますよ!

 

戸建を建てる人のよくある質問とは?

ここからは、よくある質問に答えていきます。

 

Q1. 家の中が寒ければ服を着れば良いんじゃないですか?

たまに「寒いなら服を着れば良いじゃん」なんて人がいますが、これを言う人はマジで自己中だと思います。自分は厚着をすれば良いかもしれませんが、それを家族に強制するのは良くないですよね。

「ヒートショックなんて大げさ!」なんて人もいますし、確かに身近なリスクだと考える人も少ないでしょう。でも、温度差があると体調が悪くなりますし、風邪も引きやすくなります。そんな環境を家族に強制するのは良くないですね。なのでこういう考え方をする人は、家族のことをもう少し考えて、相手に寄り添うようになってほしいですね。

 

Q2. 値上げだからローコスト・低性能でも仕方ないですよね?

「最近は値上げをしてるからコスト的にどうしようもなくて、性能的に低い家が建つのも仕方ないですよね」という声もあります。確かにコストを最優先にするのも良いですが、私個人としては「そこまでして家を建てるか!?」と思います。

家というのは、そもそも贅沢品です。稼ぎも少なく、貯蓄もなく、生活も苦しい人が「でも家を建てる!」というものではないんです。家というのは負債への浪費だと考えて、ある程度の稼ぎや貯蓄がある上で家を建てるという考え方をしてください。

その上で「なるべくお金をかけずに質を担保したい」というのが、いい塩梅の家づくりです。家を建てることは必須でも義務でもなんでもないので、コストを下げて妥協しまくってでも家を建てる…というのは全くおすすめできません。なので、まずはしっかり稼いでから家づくりを考えてください。

 

まとめ

ヤバ戸建が立ち続ける主な理由とは?

  1. 国の基準が超甘い
  2. 施主が無知
  3. リアルな評判が出てこない

PROFILE

昭和レベルの劣悪な新築戸建が建ち続ける理由|住宅会社の罪 | 家づくりの前に

せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

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