2025.05.14
【せやまどりNo.90】「延床29.7坪で予算も死守!狭さを感じさせない11の工夫が光る一階完結型の家」の間取り図






2025.05.14
【せやまどりNo.90】「延床29.7坪で予算も死守!狭さを感じさせない11の工夫が光る一階完結型の家」の間取り図
土地情報
- 敷地面積
- 157.0㎡(47.5坪)
- 建蔽率/容積率
- 60%/200%
- 方角/形状
- 北道路/整形地
- 駐車場/庭
- 駐車場1台/広めの庭
建物情報
- 延床面積
- 98.2㎡(29.7坪)
- 間取りタイプ
- 二階建て/単世帯
- 部屋数
- 3LDK
- 太陽光/屋根裏エアコン
- 採用可/採用不可
ルームツアー動画はこちら
目次
「せやまどり」とは?
せやまどりとは、その名の通り、私せやまが考案した間取り図のこと。
このせやまどりでは、「リビング・収納は贅沢に、2階・廊下は徹底的に削減」を基本方針に、コンパクトながら、開放感・機能性を感じられる間取りに仕上げています!
せやまどり販売サイトにて販売中!
本ページでご紹介している間取りを含め、せやまどりはすべて「せやまどり販売サイト」から購入いただけます!
また「まだ工務店選びに迷っている…」という方であれば、「認定工務店」と「施主」を橋渡しするプロジェクト【せやま印 工務店】の内定クルー(※)であれば、間取り制作期間内に限り、販売中のせやまどりを全件見放題!
ぜひ間取りづくりの参考に役立ててくださいね!
内定クルーとは?:せやま印工務店での契約が決まっているクルーのこと
お施主さんからの要望は?
今回、お施主さんから以下のような要望をいただきました。
「玄関」について |
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「寝室」について |
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「水回り」について |
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「LDK」について |
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「2階」について |
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上記の要望を踏まえ「延床面積30坪の常識」を覆す家を実現しました。「コンパクトでも広いリビングにしたい」「開放的にしたい」「収納もたくさんほしい」と言いつつ、テクニックやルールを知らない人が多いです。今回の間取りは延床面積29.7坪ですが、開放的なリビング、1階に大きなウォークインクローゼット、たくさんのキッチン収納のように、皆さんがやりたいことを実現できています。
そのように実現できるか否かの違いは、プランの作り方・テクニック・知識があるかどうかです。たとえばリビングの配置でも、ちゃんとお隣さんの配置や窓の位置を把握して、ソファとテレビの方向、窓の場所を決めることが重要です。こういった点を間違っているプランナーに任せると、本当に危険です。
そこで、今回は今までに1,000件以上のプランを作成し、YouTubeにもまもなく100件になる間取りを公開し続けている「コスパ抜群の間取り」のプロである私が、誰でもできるコスパの高い間取り作りのテクニック・知識と、実際の間取りを紹介します。
要望を踏まえた実際の間取りは?
「玄関」編
要望①:シューズクロークがほしい
シューズクロークの幅は1.5P(1P=91cm)です。コート掛けも配置しました。イソ吉草酸による臭い対策として、天井に換気口を設置しています。「sumika(24時間全熱交換型換気システム)」は床面排気ですが、床に取れない場合は天井に付けてください。
シューズクロークは来客時に目隠しができれば良いので、入口は扉ではなくロールスクリーンにしています。扉にすると収納が一部削れてしまうので、「コンパクトだけど充実した間取りにする」ためにはロールスクリーン推奨です。また、シューズクロークやウォークインクローゼットの入口は中央に配置、両側を収納にしてスペースを有効活用してください。
要望②:玄関から洗面に行ける動線がほしい
洗面には玄関ホールから直接アクセスできます。このように今回はトイレと洗面の配置が近いので、いつも付けている独立手洗いを付けていません。ただ、「お客さんが来た時に手洗いがないと困る」ということで、タンクの上に手洗いが付いているタイプにしました。
上部の収納は純正収納でも良いですが、それだと価格が高くなります。このようにカウンターを付け、後から自分でトイレットペーパーや生理用品を置いていくのがおすすめですよ。
「寝室」編
要望①:1階に主寝室がほしい
玄関ホールから5.2畳の主寝室+ウォークインクローゼットにアクセスできます。老後は1階に主寝室があると便利ですよ。「主寝室は7~8畳ほしい」と言う人が多いですが、寝るだけなら6畳あれば十分です。シングルベッド2つ並べるだけなら5.2畳でも問題ありません。こういった部分で細かくジャストサイズにすることによって、延床面積30坪でやりたい夢を詰め込むことができます。
皆やりたいけど中々できない注文住宅の夢①
1階に主寝室+ウォークインクローゼット!
ウォークインクローゼットは1.5畳です。カビ対策として換気システムも付けました。先ほどのシューズクローク同様に、入口は中央にして両側を収納にしています。
北側道路なので、窓は北側です。できる限り東西には窓を付けず、南北に付けることを意識すると日射遮蔽としても効果的ですよ。このような基本を押さえながら間取りを作ってください。
主寝室には物干し金物も設置したので、部屋干しスペースとしても使えます。
「水回り」編
要望①:洗面・脱衣を分けたい
玄関ホールから洗面所にアクセスできます。洗面台は標準仕様でW750mmにしている住宅会社が多く、せやま印工務店の標準仕様でもW900mmですが、今回はお施主さんの要望でW1,200mmにしました。
皆やりたいけど中々できない注文住宅の夢②
ワイドな洗面台!
このようにローカウンターを付けるだけなら4~5万円くらいで可能です。このように洗面台+ローカウンターにするとコストを抑えながら、ワイドな洗面台にできますよ。
洗面直結のウォークインクローゼットも配置しました。こちらも入口を真ん中にして両側を収納にすることで、スペースを有効活用しています。奥にはカビ対策の換気システムも付けていますよ。
皆やりたいけど中々できない注文住宅の夢③
水回り直結のウォークインクローゼット!
洗面所には、お隣さんが抜けている方向に自然光を取り入れる窓を配置しました。化粧をする時に自然光を浴びながら身支度ができますよ。
皆やりたいけど中々できない注文住宅の夢④
洗面脱衣が別!
要望②:脱衣室に収納がほしい
脱衣室には、必ず収納を付けてください。引き出しが付いていると、なおさら便利です。お風呂の近くであればあるほど、タオルやバスタオルを取りやすくなりますよ。
要望③:脱衣室はランドリールームと兼用にしたい
脱衣室はランドリールーム兼用なので、昇降式の物干し金物を配置しています。昇降式にするのか脱着式にするのかは、用途に応じて決めてくださいね。
玄関ホールからも洗面からもLDKにアクセスできるような回遊動線にしています。近いので回遊動線にするか迷いましたが、お施主さんの「トイレからリビングを経由せずに洗面に行きたい」「キッチンから洗面が近い方が良い」という二つの要望を叶えるために回遊動線にしました。
関連記事:『【間取りのコツ】絶対やめて!一生後悔する脱衣所・ランドリールームのよくある失敗例7選!』
「LDK」編
要望①:LDKを大きくしたい
LDKは全体で約20畳です。奥行きがあり、リビングは南北に窓を配置しました。南には家が建っていますが2階が引いている家と平屋なので、結構抜けていました。こういった部分を狙ってリビングを配置しました。
隣地の状況・隣地の窓の状態を把握せずに間取りを作るのはダメです。状況を把握し、抜けている方向を存分に使用して明るいリビングにしてくださいね。
天井もH2,500mmにして10cm上げることで、開放感を演出しています。窓もH2,200mmです。樹脂サッシでもH2,200mmにできますよ。アルミ樹脂複合サッシは結露のリスクが高いので、非推奨です。
階段の手すりをオープンデザインにすると、壁にした場合とはイメージが大きく変わります。オープン手すりにすると吹き抜けの窓の明かりが落ちてきますよ。しかも、南側なのでダイニングへの採光もできます。こういったことも計算して間取りを作ってくださいね。
皆やりたいけど中々できない注文住宅の夢⑤
開放的で明るいリビング!
関連記事:『【間取りのコツ】「広く見えるリビング」を作るための鉄則ルール6選!』
要望②:キッチンから全体を見渡したい
お施主さんの要望通り、全体を見渡せる位置にキッチンを配置しました。リビングやダイニング、執務スペースを見渡せる明るい配置です。
要望③:収納としてリビングステージがほしい
今回はリビングステージを使ってカウンターを広く取っています。このようにカウンターを少しでも広く取ることで、物を置きやすくなるので重宝しますよ。
ダイニング周りは物が増えるので、綿棒や薬、お薬手帳などを収納できるようなスペースを設けてください。ホットプレートやスマホの充電、ロボット掃除機、スティック掃除機、玄関の電動自転車用など、使いたい場所にあらかじめコンセントを付けておくととても便利です。特にカウンター端のスマホ充電用や、ホットプレート用の位置は忘れがちなので注意してくださいね。
その他、キッチンは深型食洗機、水切り金物、コンセント、水無両面グリル、同時給排気型レンジフードを採用し、W2,550mm×D650mmにしました。このあたりは、どの工務店やハウスメーカーと契約する場合でも、確実に押さえてください。キッチンのオプションは非常に高額になるので、絶対に契約前に仕様を確認してください。
要望④:キッチンに大容量のカップボードがほしい
カップボードはW2,700mmです。調理家電用のコンセントを二口×三箇所の計六箇所採用しました。調理家電は消費電力が大きいので、ブレーカーが落ちないように専用回路にしてくださいね。
カップボードのゴミ箱スペースは広めに取ってください。上部に引き出しがあると小さなゴミ箱しか入らないので注意してくださいね。
キッチンの後ろに冷蔵庫置き場が来る場合は、必ずオフセットを設けて冷蔵庫が出っ張らないようにしてください。オフセットを設けないとキッチンスペースが狭く、動線が悪くなるので注意してくださいね。
皆やりたいけど中々できない注文住宅の夢⑥
W2,700mmのカップボード!
要望⑤:パントリーがほしい
洗面への入口になっている部分を冷蔵庫置き場にすれば、横にパントリーを設けることができます。ただ、今回は洗面への動線が必要なので、そのような配置はできませんでした。
そこで、今回はキッチンの奥の階段下スペースを有効活用してパントリーを配置しています。このようにキッチンの奥を1P深く取ることで、パントリーを採用できますしカップボードもW2,700mmにできました。このようなせやまどりのコツ・テクニックを一つ一つ利用すると、素敵な30坪の間取りが実現できますよ。
関連記事:『【完全攻略】目指せ家事ラク!「キッチン計画」を進める際に知っておくべき徹底解説!』
要望⑥:半個室風の執務スペースがほしい
執務スペースは窪ませて、半個室風にしています。このように窪ませることで、後ろを人が通っても集中を維持できます。執務スペースにはコンセントを付け、下にもコンセントがある場合には配線孔を忘れずに付けてくださいね。
皆やりたいけど中々できない注文住宅の夢⑦
半個室で集中できる執務スペース!
関連記事:『【間取り事例】書斎・勉強スペースの間取りと適正サイズ(畳数/奥行/幅)は?』
「2階」編
2階の廊下は1.5畳しかありません。こんなに廊下が短いと全員が一斉に出てきた時にぶつかるんじゃないかと心配する人がいますが、そんな状況はありませんよ。廊下を短くするように無駄な部分をとことん削らないと、延床面積30坪で素敵な間取りは作れません。
皆やりたいけど中々できない注文住宅の夢⑧
2階の廊下はとにかく短く!
要望①:廊下から行けるファミリークローゼットがほしい
このように無駄な部分を削ることで、廊下から入れる2.5畳のウォークインクローゼットを実現できました。
「ファミリークロークは廊下から行きたい」という要望を持つ人は多いかと思いますが、廊下からの動線を増やせば増やすほど廊下が大きくなりがちです。ただ、扉を集めることで短い廊下からファミリークロークへの動線を実現しました。
さらに、ウォークインクローゼットは中央に入口を配置して両側を収納スペースにすることで、スペースを有効活用しています。奥に換気口も付けて、衣類のカビ対策もバッチリです。
ただし、棚板やハンガーパイプの数・仕様は工務店ごとに標準仕様の内容が異なります。オプションとなって追加費用が発生する場合もあるので、契約前に標準仕様でどこまで対応できるかを確認してくださいね。
皆やりたいけど中々できない注文住宅の夢⑨
廊下から入れるウォークインクローゼット!(2.5畳)
要望②:大きめの子ども部屋が2部屋ほしい
通常、子ども部屋は4.5畳や4.3畳にしますが、お施主さんの要望で今回は二部屋とも5.2畳にしました。クローゼットもバッチリ付けています。