2024.09.07
食洗機を選ぶ時は導入コストやランニングコストが気になる人が多いでしょう。また、最近は海外製の食洗機の人気も上がっています。そこで国内製の食洗機と海外製の食洗機の比較や各コストの紹介をしつつ、後悔しない食洗機の選び方を紹介します。何事もデメリットはあるので、そこは把握してくださいね。デメリットを知らずに選ぶと「予算オーバーになった」「使ってみたら意外と不便で家事が減らずに残念」ということになりかねないので、注意してください。
また、今回はリンナイのショールーム「ほっとラボ」に訪問し、フロントオープンタイプの実機を体験しました。そこで、今までの国内の食洗機との比較実験もしたので、その内容も紹介します。
今回は、以下を詳しく解説していきます。
目次
後悔しない食洗機の選び方
食洗機は付けた方が良いの?
食洗機は付けた方が良いです。食洗機を使うと洗う手間が省けるので、手荒れ予防にも繋がります。また、食器を拭く手間も省けます。ただし、海外製の場合は乾燥機能が付いていないものもあるので、その点は後述しますよ。
たまに「食洗機を回すと電気代がかかる」という人もいますが、1回あたり数十円です。さらに、確実に手洗いよりも食洗機の方が水道代が安くなるので、コストも低いですよ。
このように手間を省けてコストもそれほどかからないので、食洗機は必須といっても良いものです。
食洗機の選び方:5つのポイント
①サイズ(容量)
機種によって微妙に異なりますが、食洗機の容量は四段階に分けられます。
食洗機の容量
- ✕:国内製 浅型(5人分)
- 〇:国内製 深型(6人分)→推奨!
- ◎:海外製 幅45cm(8~9人分)
- ◎:リンナイ製 フロントオープン(8~9人分)
- 花丸:海外製 幅60cm(10人分~)
浅型の食洗機は国内メーカーの一番ベーシックな機種です。大体5人分くらいと言われていますが、小さいのでおすすめしません。国内製の深型食洗機はいい塩梅です。ちょっと容量が少ない場合もありますが、ほぼ問題ないです。
次に、海外製の食洗機の幅45cmのタイプとリンナイ製のフロントオープンタイプは8~9人分入ると言われています。これらは大きくておすすめですよ。
さらに、それよりも大きい海外製の幅60cmのタイプもあります。これは二重丸を超えて花丸評価です。ただし、少しオーバースペックな可能性もあるので注意してください。
このように容量は四段階に分かれています。その中で、BE ENOUGHとしては国内メーカーの深型を推奨します。カタログ表記で6人分くらいはあった方が良いですよ。ただし、少し容量不足の可能性もあるので気をつけてください。
そもそも、「〇人分」という数字は、あまり当てにしない方が良いです。というのも、これらは同じサイズのお皿、お茶碗、コップというように、入れやすい食器を使った場合を想定している数字です。つまり、浅型の食洗機は5人分と書いてありますが、実際には3~4人分くらいしか入らないのでおすすめしません。
深型の食洗機は6人分と書いてありますが、実際には4~5人分なのでギリギリOKです。これ以上はどんどん大きくなるので、予算と相談して容量を選んでくださいね。
②洗浄能力
食洗機の洗浄能力
- 〇:予洗いが必要
- ◎:予洗い不要
食洗機に入れる前に事前に食器を洗うことを「予洗い」と言います。この予洗いが必要なのか不要なのかで分けることができます。基本的に国内製の食洗機は予洗いが必要です。そのため、最初にちょっと水で流す手間がかかります。ただ、私も実際に予洗いが必要な食洗機を使っていますが、それでも簡単に流すだけで良いのでめちゃくちゃ楽ですよ。
一方、海外製のほとんどの食洗機は、洗浄能力が非常に高いため予洗いが不要です。「洗浄能力が強すぎる」というデメリットもありますが、予洗いをしたくない人におすすめです。
③乾燥機能
食洗機の乾燥機能
- △:乾燥機能弱い
- 〇:乾燥機能あり
食洗機は洗うことはもちろん、拭く手間を省いてくれるところもメリットですので、乾燥機能はついていた方が良いです。国内メーカーの食洗機は、大体付いていますよ。
海外製には乾燥機能が付いていないので注意が必要です。乾燥機能があっても、機能が弱くて十分に乾きません。
④導入コスト
食洗機の導入コスト
- ✕:海外製(高い)
- 〇:深型・フロントオープン(やや高い)
- ◎:浅型(安い)
海外製の食洗機は導入コストが高いです。ネットでは「定価との差額が10~15万円で海外製の食洗機が使えます!」という記事が出ていることがありますが、これは落とし穴があるので注意してください。海外製の食洗機を入れるためには、キッチンを高いグレードにしなければなりません。ただし、一般的な工務店やハウスメーカーが標準仕様にしているキッチンは標準グレードです。そのため、海外製の食洗機を入れるためには食洗機だけではなくキッチンをグレードアップさせるための差額が必要になります。普通に40~50万円、なんなら100万円近く価格が高くなることがあります。海外製の食洗機を検討している人は、早めに工務店に費用を確認してくださいね。
深型の食洗機やリンナイ製のフロントオープンの食洗機の導入コストは、やや高いです。ただ、海外製の食洗機を入れるよりは安いですよ。
導入コストが一番安いのは浅型の食洗機です。浅型は容量が少ないのでおすすめしませんが「コストが厳しいけど食洗機を入れたい」という人は選択肢に入ってきます。
ランニングコストに関しては、海外製の食洗機は節水機能が付いていたり、リンナイ製のフロントオープンタイプは電気代が少し高いなどの違いがあります。ただし、機種ごとの違いは1回あたり数十円程度です。さらに手洗いするよりは食洗機の方が水道代が安いので、食洗機を選ぶ時にランニングコストを重視する必要はありませんよ。導入コストの差の方が大きいので、こちらに注目してください。
⑤食器の入れ方
食洗機の食器の入れ方
- 〇:スライドオープンタイプ
- ◎:フロントオープンタイプ
(出典:リンナイ)
スライドオープンタイプは、引き出しを開けて上から食器を入れるタイプです。メリットとしては、入れる位置が高いため腰をかがめずに入れられることと、国内メーカーのほとんどがこのタイプなので、選択肢が多いことです。また、コストも安いので導入しやすいです。一方、食器が入れにくく、実質的な容量が少ないというデメリットがあります。
(出典:リンナイ)
フロントオープンタイプは、食器が非常に入れやすく、容量が大きいです。一方、食器を入れる位置が低くしゃがむ必要があるため、腰痛持ちの人には厳しいと言われることもあります。
どちらのタイプを選んでも良いですが、予算に余裕があってたくさんの食器を入れたい人にはフロントオープンタイプがおすすめです。
食洗機タイプ別徹底比較
国内製 浅型食洗機
メリット
国内メーカーの浅型の食洗機は、容量が小さいです。カタログは5人分となっていますが、実質は3~4人分なのでおすすめはしません。ただ、予洗いは必要なものの十分な洗浄力があり、乾燥機能もあります。導入コストも安いため、悪くはありません。
デメリット
「思ったよりも食器が入らないし、入れにくい」という感想が多いため、できれば浅型は避けるのが無難です。
国内製 深型食洗機
国内メーカーの深型の食洗機は、ちょうどいい塩梅です。容量が少し小さいですが、実質4~5人分くらいは入るので問題ないでしょう。洗浄力は予洗いが必要ですが問題ないですし、乾燥機能もあります。
導入コストはやや高く、スライドオープン型で少し食器を入れにくいですが、選択肢も多くて悪くない食洗機です。
海外製 食洗機
メリット
海外製の食洗機は四社くらいありますが、それぞれ特徴が似ています。なによりのメリットは、容量と洗浄力。一番小さい幅45cmのタイプであっても、実質6~7人分入ります。大きな鍋やフライパンも入りますよ。予洗いが要らないくらい洗浄力が高いというメリットもあります。
デメリット
ただし乾燥機能が弱くて、実質ありません。国内メーカーの食洗機と比べると乾かないので、拭く手間がかかります。開けて乾燥させる方式なら良いのですが、開けずに乾燥させる方式では臭いが気になる、と感じる人もいます。洗浄力を優先するのであれば海外製でも良いですが「洗うだけじゃなくて拭くのも面倒」という人にはおすすめしません。さらに、キッチンのグレードも上がってしまいますし、食洗機自体も高いというデメリットもあります。
また、海外製の食洗機は洗浄力が高いため、食洗機に入れられない食器やフライパンも結構多いです。「コップの絵柄が綺麗になくなった」「フライパン表面の加工が取れてしまった」ということもあるので注意してください。
海外製の食洗機に関してよくある質問
質問①:本当に予洗いなしで大丈夫?
メーカーにもよりますが問題ないです。ただし、食洗機内に固形物を入れてしまうと食洗機内に溜まって配管が詰まるリスクがあります。メンテナンスをこまめに行ってくださいね。
質問②:幅45cmと幅60cm、どちらが良い?
食洗機の大きさは、幅45cmでも十分大容量です。ただ、フライパンや鍋などの調理器具を多用するなら、幅60cmの方が良いです。予算と個人の好みに応じて決めてください。
質問③:最近の品薄状況は?
また、以前は海外製の食洗機は品薄で、発注から納品まで半年以上かかることもありました。これは以前よりも改善されていますが、国内製に比べると納期が長いので、早めに発注して引き渡しまでに取り付けてもらってください。
リンナイフロントオープン
メリット
フロントオープンタイプは、海外製の食洗機を検討したもののコストが高いと感じた人や、乾燥機能の弱さが気になる人におすすめです。
容量は実質6~7人分が入るため、国内の深型食洗機に比べるとかなり容量が大きいです。海外製の食洗機に比べると乾燥機能もあって便利です。洗浄力も、一般的な国内製の食洗機よりは高めです。ただし、予洗いは必要なので注意してくださいね。
また、リンナイ製のフロントオープンはそれほど高くないです。海外製の食洗機と違ってキッチンのグレードアップも必要ありません。
デメリット
一方、このフロントオープンタイプの食洗機を標準採用できるキッチンメーカーが非常に少ないというデメリットがあります。他のキッチンメーカーでも導入はできますが、食洗機の面材と他の場所の色や模様が異なってしまったり、下の蹴込みが合わなくなって見栄えが悪くなる恐れがあります。
電気代が少し高いというデメリットもあります。ただし1回あたり数十円程度なので、それほど気にする必要はないです。また、容量や洗浄力は海外製に比べると劣りますが、国内製よりも容量が大きく、海外製にはない乾燥機能が付いているので、ちょうどいい塩梅です。
深型食洗機とフロントオープンの容量比較
フロントオープンに入っていた食器を、リンナイ製の深型食洗機に移してみました。綺麗に入れても、2~3人分くらいは溢れてしまいます。子どもの人数が多い家庭の場合、フロントオープンの方が容量的に使いやすいですよ。
まとめ
食洗機の選び方と比較
- 食洗機の選び方
①サイズ容量→国内製(深型) or 海外製 or フロントオープンがおすすめ
②洗浄能力→予洗い必要でも問題なし
③乾燥機能→あった方が便利
④導入コスト→海外製はキッチンのグレードアップも必要なので注意 - 食洗機のタイプ別比較
①国内製浅型食洗機→非推奨
②国内製深型食洗機→ちょうどいい塩梅なので推奨、容量は少し小さめ
③海外製食洗機→洗浄力優先の人向き
④フロントオープン→バランスが良いため推奨