2024.11.14
食洗機を選ぼうにも、「容量」や「乾燥機能」などの機能面や、導入コスト、ランニングコストなど見るべき要素が多く検討するのも一苦労…。
それに加え、最近では海外製食洗機も選択肢に入ってきて、「もうどうやって選べばいいのかわかんない!」と混乱してる施主も多いと思います。
そこで今回は、「食洗器選びの際に見るべき5つのポイント」をはじめ、「国内製食洗機」と「海外製食洗機」の比較をしつつ、後悔しない食洗機の選び方をご紹介します。
最後には、実際にリンナイのショールームで行った比較実験の結果も紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
ちゃんとデメリットを把握して選ぼう!
関連動画(YouTube):『食洗機の後悔しない選び方【タイプ別にメリット・デメリットを徹底比較】』
目次
そもそも「食洗機」って付けるべきなの?
【結論】食洗器は家事ラクに必須!
結論、食洗機は付けた方が良いです。
当然、食洗機を使えば、手洗いの手間も省けるうえに手荒れ予防にも繋がります。
中には、「ある程度汚れを落としてからじゃないといけないのが逆に面倒…」という人もいると思いますが、洗うだけでなく、食器を拭く手間(※)も省けますから、家事がラクな家を目指したい場合「必須」だと思います。
ただし海外製食洗器の場合、乾燥機能が付いていないものもある
電気代は増えるが、逆に水道代は安くなる!
また、「食洗機にすると、洗う度に電気代がかかる…」という人もいますが、食洗器にかかる電気代は1回あたり数十円程度です。
これを高いと感じるかは人それぞれですが、電気代が増える分、手洗いよりも少ない水で洗えるため水道代は下がります。
このように、手間を省けるうえにコストもそれほどかからないですから、今の時代もはや「食洗機は必須」といっても良いでしょう。
「食洗機」を選ぶ際に見るべき5つのポイント
①何人分の食器が入るのか?(容量)
機種によっても微妙に異なりますが、「食洗機の容量」に対する評価はおおむね以下4段階に分けられます。
・国内製 浅型(5人分) | ✕ |
---|---|
・国内製 深型(6人分) 推奨! | 〇 |
・海外製 幅45cm(8~9人分) ・リンナイ製 フロントオープン(8~9人分) |
◎ |
・海外製 幅60cm(10人分~) | ◎+ |
一般的な「浅型」は3~4人分しか入らない!
詳しい比較は後ほど紹介しますが、国内製の食洗器で一番ベーシックなものは「浅型食洗機」。
この浅型で大体「5人分の食器が入る」と言われていますが、実質は「3~4人分」程度と結構小さいので基本非推奨です。
対する国内製の深型食洗機は、ちょっと容量が少ない場合もありますがこちらであればほぼ問題ないですね。
容量重視なら「海外製」or「リンナイフロントオープン」
次に、海外製食洗機の「幅45cmタイプ」と「リンナイ製フロントオープンタイプ」。
これらは「8~9人分の食器が入る」と言われています。サイズによってはフライパンなども入るので、容量重視ならこれらがおすすめですね。
さらにこの2つよりも大きい海外製の「幅60cmタイプ」もありますが、これは二重丸を超えて「◎+評価」。ただ少しオーバースペックになる可能性もあるので注意してください。
容量の目安はカタログ表記で「6人分」
あくまで容量の目安ですが、カタログ表記で「6人分」くらいはあった方が良いですよ。
ただこの「〇人分」という数字は、同じサイズのお皿、お茶碗、コップというように、「入れやすい食器を使った場合」を想定している数字なので、実際はカタログの数字よりも落ちます。
容量的な合格ラインは「深型の食洗機(6人分)」ですが、これ以上は容量も金額もどんどん大きくなるので、予算と相談して選んでくださいね。
②食洗器に入れる前に「予洗い」が必要?
予洗いが必要 | 〇 |
---|---|
予洗い不要 | ◎ |
食洗機に入れる前にかるく食器を洗うことを「予洗い」と言うのですが、この「予洗いが必要なのか?」「不要なのか?」で洗浄性能を分けることができます。
基本的に国内製の食洗機は予洗いが必要です。
ただ、実際に私も予洗いが必要な国内製を使っていますが、簡単に流すだけでOKなので予洗い自体は全然負担にならないですよ。
一方、海外製食洗機は、洗浄能力が非常に高いため基本的に「予洗い」が不要です。この「洗浄力が強すぎる」というのはデメリットにもなり得ますが、予洗いの手間を減らしたい人は海外製がおすすめですね。
③「乾燥機能」がついてる?ちゃんと乾く?
乾燥機能弱い | △ |
---|---|
乾燥機能あり | 〇 |
食洗機は、食器洗いはもちろん、拭く・乾かす手間を省いてくれるところもメリットですから、基本乾燥機能はついていた方が良いですね。
国内製の食洗機であれば、大体付いていますが、海外製になると乾燥機能が付いていないorついていてもちゃんと乾かないというケースがあるため要注意です。
④:食洗器本体の値段(導入コスト)は?
・海外製 | ✕:高い |
---|---|
・国内製 深型 |
〇:やや高い |
・国内製 浅型 | ◎:安い |
海外製食洗器は、キッチン本体のグレードアップも必要!
ネットで見ると、「+10~15万円で海外製の食洗機が使えます!」というような記事を見かけることがありますが、これには落とし穴があります。
というのも、海外製食洗機を導入する場合、食洗器本体の増額だけでなく、キッチン本体を海外製食洗器が設置できる「高いグレード」にしないといけないんです。
こういったグレードアップも含めると、普通に40~50万円、なんなら100万円ちかくの増額になることがありますので、海外製を検討している人は、工務店に早めに確認してくださいね。
深型・フロントオープンはやや高め
深型食洗機やリンナイ製のフロントオープンの導入コストはやや高め。
ただ、海外製食洗機を入れるよりはずっと安くすみますよ。
導入コストが一番安いのは「浅型」
浅型については、前述の通り容量が少ないのでおすすめしません。
ただ「予算が厳しいけど、食洗機を入れたい」という人は選択肢に入ってくるでしょう。
ランニングコストはどう?
海外製食洗機には「節水機能」が付いていたり、リンナイ製 フロントオープンタイプは電気代が少し高いといった違いがありますが、機種ごとの違いはせいせい1回あたり数十円程度です。
どちらかというと、「導入コストの差」の方が大きいので、食洗機を選ぶ時は「ランニングコスト」よりも「導入コスト」を重視しましょう。
⑤:食洗器の開閉と食器の入れ方は?
スライドオープン | 〇 |
---|---|
フロントオープン | ◎ |
スライドオープンタイプとは?
(出典:リンナイ)
スライドオープンタイプとは、上画像のように「引き出しを開けるような形で、上から食器を入れるタイプ」ですね。
このスライドオープンのメリットとしては、しゃがんだり、腰を曲げたりせずに食器が入れられる点。加えて、国内メーカーのほとんどがスライドオープンなので、メーカーの選択肢が多いことです。
またフロントオープンよりもコストも安めなので導入しやすいのもメリットでしょう。
ただその一方で、食洗器の中に手を突っ込んで、並べないといけないため食器が入れにくく、実質的な容量も少ないというデメリットがあります。
(出典:リンナイ)
フロントオープンタイプは、食洗器の前面をパカッと手前に倒して食器を入れるタイプ。
スライドオープンの場合、食洗器の中に手を突っ込む必要もありませんから、食器が非常に入れやすく、容量が大きいのもメリット。
一方、食器を入れる際には位置が低くしゃがむ必要があるため、腰痛持ちの人には厳しいと言われることもあります。
基本的には、どちらのタイプを選んでもOKですが、予算に余裕があって家事の快適さを重視したい人には「フロントオープンタイプ」がおすすめですね。
どれが向いてる?食洗器をタイプ別で比較!
①:国内製食洗機(浅型)
国内製食洗機(浅型)のメリットは?
洗浄力については予洗いは必要なものの十分であり、乾燥機能も付いているうえに、導入コストも安いのがメリット。
国内製食洗機(浅型)のデメリットは?
メリットだけを聞くと結構よさそうに見えますが、国内メーカーの浅型食洗機は容量が結構小さいです。カタログ上は「5人分」となっていますが、実質は「3~4人分」程度ですね。
また容量が少ない+スライドオープンなので、食器の数が入らないのに加え、「入れずらい」というデメリットもあるため非推奨です。
②:国内製食洗機(深型)★推奨★
国内製食洗機(深型)のメリットは?
国内メーカーの深型食洗機は、食洗器の中でもコスト・性能のバランスがいい「ちょうどいい塩梅」ですね。
容量については、フロントオープンや海外製と比較すると少し小さめですが、「実質4~5人分」くらいは入るので問題ないでしょう。
洗浄力についても予洗いは必要ですが問題ありません。また乾燥機能もついているので、機能・コスト的にも一番バランスが取れていると思います。
国内製食洗機(浅型)のデメリットは?
導入コストは、国内製の浅型食洗器と比べるとやや高め。
またスライドオープン型なので、少し食器を入れにくい…というデメリットもありますが、メーカーの選択肢も多く悪くない食洗機です。
③:海外製食洗機
海外製食洗機のメリットは?
海外製の食洗機は4社ほどありますが、どれも共通して言えるのは、「容量の大きさ」と「洗浄力の強さ」。
容量については、一番小さい幅45cmのタイプであっても、実質6~7人分入るうえ、大きな鍋やフライパンまで入ります。
またとにかく洗浄力が高いため、「予洗いが要らない」というメリットも大きいですね。
海外製食洗機のデメリットは?
海外製食洗器のデメリットは「乾燥機能が弱い」という点。
乾燥をかけた後でもしっかり乾いていなかったり、乾燥後の臭いが気になる、と感じる人もいますね。そのため、「洗うだけじゃなくて、拭くのも面倒…」という人には不向きでしょう。
さらには、先述の通り、食洗機自体も高い+キッチンのグレードも上がってしまうため導入コストが高い点や、洗浄力が高すぎるため、「コップの絵柄が綺麗になくなった」「フライパンの表面加工が取れてしまった」といういうように、食洗器に入れれるものが限定される、というデメリットもあります。
海外製の食洗機に関するよくある質問
質問①:本当に予洗いなしで大丈夫?
メーカーにもよりますが問題ないです。
ただし、食洗機内に固形物が入ってしまうと、食洗機内に溜まって配管詰まりのリスクがありますから、メンテナンスはこまめに行ってくださいね。
質問②:「幅45cm」と「幅60cm」、どちらが良い?
「幅45cm」でも十分大容量です。
ただ、フライパンや鍋などの調理器具を多用するなら、「幅60cm」の方が良いですね。ここは、予算と個人の好みに応じて決めてください。
質問③:最近の品薄状況は?
以前までは、海外製食洗機は品薄で、発注から納品まで半年以上かかることもありましたが、今では改善されつつあります。
とは言っても、国内製に比べると納期が長いため、導入を予定している場合は、早めに発注して取り付けてもらってくださいね。
④:リンナイ製フロントオープン食洗器
リンナイ製フロントオープンのメリットは?
リンナイ製のフロントオープンは、「海外製食洗機を検討したものの、導入コスト、乾燥機能の弱さが気になった」という人におすすめです。
容量は海外製とほぼ同等の「実質6~7人分」入りますし、乾燥機能も他の国内製食洗器同様しっかり乾きます。
また洗浄力についても、予洗いは必要なものの一般的な国内製の食洗機よりは高めですし、導入コストについてもキッチンのグレードアップも不要なため海外製よりも安く導入できます。
リンナイ製フロントオープンのデメリットは?
一方で、リンナイ製のフロントオープン食洗機は、標準採用できるキッチンメーカーが非常に少ないというデメリットがあります。(TOTOのみ対応確認済み)
もちろん他のキッチンメーカーでも導入はできるのですが、食洗機の面材とそれ以外の箇所の色や模様が異なってしまったり、上画像のように「蹴込み」が合わないことで見栄えが悪くなってしまう恐れがあります。
また他にも、電気代が少し高い(1回数十円程度)というデメリットもありますが、国内製よりも容量が大きく、乾燥機能も付いているので、コスト的にも機能的にも「ちょうどいい塩梅」ですね。
「深型」と「フロントオープン」の容量ってどのぐらい違う?
実際にショールームで「フロントオープン」に入っていた食器を、そのまま「深型食洗機」に移してみましたが、しっかり綺麗に入れても、「2~3人分」くらいは溢れてしまいました。
やはり子どもの人数が多い家庭の場合、容量的にもフロントオープンの方が使いやすいですよ。
まとめ
食洗機の選び方/タイプ別食洗器の比較
食洗機の選び方のポイントは?
- :何人分の食器が入るのか?(容量)
→カタログ表記で「6人分」が目安
→国内製(深型) or 海外製 or フロントオープンがおすすめ - 食洗器に入れる前に「予洗い」が必要?
→予洗い必要でも問題なし - 「乾燥機能」がついてる?ちゃんと乾く?
→あった方が便利(海外製は弱い) - 食洗器本体の値段(導入コスト)は?
→海外製はキッチンのグレードアップも必要! - 食洗器の開閉と食器の入れ方は?
→入れやすいのは「フロントオープン」
食洗機のタイプ別比較
- ①国内製食洗機(浅型)
→非推奨 - ②国内製食洗機(深型)
→ちょうどいい塩梅! - ③海外製食洗機
→容量+洗浄力優先の人向き - ④リンナイ製フロントオープン
→ちょうどいい塩梅!